「みんな久しぶり……元気だった?」
大神・ユキ(鉄拳制裁のヘリオライダー・en0168)の声に頷く者、笑い返す者。様々な反応がある。
アダム・カドモンとの最終決戦、ケルベロス・ウォーに勝利して四か月が過ぎた今、新型ピラーの開発は順調に進んでおり、ダモクレス本星マキナクロスにおける、番犬達の居住区の建造も形になってきた。
「それで、今年のクリスマス頃には大人しくなったデウスエクスと、ケルベロスの希望者を乗せ、外宇宙に出発できると思うんだけど、これって『宇宙に異常をもたらすデウスエクスのコギトエルゴスム化の撤廃』の為に、『新型ピラー』を見た事もないデウスエクスの惑星に広めにいくっていう、とんでもない旅になるの。もともとのマキナクロス住人だったダモクレスのみんなはもちろん行くし、最後の戦争の後に降伏してくれたデウスエクスのうち、『地球を愛せなかった人』達も一緒に行く予定だよ」
一瞬だけ、ユキの目に寂しげな光が灯る。もうすぐ共に戦った番犬達とのお別れになる……かもしれない。その想いを胸に秘めて、太陽騎士はその名に恥じぬ笑顔を見せた。
「そこで!旅に出る前に、マキナクロスのお披露目を兼ね、ケルベロスが世界中を巡ってハロウィンのパレードを楽しもうって事になったの!宇宙に出る人も、そうでない人も、思い出の一つに……どうかな?」
誘いに乗ってくれた番犬達を前に、ユキは何故か日本地図を取り出して。
「でね、せっかくだから私からは日本縦断を提案したいの!」
なんで世界を巡ることができるのに、あえて日本なのか、と思う者も少なくなかったが。
「ずっと、戦い続けて来たんだもん。改めてみんなが守り抜いたこの国を、忘れないように焼き付けて欲しいなー、なんて……なんかごめんね!?」
自分で言ってて照れくさくなったのか、薄紅に染まるユキは咳ばらいを一つ。
「とにかく!北海道から沖縄まで、ビューンって見て回って忘れないでほしいなって!!」
と、ごまかすように言い切るユキだが、いつもなら傍にいる強面とか脳筋人馬の姿がない。
「あ、凶はちょっと人前に出られない状態なの。まぁ、「十中八九食材が足りなくなる……」って虚ろ目でハロウィン用にお菓子の材料買いに行ってたから当日には来ると思うよ。ブリジットちゃんは「こだわりの武具を作る!!」って変な趣味に目覚めて鍛冶を始めたみたいだけど……何故かアクセサリ作りにはまってて……」
半眼で目逸らしするユキを見て、番犬達は思う。「最後までしまりのない連中だなぁ……」と。
「そ、それでね……」
と、ユキは番犬達の手元をちらちら、にこー。
「夜空の結婚式って、どう思う?」
突然の確認に疑問符を浮かべる番犬と、何かを察した番犬に二分された。
「今回の旅は北海道から始まるけど、そこで凶が大量に食材を仕入れてくれるの。基本はお菓子だと思うけど、多少は料理も出ると思うんだ。それで、ブリジットちゃんがアクセサリ作りがマイブームだから、指輪も作れると思う。つまり……」
これを機に、番犬同士で挙式するのはどうだろうか、との提案らしい。しかもその式場はパレード中のマキナクロス、バックは夜空と雲海と来た。
「プロポーズっていう名前の、最高のトリック、してみちゃう?」
少しいたずらっぽく微笑む白猫に、一部の番犬達は目を見合わせて、赤くなりながらパッと顔を背けるのだった。
「いろいろな事がありました……」
夜の日本上空を飛ぶ戦艦の上。リュセフィーは過去を想う。
「始まりは、温泉でしたか」
それが最初の『お仕事』だった。確か、誰かの誕生日だったはずだ。けれど、番犬の日々は平穏には程遠く。
「ジャバウォック……」
民間人を救うことを最優先し、番犬が敗北を喫した一件……いくつもの戦いを経て、リュセフィーはここに在る。
「終わったんですね……」
番犬としての日々を偲び、彼女は微笑むのだった……。
「結婚式……大人になったらやってみたいかな―……」
真っ赤なカボチャ意匠の仮装をした天音が零したのは、そんな願望だった。タルトを頬張っていたその視線が、量産型ダモクレスの一体に止まると。
「みんな同じ顔だけど、段々個性が見えてきたような……?私はまだ変わってない気がする……」
モンブランを口にして、頬に触れる……自身が変化する事を理解していながら、実感できていないのか……。
「あの人に告白……したい……」
その胸の内、確かに変化は起こっていた。
「これからのことを考える前にまずご飯を食べよう」
え、まだ食うの?
