全て! バナナが世の全てだ!

作者:秋津透

「なぜでしょう。なぜだかわかりませんが、ここに来ると落ち着きます」
 静岡県伊豆市にあるテーマパーク……というには地味だが、単に「爬虫類を主とした動物園と熱帯植物園が併設された施設」というには、名前やら何やらいろいろユニークな「伊豆バナナワニ園」を訪れたミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)は、ゆっくりと遊歩道を歩みながら呟いた。
 しかし、彼女の心休まる時間は、唐突に終わりを告げた。不意に彼女の目の前に、奇怪な姿をしたデウスエクスが出現したのである。
「バ……バナナ?」
 目を丸くしたミリムに向かって、バナナを模したとしか思えない妙ちきりんなデウスエクスは高らかに告げる。
「いかにも! 我こそはバナナと機械でなんやかんや人類を支配しようと、バナナデータチップを埋め込まれたバナナ戦闘ロボット、強襲型ダモクレス『バナーナマン』である! まず侵略の手始めに、伊豆バナナワニ園からワニを駆逐し『伊豆バナナ園』にして我が拠点にするため、この地にやってきた! 合言葉は『全て! バナナが世の全てだ!』」
「……はあ」
 なんですかこれは、と、ミリムは思わず溜息をつく。すると『バナーナマン』は、はじめて彼女に気が付いたように目を向ける。
「むむっ! この大計画を聞かれてしまったか! 仕方がない! 可哀相だが、命はもらうぞ!」
「……冗談ではありません。バナナごときが、私の、ミリム・ウィアテストの命を奪うですって?」
 やれるものならやってごらんなさい、と、ミリムは身構えた。

「緊急事態です! ミリム・ウィアテストさんがダモクレスに襲われる、という予知が得られました! 急いで連絡を取ろうとしたのですが、連絡をつけることが出来ません!」
 ヘリオライダーの高御倉・康が緊張した口調で告げる。
「ミリムさんは、伊豆市の伊豆バナナワニ園にいるので、今すぐ全力急行します! 一刻の猶予もありません!」
 そう言って、康はプロジェクターに地図と画像を出す。
「現場はここです。ミリムさんを襲うダモクレス『バナーナマン』は特にミリムさんと因縁や面識があるわけではなく、たまたま鉢合わせしただけのようですが、それだけに詳しいことはわかりません。ただ、滑稽な外見や言動に似合わず、強襲型と自称するだけあって、かなり高い戦闘能力を持っているようです。ポジションは、おそらくクラッシャー。一対一で闘ったら、絶対に勝てないとまでは言いませんが、ミリムさんの勝ち目は薄いでしょう」
 そして康は、一同を見回して続ける。
「幸いというか何というか、敵は単体で、増援も呼ばないようです。ミリムさんが倒された場合、そのままバナナワニ園を占拠するつもりのようですが、もちろんそんな真似をさせるわけにはいきません。『ヘリオンデバイス』での支援も可能な限り行いますので、どうかミリムさんを助けて、厄介なダモクレスを倒し、皆さんも無事に帰ってきてください」
 ケルベロスに勝利を、と、ヘリオンデバイスのコマンドワードを口にして、康は深々と頭を下げた。


参加者
源・瑠璃(月光の貴公子・e05524)
ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)
霧崎・天音(ラストドラゴンスレイヤー・e18738)
帰天・翔(地球人のワイルドブリンガー・e45004)
リリエッタ・スノウ(未来へ踏み出す小さな一歩・e63102)
ルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)
青沢・屏(守夜人・e64449)

■リプレイ

●バナナのくせに生意気だ!
