迎撃、星戦型ダモクレス~月鋼エレクトロ

作者:柚烏

 十二創神がひとり、『超神機アダム・カドモン』との対話を経て――ケルベロス達が出した結論は、彼率いるダモクレスとの決戦を行うことだった。
「これを最後の戦いとする為にも、全力を尽くさなければならないけど……まず、現在の状況を説明するね」
 そうして一呼吸置いて、エリオット・ワーズワース(白翠のヘリオライダー・en0051)が、ダモクレス勢力の動向を静かな口調で語る。
 アダム・カドモンが座上する、惑星級星戦型ダモクレス『惑星マキナクロス』は、亜光速で太陽系に侵攻――太陽系惑星の機械化を開始しているらしい。
「その目的は……惑星の運航を制御し、グランドクロスを発生させることだと、予知で分かったんだ」
 ――それは、宇宙規模の『季節の魔力』だ。その魔力で彼らは、暗夜の宝石である『月』を再起動させ、地球のマキナクロス化を行おうとしているのだと、エリオットは続けた。
「……これが叶ってしまえば、地球は一瞬で機械化してしまうことになる」
 その為にダモクレス軍は、太陽系の惑星を機械化させるのと同時に、魔空回廊を利用して月面遺跡へと向かっている。そうして内部に直接、星戦型ダモクレスを転移させることで、遺跡の掌握を行おうとしているのだ。
「激戦が予想されるけど……皆には『万能戦艦ケルベロスブレイド』で月遺跡に急行して、遺跡の防衛を行って貰いたいんだ」

 ――幸い聖王女エロヒムの協力により、ダモクレスが狙ってくる地点は予知出来ている。ケルベロス達には其処に先回りして、転移してくる星戦型ダモクレスを迎撃することになる。
「そうして、月遺跡を守り抜くのが今回の目的になるけれど……ひとつの地域につき投入されるダモクレスは、全部で3体居るんだ」
 ――最初のダモクレスが現れてから、8分後に1体が追加。更に8分後にもう1体が、魔空回廊から出現するのだ。
 それ故に、素早く敵を撃破することで各個撃破も可能だが、逆に倒すのに手間取れば、複数の敵を同時に相手しなければいけなくなる。勝利が難しい場合は、遺跡を破壊して撤退する決断も必要になるだろうと、エリオットは言う。
「今回皆が戦うことになるダモクレスは、宇宙での戦闘用に改修強化された『星戦型』と呼ばれるものだよ。遺跡内部での転移作戦に適した、小型から中型……人間型のダモクレスとの三連戦となる」
 ――近接格闘を得意とする『uni-1』、遠距離砲撃型の『uni-2』は侵略の尖兵として投入されており、少女と機械が融合した姿は、対峙したもの達に拒絶と恐怖をもたらす効果もあるようだ。
 彼女たちが連携することになれば厄介だが、最後に転移されてくる『タイプ・アルバート』にも注意を払いたい。戦闘能力自体はふたりより低いものの、彼は制圧後にマキナクロス化の準備を行う役割もあるようなのだ。
「……暗夜の宝石、その遺跡の破壊は出来れば避けたいところだけど」
 地球のマキナクロス化を防ぐためにはやむを得ないだろうが、シャドウエルフの秘宝である『暗夜の宝石』の存在は、この後の戦いにも大きく影響してくるだろう。
「これは、宇宙の未来を決定する戦いで……皆が下した決断が、歴史を動かす大きな一歩になっていくから」
 ――どうか、悔い無き戦いを。未来永劫、宇宙に歪みを生じさせない為、ケルベロス達は月へ向かう。


参加者
マキナ・アルカディア(蒼銀の鋼乙女・e00701)
八千草・保(天心望花・e01190)
オペレッタ・アルマ(ワルツ・e01617)
瀬戸口・灰(忘れじの・e04992)
シア・ベクルクス(花虎の尾・e10131)
小柳・玲央(剣扇・e26293)
ゼー・フラクトゥール(篝火・e32448)
副島・二郎(不屈の破片・e56537)

