迎撃、星戦型ダモクレス~月に願いを、暗夜に集え

作者:okina

●決戦の刻
「ケルベロス達よ。これまでの戦い、本当に見事であった!」
 集結した一同を前に、ザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)の朗々とした声が響き渡る。
「投票の結果、アダム・カドモン率いるダモクレスとの決戦を行う事が決定した。勝利すれば、ダモクレスが持つ知識や技術、情報などを譲り受けることが出来るだろう」
 それが先の会談の際にアダム・カドモンがケルベロスに告げた『約束』だ。
「現在、アダム・カドモンは惑星級星戦型ダモクレス『惑星マキナクロス』によって、太陽系の惑星の機械化を開始している」
 予知によると、アダム・カドモンの目的は『機械化した惑星の運行を制御し、グランドクロスを発生させる』事らしい。
「グランドクロスは、宇宙版の『季節の魔力』だ。その魔力で『暗夜の宝石である月』を再起動させ、一瞬で地球のマキナクロス化を完了する計画のようだ」
 その為、ダモクレス軍は惑星の機械化と同時進行で、魔空回廊により月面遺跡の内部に直接、星戦型ダモクレスを転移させ、月遺跡の掌握を行うつもりだと言う。
「万能戦艦ケルベロスブレイドの速度では、最寄りの惑星まで最低でも数ヵ月かかる。もはや、グランドクロス自体は止められん。だが、月の遺跡を守り切るか、破壊してしまえれば、地球の機械化は阻止できる。お前達には、万能戦艦ケルベロスブレイドで月遺跡に急行し、遺跡の防衛を行ってもらいたい」
 彼は一同を真っ直ぐに見つめて、そう告げる。
「幸い、ダモクレスが狙うだろう地点は、聖王女エロヒムの協力により予知することが出来た。お前達には、この地点に先回りし、魔空回廊から転移してくる星戦型ダモクレスを迎撃し、月遺跡を守り抜いてもらいたい」
 ザイフリート王子が指示したスクリーンには、無数の印が打たれた月面の地図があった。
「1つの地域につき投入されるダモクレスは3体だ。最初のダモクレスが現れてから8分後に次の1体、更に8分後に最後の一体が現れる。撃破に手間取れば次が現れ、同時に複数のダモクレスを相手にする状況が生まれてしまうだろう。逆に、素早く撃破できれば、僅かだが態勢を整える時間を得ることが出来る」
 限られた時間をどう使うかがカギになると彼は言う。
「そして、どうしても勝利が難しい場合は、遺跡を破壊して撤退してもらう事になる。遺跡の破壊はできれば避けたいが、地球のマキナクロス化はそれで防げるだろう。もしもの時は、地球とお前たち自身の無事を最優先にしろ」
 力強い口調とは裏腹に、どこか案じるような響きを持つ、ザイフリート王子の声。
「敵は月の遺跡内部に直接、魔空回廊を繋げて来る。ヴァルハラに似た荘厳な神殿の奥、エネルギー枯渇により機能停止した古代の機械群がある部屋だ」
 説明と共に、地図の一部が拡大表示され、神殿風の遺跡の画像が現れた。
「敵の一番手はソルダ・009。筋肉を模した赤銅色の装甲の裂け目からコードやチューブが伸びる、サイボーグの様な外見のダモクレスだ。パワーと耐久力に優れた斬り込み役だな」
 彼がパネルを操作すると、スクリーンの画像が襲撃者の姿へと切り替わる。
「二番手は上半身が喪服姿の女性で、下半身が鳥かごのダモクレスだ。小夜鳴くメティカ、と呼ばれている。支援能力に優れている為、一番手のゾルダを倒し切れていないと、厄介な事になるだろう」
 十分に気を付けて欲しい、と彼は言う。
「最後、三番手に現れるのが、『改造魔人』ドクトル・イーサネットだ。機械の収集・分解解析・魔改造を得意としており、遺跡のシステムを掌握するための技術要員だな。それでも、そこそこの戦闘能力はあるから、油断は禁物だ」
 大きなレンチを背負った小柄な女性型ダモクレスを指して、ザイフリート王子が注意を促す。
「この戦いは、地球のみならず、宇宙の未来を決める戦いになるだろう。ケルベロス達よ、どうかその手に勝利を掴み、デウスエクスの果て無き闘争の歴史に終止符を打って欲しい!」
 その言葉に、一同は力強く、応えを返した。


