夏を彩るチョコ色の肌

作者:久澄零太

「いやお前は肌っていうかチョコそのものだろ!?」
 日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)のツッコミで幕を開けました本日のレース。リア充の煌めきを表すかの如く満天の星空の下、駆け抜ける番犬の後を追います、チョコプリンなうにうに。ビターテイストで濃厚なチョコの砲弾が獲物の背中を狙う!!
「あっぶねぇ!?」
 ひらり、避けた番犬が目撃したのは、チョコと化した瓦礫。
「うそぉん!?」
「夏の暑さに肌を寄せ合うリア充共め、そんなに溶け合いたいなら溶ける体にしてくれるわ!!」
「俺は非リア充なんだけどぉおおお!?」

「皆、一応大変だよ」
 一応ってなんやねんって思う番犬達だが、大神・ユキ(鉄拳制裁のヘリオライダー・en0168)が言うことには。
「日柳さんがリア充溶かしの敵に襲われるんだって」
 日頃の行いで扱いが雑なんだなって察した番犬達だが、後ろにやべーのがいてすぐさま気を引き締める。
「恋人持ちを狙う特性があるそうで、惚気やイチャコラした話でヘイトを稼げるようです」
 事前説明でプッツンして、真夏の直射日光どころじゃない高熱を発する四夜・凶(泡沫の華・en0169)が同行ですって。
「敵の攻撃を受けると、体がチョコに覆われて動けなくなるから気をつけてね」
 行動不能系のバステをばら撒くって言う、数の暴力が通じにくい相手だから割と頭は使うんじゃねーかな。
「それじゃみんな頑張って!!」
 若干雑なノリで送り出す白猫だが、事態は急を要するのでしっかり行こう!


参加者
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)
ルーク・アルカード(白麗・e04248)
エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455)
クロウ・リトルラウンド(ストレイキャリバー・e37937)
リリエッタ・スノウ(未来へ踏み出す小さな一歩・e63102)
ルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)
ジルダリア・ダイアンサス(さんじゅーごさい・e79329)
九田葉・礼(心の律動・e87556)

■リプレイ


「大神さんをモフって、敵に狙われれば良いんですね!」
「何がどうしてそうなるの!?」
 話すと長くなるから諸々はしょって説明すると、猫ったユキがミリアに捕まり、エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455)が、あのネタと暴食の権化がツッコミに回らざるを得ないカオスという本日の太陽機。
「四夜さん、私が大神さんをお持ち帰り……じゃなかった親睦を深めるためにも、頑張って肉の壁になってください。すぐ治しますから」
「えっ」
 コイツ何言ってんだ?って顔する凶に、ユキが小さく鳴いたのだが。
「……どうしました大神さん、空腹ですか散歩ですか猫草ですか」
 ※この後めちゃくちゃ猫モフした。

