デスバレス大洪水を阻止せよ~暗く長き墓

作者:baron

 ミッション地域から解放されても、関門トンネルを望む街並みはそれほど復旧が進んでいない。
 トンネルそのものが最優先なので仕方がないが、街だって見捨てられたわけではない。
 むしろ修復にかける熱意は住民の方が高かっただろう。
「せっかくヒールしてもらったんだしな。早く元に戻しちまわねえと」
 その日も男は熱心に周辺を回っていた。
 大雑把にだがヒールで修復され、補強工事だって終わっている。
 だがあちこちに変異した場所があり、放っておいて良い場所もあれば問題のある場所もある。ヒールを掛けて回った当時は気が付かなかった亀裂やデコボコなど、そういった場所は地域住民の役目だろう。
 良くも悪くも『そこそこ修復は済んでいる』とでも言うべきだろうか。
「まだやってたのか? 早く休めよ」
「おう。あんたも警備ごくろうさん」
 定時の見回りにやって来た警備員たちが、補修工事をしていた男に声をかけていく。
 そんな彼に、新たに声を掛ける者が現れたのだ。
『故郷を思うその心、我は感心したぞ。永遠に留め置こう』
「え? ウワアア!」
 隠れてずっと彼の様子を伺っていたナニカが現れた。
 犬のような顔をした大男で手には天秤を持っている。
 そしてそいつの周囲から現れた骸骨のような連中に男を捕まえさせると、心臓を引き抜いてしまった。
 しかし奇妙なのはそこからである。
『捧げよ、捧げよ! 情熱を捧げよ!』
 穿たれた胸の穴が広がり、男の死体はその穴に完全の飲み込まれた。
 そして代わりのその穴から、水が留めも無く溢れて出した!
 町もトンネルも全てを飲み込む大洪水が始まったのである。


「日本列島防衛戦お疲れ様です。……お疲れの所、非常に申し訳ないのですが失礼しますね」
 セリカ・リュミエールは勝利の喜びも覚めやらぬ中、緊張の面持ちで話し始めた。
 その様子に事態の変化をかぎ取り、ケルベロス達が視線を向けた。
「冥王イグニスの言葉通り、死神勢力が動き出したようです」
「おう? そりゃあもしかして……」
 セリカが大きな画面に示した地図は西日本のものである。
 ピックアップされたいくつかの地域に、見覚えのある者も居た。
「はい。死神の拠点は鎧駅ですが、それと同時に西日本にああった死神勢力のミッション地域だった場所で一斉に事件が起きます。問題なのはそれは呼び水に過ぎず、デスパレスの海そのものが地上に出現するようなのです」
 《甦生氷城》ヒューム・ヴィダベレブングと呼ばれる拠点名が大きな画面に映し出される。
 それに前後して各地のポイント名も表示され、関門海峡や鳴門大橋などなじみ深いミッション地域が表示された。
「これを阻止する為には、呼び水となる、死神を見つけ出して撃破しなければなりません。幸いにもケルベロスブレイドで強化された予知もあり、地域や時間も絞られています」
 正確な予知が出来ているので、出現と同時に奇襲を掛けることができる。
 奇襲さえできれば撃破するのは難しくないかもしれないが、予知をずらすと場所も変化してしまうので阻止が間に合わなくなる可能性もある。その点だけは注意して欲しいと告げられる。一応は町の修復に一番情熱的な人物と判っているが、時間の問題もあるので、周囲が警戒されていたら他の相手で適当な場所で行う可能性もあるのだ。
「関門トンネルには二体の死神が出現しますが、この個体は墓守・アムドゥアトという名前です。犬の顔と六本の腕を持つ死神で、手には天秤と大鎌を兼ねた十字架を持って攻撃してきます。デスナイトと呼ばれる部下も十体ほど居るので注意してくださいね」
 性格的には理知的で慈悲深いように見えるが、殺して再生するという前提にたっており、話が通じる相手ではないようだ。部下がいることも含めて、ビルシャナを戦闘向きにしたような……と言えば判り易いだろうか?
「なお、死神達は儀式に則って一斉に殺害を行う為、その前に救出か撃破をお願いします」
 この死神は強敵と言う訳ではないが、相手に部下がいる状態で一般人の救出ないし時間制限があるので注意が必要だろう。
「地上に大洪水を起こすなど、許す事は出来ません。どうかよろしくお願いします」
 大虐殺を止めて欲しいとセリカは深々と頭を下げた。