■リプレイ

●黒の宝石神殿
 万能戦艦ケルベロスブレイドによって、月面遺跡の内部に降り立った一行は、直ぐにダモクレスの襲撃に備えて、担当の区画へと向かっていた。
「月の遺跡、こうして探索できる日が来たんやねぇ……」
 はんなりとした声音の中にも、番犬としての覚悟を滲ませつつ――八千草・保(天心望花・e01190)はデバイスを起動させて、いち早く敵の接近を報せようと周囲の状況を確認している。
「幸い、光源もあるようやし」
「現在は停止しているようだが……遺跡の機械は、まだ活きているのだろうか」
 非常灯を思わせる、仄かな光に浮かび上がる遺跡の通路を、静かに進んでいくのは瀬戸口・灰(忘れじの・e04992)で。彼の頭の上に乗っかったウイングキャットの夜朱は、決戦に備えて腹ごしらえの最中のようだ。
「……暗夜の宝石。その本来の姿を、こうして取り戻したのですね」
 かつての戦いが行われた際、シア・ベクルクス(花虎の尾・e10131)が目にしたのは、邪悪な神が座す禍々しい神殿だったのだが――今は妖精族の秘宝に相応しい、清浄で荘厳な気配が満ちている。
(「地球を、マキナクロス化などさせません」)
 ――漆黒の宝石が眠る月。その地表からは今も、青き惑星を臨むことが出来るのだろう。マキナクロス本星との衝突も避けられない中、此処が頑張りどころなのだとシアは胸を張る。
「そう! だからこそ気負い過ぎず、普段通りに振る舞うことも大切ですよね……!」
 例えば――大好きなもふもふを眺めてみるとか。サバトラの夜朱も可愛らしいけど、ゼー・フラクトゥール(篝火・e32448)の連れているボクスドラゴンは、彼の弟子のような利発さがあり、此方も素晴らしい。
「……ふむ」
 戦いに備えて時計を弄っていたゼーが、微かな気配を感じたのか眼を細めた。捻れた竜の角がゆっくり大気を掻き混ぜていくと、それに呼応したように副島・二郎(不屈の破片・e56537)も、そろそろと瞼をひらいてドローンの具合を確かめる。
「来るか」
 ――言葉は少なく、ただ彼の肉体を形づくる混沌の水が、倒すべき敵を求めて波打っていた。
 予知の通りにこれから三度、魔空回廊が開いてダモクレス達が送り込まれてくるのだ。事前に仲間たちと決めた通り、いざとなったら遺跡を破壊して撤退する心算もあるが――この呪われた力の使いどころを考え、二郎の口角が微かに上がる。
「まずは、一体目のお出ましだね……!」
 機械で囲まれた神殿の広間に、軽やかに木霊していったのは小柳・玲央(剣扇・e26293)の靴音だ。直後――音も無く現れた少女のダモクレスが、一振りの剣と化した腕を構えて、玲央たちの方へ向かってくる。
「星戦型の尖兵だっけ、ここから先は行かせないよ」
 その表情の無い顏は恐らく、地球人を攫って改造した故のものだろう。無意識のうちに憎悪と拒絶が湧き上がってくるのは、玲央が心を得たレプリカントだからなのか。
(「そう、私は――地球の自然が文字通り、あるがままであってほしい」)
 機械化した地球の姿を、目の前の『uni-1』に重ねた彼女は、舞うように武器を取り出しながらも腕時計のカウントをスタートさせた。
「定命化したからこそ、得たものがあるから……!」
「そうね、ダモクレスの意見も理解できるのだけど」
 そう、赤熱するブレードを迎え撃つ、マキナ・アルカディア(蒼銀の鋼乙女・e00701)も――ひとびとの心に触れて、自身も心を持つに至った元ダモクレスだ。
 ――自分たちとデウスエクスは、生命の在り方からして大きく違う。定められた命を持たない彼らに、その素晴らしさを幾ら説いたところで、決して理解は出来ないのだろうけど。
「けれども、……得た心が」
 仲間たちを庇うように立ちはだかったマキナは、敵のブレードの一撃を受けつつも、対デウスエクス用のウイルスを投射して優美に微笑んでいた。
「戦ってきた今までの経験から、否だと叫ぶわ」
「……はい。そんなことは、させません」
 uni-1が怯んだ隙を突いて、オペレッタ・アルマ(ワルツ・e01617)の手のひらから立ち昇ったのは、きらきらと燐光を散らす癒しの蝶。次第に研ぎ澄まされていく感覚の中で、幻想の街並みに出逢った時のことを思い出すと――オペレッタの心が、澄んだ鐘の音のように反響して、言葉に出来ない想いが溢れてくる。
(「――これを、」)
 夢と、呼びますか? あるいは――未来と、よびますか?
 演算することが不可能で、いまだエラーと称せうる不可視なことがら。本星との決戦が迫ろうとする中、彼女はケルベロスとして立ち向かう未来を選んだ。
 ごめんなさい――記憶の向こうのマスターへ、ささやかな別れを口ずさんで、オペレッタは顔を上げる。
「これまでやってきた通り、護るわ」
 蒼銀の髪が流れ落ちるのに合わせて、厳かにそう告げたのはマキナだった。アームドアームが唸りを上げ、彼女はかつての同胞の剣を振り払うべく盾となる。
「……心に従って、ケルベロスとして」