「むむっ! この大計画を聞かれてしまったか! 仕方がない! 可哀相だが、命はもらうぞ!」
 自称、強襲型ダモクレス『バナーナマン』が宣言し、ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)が憤懣に満ちた声で言い返す。
「……冗談ではありません。バナナごときが、私の、ミリム・ウィアテストの命を奪うですって?」
 やれるものならやってごらんなさい、と、ミリムは身構え、ディフェンダーポジションを取る。同時に『バナーナマン』が攻撃を仕掛ける。
「バナナ・パンチ!」
 いかにもビーム発射口のごとく装った右腕の先からいきなり白い物体が射出され、ミリムの鳩尾をどすんと突く。ディフェンダーポジションなのでダメージは半減されているはずだが、それでも相当に痛い。
「ッチ…!」
 おのれ、バナナ紛いのくせに、と、思わず舌打ちして下唇噛んで堪えたミリムだが、ここで弱みを見せるわけにはいかない。すぐさま体勢を立て直し、ルーンアックス『暴斧Beowulf』を振りかざす。
「お前の攻撃はそれだけですか。では、私の番ですね。スクラップにして差し上げます!!」
 よくも私の休日を台無しに、と、ミリムは怒りに任せてルーンアックスを叩きつける。『バナーナマン』は左腕で受け止めようとするが、縦にざっくりと斬りこまれる。
「ぎょ、ぎょえー!」
(「ダモクレスにしては、意外に脆い……攻撃特化の分、防御は甘いのでしょうか?」)
 バナナだけに、と、憤怒の一撃をぶつけて少々憂さを晴らしたミリムは、少々冷静になって呟く。
 そこへ、リリエッタ・スノウ(未来へ踏み出す小さな一歩・e63102)が急速降下してきた。
「むぅ、お休み中のミリムとワニを襲うなんて許せないバナナだね」
「な、なにっ!? 貴様も、バナナワニ園からワニを駆逐し拠点にせんとする我が大計画を知っているのか!?」
 リリエッタの呟きを聞きつけ『バナーナマン』が大仰に驚く。
 しかしリリエッタは意にも介さず、自分自身に【破剣】を付与する。一応ミリムを救援にきたはずで、彼女は小さからぬダメージを負っているのだが、その治癒は後続に任せるあたり、いっそ見事なマイペースっぷりである。
「それに硬くて美味しくなさそうなバナナだし、バナナワニ園のバナナにもこんなのいらないよ」
「当たり前だ! ダモクレスたる我が、地球人ごときに美味しく喰われてたまるものか!」
 むきになって『バナーナマン』が吼えた時、源・瑠璃(月光の貴公子・e05524)がジェットパック・デバイスで飛行しながら急降下してくる。
「ミリムさん、大丈夫? 本当にバナナだ……でもダモクレスなんだから油断は出来ないよね」
 持ち前の穏やかな口調で言いながら、瑠璃はドラゴニックハンマー『機龍槌アイゼンドラッヘ』を砲撃形態にして撃ち放つ。
「ぐわーっ!」
 直撃されてよろめく『バナーナマン』を飛行状態で見据えながら、瑠璃はあくまで穏やかに告げる。
「伊豆バナナワニ園ってワニだけじゃなくて海洋生物とか色んなものがいるんだね。こんなダモクレスが暴れるとワニだけじゃなくてワニ園にいる生き物や熱帯植物が多大な被害を受けるね。ここに来る人達の為に絶対撃破だね」
「な、なぜだ! なぜ、そこまで知っている!?」
 懸命に体勢を立て直しながら、『バナーナマン』は叫ぶ。
「それに、よく考えたら、何で貴様ら、我が人払いの結界をものともせずに集まってくるんだ? まさか貴様ら、地球人ではなくデウスエクスか?」
「いや、違うよ。僕たちはケルベロスだ」
 ごく普通の口調で瑠璃が訂正し、『バナーナマン』は目を丸くする。
「ケ、ケルベロス!? デウスエクス殺しのケルベロスか!? な、な、なんで、そんな物騒な連中が!?」
