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空を震わすほどの悲鳴に黄金の葉が揺れて落ちた。引き抜かれた槍の先から払い落された赤い血が、まるで木の実のような玉となって葉の上を転がる。
男、女、子供、老人……。グラビティ・チェインを包括する肉袋であればなんであれ、ヴァルキュリアたちは槍で貫いて回った。固くこわばった青白い頬に、血の涙をとめどなく流しながら。
一体の戦乙女が槍を下げて、泣き声のする倒れたベビーカーに歩みよった。すぐ隣に女の死体が倒れている。母親だろうか。
槍の先でベビーカーの幌をひっかけて起こす。中にふっくらとした頬を真っ赤にして泣く赤ん坊がいた。
降ろされた槍はベビーカーごと赤ん坊を貫いて、芝に突き刺さった。
振り返ってみれば、一緒に公園に舞い降りた姉妹たちもまた、血の涙で頬を穢しながら人間を狩っていた。
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「みなさん、大変です!」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は声を震わせた。
城ヶ島のドラゴン勢力との戦いも佳境に入っている所で、エインヘリアル勢が大きく動き出すという。
「鎌倉防衛戦で失脚した第一王子ザイフリートの後任として、新たな王子が地球への侵攻を開始するようです。ザイフリート王子の配下であったヴァルキュリアたちを、なんらかの方法で支配し、グラビティ・チェイン強奪のための先兵として地球に送り込んでくるのです」
セリカはヴァルキュリアを従えている敵は、妖精八種族の一つシャイターンだと言った。そのシャイターンを新たな王子が従えているのだという。
「ヘリオンはこれからみなさんを東京都府中市へ送ります。自然公園に現れて人々を襲うヴァルキュリアを撃破してください。府中駅前のビル屋上に現れたシャイターンとその配下のヴァルキュリアは、別部隊がが撃破することになっています」
次いでケルベロスたちは、ヴァルキュリアが邪魔者の排除を優先して行うように命令されているらしいことを、セリカから説明された。
ケルベロスがヴァルキュリアに戦いを挑めば、ヴァルキュリアが住民を襲うことは無いということだ。
「都市内部にシャイターンがいる限り、ヴァルキュリアの洗脳は解けません。何の迷いもなくみなさんを殺しくるでしょう」
ケルベロスから質問が上がった。
無理やり従わされているのなら、説得してやめさせることはできないか、と。
「シャイターン撃破に向かったケルベロスが、シャイターンを撃破した後なら。ヴァルキュリアに隙ができるかもしれませんね。話を聞いてもらえるかも……。ですが、あくまで可能性の話です」
操られているヴァルキュリアには同情の余地もあるが、人々の命を守るケルベロスが負けるわけにはいかない。何よりも人々の命が優先されるのだ。説得は一つの方法としてこだわらず、駄目なら心を鬼にしてヴァルキュリアを撃破しなくてはならない。
「シャイターンが撃破されれば恐らく、ヴァルキュリアたちの行動に何らかの変化が出るはずです。例えば、洗脳に逆らって、仲間の愚行を止めようと攻撃するとか。またはシャイターンが連れれていたヴァルキュリアが援軍としてやって来るかもしれません」
セリカはそこで一度言葉を切ると、ケルベロス一人一人と目を合わせていった。
「……ヴァルキュリアたちを説得するつもりなら、攻撃を手加減する必要があります。かなり難しい戦いになるでしょう。もう一度、いいます。ケルベロスとしての使命を最優先にして戦ってください。人々を守りぬいて、なお、彼女たちを助けることができるというのであれば……みなさんにお任せします」