参加者
平・和(平和を愛する脳筋哲学徒・e00547)
風峰・恵(地球人の刀剣士・e00989)
クリム・スフィアード(水天の幻槍・e01189)
ルーク・アルカード(白麗・e04248)
カルロス・マクジョージ(満月の下でディナーはいかが・e05674)
玉榮・陣内(双頭の豹・e05753)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)
クリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)

■リプレイ


「敵が現れました。これでだいぶ絞れて来ましたね」
 風峰・恵(地球人の刀剣士・e00989)がゴットサイト・デバイスで見た情報を告げた。
「やっぱりあの人? となると……」
 その情報を聞いた円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)は、被害者候補の中から最有力だった人に視線を向けた。
 そして周囲の地形を眺めて戦場を観察する。
「奇襲できるかどうかは別にして、スムーズに割って入るなら飛んでいく方がいいわね」
 キアリはそういうとストール状にしたジェットパック・デバイスを起動し始めた。
 姿を現さないように周囲の光景を弄りつつも仲間達とリンクして、いつでも空を飛べるように身構えておく。
「これで後は予知の時間を待つだけかな。カルロスさん、一応連絡をお願いします」
「了解。伝達しておくよ」
 彼女の様に姿を消している仲間も多く、恵は念のためにカルロス・マクジョージ(満月の下でディナーはいかが・e05674)が用意しているマインドウイスター・デバイスを使ってもらうように頼んだ。
「巡回の人も行ったね~。もう秒読み段階かな?」
「今回の企みも防いで、似たような事件を起こさないために早めにイグニスに終止符を撃ちたいものだな」
 同じように隠れている平・和(平和を愛する脳筋哲学徒・e00547)やルーク・アルカード(白麗・e04248)の前で予知で教えられた最後の光景が訪れる。
 作業している男と巡回警備員が挨拶を交わし、しばらくした所で現れるのだ。
 兵士たちをゾロゾロと引き連れてきたのは、犬の顔を持ち六本の腕を持つ死神であった。
『故郷を思うその心、我は感心したぞ。永遠に留め置こう』
「え? ウワアア!」
 兵士たちは逃げ道を塞ぐように作業員に迫り、掴みかかろうとした。