(「なんで何も、近いうちにケルベロスとダモクレスは互いの存亡と宇宙の未来を懸けた決戦をするはずなのですが……このバナナ、ここまで何も知らないということは、ダモクレスの仲間から見放されているのでしょうか?」)
 まあ、見放したくなるのもわかりますが、と、ミリムは内心溜息をつく。
 そこへルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)が、いつもはおっとりした彼女にしては、随分テンション高い勢いで降下してくる。
「ミリム様の危機と聞いて駆けつけましたわ! ご無事でなによりです……けれど、このバナーナ、ミリム様の命を狙うだけには飽き足らず、バナナ園のワニ達まで! いえ、ワニ達だけじゃありませんわ! バナナワニ園にはマナティやゾウガメ、オオサンショウウオにフラミンゴ、かわいいレッサーパンダもいるのです! 彼らの命を無為に奪う邪悪なる計画、決して許せませんわ!」
 息もつかずに言い放つと、ルーシィドは『バナーナマン』を眼鏡超しに睨み据え、九尾扇を振るって攻撃するのかと思いきや、ミリムを治癒し【破剣】を付与する。
 続いて降下してきたジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)は、少々戸惑ったような表情で周囲を見回す。
「あれ? 今回は施設内での戦闘じゃなかったのか?」
「いいえ、見ての通り屋外の遊歩道ですわ」
 ルーシィドが応じ、ジークリットは更に困惑した声を出す。
「それで、バナナワニ園の警備員なりに一般人の避難誘導を頼んだ上で、念を入れてキープアウトテープで非常線を張っておくつもりだったんだけど……」
「いえ、その必要はありませんわ。このダモクレスが『人払いの結界(デウスエクスやケルベロスには無効)』を巡らせておりますので、避難誘導等は不要なのです」
 懇切丁寧にルーシィドに諭され、ジークリットは改めて周囲を見回す。
「それじゃ、すぐに戦闘か……では、まず備えをしておこう!」
 そう言ってジークリットはゾディアックソードを抜き放ち、守護星座の力でミリムを治癒すると同時に、彼女と自分に【BS耐性】を付与する。
 そして続いて降下してきた霧崎・天音(ラストドラゴンスレイヤー・e18738)は、ジェットパック・デバイスで滞空しながら、無表情のまま『バナーナマン』を見据えて呟く。
「なんだか甘い匂いがする……でも結構強そうだから気をつけないと……とにかく、ミリムさんが無事で良かった……」
「甘い匂い、だと?」
 ダモクレスたる我がそんな匂いを放つはずがない、と唸りながらも『バナーナマン』は存在しない鼻をくんくん鳴らす。そこへ天音が、遠慮会釈なく全力の急降下重力蹴りを叩き込む。
「ぐわあっ!」
 転倒する『バナーナマン』を見やって、天音は無表情のまま呟く。
「うーん、美味しそうな匂いがしてちょっとだけ戦闘に集中できないかも……」
「ほ、本気で我を喰う気か?」
 バナナの形をしてはいるが、我は歴としたダモクレスだぞ、と、『バナーナマン』は少々びびり気味の口調で唸る。
 そこへ降下してきた帰天・翔(地球人のワイルドブリンガー・e45004)が、首を傾げて訊ねる。
「ウィアテストさん、大丈夫? で……? ……こいつはダモクレス……? ……それともバナナ?」
「ダモクレスだ! バナナデータチップを埋め込まれて、バナナの形を模してはいるが、身体の大半は金属製だ!」
 訊ねられたミリアより先に、『バナーナマン』が大声で言い募る。
 すると翔は、人が変わったように乱暴な口調で叫ぶ。
「バナナじゃねーなら、そんなまぎらわしい恰好してるんじゃねー! てめぇなんか、とっととスクラップになりやがれ!」