参加者 | |
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三条・翼(地球人の刀剣士・e00373) |
キシュカ・ノース(眼鏡のウェアライダー・e02557) |
ミチェーリ・ノルシュテイン(フローズンアントラー・e02708) |
氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716) |
ユーベル・クラルハイト(マルチレイヤストラクチャ・e07520) |
フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983) |
ブランネージュ・ヴァイスブリーゼ(白雪風の幻影・e17167) |
荊・綺華(エウカリスティカ・e19440) |
●
キシュカ・ノース(眼鏡のウェアライダー・e02557)はヘリオンを飛び出した。
冷たい風が頬を打ち、聞こえてくるこどもたちの泣き声が胸を刺す。
思い出す。戦いの中で両親を失ったあの日のことを。
キシュカは赤毛のヴァルキュリアと親子の間に着地するや、両脇に吊るしたホルダーから銃を抜いた。
「あの時の私には孤児院の皆が居た。私は誰かの傍に居られる人になると決めました。だから貴方達の傍で貴方達を止めてみせますよ」
振り上げられたゾディアックソードに、二つの銃口を向けて引き金を絞る。
刀身に強い衝撃を受けた赤毛のヴァルキュリア――テッレルヴォは、剣を掲げたまま体をくるりと返した。
正面が向いた先に、ユーベル・クラルハイト(マルチレイヤストラクチャ・e07520)とボクスドラゴンのドラゴンさんが着地した。
ユーベルに振り下された弱々しい一撃を、横から割って入ったドラゴンさんが爪ではじき返す。
ユーベルは、弓につがえる矢に苦痛と涙の記憶を宿らせた。
『想いはずっと、この胸に』
ダモクレスに何度も洗脳実験に掛けられたあげく失いかけたものは、デウスエクスたちと戦うための強さとなって、胸の奥で光を放っている。
だからこそ、ユーベルが放った一矢は重かった。
一度ならず二度までも。道化のようにキリキリと回し踊らされれば、たとえ洗脳を受けていようと誇り高き戦乙女が激昂せぬはずがない。
――が。
「思いが……届かなかった?」
テッレルヴォは顔色ひとつ変えず、芝に切り込んだ剣を持ち上げると、ゆっくりと正眼に構えた。
フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)は、キシュカの背に庇われていた親子に手を差し伸べて立たせてやると、騎士らしく凛として、急いで公園を出るよう促した。
逃げる人々の流れに方向性が出たことで、テッレルヴォ以外のヴァルキュリアたちがケルベロスたちの存在に気がつき、向かってきた。
「鎌倉前哨戦では策を練ってなんとか撃退したヴァルキュリアが三体……気を引き締めねばなりませんね」
虚ろな目を女騎士へ向けて、テッレルヴォが芝を蹴る。
フローネは狼の咆哮を伴う流星の一撃を、紫水晶の盾で受け止めた。そのまま互いの息がかかるほど顔を近づけて睨みあう。
「血の涙を流す程の『ココロ』が、あなたにもあるのでしょう! 抗ってみせてください!」
叫びながら盾を押し出して、テッレルヴォを突き離した。
ミチェーリ・ノルシュテイン(フローズンアントラー・e02708)は、恋人と戦乙女が離れると、すぐに冷たい弾丸を吹雪かせた。
「貴女がたが私達と戦い続けてきたのは、使命に殉ずるがゆえだったのでしょう! ただ支配されるがまま殺戮に手を貸すのなら、もはや貴女がたは戦士ですらない!」
抗って。
抗いなさい!
