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僅かに残った桜が、昼を薄っすらとピンク色に染めていた。
よい景色、よい天気、よい陽気。
そんな素晴らしい一日にすべき事と言えば、レヴィン・ペイルライダー(キャニオンクロウ・e25278)にとって、一つしかない。
「餅を焼くしかねぇよね!?」
そう餅だ。それも、ただ焼くだけではなく、炭火でジックリと炙るのだ。
「そろそろいい感じだな! ……お土産に持って帰ってやりたいが、オレが我慢できるかどうかが問題だ」
レヴィンの脳裏に大事な人や同居人の顔が過るが、炭火の香ばしい香りを纏った餅は、彼から自制心を奪う厄介な敵だ。
ジュルリと唾液が溢れ掛け……しかしある気配を捉えた瞬間、それら雑念が瞬時に吹っ飛んだ。
(「――ありえない!」)
思わず浮かぶ感情。
気づけばレヴィンの周囲に人影はなく。
背後に現れた気配と、散りゆく桜だけが残されている。
「貴様を殺す。何も言わなくていい。ただ、死ね」
背後に現れた男の声に聞き覚えはない。
(「この気配、面影、螺旋忍軍! 忘れる訳がない!」)
だがレヴィンが何かを理解した瞬間、彼は銀色の銃を握りしめ、螺旋忍軍と思しき男は刀を振るった。
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「急報です! レヴィン・ペイルライダーさんが、螺旋忍軍に急襲を受けるという予知がなされました」
緊急招集されたケルベロスに告げるのは、息を切らせながらも報告する山栄・桔梗(シャドウエルフのヘリオライダー・en0233)。
事情を知らされ、ケルベロスの間にも緊張が走る。
「こちらからも急いでレヴィンさんと連絡を取ろうとしたのですが……コンタクトを取る事は叶いませんでした。最早、一刻の猶予もありません! 今すぐに、救援に向かいましょう!」
「レヴィンさんの前に現れたのは螺旋忍軍と説明しましたが、より具体的な情報をお伝えしておきます。敵は名を、『ダウスニーグ』と言うそうです」
急行する最中、桔梗が必要とされる情報を急ぎ、かつ丁寧に説明する。
「主たる武器は刀だと思われますが、螺旋忍軍らしく、螺旋の力も戦闘に用いてくるものと思われます。また、配下は確認されておりません。その点は安心ですね」
配下がいないのであれば、レヴィンの実力を鑑みれば容易に押し切られるという事はないだろう。
「レヴィンさんとダウスニーグの接触地点に関しては、こちらで完全に予測できていますし、皆さんが急いで準備を終えてくれたおかげで、二人の接触から間もない内に現場へと到着できそうです」
そう告げて初めて、桔梗が僅かな安堵の色を見せる。間に合いさえすれば、ケルベロスが事態を無事に収めてくれると信頼しているのだ。
「桜の季節も終わりが近づいていますが、最後まで美しい場所は美しいままでありますように。皆さん、どうかレヴィンさんを無事に連れ帰ってくださいませ!」
参加者 | |
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端境・括(鎮守の二挺拳銃・e07288) |
緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652) |
七宝・瑪璃瑠(ラビットバースライオンライヴ・e15685) |
朱藤・環(飼い猫の爪・e22414) |
櫟・千梨(踊る狛鼠・e23597) |
レヴィン・ペイルライダー(キャニオンクロウ・e25278) |
バラフィール・アルシク(闇を照らす光の翼・e32965) |
エルム・ウィスタリア(薄雪草・e35594) |