参加者
アストラ・デュアプリズム(グッドナイト・e05909)
ジュリアス・カールスバーグ(山葵の心の牧羊剣士・e15205)
甲斐・ツカサ(魂に翼持つ者・e23289)
新城・瑠璃音(相反協奏曲・e44613)
烏賊流賀呑屋・へしこ(の飲む独活の緑茶は苦い・e44955)
村崎・優(黄昏色の妖刀使い・e61387)
青沢・屏(守夜人・e64449)
青沢・真琴(陽の熱情・e87587)

■リプレイ

●暗夜に集え
 暗夜の宝石たる月を制御するための月面遺跡。神殿風の遺跡の奥、謎の機械群が設置された広間に8人のケルベロス達の姿があった。
「どうやら、ここのようだな」
 鋭い視線で、携帯端末が表示する資料と周囲の風景を見比べて。漆黒の髪と紫の瞳を持つシャドウエルフの青年、村崎・優(黄昏色の妖刀使い・e61387)は仲間達を振り返った。
「ふむ……広さは十分にありますねえ」
 広間の天井を見上げて、こげ茶色の毛並みのウェアライダー、ジュリアス・カールスバーグ(山葵の心の牧羊剣士・e15205)が呟いた。どこか泰然とした雰囲気をまとい、決戦を前にしても気負うようすは見られない。
「皆、今回もよろしく。連戦だから……前衛の人は特に気をつけてね」
 そう仲間達を案じるのは、茶色の髪に藍色の瞳を持つ青年、青沢・屏(守夜人・e64449)だ。その瞳には決戦へ向けての戦意が静かにたぎっている。
「皆さんの背中は、わたしがなるべく保護します。よろしくね!」
 白を基調とした装いの少女、青沢・真琴(陽の熱情・e87587)が力強く告げ、ちらりと隣に立つ屏を見た。話は聞いた、記憶喪失なのだという。だから――……今は、それで良い。後は、戦いが終わった後で、ゆっくりと。時間はきっと、これまでよりも、ずっとたくさん、あるはずだから。
「向こうも総出で来ているようだし、ボク達も全力で応じないとだよね」
 そう応じるのは、金髪赤眼のオラトリオの少女、アストラ・デュアプリズム(グッドナイト・e05909)だ。足元でガタガタと体を揺らしながら周辺警戒をするのは、ミミックのボックスナイトである。
「何やら体が妙に軽いですなァ、これが月って所の重力ですかい? 早々に慣れとかねェと戦闘に差し障りますなァ」
 軽い調子で呟きながら、若きドワーフの女性、烏賊流賀呑屋・へしこ(の飲む独活の緑茶は苦い・e44955)は、しきりに身体を動かして調整を図る。とはいえ、過去には深海やらワイルドスペースやらで戦闘を経験してきた猛者でもある。ナノナノ共々、コツを見つけて自然に動ける様になるまで、さしたる時間は掛からない。
「月面遺跡なんていう冒険心をくすぐる場所を渡すわけにはいかないね! 何としても成功させよう!」
 あふれる好奇心で気合を入れる、黒髪黒目の青年は、甲斐・ツカサ(魂に翼持つ者・e23289)だ。望む未来を手にするために、熱意を燃やして、拳を握りしめる。
「ツカサさん、頑張りましょうね」
 長い漆黒の髪を揺らしながら、柔和な表情で声を掛けるオラトリオの少女は、新城・瑠璃音(相反協奏曲・e44613)だった。
「うん。頑張ろうね、瑠璃音ちゃん」
 笑顔でそう返してくれるツカサとの絆を胸に秘め、瑠璃音は決戦のための配置につく。
「予知の通りなら……そろそろ来るよ!」
 改造スマートフォンを握りしめたアストラが警戒の声を上げた。それに応ずる様に虚空に突如、亀裂が走る。
「ククッ……ヤハリ居タカ、ケルベロス!」
 筋肉を模した赤銅色の装甲、胸部に抱えた巨大なオーブ。最初の相手、ソルダ・009が魔空回廊から姿を現した。

