●相変わらずの唐突
「わっ、わわっ……」
見るからにフラグが立ちまくっている、というか、えっ、君それわざとだよね? わかっててやってるよね? というぐらいに、紙袋にいっぱいのリンゴを抱えながら歩く少女。
当然前など見えておらず、次の瞬間。
「ふわわわ! わぁっ!」
ビターン!
やったー! アンコール! アンコール!!
「あわわわ、待ってー!」
ゴロゴロとすっ転がるリンゴ群をあたふたと追いかける。
「ふわー!!」
ビダーン!
そりゃ転ぶよね。そうだよね。うん、そうだ。
しかしその先には影が一つ。
そっと転がってきたリンゴを手に取ると、ニヤリと笑みを浮かべる。
「あっ、あのっ、ありがとうございまあいたっ!」
リンゴを拾ってくれたその影に御礼をする際にもきっちりと標識に頭をぶつけるあたりはよほど訓練されている娘と見受けられる。
「クッ、クククッ、フハハハハ! これだ、これこそが俺が求めているもの!! やはりドジっ娘こそ至高! 完璧な娘などこの世に存在する価値はない!」
そう、その影は既にビルシャナとなってしまっていた。
●依頼
「皆さん、依頼なのです。やれるのですか?」
ケルベロス達の前に姿を現すユバ・クサツム。
あれ、前にこういうことあった気がする。
「先日、やるビルシャナを撃退していただきましたが、その後、新たなビルシャナが現れたのです」
神妙な面持ちで、そう告げるユバ。
先日……? いつ……。
「詳しくは……信乃さん、お願いします」
ケルベロス達が視線を向けた先には、知井宮・信乃(特別保線係・e23899)がいた。
「個人的な趣味趣向による『大正義』を目の当たりにした一般人が、その場で、ビルシャナ化してしまう事件が発生しようとしています。ビルシャナ化するのは、その事柄に強いこだわりを持ち、『大正義』であると信じる、強い心の持ち主とのことです」
「ふむ。その事柄とは?」
ケルベロスの問いに一つ頷く信乃。
「ドジっ娘こそ至高」
はいそこの方、あー……みたいな顔しない。
しかし信乃は気にする素振りもなく続ける。
「事象そのものは大したことがないかもしれないですが、このまま放置するとその大正義の心により、ドジ神の信仰が多大に深まる恐れがあります。その場合、同じ大正義の心を持つビルシャナを次々生み出すことをやられてしまう為、その前に、やる必要があります」
信乃の言葉を受け、すっ、と前に出るユバ。
この流れ……やっぱりどこかで見たことがある……。
「大正義ビルシャナは、出現したばかりで配下はいないのですが、周囲に一般人がいる場合は、大正義に感銘を受けて信者になったり、場合によってはビルシャナ化してしまう危険性があるのです。大正義ビルシャナは、ケルベロスが戦闘行動を取らない限り、自分の大正義に対して賛成する意見であろうと反論する意見であろうと、意見を言われれば、それに反応してやってしまうようなのですので、その習性を利用して、議論を挑みつつ、周囲の一般人の避難などをやるようにしてほしいのです。なお、賛成意見にしろ反対意見にしろ、本気の意見をやらなければ、ケルベロスでは無く他の一般人に向かって大正義を主張し信者としてしまうので、議論をやる場合は、本気の本気でやる必要があるのです」
「依頼は二つ、なのです。周囲の一般人の避難と、ビルシャナをやるなのです。大正義に対する議論を行っている間は、ビルシャナはそれに応じるのです。ただし、避難誘導時に『パニックテレパス』や『剣気解放』など、能力をやった場合は、大正義ビルシャナが『戦闘行為と判断してしまう』危険性があるので、できるだけ能力はやらずに、避難誘導をやってほしいのです」
「避難が終わったら?」
「それは、ドジを踏まずやってください。素早く」
頷くユバ。
「ビルシャナを漢字で書くと毘盧遮那なんです。奈良の大仏が毘盧遮那仏なんですよ。それに比べてこのビルシャナのありがたみのないことったらないですね。こういう輩はさっさと撃破しましょう」
そして信乃が強いまなざしでそう締めると、ケルベロス達は少し気が引き締まる思いがした。少し。
参加者 | |
---|---|
クリームヒルデ・ビスマルク(ちょっとえらそうなおばちゃん・e01397) |
シャーリィン・ウィスタリア(千夜のアルジャンナ・e02576) |
ゼノア・クロイツェル(死噛ミノ尻尾・e04597) |
カルロス・マクジョージ(満月の下でディナーはいかが・e05674) |
サイファ・クロード(零・e06460) |
知井宮・信乃(特別保線係・e23899) |
アンヴァル・ニアークティック(バケツがガジェット・e46173) |
ティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764) |
●アイルビーバ
「お久しぶりに復活。私は帰ってきた」
これから始まる死闘に否応もなく高まりを感じるクリームヒルデ・ビスマルク(ちょっとえらそうなおばちゃん・e01397)。
「ドジっ娘……おばちゃんはとびっこ(トビウオの卵)が好きです。ぷちぷち……誰がプチサイズじゃあっ!! おばちゃん、怒ったらぐーでパンチしちゃうよ?」
と、一通りキレのあるノリツッコミを披露した上、身なりは童顔を誤魔化すグラサンに、身長誤魔化すハイヒール、なんか胡散臭い白スーツで武装と、序盤中盤終盤、隙の無い装いだ。
「ドジっ娘って狙ってやってる訳じゃないしなぁ。何度も下手打ってるのを見てるといたたまれなくなるんだよ……。いや、別にオレがドジっ娘だから自分を見てる気になるとか、そーゆー訳ではないから!」