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「――死ね」
螺旋忍軍・ダウスニーグが振るう白刃が、レヴィン・ペイルライダー(キャニオンクロウ・e25278)に迫っていた。
殺意を極限まで研ぎ澄ました太刀筋。雪辱の刃。
(「お前の妹をオレが殺したのは事実だ」)
そこに宿る感情に、レヴィンが何も感じないはずもない。
「だけど箒が助けてくれたこの命、ここで死ぬもんか!」
握りしめた形見である銀色の銃は、レヴィンに他の何よりも命の重さを教えてくれる。それは最早、レヴィン一人の命ではないのだと。
そしてそんな彼の行い、在り方は、周囲にも少なからず影響を与えていたようで――光刃を発する肉食獣の一撃が、横合いからダウスニーグを打ち据えた。
「……ッ!?」
「助けに来たよ、レヴィンさん!!」
七宝・瑪璃瑠(ラビットバースライオンライヴ・e15685)が操るレスキュードローンが、レヴィンの周囲を囮として旋回し、
「本来復讐に口を挟める立場ではないんですけど……知っている人が傷つくのを黙って見過ごせる性分でもないんですよねー」
ダウスニーグの刃を受け止めるために最前線に躍り出た朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)が、「もしかして、猫の手の押し売りはお邪魔でした?」そう茶目っ気交じりに、茫然とするレヴィンの方へ振り返った。
「……まさか! ありがたいぜ、瑪璃瑠、環!」
彼は一人ではない。現実のものとなった光景に、レヴィンは込み上げるものを堪える。
環は微笑み、全方位からの攻撃に備えて防御を固めた。
「野暮は承知の上だっただけに、そう言ってもらえて安心じゃ。レヴィンに死んでほしくはないっていう感情のままにお手伝いさせてもらうつもりだったからの」
「ご無事なようで何よりです。私だけでなく、この場の全員……もちろんカッツェとシュッツも同じ気持ちですよ」
「括にバラフィールもか! ……ああ、身に染みている所だ。後で借りは返さないとな。幸い、いいもんがあるし」
絶賛炭焼き中の餅を見遣るレヴィン。
「うむ、楽しみにしておくのじゃ!」
未来を見据える。彼の言葉の裏に込められた真意を察する端境・括(鎮守の二挺拳銃・e07288)が、レヴィンと連携する形でクイックドロウを放ち、雷の壁を構築するバラフィール・アルシク(闇を照らす光の翼・e32965)は、ブーツの踝に二対の翼を展開させ、括と共にダウスニーグの逃走を許すまいと牽制する。カッツェが、漆黒の翼を羽ばたかせた。
「見て見ぬ振りも考えたが、縁と恩がありすぎるし……まぁ今回は特別だ、イケメン」
圧縮したエクトプラズムで大きな霊弾を放つ櫟・千梨(踊る狛鼠・e23597)は、小さくぼやく。レヴィン――ならぬイケメンは得であると。
(「何せ、俺みたいな捻くれた男が動かざるをえない。そんな風に思わされるんだからな」)
やれやれと肩を竦める千梨。
「事情は既に聴き及んでいるよ、レヴィンさん」
安堵を浮かべた緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)は、柔らかな物腰で告げ、レヴィンの無事を確認。
が、すぐにその目付きを一転して鋭くすると、ダウスニーグを睨め付けた。
「俺にも大切な妹はいるから、その感情だけは理解出来る。が――」
「…………」
フレイムセイバーとダウスニーグの刃が交錯する。その際、刃と一緒に結衣はダウスニーグと一瞬だけ視線も交わす。妄執に囚われた眼光。結衣からすれば、見慣れたそれ。
「復讐とかそういうのに興味ないのですが、知っている方が傷つくのは見過ごせません。――雪も積もり積もれば盾となる」