●決戦の序曲
「ある物は使いませんとねえ。皆さん、行きますよ――じょわ!」
 ジュリアスが掛け声と共にクラッシャーの『ジェットパック・デバイス』を起動。仲間達をビーム牽引し、空中へといざなった。近接攻撃が届かない、天井付近へと。
「これで、敵の攻め手は一つきりですよ!」
 ヒールグラビティも万能ではない。癒しきれない疲労と負傷が、いずれ蓄積する。ゆえに受ける攻撃は、当然少ない方が良い。
 そのまま空中から氷結輪を射出し、強烈な冷気でソルダを凍り付かせてゆく。
「ナラバ……コレヲ喰ラエ」
 対するソルダはオーブから特大のビームを放って、飛翔するケルベロス達の集団を薙ぎ払った。
「ッ……空中散歩も、悪くないね!」
 破壊をもたらす光の奔流を、持ち前の敏捷力と防具耐性で間一髪搔い潜り、ツカサが宙を駆ける。敵の攻撃手段が限定されるというのなら、対策を取る事も不可能ではない。
「世界の全てが冒険の舞台! だから俺はここにいる!」
 グラビティによる自己暗示。仲間を守る為、倒れない為の力が、その身に宿る。
「星の煌めきよ……」
 瑠璃音が空中に描く守護星座。それが光を放ち、傷ついた仲間を癒すと共に、呪縛を断ち切る守護の力を多重展開してみせる。グラビティが持つ特殊効果を増幅させる、ジャマーの力だ。
「守りは任せやしたぜ、メレンゲ巻き」
 自分のナノナノにそう声を掛けて、へしこは敵目掛けて急降下を開始する。
「今回ばかりは相棒の絵筆を使う事はなさそうですなァ」
 流星の煌めきと重力を宿した蹴りが脳天に炸裂し、過負荷を受けたソルダの脚部が火花を散らす。
「普段は回復担当だけど、それどころじゃないよね」
 ミミックのボックスナイトに指示を出しながら、理力を籠めた星型のオーラを蹴り込み、アストラは独りごちる。今回は3連戦なのだ。今の内に少しでも削っておかなければ、後がキツくなる。
「いざ決闘(たたか)おう、僕達が信じたそれぞれの未来をかけて!」
 刃を雷と化して、優が迫る。誰かが笑顔を失う未来は許せない――新しい時代の到来を前に、己の在り方を再定義した青年は、誓いを胸に刃を振るった。
「く゛ぅだぁけろ゛おおおおああっ!!!」
 轟く雷吼がソルダを貫き、身体機能を麻痺させる。
「泣いても笑っても、これで最後――全力で行きます!」
 卓越した技量から放たれる、屏の一閃。ジャマーの力が乗ったその一撃は、ソルダの身体を三重に凍てつかせた。
「貴方の再生能力は、わたしが奪う!」
 次に敵が行うであろう行動を見越して、真琴がアニミズムアンクを振りかぶる。ここまで来た、という安堵。ここから始まる、という期待。そして――絶対にここで終わらせない、という決意を込めて。
「地球は、私達の未来は、絶対に……渡しません!」
 アンク宿った肉食獣の霊気がソルダの装甲を深々と嚙み砕いた。