●赤熱の刃
 青黒い混沌が光を纏うと、二郎の全身から溢れ出すオウガの粒子が、仲間たちの超感覚を覚醒させていく。
(「後衛は問題ない。安定させるのなら、前衛か」)
 後方で回復役を担いながらも、冷静に戦況を観察することも忘れずに――皆が確実に攻撃を当てていけるよう、援護を行う。
「……渡さへんし、守り抜きましょ」
 ――暗夜の宝石を掌握せんと、無言で包囲を切り崩そうとするダモクレス。それを止めようと襲い掛かったのは、流星の如く加速した保の蹴りだ。
「儂等も往くとしよう、……リィーンリィーン」
 更に、敵の回避能力を封じてしまう為、轟音と共にゼーが竜砲弾を撃ち出していく中で――彼のボクスドラゴンは属性を上手く操り、玲央が十分な耐性を得られるように立ち回っていた。
「ありがと! 足止めの方もそろそろ良さそうかな」
 そして砲撃を終えた玲央の方は、続けて凍結光線を浴びせてやろうかと、長大なライフルを振り回してリズムを取っている。
 ――だが、uni-1の勢いは止まらない。近接戦闘に特化したその武装は、立ちはだかるものの装甲を斬り裂きながら、纏めて周囲をなぎ払っていく。
「……こっちだ。確りと狙えよ」
 防具を引き裂かれて、露わになった古傷にも構うこと無く、怒りの女神を召喚した灰は笑う。狂乱の幻影によって、敵が此方に向かってくるなら望むところ――自分の役目は盾であり、戦線を維持することが己に課せられた使命だ。
「そうね。あなた達が退化だと切り捨てた、定命者……心を得たものの覚悟を、越えていけるのなら」
 その隣に立つマキナの胸元では、蒼い水晶が鼓動を刻むように、眩い明滅を繰り返している。CCP A.I.D.S――それは広域対象の傷を癒し、害する攻撃から身を守るシールドを展開させる、彼女独自の能力だ。
「……『MAC-17A』」
「その形式番号を、知っているなら分かるでしょう」
 ――初めてuni-1の発した言葉は、ダモクレスとして造られたマキナの型番らしかった。防御仕様の機体ならではの守りの堅さで、マキナは攻撃の矢面に立つ灰のカバーに入る。
 その間にも、命中を確保したオペレッタが主砲の一斉発射に移り、相手が怯んだ隙を突いてシアが動いた。
「……これなら如何です?」
 デバイスで自在に宙を舞いながら、魔法の剣先から彼女が生み出したのは花嵐。吹き荒れる花びらはいつしか檻に変わり、ダモクレスを包み込んで戦う意志を奪っていく。激すること無く、あくまでも穏やかに妖精の武具を操るシアだが、その攻撃は痛烈の一言に尽きた。
「あと1ターン!」
 ――鋭く発せられた玲央の合図で、間もなく新手が来る頃合いだと保も悟る。序盤の足止めに続いて、確実に敵の能力を削いだ成果は現れてきたが、味方に付与も行う都合もあり、本格的に攻めるまでにはある程度の時間を要したのだ。
(「……それでも三連戦を行うと分かってるなら、無理する訳にはいかへん」)
 不用意な攻勢は、相手の火力を考えれば危険過ぎた。此方に有利な状況を作り出してから、一気に攻める――その流れを上手く読んで、新たな敵が出現した際も迷わず対処する。
「もう、少し……あと僅か、だと思うのですが」
「ああ。それだけ敵が強いのだろう」
 胸部のコアを展開させたオペレッタが、uni-1の装甲ごと貫く光線を一息に放つ。直後、向こうも熱線を撃ち出してきたが、狙いを引きつけていた灰のお陰で大事には至らない。
(「まだ、大丈夫だ。気力の続く限り――」)
 揺らがず、惑わず――ただ在り続ける事を、消えぬ傷に誓ったのだ。炎に揺らいだ視界の向こうで、魔空回廊がゆっくりと開いていくのが見えたが、そんな灰の身体をあたたかく包み込んだのは、二郎の生み出した混沌の水だった。
「人を捨て、武力になり果てた。……そのつもりでいたのだが、な」
 ――傷ついた命と響き合う瑠璃色が、あたたかな流れとなって巡り、共鳴する。その様子はまるで音楽のようだと、玲央ならば思ったのかも知れない。
「他者を守りたい――そんな感情が、未だ俺にもあるらしい」
「……命は輝き、還って、また巡るもの」
 二郎に頷くマキナもきっと、その輪の中に加わりたいと願っていたから。新手として送り込まれてきた『uni-2』に、牽制の砲弾を放つ保へ後を任せて、ゼーとシアは1体目を葬り去るべく、月の神殿に花と雨を降らせていった。