エルム・ウィスタリア(薄雪草・e35594)は、前衛の周囲にふわりと雪を積もらせ、癒しの盾とする。
「レヴィンさん、これまでたくさん僕を助けて頂いた御恩を少しでもお返しできればと参りました。あなたを殺させたりなんてしません。無事に帰りましょう」
「千梨、結衣、エルム……!」
集結した絆はレヴィンの存在証明にすら等しい。彼はダウスニーグに向き直ると、宣言した。
「お前自身に恨みがあるわけじゃない。でも、生きるためにオレはお前を倒す!」
そして――。
「みんな頼む、力を貸してくれ!」
●
「……邪魔を……スルナァ!!」
ダウスニーグが押し殺していた感情が解放され、怒髪天を突く。憤怒は炎の螺旋となり、レヴィンや彼を守ろうとする前衛全体に襲い掛かった。
「悪いけど、ボクたちとしてもそういう訳にはいかないんだよね」
瑪璃瑠が、対抗策として前衛に混沌の水を浴びせて被害を止める。
「良い気は中へ、悪い気は外へ!」
環も、猫の形として癒しの気を味方に放った。
続いて、レヴィンが地獄の炎弾を撒き散らす。
「……熱い戦いは予想してたが、物理的な意味でもそうなのは厄介だな」
ダウスニーグは火力を本領としている。ヒールで補いながらも少なからず火傷を負う環とレヴィンの姿に、千梨の眉根が僅かに寄った。
「復讐を果たしたところで死者は戻らないし、矛先を失った憎しみと喪失感はいつまでも残る。それに囚われた時点で未来をも失う。……そう、たとえば今のお前のようにな」
螺旋火炎波を回避した結衣はあえて苛烈に挑発し、攻める。そうしながら結衣は、冷静に戦況を読む千梨やエルムに目配せを。戦闘終盤、レヴィンに訪れるだろう機のために。そして僅かにでもダウスニーグの意識を逸らすために。
「創世の炎が導く真理、万物が至る命の終着――これまでに目にした死を数えてみろ。そして滅びゆく世界の中で、その罪を知れ」
地獄の炎を纏う灼熱の魔剣による剣技が、ダウスニーグの命の脈動を破滅で上書きすべく毒となって侵食した。
(「……! 緋色さんの覚悟、見せて頂きました。なら、僕も僕に出来る事を!」)
エルムの鋼の鬼と化した拳が、ダウスニーグの防御を少しづつ打ち崩す。
「戯言をほざくな。復讐、だと……? 俺は俺のために殺すだけだ。貴様を――レヴィンを!!!!!」
分身の幻影を纏うダウスニーグ。
「ですから、大切な仲間をみすみすやらせませんと、そう言っておりますよ! 奪い合うなど、負の連鎖など……! 退魔の光よ、魔を焼き尽くし灰塵に帰せ!」
すかさず、バラフィールが槍の如き紅い光を放ち、ダウスニーグのエンチャントを破壊。
(「クラッシャーのエンチャントじゃから、バラフィールや護殻装殻術で守護したレヴィンがいれば対策は十分のはずじゃ! 好きにはさせんぞ、ダウスニーグ!」)
――蘆原に禍事為すは荒御霊。荒ぶり来たらんものを通す道はないのじゃ。おぬしの悪行もここまでじゃよ。
括の眼力がダウスニーグに巡る気を見極め、その流れを塞ぎとめる部位目掛けて弾丸を撃ちこむ。
「死ねぇぇぇええええええ!!」
広範囲を覆う螺旋火炎波と、時間の経過とともに増す刃の切れ味。それはダウスニーグがいかに激しい感情を刃に注いでいるかの証左。
環は螺旋火炎波を回避し、巨大機械腕型や防具を盾に刃の一撃の威力を可能な限り軽減する。
「くっ!」
そしてだからこそ、仲間の献身にレヴィンの胸中には悲しみが、迷いが、しかして湧き上がる生への、未来への葛藤が激しく交錯する。結衣が、環が、カッツェが、仲間が彼を庇って傷つくたび、揺れる感情の幅は否応なしに広がっていく。
「大丈夫です、私達はまだまだやれますよー! 今までレヴィンさんにお世話になったものをお返ししているだけですから。ね、エルムさん?」
「はい、環の言う通りですよ、レヴィンさん!」