●決戦の行方
「次の敵はそろそろ来ます!皆さん気をつけてね!」
 腕時計のアラームに気づき、真琴が仲間達に声を掛ける。程なくして、満身創痍のソルダの背後に、女性の上半身と鳥かごの下半身を持つダモクレス、小夜鳴くメティカが姿を現した。
「第2ターゲット確認……標的はこのままで良いな?」
「もちろん。ここまで削ったんだもの、このまま押し切るよ」
 屏とアストラが短く言葉を交わし、ケルベロス達は一斉に動き出す。
「――来たれ、死を拒む鳥かご」
 メティカの詠唱が響き渡り、鳥かごの幻影がゾルダを包み込む。支援特化のダモクレスが放つ、強力なヒールグラビティだ。ディフェンダーの防御能力と合わされば、戦況を拮抗させ得る力を持つ――。
 が、しかし。真琴が穿ち、仲間達のジグザグで幾重にも増幅された、回復阻害の傷跡が、その効果を阻む。
「ッ、なんてこと……っ!」
 思わくを外されたメティカが眉間にしわを寄せた。
「宇宙戦だってやれば出来るんだよ」
 アストラが蹴り出した星型のオーラと、
「この遺跡は、渡さないよ!」
 ツカサが放つ、雷の霊力を帯びた神速の突きが、ゾルダの装甲を切り刻み。
「私の翼は静止の調べ。凍り付きなさい!」
 瑠璃音が飛ばす青い斬撃が、ゾルダを三重の氷に閉じ込める。
「一気にいきますかねえ」
「ですなァ!」
 ジュリアスとへしこがジグザグに変形した惨殺ナイフを振るい、
「永遠なる時間の流れに潜伏している災厄よ、この私の呼びかけに答えよ! 目の前の敵を喰らう! ディザスタァ・バスター!」
 運命の名を冠するリボルバー銃から、災厄の概念を宿した弾丸が放たれた。ゾルダの装甲の裂け目が切り広げられ、内部を侵食する魔氷が増幅される。
「これでとどめ……」
 ロングコートをひるがえし、優がゾルダに突貫した。手にするは二振りの喰霊刀。『揺ぎ無き怒り』を求める黒影の刃と、あらゆる呪詛の器たる透明な刃。
「絶望を、断ち切ってやる!」
 呪詛を載せた刃が、美しい軌跡を描いて、装甲の裂け目へと吸い込まれてゆく。魔氷に侵された内部機構を断ち切り、その奥で――……何かが、砕けた。
「ガ゛ァ゛ァァァァ――――!?」
 絶叫を上げながら崩壊を始める、ゾルダの身体を後方に見送って。
「まず、1体!」
 油断無く残心の構えを取りながら、優がそう宣言した。