「俺の仮装って言ったら、『ラッキーフタバ』のお面だぜ」
ピンクドレスに少女面付けてるから暴走かと思ったぞ、双吉。
「借金もなくなったから、お菓子をくれてやることもできる!」
来世に至る前に子ども達に囲まれる未来を見て満足気な双吉だが、胸中にはもう一つの想いがあった。
「『創世忍法・暗天開闢の術』の基盤、銀河創造を目指すこの種火が育てば、いつか螺旋の星・スパイラスを復活させるかもしれねぇ……俺一人の力じゃ無理だとしてもよォ、遠い世界の技術を重ねていけば……」
満天の星空の煌きに、螺旋を求めて。
「仕事を紹介してくれたダチには悪いが……いくか、宇宙」
双吉は進む。失われた輝きを求めて、漆黒の道へと……。
「たまには本能的にここから飛び降りたいです」
「大体ヤバいよ?私も料理関連で何度も面倒なことになったし……」
遠い目になる璃音に苦笑した屏は、彼女の頭を撫でて抱き寄せる。璃音は導かれるままに彼の温もりを享受していたが。
「思う存分騒いで、別れを悲しまないようにしましょう」
「うん、思い出を残していきたいね。本当……色々あったし……」
不意に、屏はくるっと番犬達に向かい。
「年内には璃音と幻想武装博物館で結婚します。その時は招待状を送りますので、ぜひ来てください! 」
「もう、屏ったらいつも突然なんだから……」
暖かな拍手に包まれて、璃音は照れくさそうに眼下の街並みを示して。
「せっかくだしどっか降りてみようよ!みんな楽しそうだし!」
「そうですね……では……!」
万能戦艦からの飛び降りはご遠慮くださいねー?
「世界がどう変わろうと俺がやる事は変わらないのさ……なんてな」
などと蒼眞がユキの胸にダイブ!
「にゃんでっ!?」
ペチャパイに頬をすりすり……かーらーの。
「この……ド変態ッ!!」
片手を掴み、身を捻って回転。顔面から床に蒼眞をシューッ!!
「鼻が……二次元に……!」
「本ッ当に変わってないんだから……今まで何してたの?」
「大学卒業して、今は何でも屋の真似事をしてる。警備の類やヒールでの修理は勿論、通訳とか、危険な場所での作業やスタントマンの真似事とかね」
「堅実……!?」
「何故驚く!?」
日頃の行いは大切。リプレイにもそう書いてある。
「なるほど、大神さんをお持ち帰りするチャンス」
ミリア、何かが違うぞ!?
「大丈夫です、猫さんが喜ぶポイントを的確にマッサージしますから」
「ひっ!」
尻尾を膨らませたユキが振り返ると。
「さぁ毛繕いしましょうねー」
キラキラした笑顔のミリアが猫缶と某液状猫飯を取り出して。
「どちらがお好みですか?」
「私は猫じゃないってば!!」
首を傾げたミリアが耳をくにくに、尻尾をもふもふ……。
「猫ですね」キリッ!
「そういう意味じゃないよぉ……」
猫の感覚器は敏感だからマネしないようにね!
「最後のハロウィンっすね」
「よっし、ユキちゃんに悪戯だ」
魔女衣装に竹箒を装備して白シーツを被った結里花と、ユキの衣装を着たユーフォルビアが突撃。
「ユキちゃんのコスプレだーっ!一部が仮装になってない?気にするな!」
「……ソウダネ」
ユーフォルビアに頬をむにられつつ、二人の違いに虚目になるユキに結里花が肩ポム。
「トリックオアトリック!悪戯させろーっす」
「慰めてくれないの!?」
「……て、事があったっす」
「お、おぅ……」
結里花が凶にお菓子をもらっていると。
「何かな~い~?」
「え?」
ユキの声真似をするユーフォルビアに振り向いて。
「隙ありっす!」
結里花が凶のシーツを強奪!すると、凶は真っ白になっており。
「イメチェン?」
首を傾げるユーフォルビアがお菓子をもらうと、結里花が懐をごそごそ。
「百合の花の指輪っす。友情の証っす。いつか離れ離れになっても、自分たちは断金の友っす」
「ボクからも友情の証としてこれをね」
結里花に自分と同じ名の花が刻まれたリングを握らせて。
「離れ離れでも、ね?」
絆の証に、指輪交換を果たす二人なのだった。
「お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ~お菓子が足りなくなっても悪戯しちゃうぞー」
「新手の脅迫!?」
エヴァリーナの襲撃に、凶が備えていた山盛りのクッキーだが……。
「お代わり!」
「ちゃんと味わってます!?」
「美味しい物はたくさん食べられるから……!」
と、エヴァリーナに肩ポム。
「お菓子が欲しいのね?」
激辛の魔女、アウレリアさんだ!!