 バナナは好きだがダモクレスは嫌いだ、と言い放ちながら、翔は『ドラゴニックハンマー・改』を砲撃形態に変化させ、『バナーナマン』に強烈な一撃を浴びせる。
 そして、最後に降下してきた青沢・屏(守夜人・e64449)も、戸惑った口調で訊ねる。
「ミリムさんがトラブルに遭ったと聞いて駆けつけましたが、このバナナ原は一体何? 今の時代、どんなものでもダモクレスになれるのですか? 前はマッサージ機械、今回はバナナ??」
「違う! 我はバナナがダモクレスになったわけではない! 最初からダモクレスとして製造されている!」
 半分やけっぱちのような勢いで、『バナーナマン』が叫ぶ。すると屏は、げんなりした表情になって告げる。
「食べられないバナナ早く消えてください……」
「誰が消えるか! 消えるのは、貴様らの方だ!」
 喚く『バナーナマン』に、屏はゾディアックソード『勝利の剣』を構えて急迫、雷の霊力を帯びた突きを見舞う。
 すると『バナーナマン』は、無残に破壊された左手を天に突きあげて叫んだ。
「バナナ・パワー!」
 すると『バナーナマン』の全身が黄金の光に覆われ、傷がすべて消える、とまでは言わないが、目に見えて修復される。
「ふはははははは! 見たか、我が偉大なるバナナ・パワーを! この力ある限り、我は不滅なのだ!」
「ならば、その力とやらを消し飛ばして差し上げます!」
 ミリムがバスタードソード『ブルーフレイムラズワルブレイド』を叩きつけ、『バナーナマン』の右腕に痛撃を与える。もともとの【武器封じ】の効果に加え、ルーシィドに付与された【破剣】の効果が加わり、『バナーナマン』が自己付与した【BS耐性】を見事に吹っ飛ばす。
「そ、そんな、バナナ(馬鹿な)!」
 愕然とする『バナーナマン』に向かって、ミリムは容赦なく決めつける。
「調子に乗るんじゃありませんわ、この塵!」

●バナナに生き、バナナに死す(意味不明)
「バ、バナナ・パワァァァァー」
 当初の威勢のよさはどこへやら、もはや半分泣くような声で叫び、『バナーナマン』は懸命の自己治癒を行う。確かに満身創痍のボディがある程度修復されはするものの、明らかにじり貧状態に陥っている。
「うん、しょせん単体だものね。いくら強力な攻撃能力と優秀な治癒能力を備えていても、両方一度には使えないよね」
 穏やかな口調で、瑠璃が論評する。ケルベロスたちの猛攻を受け、この数ターン『バナーナマン』は自己治癒一辺倒に追い込まれ、攻撃に出ることができない。いくら粘ろうと、それでは勝てない。
 そしてミリムが、腹立たしげに言い放つ。
「いつまで見苦しく粘る気ですか! とっとと消えなさい!」
 罵声とともに、ミリムはオリジナルグラビティ『奇術師ゼペットの紋章(デッドリーマジックショー)』を放つ。
「その節穴バナナ目を見開いて、とくと見るがいいですわ!」
「ぎゃああああああ!」
 危険な奇術師のマジックに巻き込まれ、治癒したばかりの『バナーナマン』の全身装甲が剥げ落ちる。むろん【破剣】の効果は継続しており『バナーナマン』の【BS耐性】は当然のごとく吹っ飛ばされる。
「芸無しバナナ、もう飽きた。消えて」
 冷ややかに告げ、リリエッタが炎を帯びた『ジェットエアシューズ』で蹴りつける。『バナーナマン』の全身が、たちまち炎で覆われる。
「あちちちちちち!」
 悲鳴をあげる『バナーナマン』を見やって、天音がぼそりと呟く。
「焼きバナナ……いい匂い……」
「そうかい?」
 僕には感じられないけど、霧崎さんは元ダモクレスのレプリカントだから感覚が違うのかな、と、声には出さずに呟き、瑠璃がオリジナルグラビティ『太古の月・強(エンシェント・ムーン・レインフォースメント)』を発動させる。
「意志を貫き通す為の力を!! 全力で行くよ!!」
「ぎょええええ!」