呼応するように瑪璃瑠の大自然の護りが結衣の傷を大きく癒し、環が全身防御で態勢を整える。
千梨のスターゲイザーが、結衣のフレイムセイバーによる一閃が、括のいたずら野鉄砲から射出された使い魔のモモンガが、バラフィールの殺神ウイルスが、エルムの熾炎業炎砲が、カッツェの鋭く伸びた爪が、着実にダウスニーグの体力を削っていく。
●
「ボクたちにも、兄様がいるよ」
歯を食いしばるレヴィンに、瑪璃瑠が静かに告げる。
「優しくて、かっこいい、自慢の兄様が。もしもがあれば、ボクたちも絶対、兄様を庇うと思う。それが兄様をどれだけ哀しませることになっても、ボクたち瑪璃瑠はそれだけは譲れないから」
瑪璃瑠は迷わない。疑問も抱かない。瑪璃瑠の義兄が危険に晒されたなら、そうする事が当然であるように身を盾とするだろう。レヴィンを兄の様に慕い、命を賭けて守った箒のように。
「それが兄様を慕う妹ってものなんだよ、レヴィンさん。だから――」
「ああ、進まねぇとな、前に! いつまでも情けない所を見せる訳にはいかねぇ! 」
ワイルドインベイジョンを行使する瑪璃瑠。
(「その上で、迷いは捨てない! 彼の気持ちは痛いほど分かるから!」)
レヴィンが、跳弾射撃を繰り出した。
環が、破壊のルーンを、結衣が捕食した魂のエネルギーをレヴィンに付与させる。
「まったく、良い奴過ぎて復讐されるとか似合わなすぎる。その上、話を聞いてれば印象が変わらないどころか、余計にイケメンじゃないか。自分を殺しに来た敵に向ける顔じゃないぞ、それ」
千梨は表面上呆れて見せるが、しかしその無表情の裏には、良いものを見たという感嘆すら伺える。
「そろそろ仕上げの時間だ。繰る糸は、糸桜か糸薄。或いは哀しき、業の糸」
千梨が密やかに紡いでいた半透明の糸が、白日の下に晒される。
「これは……ッ!? 虫けら共が!!」
ダウスニーグがその糸の存在に気づいた瞬間、糸は赤みを帯びた輝きを放ちながらその肉体を絡み取る。
「他者を思う気持ちを知りながら……いや、だからこそ止まれと言うても止まること能わぬ激情ではあるのじゃろう」
耐えがたき喪失感。そして幸か不幸か、戦う力を有していた。
「其が感情の故であるのなら、わしも其に従ってレヴィンを助けるまでじゃ!」
括が星座の形に並べた光から、象徴するオーラを飛ばす。
(「――兄妹、ですか」)
エルムの脳裏を過る姿。エルムは十字架を握りしめる。しかし彼はそんな内心を割り切って、「シュネー、頼みます!」シマエナガのシュネーをダウスニーグに容赦なく嗾けた。
「必ず帰りましょー、皆で! お餅も待っていますよー!」
ふいに環が明るい声を張り上げた。一見、場にそぐわない能天気な声色。しかしだからこそエルムは気持ち軽くなった心地で顔を上げ、その場にいる全員が陰惨な現実に立ち向かう力をもらえる。
「……悲劇はもう十分でしょう、ダウスニーグ。私達がここで終わらせて差し上げましょう」
バラフィールが紅蓮槍を解き放ち、ダウスニーグを光の火で包み込んだ。
「ここが憎しみの終着点だ、その因縁と共に消えろ」
「ぐゥゥゥ……!」
本気の殺意を込め、結衣が地獄の炎で支配する剣技を披露する。
ダウスニーグも懸命に刃で応戦するが――。
「どうやらドレインによる回復も頭打ちの様じゃ! 分身の術も抑え込んでおるし、あと一歩じゃぞ! レヴィン、覚悟はよいか?!」
「どうかな、括。ダウスニーグの気持ちを考えると、今にも泣きそうになるくらいだ。……でも、その上で、生きるためにダウスニーグを倒す!」
「それでこそ、じゃ!」
自分のためにはできずとも、誰かのためにならできる事もある。
括がファミリアシュートを射出し、
「共に生きて」「共に死ねる」「「それをボクたちは幸せに思うんだよ!!」」
瑪璃瑠が幻影を纏うダウスニーグに対抗して分身。夢現十字撃を放つ。