「ちょ、待っ……!」
赤いお菓子がエヴァリーナをKO!!アウレリアは調理場に入り。
「お手伝いを……え、大丈夫?」
「最大の脅威が排除されましたから」
「そう……せめて、差し入れだけでも」
「あ、ありが……ん?」
渡された物は毒物保管用のケース。中身を番犬すら屠る激辛料理と予測し、冷や汗が伝う。
「義妹も大学卒業と同時に結婚予定だし、皆、様々な道へと進んで行くのね。私も悩んでいたのだけれど……激辛唐辛子の栽培家や料理研究者の方々と共に邁進していくつもりよ」
アウレリアは寄り添う夫の顔を覗いて。
「愛する人に、食事を作り続ける為にも、ね」
アルベルトは分身するほど震えていたとか……。
「ユキちゃん!!」
復帰したエヴァリーナはユキに泣きついて。
「私のお財布事情とフォロワーさん達のため……お着替えよろしくね?」
本日は蝙蝠レースの黒いドレス。ほぼシースルーな上に、下着とセット……つまり、隠す気がない。
「トリック&ユー!ってコンセプトのデザインでね?」
「うん、ヤダ」
「なんで!?」
そんなエヴァリーナは、最後はブリジットの手元を覗き。
「ブリジットちゃん特製アクセもうちのブランドと提携できないかな」
「コレを売るのか?」
「これは食費とフォロワー獲得になる!」
「そ、そうか……」
凶が両片思いの二人から相談を受けたのが四年前、そして今……。
「去年の超会議の時にプロポーズして挙式しまして」
「凶さんのおかげで私達、最高の人生を歩むことが出来ています」
「なんと!?」
真白と小熊の結婚報告が届き、凶が驚愕と共に祝福。
「無事ゴールインを迎えて幸せな家族計画を押し進めている最中、凶さんに改めてお礼と結婚報告をすべく参りました」
「良い機会なので凶さんにお礼の品をお渡しできればなと」
パンプキン味の熊ノ湯特製饅頭と熊ノ湯特製牛乳、そして結婚写真を受け取れば。
「ブリジットさん!額縁作れます!?」
「それ装飾品か!?」
で、銀細工のフレームに納まった純白のドレス姿の真白と、空色ドレス姿の小熊の写真が調理場に。
「様々な苦難があると思いますが、真白ちゃんの背中を精一杯支えていきたいと思います」
「今は家族を増やしたいな、熊ノ湯の輪を広げたいな、と頑張ってる最中です」
腕を組んだ二人は身を寄せ合うのだった。
「はろはろー、こんな隅でどうしたの?」
へにょん中のユキへ、永代は南瓜たい焼きを手土産に。
「……隣、良い?」
ユキは町の輝きを、永代は夜空の煌きを見つめて。
「前は冗談だったけど……やっぱ宇宙に行くよん」
ユキはたい焼きで口を塞ぎ、何も言わなかった。
「俺は途中で定命化した者。両方の気持ち分かるから、勝ち取った平和を維持出来るようにってねん」
「……そっか」
笑おう。太陽騎士とは、番犬を送り出す者……。
「って、この前和解した子と友達に話をしたら怒られちゃってさ。個人的なワガママを優先した方が俺らしいって」
「え!?」
永代の方が、先に笑いだす。
「改めて悩んでみたらさ……君の側に居たい、って想いの方が強くてねん」
一つ、深呼吸。びっくりして振り向いたユキを見つめて。
「……居させて欲しい。この先、君の隣に、近くにさ。君が居なきゃ面白くはなさそうだしねん」
「……バカ」
視線を外したユキは、永代へ身を寄せるのだった。
「わしには守護する里があるからの。蘆原中津に留まるつもりじゃ」
凶と並んで座り、語っていた括が練り切りを差し出す。
「お疲れ様なのじゃ」
「おや、ありが……」
「受け取ったな?」
括はカメラと悪戯顔を向けて。
「今宵ははろいん……これでわし『ら』は菓子、お主は悪戯……」
「凶さんを担ぎ隊出陣!者共かかれー!!」
あすかの号令で緋色蜂師団が動き出す!