 瑠璃が秘めた太古の月の力を剣にして一気に振り下ろす大技をまともに受け、『バナーナマン』の身体が両断される。これで潰れたか、と一瞬見えたものの、切断面からバナナの粘液のような粘体が溢れ、斬られたボディを繋ぎ止める。
「はあ、はあ、はあ……死ぬかと思った」
「いえ、死んでください。遠慮なく」
 機械で口もないくせに、なぜかぜえはあ喘ぐ『バナーナマン』に容赦ない言葉を浴びせたものの、攻撃グラビティを持っていないルーシィドは、次に攻撃の手番が回るジークリットにゴッドグラフィティを行い、攻撃力をアップさせる。
「ありがとう、ルー」
 律儀に礼を言うと、ジークリットはオリジナルグラビティ『烈風(レップウ)』を放つ。
「風よ……。邪悪なる意思を打ち砕け! 烈風!!」
「ぎゃーっ!」
 重力を纏う真空の刃をまともに受け『バナーナマン』の胴が大きく裂ける。そこから、またバナナ粘体が溢れ、かろうじて傷を塞ぐ。
「……焼きバナナ……食べたい」
 天音が不穏な呟きを漏らし、オリジナルグラビティ『獄炎斬華・恨壊(ゴクエンザンカ・コンカイ)』を、通常とはちょっと違う感じで発動させる。
「私が……全ての食欲を晴らす…地獄の……腹の虫の声を聞け…!」
「やーめーれー!」
 喰われる、マジで喰われる、と、恐怖の声をあげる『バナーナマン』を、天音は右脚を無数の炎の刃に変え、蹴りつけ、切り裂く。炎の蹴りが当たった箇所が、食いとられたように大きくえぐれ、溢れた粘体が瞬時に蒸発して異様な臭気を放つ。
「……美味しい」
「いや、ちょっとそれ、勘弁して」
 辟易気味の声を出したのは、『バナーナマン』ではなく翔だった。食べることは大好きな翔だが、そこは地球人。レプリカントの天音が、メカバナナを本当に喰ってしまっているように見える状況には、さすがに引く。
「いや、霧崎さん悪くない。悪いのは、紛らわしいてめぇだ!」
 とにかく消えろ、とっとと消えろ、と、翔はオリジナルグラビティ『カオティックマキシマムドライブ』を叩きつける。
「てめぇのメカバナナ片一つ……は、喰いたくねえから、魂だけ残らず全て喰らい尽くしてやるぜ! 消えちまいな!」
「ぎゃああああああああ!」
 混沌の力が解放され、瀕死の『バナーナマン』に叩きつけられる。もはや逃げも躱しもできず、『バナーナマン』は混沌に呑まれて完全に消え去る。
 そして屏が、最後まで戸惑いを拭えないような口調で訊ねる。
「まさかあのマシンバナナを料理にしたいのではないでしょうか?」
「さあ……」
 憑き物が落ちたような表情で翔が呟き、天音が無表情のまま応じた。
「美味しかった。でも足りない。バナナワニ園を観光しよう。いっぱいお土産を買おう。それにお昼ごはんも食べたい」
「あ、それいいね」
 瑠璃が爽やかに応じ、ミリムが笑顔で告げる。
「今日は皆さん、本当にありがとうございました。よろしければご一緒に、ゆっくりいたしましょう」
「フルーツパーラーで、バナナをご馳走になっていこうかな」
 リリエッタが呟き、ルーシィドが弾んだ声を出す。
「ワニさん達や、かわいいレッサーパンダさんを見ましょう!」
「伊豆の温泉で疲れを取るのも良いな」
 ジークリットが機嫌よく告げたが、翔と屏の二人は少々げんなりした顔を見合わせる。
「あれは、いったい何だったんでしょう?」
「わからないけど、バナナはしばらく食べたくないな……」
 女性たちは本当にタフだ、と、屏は溜息混じりに呟いた。

作者:秋津透 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年6月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
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