「レヴィンさんらしい結末を!」
「行ってこい、今日の主人公」
「最後はお任せしますね」
環が猫の形にした癒しの気を放ち、千梨のデスサイズシュートとバラフィールのジグザクに変形したRote Blitzableiterの刀身が道を切り開く。
「オレは絆の力を信じてる!行くぜ!ホーリーダンスッ!!」
託されたレヴィンは仲間から受け取った力をそのままに、ダウスニーグに己が全身全霊をぶち込んだ。
「……クソッ……タレ……がぁ……!」
瞳に無念を浮かべて崩れ落ちかけるダウスニーグ。
「お前の妹……『ごめんなさい、お兄ちゃん』って言ってたよ……。兄想いの妹がいるんだよな……オレ達には……」
最後に伝え、レヴィンは亡骸を受け止めた。
号泣する彼を見て、ダウスニーグが最後の最後に何を思ったか、それは分からない。
だけど……。
桜に混じり、エルムが降らせた雪が舞い散る。
誰も彼も、いずれ癒される時が来る事を願って。
●
「無事でよかったのじゃ」
レヴィンは、満面の笑顔を浮かべる括を筆頭に、仲間から次々に無事の確認をされた後――。
「うおおおお!!」
モフモフの海に溺れていた。
文字通りの猫や熊の手でモミクチャにする環と括。
「嬉しいけどちょっとタンマ! い、息がーー!?」
シマエナガのシュネー、モモンガ、カッツェ。トドメとばかりにライオンラビットに動物変身した瑪璃瑠が、レヴィンの上に鎮座していた。
「さて、レヴィンさんが十分に癒された所で、お餅もいい感じのようなので、餅会としゃれ込みましょう」
エルムは意識して明るく手を叩き、仲間の視線を集める。料理上手の彼の言う通り、餅の焼き加減は最高潮。
「そういえば、こんな日は餅を焼くしかねぇってここに来たんだって? なんでなの?
急に新たな一面を知った感じだけど」
「……天気と餅は関係があるのか? 確かに景色はいいけれど」
千梨と結衣が首を傾げるが、レヴィンの「餅、大好きなんだ!」その屈託のない笑顔に二人は顔を見合わせ、敵わないなと苦笑する。
「これから餅を食べるなら、いろいろと調味料を持って参りましたよ。よろしければ是非。紙皿や箸、魔法瓶のお茶などもあります」
バラフィールの圧倒的女子力。だが、餅を前にした彼ら、彼女らは花より団子。細かい事を気にせず、ささやかな宴と相成った。
「素のお餅もお米の香りと甘みがおいしいのう。バラフィールが黄な粉も用意してくれたおかげで、いつまでも楽しめそうじゃ。わしもお茶を持ってきたから、足りなければ遠慮なくの!」
「食べるのもいいけれど、待っている人への土産まで食べてしまわないようにね。無事に帰る事が何よりの土産なのかもしれないけど」
括が餅の味を堪能し、結衣が穏やかに告げる。
「甘いのも、しょっぱいのも、どっちもいいですねー!」
「餡子か黄粉もらうぜ? ……素朴で温かな良い味だ」
「いい味です。あと……シマエナガってお餅食べて大丈夫……ですよね?」
環も千梨もエルムも。そしてもちろんシマエナガやモモンガやカッツェも、全力でこの場を楽しんでいた。
「箒さんのお好きだった食べ方はありますか?」
バラフィールが、ふとレヴィンに問いかける。
「甘い系かな」
「でしたら……!」
レヴィン達全員の手元に甘い味つけの餅が行き渡り、この場の締めとして食すのだった。
うぅ……みんなありがとう!!
――うん、今日の餅はめっちゃ美味い!!
作者:ハル |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2021年5月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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