「それじゃ……よろしく……」
「これはこれでどうなのかなぁ……」
 ミリアから解放されたユキはぼっさぼさの頭のまま、鈴菜の頼みに渋い顔。
「これも……救援のため……」
 それに、と鈴菜は言う。
「降下までに時間かけ過ぎたから……急がないと……」
 お気づきだろうか?太陽機が現場上空まで来て、ユキがモフられてた関係で話が進んでいないということに……。
「そ、そうだね……じゃあ、速度の為に……!」
 と言うわけでカメラは地上に向かいまーす。
「リア充を爆破するのに人気の全くない方へきてどうする!?それ以前に独り身の俺を襲撃して何の意味があると!?」
 なんか既に満身創痍っていうか、ぼっこぼこの血塗れな日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)だが、メタ的にはノーダメージだから安心してほしい。
「割と致命傷なのに記録上は無傷って、なんか理不尽……」
「あーれー」
「ぼごっふ!?」
 ああっとここで上空から鈴菜がダイブトゥフォール!蒼眞の胸に一直線!問題はあれかな、ユキに射出してもらったから結構な速度で頭突きを叩き込むことになったって事かな。
「……よくかけらやユキの身体を触ったり……他にもいっぱい女の人の胸に飛び込んだりしているし……何度も女の人(デウスエクス)に迫られたり……襲われたりもしているわね……でも……特定の恋人はいない……筈よ……それだけ女の人と縁があっても独り身で……リア充とは言わないの……?」
 状況だけ文字列にすると、ただのハーレムじゃね?ってノリでツッコミを入れる鈴菜だが、当の蒼眞がおめめ真っ白でスリープモードだから返事がない。
「……ただの屍のよう?」
 まだ死んでない!!
「チョコか。疲れた時に食べるのはいいものだ」
 既に分身して五人に増えた挙句、隠しきれないテンションから五色に染まったルーク・アルカード(白麗・e04248)が横一列に腕を組む。
「生チョコもいいし、ミルクたっぷりのチョコもいい。ビターはお帰りいただこう」
 食う気だ!こいつ完全にチョコを食う気だ!!
「チョコ食べほーだいできると聞いて……!」
 暴食魔人さんは帰れください。
「なんで若干命令形なの!?」
 うるせー!お前大体地雷しか踏まないだろ!?
「地雷だなんてそんな……私はただ」
 コイツ、速い!?今の無駄口を叩く隙に敵の背後を……!
「食べ物をくれる敵さんは良い敵さんで、食べられる敵も良い敵さんだと思うだけだよ」
 あ、バカ。
「ヴッ!?」
 チョコプリンなエネミーをダイレクトイート!エヴァリーナの内臓にクリティカルヒット!彼女の心がデストロイド!!
「美味しく……ない……」
「なん、だと!?」
 地面に転がって丸まり、しくしくと涙を流すエヴァリーナに、ルークもまた絶望の表情を見せる……これだから甘党と暴食魔人は!!
「何が問題だったんだ?」
 ルークよ、寂しそうな顔してるとこ悪いが、アレはデウスエクス【異星人】だから、直接食ったらカニバリズムになって、一部界隈で悪名高い薄い本案件になるんだ……。
「これが……倫理規定……!」
 いや常識だよ。お前ら何年デウスエクスと戦ってるんだ。