●青氷の弾丸
 ――硬質な音が立て続けに響いて、神殿内部が楽器のように共鳴していた。後方からレーザーを掃射するuni-2には構わず、マキナの放った氷輪がuni-1の動力を凍らせて、そのまま機体ごと打ち砕く。
「――……ッ!」
「さぁ、次に行こうか!」
 姉妹機と連携することが叶わぬまま、力尽きていくダモクレスに目もくれずに、地獄化した腕を振りかぶったのは玲央だ。
(「不死は、ある意味不変だよね」)
 ――変わる必要が無いと、デウスエクスならば言うのだろうか。しかし玲央にとっては、この先の変化を怖がっているように見えて、だからこそ彼らに言いたかった。
「そんな元同族を……変化した先達として、止めたい」
 竜の力を砲弾に変えて、uni-2の機動力を奪い――そして速やかに撃破する。戦いの流れを掴んだお陰で、弱体化のペースは一体目よりも順調のようだ。
 元々敵は、他の機体と組んでの戦いが得意だったのだろうと、ゼーの方でも分析していた。念動力で伸ばした黒鎖でuni-2を締め上げながら、リィーンリィーンが体当たりするのを見届ける。
「……それでも、簡単に倒れてはくれないか」
「そうだな、後ろを狙ってきている」
 スナイパーとして戦闘を行う敵は、耐久力のある灰たちを相手にせず、二郎ら後衛を狙い撃ちにするつもりのようだ。なるべくなら攻撃を引きつけた方が良いのだろうが、連戦のダメージは確実に積み重なっており、致命傷を受け続ければ前衛も危険だ。
「……無理するなよ」
 懸命に翼を羽ばたかせながら、降り積もる氷を浄化していくのは夜朱。そんな相棒に軽く声をかけて、魔人と化した灰は、uni-2の砲撃を受け止めようと一気に前へ出た。
 ――此方の不調度合いに応じて、上手く回復を使い分けている二郎になら、安心して背中を任せることが出来る。守り一辺倒では無い、増援が来る前に集中攻撃を行い、此処で2体目を落とす。
 15分、と低く呟いたゼーの声に、アラームの機械音が重なった。足止めを重ねた今なら決定打が与えられる筈だと、オペレッタの放つ主砲に合わせて、機械神殿が瞬く間に緑に包まれる。
(「出られますやろか」)
 ――迷宮花の幻影に、木漏れ日を思わせる保の声が響いていけば、もう戻れない。だって目印の花は、心を暴いてしまうシアの令花なのだから。
「……ただ、一輪」
 その僅かな隙が、uni-2の未来を奪った。機体を浸食していく緑が、愛らしい花をつけた瞬間――ダモクレスの瞳からは光が消えて、無数の花びらが全てを攫っていったのだった。