説得の言葉を重ねるふたりを狙って、上空でヴァルキュリアが妖精弓を引く。ヴィルヤだ。
「危ない、ミチェーリ!」
とっさに庇ったフローネの胸に矢が突き刺さる。
ミチェーリは後ろへ倒れる細い背にあわてて腕を伸ばすと、胸に抱き寄せた。
「吹き渡れ、白雪風よ。我が身に宿りし癒しの気を乗せて!」
ブランネージュ・ヴァイスブリーゼ(白雪風の幻影・e17167)が淡く光る癒しのオーラを、魔矢に倒れた仲間へ粉雪のごとく降り注ぐ。
「一体に集中しすぎてはダメよ。みんなも気をつけて」
通りのよい声で全員に注意を促すと、耳に装着した受信機へ手をやった。戦いはまだ始まったばかりだが、いつシャイターン討伐に向かったチームから連絡が入るか分からない。聞き逃しは避けねば。
「ブランネージュのいう通りだ! 焦りは禁物だぜ」
三条・翼(地球人の刀剣士・e00373)はエアシューズで芝を薙ぎながら仲間の前に出ると、手の内で柄を回して斬霊刀の刃を返し、テッレルヴォを峰打ちにした。
倒れたテッレルヴォに近づいて気絶を確認すると、翼は槍ごと突っ込んでくる三体目――マルヤに向かって吼えた。
「不本意な戦いなら、何が何でもあがいてくれ! 仲間を守りたいなら俺達が代わりに守ってやるぜ。自分を止めて欲しいなら俺達が止めてやる!」
腕を広げて立った翼めがけて、氷を纏った槍が突きだされる。
(「また面倒なことになる前に……って、もうなってるか」)
避難誘導を終えた氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716)が、仲間たちの元に駆け戻ってきた。
状況を把握するなり急いでドローンの群れを集め、自分たちと翼の前に出て盾になれと命じた。
ドローンの一体がマルヤの槍に弾き飛ばされ、槍にまとわりついていた氷が衝撃で砕け散る。
氷は無数の薄い刃となって、ケルベロスたちの体を切りつけた。
上空のヴィルヤが太い三つ編みを垂らした背に腕を回し、筒から矢を抜きだした。
荊・綺華(エウカリスティカ・e19440)は、胸の前で手をあわせて祈った。
『天におられる……わたしたちの父よ……み名が聖と……されますように……』
綺華の願いを聞き届けた英霊たちが、天の高きところから黄金色に輝く加護のオーロラを降ろす。
矢は揺れ光るひだに触れて方向を変えると、ドローンを砕き、かぐらの腕をかすめていった。
「ばすてとさま、お願い……します」
「ミャウ!」
綺華の相棒が、心得ていますよ、と金の目を細め、茨のリングをはめた黒い尾をふるう。
爽やかな風が吹き、かぐらの腕の傷が癒えた。
「ありがとう」
かぐらはバスターライフルを構えると、みんながマルヤ一体に集中できるようヴィルヤに牽制射撃を行った。
狙いをわざとそらされたことも分からず、恐れをなした戦乙女が空高く逃げ上がる。
恋人の肩を借りて立ちあがったフローネは、首を巡らせて戦況の把握に努めた。空に予言された援軍の影はなかったが、念のためブランネージュに確認を取る。
「連絡はまだありませんか?」
「まだよ」
短い返答を受けて方針が定まった。
「ありがとう、ミチェーリ。もう大丈夫です。でも……傍にいてくださいね」
心強い頷きにはにかむと、仲間たちへは強い光を宿した目を向けた。
誰に指名されたわけでもないが、司令塔としてこの地に降り立ったという自負がある。その自分が愛する人を守るためとはいえ、敵の攻撃を受けて倒れてしまったことが悔しかった。もう、二度と過ちは犯さない。
「援軍が来る前にマルヤを落とします。私とミチェーリが仕掛けますので、ノースさんと三条さん、クラルハイトさんはディフェンスをお願いします。氷霄さんと荊さんは引き続きヴィルヤの牽制を。ヴァイスブリーゼさん、テッレルヴォが目を覚ましたらすぐに教えてください。それと――」
言い終える前に、マルヤがケルベロスたち目がけて突っ込んで来た。
●
翼は落ち着いて前へ出ると、斬霊刀の切っ先で凍りついた槍先を叩き落とした。