「……ぱっと見で種族がわからない!RBってなんの略なんだろう?」
 本日の癒し枠、クロウ・リトルラウンド(ストレイキャリバー・e37937)……いやなんでお前はお前で男装してるの!?
「必要な効果を持ってる衣装が、執事服だったんだ……!」
 と言うわけで今日のクロウきゅんはタイトな執事服でバトラー車輪娘ですって。
「待って待って、きゅんって何!?それ多分『君』が濁った音だよね?自分の事男として扱ってるよね!?」
 その後ちゃんと車輪娘って言ったからセーフやろ。
「チャリンコみたいでなんかヤダー!?」
 ちなみに、RBはリア充爆発しろって意味らしい。どっかでリアルバウト(リア充との決闘)って言ってる人もいた気がするけど、うろ覚えなんで詳しくは黒サバトを探してね☆
「私もリア充じゃないけど爆破とか面倒だから、少女漫画で恋愛気分を味わっフィィー。爆破用のダイス振ってる嫉妬旅団への裏切りっフィィー?それは戦争疲れの幻覚っフィィー」
 ……あれ、九田葉・礼(心の律動・e87556)ってこんな奴だっけ?
「ボディッフィィー撒いておくから、後は頑張ってほしいフィィー」
 とりあえずこいつが問題児だって事だけは分かった。
「問題児ではないッフィィー。戦場で恋愛漫画を読んでいるだけッフィィー!」
 それを問題だっつってんだよ!?
「凶さんも一緒に読むっフィィー?」
「私は結構です」
 礼が読み終わった方の漫画を差し出すと、凶は掃除用具を構えていた。
「なんでお掃除ッフィィー?」
「多分、この後必要になるので……」
「っていうか、フィィーってなにさ!?」
 ここでついにクロウがツッコんだ!気にしたら絶対面倒くさいから触れなかったのに!!
「おッフィィーについては、奇跡の村を参照して欲しいッフィィー!」
 その村を覗いても特に情報がなかったからスルーしてんだよ!!
「え、じゃあ……」
 探偵ビルにもなかった。主な流行地っていつの話だあぁん?
「ひぇ!地の文がヤクザ風になったッフィィー!?」
(あ、これフリーダムにやりすぎて目をつけられた展開だな……自分しーらない)
「クロウさん!?ちょ、何か察したならちゃんと教えて欲しいッフィィー!」
「うにうに。聞いたことあるよ。デウスエクス・うにうにって種族だっけ?こんなのでも放っておいたらどんどん増殖するかもしれないからさっさとやっつけるよ!」
 状況を説明しよう。ルークとエヴァリーナが絶望の海に沈み、蒼眞がKO(大体支援のせい)、虚無顔のクロウがワカクサで遊び始めて礼がフィィーッフィィー泣き叫ぶ……動けるのは残り三人。その一人リリエッタ・スノウ(未来へ踏み出す小さな一歩・e63102)がキリッと表情を引き締めた(ただし無表情)ところで、ルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)が眼鏡をぴかーん☆
「ふふふ、私に作戦がありますの!」
「うみゅ?」
 リリエッタが視線を向ければ、ルーシィドは自分の体を抱きしめて。
「夏の暑さに肌を寄せ合う!たしかに暑さで肌に汗が浮かぶ季節は、接近しすぎは不快度アップ!そこで!!」
 ドンッ!秘密兵器っぽいクーラーボックス。果たしてその中身は……!
「このアイスクリームを食べましょう」
 えっ。
「バニラストロベリーと、ラムレーズン、どちらがいいでしょう?」
「リリはバニラストロベリーをもらうね」
「では私はラムレーズンを……」
 竹で組み立てられたベンチに並んで腰かけて、匙で救うは甘美なる氷菓子。女三人姦しいといえど、二人ならば静かな夜に星空が微笑む。
「まぁ、夜空にきれいな流れ星、願い事は何にしましょうか」
「お星様……ルーといつまでも仲良しでいられますようにだよ」
 二人がそっと両手を合わせ、静かに祈りを捧げる……。
「うふふふふ、こーんな可愛いリリちゃんと、アイスクリームデート!幸せですわー!暑いとすぐ溶けちゃうチョコじゃこうはいきませんわー!」
「これでヘイトが稼げるの?」
 心底不思議そうに小首を傾げるリリエッタに、ルーシィドヤァ。
「これでヘイトは頂きですわね!」
 と、自信満々に敵の方を見て、固まった。アイスクリームかと思ったらかき氷だった時くらい固まった。
「むぅ?どしたの?」
「しっ、見ちゃいけませんわ!」
「う~みゅ~」
 ルーシィドは目の前に展開されていた光景から目を逸らし、そっとリリエッタの目元を隠すのだった。