「ヒャッハー最後の祭りだァー!!」
計都の声に合わせて胴上げが凶を襲う!!
「騒ぎたいのも胴上げしたいのもわかりますけど……!」
「また和奏のお説教が……」
呆れた翼の傍ら、和奏がハッとして。
「別に止める理由がないのでは……?」
「揺らぐなよ!?毒されすぎだよ!」
おめめぐるぐるな和奏に翼がツッコミを入れる始末……。
「たとえ世界が平和になろうとも緋色蜂スピリッツは滅びぬ!」
この企画のまとめ役、あすかが笑って。
「よし、じゃあ近況報告でも……」
突然やめるから全員やめて、凶は落下。
「俺はマキナクロスに戻る。この国、いや、星も後二ヵ月でお別れだ」
語り始めたのは鋼だ。尊厳を守るために同胞を破壊する。機械的でありながら、機械とはかけ離れた男。
「長い長い……本当に長い遠回りだった。それでも辿り着いた。あの方の命と引き換えに……為すべき事を為さねばならん。アダム・カドモン様の魂へ報いる為に」
「え、あの、放置?」
床で伸びてる凶を見降ろし、鋼はフンスと腕を組む。
「湿っぽいのは無し、往時の騒がしさと空気の読めなさで行く。そう決めてこの場にいるからな!大体そんな感じで皆が騒いでいたのが俺の知る緋色蜂師団だ……美化し過ぎかもしれないが、楽しかったよな」
願わくば、その鉄面の下が微笑みであるように。
「君も最後まで大概だなぁ」
凶をグリムが助け起こすが、はっとして。
「シドレクスさんが常識人枠……!?」
「安心したまえ、私はおかしいよ」
グリムはアッシュの髪を伸ばした灰の瞳を持つ紳士の姿であり。
「普通にやるよ。緋色蜂もぼちぼち店終いだからね、ちょっとした思い出も増やしておかないと」
宇宙へ旅立つ側かと思いきや。
「その辺にいたりいなかったりするさ。ざっくり言って地球の何処かだね」
「範囲広いですね!?」
凶のツッコミに、グリムは夜空を指して。
「ほら、黒鉄君なんかは宇宙の彼方だろ。それを考えたら、オゾン層より下なら近いさ……私は当分、この世界を見て回るよ。いずれまた会えるだろう」
などとグリムは手を振り。
「ほら、君の話を聞きたい勢が突撃してくるぞ。備えろ!」
「てややー!!」
最初の刺客は背後から来た。
「よつやんの背中はボクのものだ!」
「何故!?」
凶の背中をよじ登る和が料理を示して。
「よつやんパパー、おなかすいたー」
「そこで食べる気ですか!?」
「よつやんパパー、のどかわいたー」
「なら降りましょう!?」
ジュースを持たせると和は凶の髪をつまんで。
「なんで真っ白になっちゃったの?」
「突然戻ってしまって……」
「戻って?」
首を傾げるバラフィールだが、彼女には心当たりがあった。
「その後検査は?」
「むしろ寿命が延びたとか……まずは白髪染めですかね?」
見れば、凶の瞳も青く変わっている。
「そうですか」
淡く微笑み、バラフィールは確信する。凶の身を蝕んできた二つの病を、先日のスルト戦にて『根絶』したことを。
「あれから大分経ってんだし、誰か一人くらいは進展あったんじゃないの?」
ここであすかが火種を投擲するから、和に引火!
「よつやんパパはお嫁さんはもらわないのかー?自分の幸せとか考えた方がいいんじゃなーい?」
「私よりも立花さんでは?そろそろ旦那さんを……」
「逆じゃないか!?」
和が凶の頬をつついていると、矛先が恵へ。
「その恰好……」
「い、いやいやちゃんと仮装だろ!?」
黒猫の耳をつけて、純白のレース生地に花を咲かせる意匠のトップスに、下は膝上のミニスカートを包むパレオのようなレース。美しさの中に肌を見せるエロスを備え、夜風から体を守るデザイン。
「と、とにかく近況だろ!?」
恵は腕を組んでごまかすと。
「宇宙の冒険も楽しそうだけど、店の準備も出来たことだし俺は地球から皆を見送ろうかな」
笑う恵に、手を挙げ応える鋼。緋色蜂から旅立つ者がいると、実感した恵は話を逸らすように。
「あとはみんなの話を聞く方に回るよ。まぁ、いつかは俺だって……とは思うけどさ」
そのお相手は……。
「女の子だよ!変な事匂わせないでくれ!!」
こほん、咳払いして仕切り直し。
「参考に話聞かせろよー、凶、計都、あすかも!!」
「俺が先陣を切りましょう……というわけで、はい」
計都め、『俺』にネタを振る気か!?