また氷片が飛んできたが、今度はどこも傷つけられなかった。かぐらと綺華のおかげで防御力が上がっているようだ。
勢いのまま脇を通り過ぎていく戦乙女を微笑みで見送る。
「いいね。この分なら最後まで立っていられそうだ。で、それと――の続きは何かな?」
「れ、連絡が来たら直ちに知らせてください」
「念押し無用。ほら、ちゃんとヴァルキュリアたちの動きを見てなさいって!」
ブランネージュが空の上から怒鳴る。
たたらを踏んで立ち止まったマルヤが、体勢を整え、槍を回して構えた。
先を綺華にむけ、体を低く屈める。
「ノースさん、止めてください!」
フローネが迎撃に最も適した位置にいるキシュカへ指示を出す。
「了解」
キシュカは残っていた弾をヴィルヤがいる方角へ向けてやみくもに撃ちだすと、空になった回転弾倉に理力で麻痺成分を強めた弾丸を装填した。
『とっておきです!』
この弾丸は作成するのにとてつもない手間と金がかかるので、そうそう使えない。まさしくとっておきだ。
だからというわけではないが、この一発で痺れてくれなければ困る。
念が通じたか、銃撃を受けたマルヤはたちまち動きを鈍らせた。
戦乙女たちの頬から流れ落ちる血は、白銀の鎧を穢し、黒く乾いて輝きを奪っていた。鎧が血で塗り固められてしまえば、彼女たちの心はもう……。
ユーベルの心がキリキリと痛む。目の前にそうなってしまったかもしれないもう一人の自分がいる。
「マルヤさん、お願いです。戦ってください。私たちとではなく、あなたの体を支配している者と」
横に振られた槍を左腕で受けると、ユーベルはマルヤの脇腹を鋭く蹴った。
よろめいたところへ今度は、フローネがジャンプして肩に重い蹴りを見舞う。
たまらず膝を芝に落としたところへ、ミチェーリが首の裏に軽く手刀をあてて気絶させた。
残るは空にヴィルヤ一体。
かぐらたちの威嚇が効きすぎたのか、降りてくる気配がない。
もともとヴァルキュリアにしては臆病な性格なのだろう。シャイターンに支配されていても、根の性質まで変わるわけではないようだ。
「そんな遠くからじゃ当たりませんよ? 降りてきてはいかがです?」
キシュカが挑発するも空振りに終わった。
意思の疎通ができぬものか、とあれこれ試すが反応がない。
「やは……り、だめ……なので……しょうか?」
血の雨を白い頬で受けながら綺華が呟く。
「悲しい……です。このまま……終わらせたく……ない……」
無情にも弓が引かれた。
綺華に向かって落ちてくる矢を、カバーに入ったかぐらが腕で受ける。
「悲しむのは後! シャイターン撃破の報もまだだし、これからじゃない?」
「そうさ。と、ふたりから武器を取り上げておいたよ。テッレルヴォのほうはそろそろ目を覚ましそうだったしね」
翼はふたご座のシンボルが刻まれたゾディアックソードとヴァルキュリアの槍を芝に置いた。
何か策は、とフローネへ顔を向ける。
「作戦と呼べるほどのものではありませんが……。ヴァイスブリーゼさん!」
「はいはい。私が上から追いた――あ、待って!」
ブランネージュの顔が強張り、緩みかけていた場の空気が一気に緊迫した。
●
ブランネージュの耳にシャイターン討伐チームの一人、タニア・サングリアルの声が響く。
――二体のヴァルキュリアが飛び去ったのを確認したのです。皆さん、どうかご武運をっ!
「わかったわ。報告ありがとう。そっちこそ、頑張ってね!」
割り込みヴォイスを使って仲間全員に伝える。
「飛び去った方角からして、こっちに一体来るみたいよ」
言い終えるとすぐに高度をとった。
下で激を飛ばすミチェーリの声が小さく聞こえる。
「覚悟はいい? いまからあんたの偽りの未来、撃ち抜くわ!」
ゆっくりと顔を上げた戦乙女へ銃剣を向けた。
自由意思を奪われたまま倒れるのは本意ではなかろう。この私が、心を覆うシャイターンの影を消し飛ばす。
弦から指が離されるよりも早く、銃の引き金を引いた。
落ちるヴィルヤ追いかけようとした時、背筋をゾワリと冷たいものが駆け上がった。
振り返ると、遠くの空から近づいてくる飛行体が――新手のヴァルキュリアだ!