●月に願いを
「……ゾルダは落ちましたか」
 かろうじて残ったメティカとケルベロス達の間に降り立った、巨大レンチを背負った女性型ダモクレス、『改造魔人』ドクトル・イーサネットは、ゴーグル越しに戦場を一瞥した。
「三体目が来ましたか……ま、やることは変わんないんですけどねえ」
 ジュリアスの氷結輪が、立ち塞がるイーサネットを飛び越えて、メティカを切り裂く。
「遠距離でメティカを先に、だな。平和を乱す、その理不尽……消し飛ばしてやる!」
 優から目に見えない何かが放たれた。不可視の虚無球体は阻まれる事無く着弾し、鳥かごの一部を消滅させる。
「これがボク達の全力だよ!」
 アストラのガネーシャパズルが竜を象った稲妻を放ち、
「これ以上好きにはさせません!」
 屏が蹴り込んだ星型のオーラがメティカの装甲に三重の亀裂を走らせる。
「さァて、ぼちぼち幕引きの時間ですかい」
 空中を疾走するへしこのエアシューズが炎を纏う。狙い澄まされた炎蹴は、仲間によって穿たれた装甲の亀裂を正確に捕え、力一杯蹴りぬいた。圧縮された炎が装甲内部にねじ込まれ、出口を求めて吹き荒れる炎が、秘められた『何か』を焼き尽くす。
「そん、なっ、ァ゛アァァァ――……」
 上半身が爆散し、立ちのぼる炎の中にメティカの残骸が消えてゆく。
「これで2体目。皆さん、あと一息でさァ」
 へしこの陽気な声に、ケルベロス達は残る力を振り絞るべく、最後の敵へと視線を向ける。
「ならば……まとめて細断してあげます!」
 最後の敵、イーサネットの小手から無数のワイヤーが射出され、ケルベロス達に襲い掛かった。
「瑠璃音!」
 とっさに駆けつけたツカサが盾となり、ワイヤーの嵐をその身で阻む。
「ツカサさん、お怪我は!?」
 僅かに焦った、瑠璃音の声。ディフェンダーとして、仲間を守る為、幾度となく身を挺してきた、ツカサだ。これまでに受けた傷は、決して、浅くは無い。
「っ、大丈夫……俺はまだ、平気だから」
 痛みと疲労はありつつも、相手の無事な姿を確認して、ツカサの表情に自然と笑みが溢れ出る。別に、やせ我慢という訳でもない。ディフェンダーの防御効果に加え、ヘリオンデバイスによる体力増幅効果に支えられたツカサの状態は、他のメンバーに比べれば、まだまだ余裕がある状況だ。
「合わせるよ……」
 ツカサが爆破スイッチを握りしめ、
「……はい!」
 瑠璃音が抱えたゾディアックソードが光を放つ。
 次の瞬間、カラフルな爆発と光り輝く守護星座が現れ、ケルベロス達を包み込んだ。それらが仲間達の傷を癒し、反撃の為の力を与えてゆく。
「大丈夫っ!?」
 被弾した屏の傍へ駆けつけた真琴は、すぐさまマインドリングから浮遊する光の盾を具現化し、癒しと守護を施した。
「あ、ああ……ありがとう」
 お礼を返しつつも、屏はなんとなく距離感が掴めず、噛み合わない二人の歯車……今は、まだ。
「他の人は、無事ですか!?」
 メディックとして、負傷状況を把握すべく、真琴が仲間達を振り返ると。
「ボク達の方はボックスナイトが居るからね」
 そう応えるアストラの足元で、そこそこ傷だらけになったミミックのボックスナイトがフタをガタガタ鳴らしている。
「真琴ちゃん自身は大丈夫?」
 逆に気遣う様に聞き返す、アストラ。
「あ、はい! その、この子が来てくれましたから……」
 そう返す真琴の視線の先には、それなりにへたってきた、へしこのナノナノ――メレンゲ巻きの姿があった。
「おー、感心、感心。よくやったぞ、メレンゲ巻き」
 へしこが嬉しそうに声を掛けると、
「ナ”ッ!!」
 と力強く応じる、メレンゲ巻き。
 全体で見れば、皆、それなりにボロボロで、半壊と言ってもおかしくは無い。
 だが、庇い合い、被弾を分け合ったが故、一人あたりの被害は抑えられている。現に、誰一人として欠けていない。
 それは、目の前の脅威を打ち砕く力が、欠片も失われてはいない、という事。
「さあ、もう一踏ん張りだ! これで決めよう!」
 ワイヤーの嵐を掻い潜り、真っ直ぐ突き進む優に、仲間達も続いてゆく。
「くっ……これは――ッ!?」
 立て続けに被弾を受けて、イーサネットが体勢を崩す。
「ドゥエェーイ!!」
 地球と共鳴した、ジュリアスの飛び蹴りがイーサネットを捕らえ――……何かが砕ける音が、辺りに響いた。
「こ、れが……ケル……ッ」
 何かを呟き掛けながら、イーサネットの身体が急速に崩壊し、失われてゆく。
「さよなら……キミ達のこと、絶対に忘れはしない」
 互いの未来をかけて闘い、冥府の海へと旅立ったであろう強敵たちを見送って……優は静かに、月に誓った。

作者:okina 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年6月17日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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