 だがしかし、そんなことを許すケルベロス達ではない!
 ストールをムササビの様に膨らませて飛行するキアリに連れられ、一同が割って入った。
「オッケー、さあみんな出動だっ、ケルベロス作戦開始!」
「デウスエクス警報だよー! レスキュードローンが先導してくれるから、みんな逃げてー」
 カルロスがデバイスで指示を出すと、和たちはカモフラージュを解除して現れる。
 飛行することでギリギリまで待っても割って入ることはできた。
 いつもならば飛行したまま戦う方が安全だが、今回ばかりは敵を邪魔する為に着地する。
「情熱はその人が抱く心そのものだ。誰かに捧げるものではないよ、死神」
「ふん。『故郷』なんて概念を知っているとは驚きだな」
 そしてクリム・スフィアード(水天の幻槍・e01189)はレスキューデバイスで作業員を掴み上げる頃には、玉榮・陣内(双頭の豹・e05753)たちは敵兵士たちの前に展開を終えている!
「まして、『故郷を想う』感情の温度まで知っているかのように振る舞うとは」
『当然だとも。我らにも故郷はある。デスバレスという名のな』
 啖呵を切る陣内に犬頭の死神は笑って応えた。
 作戦を読まれているはずだが、だからどうしたと言わんばかりの表情だ。
「その天秤で量ってみるといい。重りを天に吹っ飛ばすほどだろうよ」
 陣内は『本当は知らないんだろう?』と問いかけを続けた。
 人にとって故郷がどれだけ大事か、家族や友人や、愛する人への感情がいかに重みを持つものか。
 だからお前らは俺たちの生きた時間を高慢に冒涜し続けるのだと、敵意を引き付けるだけでなく、自らの怒りを載せて問い詰めるかのようであった。
「復興を一生懸命やっているのを襲い、その命を奪うなんて許せないな」
「ボクたちが皆様を護るであります! デスバレスの海の顕現などさせないであります!」
 ルークやクリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)は数だけは居る兵士たちに苦労しつつも、なんとか作業員を連れて移動するレスキュー・デバイスへの道を阻む。
 テレビウムのフリズスキャールヴやオルトロスのアロン達にも手伝ってもらい、徐々に陣形を作って押し返し始めた。
「おっと。僕らから目を逸らさないでくれるか……なっ!! キミらがどう考えようと、地球の生命を脅かすなら、黙っちゃいられないんだよねぇ」
 カルロスも作業員が見えなくなるまではと、積極的に前に出て殴り掛かる。
『なるほどな。読まれぬように対策したずの我々の動きは読まれていたか。……だが、このままにはできぬ! お前たちには暫く付き合ってもらおう』
 だが一同の動きに、死神はようやく得心が行ったとばかりに頷いていた。
 そして兵士たちに指示に出し、ガップリ四つの正面決戦に移行する。
「……これは。あからさまな時間稼ぎでありますね。もしやもう片方の作戦を守ろうとしているのでありますか?」
「だと思うわ。同じ関門トンネル付近で、友達が因縁の相手と戦っているのよ」
 クリームヒルトの言葉にキアリが頷いた。
 肩を並べて戦線を築き、その補強の為に現われる紙で造られた兵士たちが死神の兵と向き合っていく。
 時間を掛けるごとに敵兵が減っていき、こちらの後衛が襲われる率もまた減少し始めた。
「そのことが勇気をくれるわ。わたしも、ここで無様は晒せないのよ!」
「手助けさせてもらおうかな。この新しい力……デバイスがあればきっと戦い抜けるはずだ」
 キアリが決意を込めて敵陣を牽制すると、クリムは反撃で傷ついた彼女を癒すために治療を始めた。
 手裏剣による弾幕と魔力弾が応酬する中、ドローンやサーヴァントたちがその隣で見守る。
『泉を返さぬというならば、この世にデスバレスを溢れさせるまでよ!』
「これまでも、これからも……。そっちにどんな理があろうと、俺は許さないぞ。そろそろ残りを片付ける!」
 陣内は咆哮を叩きつけて一気に薙ぎ払っていった。
 時間が経過することで一般人を守る必要が無くなり、雑魚が減ることで次第に戦い易くなっていく。
 攻撃の手数自体が減ることで、盾役が機能し易くなったと言えるだろう。
「デスバレスの海を地球に溢れさせるだってー!? そんなことされたら地球のみんなが滅んじゃうじゃない!」
 そんなのは許さないんだから!
 和がぷんすか怒っている中、敵陣にも変化が起き始めていた。
 敵兵が減ったという事はケルベロスが優位であり、死神たちが不利になったからだ。ゆえにこれを覆そうと、敵将が動き始めた。
『ふむ。このままでは時間も保てぬな。こちらも介入させてもらおうか』
 一体また一体と減っていく兵士たちを見て、とうとう犬頭……アムドゥアトも援護ではなく前衛に出て来た。
 先ほどは咆哮を上げていたが、今は六本の腕で殴り掛かって来る!
「出たな! 目からビーム!」
 和は御業さんにお願いして一点に集中させると、目からビームを放った。
 先ほど放った吹雪を貫く姿は、まるでオーロラがこの地を彩ったかのようだ。
「これ以上は進ませませんよ」
「そういうことだ。お前さんはここで止める!」
 恵は真新しい刀で、ルークはスライムに指示を出して敵の動きを止めに掛かった。
 二人はアムドゥアトを捕捉する役であり、他の仲間が雑魚を片付けるまで推し留めるのが役目だ。
 屈強の死神相手に苦労しつつも、手足を狙って牽制を試みる。
「雑魚がかなり減って来たよ。そろそろ仕切り直してもよさそうだねぇ」
「では本格的に戦うとしましょうか」
 カルロスが全体の戦況を見て囁くと、恵は刀を構え直して牽制から本命へと移る。
 邪魔する敵兵が減り、こちらの陣形が立て直せればかなり楽に戦えるはずだ。
「ようやく息が吐けるね。後でねぎらってあげてほしいかな」
「はは。自慢の相棒だからねぇ。そのへんはいつもの事さ」
 クリムが薬剤の雨を降らせながら手伝ってくれた箱竜のアルバリドラに視線を向けると、カルロスは頷いて胸を張った。
 今回は敵が多い中で混戦したので前衛以外が傷つくことも多かった、アルバリトラも大活躍である。
 おっとカルロス自身は氷河期の精霊に呼びかけて、頑張っているから安心してね。
「もう直ぐ最後の敵兵を倒せるであります。そうすれば残るは……」
 クリームヒルトはフリズスキャールヴと共に敵の攻撃を防ぎながら、回復の要らぬ時は衝撃波で敵兵を打ち倒した。
 混戦でこちらも傷ついたが、予定よりも早いペースで倒すことができている。