降りて仲間とともにヴィルヤを相手取るか、それともここで新手を待ち受けるか。
迷っているうちに赤毛のヴァルキュリアが体ごとぶつかってきた。最初に気絶させたテッレルヴォと顔がよく似ている。絡まりながら落下するなかで、相手が持つ剣に目を向けると、やはりというか、刀身にふたご座のシンボルがあった。
背中から芝に落ち、互いの体が離れる。
ドラゴンさんとばすてとさまがやって来て、受けたダメージを消してくれた。
ユーベルが赤毛の戦乙女に名を尋ねた。
「乙女よ、あなたの名前を教えてください」
返ってきたのは言葉ではなく、斬撃だった。
追撃の気配をみせたヴィルヤを、かぐらがフロストレーザーで威嚇する。
「まだシャイターンは撃破されていないの?!」
ブランネージュは首を横に振った。
逃げて来たところを狙って、キシュカがヴィルヤを撃ち落した。
フローネは盾でふたご座の剣を受け止めると、ドローンの群れに周りを囲ませた。ドローン間にプラズマ結界が生じ、赤毛の動きがぴたりと止まる。
「『紫水晶の盾』にはこういう使い方もあります……ミチェーリ!」
「その隙は逃さない! 後は任せて!」
恋人が両腕を構えたと同時に、フローネがドローンの結界を解く。
「さあ、白き怒涛に呑まれなさい! “лавина(ラヴィーナ)”! 」
冷気の奔流に流されて、赤毛が凍りついた。
そこへ、吉報が飛び込んできた。
――シャイターンを撃破っ! もう戦乙女を縛る物は何も無くなったのですよ!
「思ったより早かったわね。やるじゃない。こっちも頑張るわ」
ブランネージュはちょっぴり強がって返信したが、それは待ち焦がれていた報告だった。
「さて、ひとまずあんた達を縛るものはなくなったはずだけど……まだ戦う?」
●
互いに睨みあったまま、じりじりと時間が過ぎていく。
意識を取り戻したテッレルヴォが首に手を当てて立ちあがった。
相変わらず目から血を流しているが、顔に感情が現れていた。剣がないことに狼狽えつつ、倒れているマルヤへ顔を向ける。それから赤毛のヴァルキュリアへ視線を巡らせた。
「……メッツァラ?」
名を呼ばれた赤毛は、何を血迷ったかテッレルヴォに切りかかった。
綺華が機敏に動いてブロックした。顔にかかった血を涙で流す。
「とても……悲しい顔です……こんなこと。誇りを……取り戻すために……あなたさまの力……使うです」
「そうです! 私達が戦う理由はもうありません!」
叫びながらユーベルは頭をおこしたマルヤに手を差し伸べた。掴まれた腕を強く引かれ、倒れる勢いで投げ飛ばされる。
マルヤが槍を取り返そうと腕を伸ばす。
キシュカが銃で槍を撃って遠ざけた。
ヴィルヤも混乱していた。
妖精の祝福を宿す癒しの矢を、剣を構えた翼に当てる。
「心配してくれるのか、嬉しいね」
翼は呑気に笑って見せると、メッツァラに切りかかった。
「洗脳は解けかかっている! 言葉を!」
――わたしが……あなたさまを愛します……。
――だから、あなたさまも……地球を愛して。
――私達の仲間になって下さいませんか。
――ザイフリートを、貴方の、私の仲間たちを助けるために!
綺華とユーベルの言葉に心を揺さぶられ、メッツァラは剣を落とした。
それから間もなくヴァルキュリアたちはケルベロスに降伏した。
●
四体のヴァルキュリアのうち、三体が去っていった。最初に飛び立ったのはマルヤだ。次にテッレルヴォ。メッツァラは残りたがっていたが、双子のテッレルヴォがザイフリート王子を助けに行くというので行動を共にした。
「ヴィルヤさま……わたしたちと共に……来てください……ますか?」
「優しい言葉をありかとう。あなた方ケルベロスとともに、どこまでも」
作者:そうすけ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2015年12月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 3
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