「さぁ、どうぞ!」
計都は嫁との特別感情が『私達結婚しました』になってやがる……!
「まさに見ればわかる、の極致!」
ドヤァ……!した計都が今度は、デレッ。
「式はもう少し落ち着いたらかな、と。白無垢かドレスかも悩みどころで……こんなに嬉しい悩みってそうそう無いですよね」
未だに決めかねている計都は、腕を伸ばし。
「俺は惚気けましたよ!四夜さんはなにか無いんですか?」
「これが最後になってしまうかもと思うと、少ししんみりしてしまいますね~」
若干棒読み気味で、ノアルが聞き耳を立てていると。
「……無いですねぇ」
困ったように、笑った。
「で、では!四夜さんはこれからどんな人生を歩む予定なんでしょうか?お聞きしたいです!」
「とりあえず、免許の更新からですかね……」
「……免許?」
車かな?と、きょとん顔のノアルだが。
「教員免許ですよ。生徒が怖がるって不採用でしたが……」
「なるほど……ところで、お願いがありまして……」
苦笑する凶を前に、ノアルは両手を握り。
「四夜さんの歩む道の隣に居させてもらえないでしょうか」
その瞬間、戦慄が走る……!
「まっまずはペンフレンドからお願いします!」
返事が来る前にノアルが真っ赤になり、連絡先を交換すると。
「よつやぁん!!」
「なんですか!?」
和がしばらく暴れていたという。
「で、あすかはどうなんだ?」
「僕?結婚はしないよ、まだ。向こうが出来る歳じゃないし」
恵に聞かれて、あすかは虚空を見上げ。
「まずは僕の実家の方に紹介しないとかな?」
あのヘタレ男子、気が付いたら左手薬指に指輪が、ってオチかな……?
「皆さん未来に向けて、色々考えてらっしゃるんですね……」
和奏が笑っていると、凶がにこー。
「次はあなた達です」
「え?……戦う事だけで、頭がいっぱいでしたし。それより、もっと熱々な人たちの話を聞いた方が楽しいのではないかと……!」
テンパり、あうあぅ唸り始めた和奏を庇うように翼が前にでて。
「姉弟揃って戦う事だけで頭がいっぱいだったし。もう将来決まってる人らの熱々な話でも聞こうぜ」
「まさか、禁断の姉弟愛……!?」
「オイコラ、砲撃ぶち込むぞ」
「翼!そこは、その恋愛脳を爆撃しますよ?とか……」
「和奏落ち着け、中身が俺より酷いぞ!?」
騒がしくなる師団の面々を眺めて、バラフィールはそっと己の胸に触れる。
「何でしょう……こんなにも幸福なのに、心のどこかに靄があるような……」
その正体を、彼女はまだ知らない……。
「これで終わりだと思っただろう?」
うん。
「私は悪を倒して正義を示すしっと戦士……なのだが、実際にリア充を爆破できた記憶がないんだよねえ」
そう語る彼は宮岸愛純。
「多少のいたずらもOK?あくまで『多少』のいたずらな!」
で。
「リア充死すべし慈悲はない!!」
全身タイツに頭だけ血涙のカボチャな愛純が襲うのは……屏&璃音夫妻だッ!
「夫妻だなんてそんな……」
璃音、お前なんで調理場にいるの?
「式への贈り物はまだ先ですよ」
「何ッ!?」
屏が背後から愛純をロック。
「はい、幸せのおすそ分け!」
と、璃音が蠢く丸生地を手に。
「小エビのバジルピッツァだよ!」
などと供述しており……。
しばらくお待ちください。
「む、惨い……」
愛純は虫の息だが、諦めてはおらず。
「まだ終わらんよ……!」
「へ?」
凶めがけて爆撃が迫る!
「何故私に……ぎゃぁあ!?」
「よ、四夜さん!?」
真っ黒焦げの凶を前にノアルが慌てるが、まぁ無事やろ!
「お次は……」
ガッ。愛純がユキと永代に迫ろうとするが、ブリジットに頭を掴まれて。
「楽しそうだな……少しかまえ」
「え、あ、許し……」
ッパァン!
作者:久澄零太 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2021年10月31日
難度:易しい
参加:26人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 4
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