「リアじゅー……けだもの?だから、欲望に忠実だったり、繁殖力旺盛だったりするんでしょうか?くそ暑いのが余計に暑くなってきます」
 ジルダリア・ダイアンサス(さんじゅーごさい・e79329)、少し黙ってろ。
「言い方が悪い?そんなに間違ってはいないと思いますが?」
 そっちじゃなくて、今ちょっとお子様に悪影響を及ぼしかねない事態に陥ってるからこれ以上俺の負担を増やさないで……。
「お子様に悪影響……」
 じっと、ジルダリアが見つめた先には。
「「気づいたんだ……美味しくないなら、美味しくすればいいって……!」」
 はい、お砂糖の袋(業務用)を装備して敵を挟撃するルーク&エヴァリーナです。
「シンプルな話だったんだ……甘くないなら甘くする。チョコだって、原料のカカオは苦いを通り越して辛いんだ。つまりコイツは調味前……!」
「そうだよね食材をそのまま食べようとするのがいけないんだよね。ちゃんとお菓子にすればいいんだよね!」
 やめろぉ!?そのチョコプリンはそもそも食い物じゃねぇって言ってるだろ!?冷静になれ!!
「「俺(私)は至って冷静だ(よ)!!」」
 誰か鏡持ってこい!あいつらに自分の瞳の中に渦巻く螺旋を見せてやれ!!
「そうですよ、二人とも落ち着いてください」
 ジルダリアがツッコミ……!?
「この蒸し暑くなってきた夜に、野外のチョコプリン……生温いプリンなんて、拷問ですか?」
 違ったー!こいつもボケだー!!
「まずはこのように、冷たい風をッフィィー」
 ジルダリア!?お前思考が汚染されてないか!?それはさておき凍てつく夜風がプリンを襲う!!
「よし冷えたなまずは砂糖を投入だ」
「スイーツの基本はスイート、つまり甘くなくちゃいけないよね!」
「ちょ、お前ら何を……ぐわー!?」
 これは酷い……ブラウンだったチョコプリンエネミーが凍り付いて真っ白になった後、砂糖に沈んで違う意味で真っ白に……!
「だが甘い!まさしく砂糖より甘い!!」
 あ、氷が溶けて敵が動き出した。
「馬鹿め!砂糖をかけた事で氷が解け……」
「しっかり冷えたらどっかーん」
「ぐへぇえええ!?」
 敵が動き出した瞬間にジルダリアが氷の塊をシューッ!チョコプリンの破片が飛び散った!!すかさず甘党&暴食魔人が口にするが。
「「まっず!?」」
 そりゃー、ねぇ?と、思いきや。
「ちべたっ!」
「あっ、飛んできたチョコがルーに掛かってるね。リリが舐めとってあげるよ」
 ルーシィドの頬についたチョコをリリエッタがはむ。唾液で汚してはいけないと、唇を重ねてチョコを覆い、淡く吸い付くようにして舌先でそっとルーシィドの頬を撫ぜる。
「り、リリちゃん!?そんな、人前でいけませんわ……!」
「んゅ……ちょっと苦いけど、甘くておいしい、よ?」
 リリエッタの一言で、食欲コンビに衝撃が走る――具体的には、もしかして、こいつ自体は美味しくないけど、攻撃用に生み出すチョコの方は美味いのでは?と。
「コイツは……やるしかないな」
 などと、包丁……もとい、ナイフを構えるルークの傍ら謎の紙を取り出したエヴァリーナ。
「これは義姉さんが兄さんに膝枕してた時の分!これは兄さんが寝てた義姉さんの頬を撫でてた時の分!そしてこれは、誰にも見られてないと信じて夕暮れの高台で義姉さんと兄さんが抱き合ってた時の分だー!!」
 兄夫婦のリア充写真だったー!?暴食の権化の攻撃が(物理的に)チョコプリンに突き刺さる!!
「惚気やイチャコラなんて恋人の居ない自分には馴染みの無い話なんだよなー……自分より強くてタイヤの似合う人どこかに落ちてないかな?」
 あまりにも凄惨な戦闘シーン(と言う名の調理過程)が展開されているため、クロウは鉄串にマシュマロを突き刺して飛び散るチョコにぶつけてフォンデュしてみたら。
「あっま!?」
 そらー、あんだけ砂糖ぶち込んでたらねぇ……。
「凶、なんかのろけられそうなネタないの?この前の誕生日の話とかさー!」
 その瞬間、周囲の視線が一斉に凶に向かう!
「な、なにもありませんよ……?」
 などと否定する凶だったが。
「お前……リア充だったのか……」
 ここで蒼眞が起きた、だと?