 この様子ならば敵将を倒すよりも先に雑魚を壊滅させられると、最後の敵兵を倒したのだが……。
『さあ、お前の罪を測ってやろう!』
「うっ? うおおお!?」
 アムドゥアトが天秤を掲げると、ルークの胸が割けて心臓が浮遊し始める!
 片方に羽が乗り、もう片方に心臓が載せられていく。
 天秤が傾くたびに苦痛が駆け抜けていくのである。だがしかし!
「カバーが間に合わなかったであります。申し訳なし!」
「問題ねえ……気にすんな!」
 盾役のクリームヒルトも頑張っているが、必ずしも防げるわけでもない。気力を移して治療する最中にある事に気が付く。
 ルークはその事を知っているし、とある事情からニヤリと笑った。
 そして霞が融ける様に消えて行ったのだ!
『ヌ!?』
「ここだよ、間抜け!」
 消え失せたのはルークの分身であった。
 彼は攻撃を喰らうと同時に、我慢するだけではなく分身と入れ替わったのだ。
 そしてアムドゥアトの後ろに回り込むと、二本のナイフを駆使して首元を切りつける。
「チャンス! 包囲するわよ、アロン!」
 ここでキアリはオルトロスのアロンに指示を出すと、挟み込むようにしてアムドゥアトに迫った。
 手刀を核に過去の情景を上乗せし、かつて垣間見た英雄王の剣と技を螺旋のグラビティによって再現するのだ。
 言わば彼女の奥義の一つであり、世に絶技と呼ばれてしかるべき業である。
「その刃、地を斬り、海を斬り、空を斬り……竜をも、天の星すらも裂いて、この世に斬れぬものは無し。仮初めなれど――刮目して見よ!」
『是非も無し! 同胞が受け、作戦全体が崩壊するよりもよほどにマシよ!』
 アムドゥアトは笑ってその一撃を受けた。
 決して無傷で居られるはずなどない、だが、同じ地で戦う同胞そして死神全体の為にむしろ受け入れる。
『捧げよ、捧げよ! 情熱を捧げよ! 捧げよ我が命、我が心臓、デスバレスのためならば死ぬには良い日だ!』
 アムドゥアトは武装からなる刃を消し、本来のアンクとして機能させる。
 さすれば命はグラビティにより再臨し、体力を回復させるための力と成る。
 デウスエクスが癒しを求めるにはまだ早い、そう、! これは全て時間を稼ぐための努力!
「その意気は既に聞いた! しかし許さぬとも言った!」
「今だ! 渾身の~てややー!」
 どんな思いがあろうとも、ケルベロスは人々の死を許すわけにはいかぬ!
 陣内は雷撃をパズルより解き放ち、和はそれと共に戦輪を投げつけた。
 吹雪の中を雷が舞う光景は美しい。
「凍れる刃の一撃、受けて頂きます。死を呼ぶその情熱を閉ざしなさいっ」
 恵は敵の思いを知っても、動じぬように心掛けながら冷気を刃にまとわせる。
 敵の生命も情熱も凍らせて、虐殺の起きる未来を閉ざすために。その為に奮起しようとする己の心も冷ましながら全てを凍らせていった。
「ここで犠牲になる気か……。自らの命すら捧げるとは恐れ入るけれど、流石にさせる訳にはいかないよね」
 クリムは恐るべき執念に呆れるような、それでいて感心するような思いを抱いた。
 だが、まずは傷ついた仲間を癒す方が先決だ。再び薬剤の雨を降らせて仲間の傷を癒し、何よりも受けた負荷を洗い流していく。