●無情な歯車
 uni-2を撃破してから少しして、魔空回廊が開くと最後の敵が姿を現した。それは地球の科学者を模したと思われる、研究者型――頭脳機械群の名に相応しい、精密時計の頭部を持つ『タイプ・アルバート』だ。
「……あなた方は、自分の意志で戦うことを選んだんかな? それか、従ってるだけ?」
 時計の針を高速で進めていくダモクレスは、尖兵ふたりが既に倒されたのを認めると、まず自身を強化しようと決めたらしい――おっとりとした保の問いかけにも反応すること無く、遺跡の掌握に向けて淡々と行動を開始する。
「話し合いの時間は終わった、と言いたげだな」
「それでも、ボクは――アダム・カダモンはんと、何度でもお話をしたいて思うてる」
 タイプ・アルバートを睨みつける二郎が、魔力の柱を生み出して攻撃に備える中で、保の意志は揺らがなかった。彼の大人びた表情は、悪意に触れながらもそれに染まらず、今も遠い空を見据えている。
「私たちが、永遠という代償の歪みを何とか出来たのは……数多の軌跡の積み重ねよ」
 祝福の矢を放つ保の言葉を受けて、アダム・カドモンとの対話をマキナも思い出したのだろう。時を止めようと襲い来るダモクレスへ向かって――彼女は改めて、己が為すべきことを宣言したのだ。
「けれども思いは届かず、地球を脅かすのなら……!」
 癒しを阻害するウイルスを打ち込んで、しぶとい敵を少しでも弱らせる。戦いが長引くと厄介そうだと判断したシアも、積極的に殺神の力を用いてアルバートに対抗し始めたようだ。
(「いいえ、いいえ」)
 ――胸に手を、そのココロに誓うのはオペレッタ。意識的に力を引き出せないかと試みる彼女に、ふんわりと微笑みを返してシアは言う。
「オペレッタさんの気持ちは、きっと伝わりますわ」
 ダモクレスを追い詰めていくゼーの姿に、今が好機と見た灰も攻撃に加わって。不意にばら撒かれた麻痺にも、玲央が落ち着いて治癒に当たってくれるから、恐れることは無い。
「どのようなことがあろうと……『これ』は、すすみます」
 それは、覚悟で――それは、未来。少女が可憐にドレスを翻せば、羽化を遂げたようにその容は、いつしか優雅な乙女のものへと変わる。
「燃えあがるような怒りではなく。……このココロ廻る、愛しみをもって」
 最後のワルツを踊りましょうと、差し出した指先から無数の光棘が生まれれば――ダモクレスを刺し貫く光の中で、青と白の幻想が鮮やかに描かれていく。
「地球だけでなく――宇宙すべてを、護るため」
 アイアン・メイデンの抱擁が、暗夜の宝石を狙う歯車を粉々に打ち砕いて、幕は下りる。
 ――フィナーレまであと少し。マキナクロスとの決戦は、間近まで迫っていた。

作者:柚烏 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年6月17日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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