「リア充死すべし慈悲はない……!」
「りあじゅーりあじゅー」
「違うって言ってるでしょう!?」
 さぁ始まりました爆破をかけた謎の鬼ごっこリア充杯。逃げる凶を追いますは背中に鈴菜をくっつけた蒼眞。人を背負っている分やや不利か!?
「食らえ!RB真拳奥義……情人節破壊拳!!」
「あなたそれ不活性じゃありませんか!?」
 若干メタいツッコミが入るが、蒼眞は不敵に笑い。
「問題ない、ちょっと名前を変えてあるからなぁ!!」
 と言うわけで恨みつらみめいた熱き血潮のこもった、何の変哲もない右ストレートが凶を襲う!!
「くたばれリア充!!」
「だから」
 ガッ。
「違うと」
 ベシッ。
「言ってるでしょうがー!!」
 ぶぅん!!
「……蒼眞さん、あなたの事は忘れないッフィィー」
 投げ飛ばされ、星空の彼方へ消えていった蒼眞に礼が敬礼。しかし、何故か太陽機が飛来する。
「あれ、まだお仕事終わってないッフィィー?」
「多分、落ちるんじゃないかな」
「太陽機が撃墜されるッフィィー!?」
 気慣れない服のせいで排熱がうまく行かず、だんだん熱がこもってきたクロウが手で顔を仰いでいると機体が動き出す。それは、過去の再演。繰り返されてきた積み重ねの結晶……。
「アッ―!?」
 具体的には機体の中で太陽騎士の胸に飛び込み、その二つの膨らみに顔を埋めた蒼眞が弾き飛ばされるっていう、もはや何度見たか分からない光景。ある時はたわわに膨らんだ二つの果実にその両頬を挟まれ、柔らかさの谷底に沈んでいき、またある時はハリのある平原に微かに広がる弾力の丘を頬をこすりつけて、向かいにあるもう一つの平原を掌に納め撫で回し……最終的には決まって、凄まじい速度で突き落とされ……もとい、送り出されていく。
 と言うわけで戦闘開始ってわけでもないのに、太陽機から蒼眞が高速射出!明らかに落ちたっていうより叩き落された速度でチョコプリンへ直下!!
「「ぎゃー!」」
 どぷっ!生々しい水音と共に蒼眞の一撃(そこ、ただの落下事故とか言わない!)が突き刺さり、くぐもった奇妙な悲鳴が響く!
「「せっかくのプリンがッ!」」
 お前らの悲鳴かよ!ルークとエヴァリーナはどんだけ食い意地張ってんだ!?
「うー……」
 そんな光景を眺めながら、クロウがもじもじ……体をくねらせ始め、何かを察した番犬達がそそくさと離れていくと。
「ああもう!この格好だと暑くて駄目だ!」
 自らシャツの胸元を引きちぎり、蒸れて湯気すら上げる谷間を晒す。
「こいワカクサ!強制排熱モードだ!」
 汗と熱気で湿度の高まった胸の間にワカクサがイン。体を筒状に丸めて口を開き、クロウのコアと接続。口腔内が真っ赤に輝き始め……。
「ワカクサランチャー、ファイア!!」
 砲撃音と共に熱の塊が撃ちだされる。本来なら熱線を放つところ、ちまちま撃っていられなかったのだろう。溜まった熱エネルギーの砲弾は見事にチョコプリンへ……あっ。

 ――チュドォオオオオン!!

「砂糖が焦げるぅううう!!」
「私の焼きプリンがー!?」
「たとえ爆破されようと、我等RBの意思は不滅!!」
「……きゃー、やーらーれーたー」
 四人くらい違うのも巻き込んだ気はするけど、多分気にしたら負けなんだろうな……。
「ふぅ、すっきり!」
 排熱を終えたクロウが服を脱ぎ捨て下着姿に……。
「ちょっとー、誤解を招く表現はやめてほしいな。自分はちゃんとフィルムスーツだぞ!」
 下にそんなの着てるから暑かったのでは……?
「くっ、足りない……プリンが……!」
 ルークは目の前で宿敵を取り逃がした顔で地面を叩きつけると。
「行くしかあるまい……今噂のプリン専門店……!」
「プリンのお店……!?私も行くー!」
「わ、私も……おぉう、まさか回収していたチョコの破片が、敵もろとも消滅するだなんて……」
「あのお二人は元気ですねぇ……」
 凄まじい速度で走り去るルークとエヴァリーナ、その後を財産の全てを失い絶望の淵に立たされたような顔で追っていくジルダリアを見送り、凶が掃除しているとクロウがドーナツ型全自動掃除機に乗ってぐるぐるしながら。
「でも実際、チョコは食べ足りないと思うんだ……自分たちも行こう!まずはアリがたかる前に綺麗にしないとね!!」
 とまぁ戦後処理の一方。
「よし、帰りに続巻買いに行くッフィィー!」
 ほぼ漫画しか読んでない礼がいたり。
「では私達はこのお店に行きましょうか」
「ぅむ?ナイトスイーツバイキング……!」
 ルーシィドがリリエッタの手を引いて夜の街へ消えていったり、そして……。
『リア充が果てるその日まで、俺はおっぱいダイブを諦めない……!』
「……その二つの関連性が分からない」
 夜空の向こう、新手の星座と化した蒼眞を鈴菜が見上げているのだった。

作者:久澄零太 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年7月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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