 こうして再び数分の時間が過ぎたが、とうとう最後の時がやって来た。
「包囲網が徐々に整いつつあって、回復も順調そうだ。なんとかいけるかな? 流石にもう一方の戦場は判らないけどねぇ」
 カルロスは戦況を確認しながら腕にグラビティを込めた。
 そのまま振るだけで音速を超える拳は衝撃波を叩き出す。
 仲間たちはその隙に新たな攻撃を繰り出すために進み出た。
「突撃するであります!」
「おう、行け! 総攻撃だ!」
 クリームヒルトが突撃する為の援護に成れば良いと、陣内は戦輪を放ってまとう吹雪と共に戦場を疾駆させる。
 同時に反対方向からも同じような連携が用意されて居るようだ。
「遠慮は不要、思いっきり行くわよ!」
「了解!」
 キアリが両手に構えた手裏剣を合わせて竜巻を呼ぶと、ルークは刀を突き刺して呪詛を塗り込もうとする。
 左右から四人が迫る姿は、確かに総攻撃である。死神とて楽に葬れよう。
「まだです。先ほどの回復は、この展開を予想してのことかと」
「だいじょーぶじょぶじょぶ! これでトドメなのだ!」
 恵がレイピアを抜いて先端にグラビティを集めていると、和が胸を張って御業の炎を繰り出した。
『ここまでか! バンザイ、万歳、デスバレスよ! ばん……』
 アムドゥアトはこうして倒れた。
 ケルベロスを倒すというよりも仲間の為に足止めを試みていたが、向こうの作戦はどうなっただろう?
「……向こうはどうなったかな? ううん。勝ったよね」
 キアリはもう一つの戦場を思い浮かべながら、近くにある戦場へと視線を移した。
「これで終わりでありますね? 勝利であります!」
「やったーやったー!」
 クリームヒルトが勝利を宣言すると和はポーズを決めた。
「しかし、本当に自分の感情だったのかね? むしろ元の種族は別じゃないかと思うんだが」
「その辺りは聞いてみないと判りませんね」
 そんな中、陣内は首を傾げながら本当に倒れているのか確認していたが、恵は首を振りながらレイピアをしまった。
「最後まで暑苦しいい相手だったね。嫌いじゃないけど……まあ今は治療と修復を先にしようか」
 クリムはドローンを駆使し薬剤の雨を降らせ、仲間たちと共にヒールを開始する。
「みんなで手分けすれば直ぐだとは思うんだけど」
「そうだな。できれば復興の手伝いもできる場所はやっておきたい」
 クリムの言葉にルークは頷いて分身を増やし、修復作業の手伝いを始める。
「終わった……のか?」
「うん。ケルベロスじゃ無くても、こうやって街を守ってくれてるんだ。あなたもヒーローだよ」
 カルロスは一通り終わった所で、助けた作業員の元に差し入れを届けに行った。
 戦いが終わったのだと教えるために、そして彼の努力を誰かが見ているのだと告げるために。
「帰還するでありますか?」
「先に連絡を入れてからね」
 クリームヒルトが確認するとキアリはここに居ない仲間を思いながら連絡を入れた。
 向こうも勝っているはずだと信じてはいるが、必要ならば救援に駆けつけようと思いながら……。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年3月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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