自らの呟きを焦り、否定するサイファ・クロード(零・e06460)。
(「成人男性のドジは流石に……と思ってたけどサイファくんのドジは……許されてしまう気がするわ……キャラ得というやつなのね」)
そんなサイファを横目にシャーリィン・ウィスタリア(千夜のアルジャンナ・e02576)は考える。
「ドジっ娘を見て笑っていられるのは冗談だからですよ! 実際に電車が止まったり家が火事になったりしたらたまらないですよ! それでもドジっ娘が至高なんですね? ドジっ娘の刃で倒れるなら本望でしょう」
そう力説するのは知井宮・信乃(特別保線係・e23899)。
「ドジっ娘……私は至高になれませんね。だって、私……失敗しないので。うん、決まった」
垂れ下がったうさ耳をふぁっさーしながらキメるアンヴァル・ニアークティック(バケツがガジェット・e46173)。
「……あれ? なんでうさうさクロスで来ちゃったし。いや、失敗じゃあなくて、着てくる服をうっかり間違えただけですよ」
いけないいけない、と、頭をコツンするアンヴァルには、うっかりうさべえの称号をあげよう。
「ドジっ娘な友達はいるんだけど……人それぞれなの。反省する子は守ってあげたくなるけど、『えへへ、わたしって可愛いでしょ?』って態度になる子だとやっぱりちょっとムムムッてなっちゃうのよねー。わざとかな? って疑心暗鬼にもなるしね」
ピリリなことを口にするのは、ティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)。
天然のドジっ娘は好感を持てるが、わざとやる娘は大っ嫌いらしく、総合的にドジっ娘は二次元でこそ映える属性という考えなのである。
●ドジフェスファースト開催
「水筒に麦茶を入れてきたつもりが、小豆の煮だし汁入れてきちゃった☆ てへっ☆」
「んまー、ドジね!」
愉しそうな信者たち(男子)の振る舞いを眺めながら、満足げにうなずくビルシャナ。
ダダンダンダダン。
どこからか流れ始める荘厳なミュージックとドライアイス。
「ドジっ娘こそ至高、なんですね?」
果たしてモクモクの中から現れたのは信乃、そのケルベロスである。
「こんなの簡単……」
がしゃーん。
懐からおもむろに積み木崩しゲームを取り出したかと思うと、秒で破壊する信乃。
――。
しばし時が止まった後。
「ヒュー!! ドジっ娘萌え萌えー!!」
「こ、これは偶然です! 私がやったから崩れたんじゃなくて、いつか崩れるのが前提なんです!」
顔を真っ赤にしながら必死に取り繕う信乃ではあるが、信者たちのテンションは一瞬でマックスボルテージウルトラボンバーである。
「そうだろう、そうだろう。なんたってドジっ娘が至高なのだからな」
ビルシャナもそんな様子を満足げに見つめる。
さあ、次に議論を投げかけるケルベロスはどいつだ?
……。
どいつだ?
●ドジフェスのさなかに
「……デウスエクスが現れた! 民間人は速やかにこの場を離れろ!」
ゼノア・クロイツェル(死噛ミノ尻尾・e04597)は凛とした大声を出しつつも、ビルシャナに気が付かれぬ様気を付けながら避難を促す。
「ビルシャナが出たから逃げてくだされ」
うさうさクロスを迷彩ぽんちぃで隠しながら避難誘導を行うアンヴァル。
「危ないことはわたくし達が引き受けるわ。慌てず、此処から反対の方向に避難してくださいませ」
柔らかな物腰で話しかけるシャーリィン。
「おばちゃん、ここから逃げたほうがいいと思うんですよね。ほら、とびっこあげるから」
クリームヒルデもそれにならい、とびっこを渡しつつ避難誘導を行う。
「速やかに避難するといいよ。ここは危険だから」
「みなさん落ち着いて、でも、急いで避難してくださいね」
カルロス・マクジョージ(満月の下でディナーはいかが・e05674)とティフは的確に避難をうながす。
「ここは戦場になるから迂回してくれる? あ、そこにぬかるみがあるから滑らないように注意しろよー。絶対滑るなよ、絶対だからなー」
サイファも細心の注意をするよう呼びかけながら誘導を行う。
何かのフラグが立っているような気がするのは気のせいですかね。
「ふう、これで全員か……さあ、ひさびさの低音調理鳥チャーシューを、作ろうか」
そして一般人の避難が完了したのを見届けるカルロスに、その場のケルベロス達は頷いてみせた時、信乃がドジをし始めてから小一時間は経っていた。
●ドジフェスセカンド開催
「積み木が……積み木が……」
果たしてカルロス達がその場に到着した時、そこには虚ろな目で積み木を積んでは崩し続ける信乃の姿があった。
小一時間ほど様々な角度でドジをしまくった信乃だが、遂にネタ切れを起こし、最早積み木を崩し続けるしか術が残っていなかったのである。
崩壊したのは積み木と信乃の(以下略)。
「あは、あはははは積み木がああぁぁ!!」
かくしてケルベロス達は、我先にと議論を投げかけ始める。
「ドジっ娘とかマジやめてくだされ。一桁間違えて受注されたり、別のクライアントに納品しに行かれたら、マジでアテクシの心臓がマッハですから。ただでさえ硝子のハートなのに」
まくしたてるクリームヒルデ。
とその時、スマホのアラームが鳴り響く。
(「しまった、今日のただいまから本社とのWeb会議だったやっべ」)
「あ……。べ、別になにもドジってませんですよ?」
ダボーブッキングしていたことに気が付いたクリームヒルデは本社の旦那に、「遅れるメンゴ」的メールをマッハで打ちつつ(ケータイ打ち)、何事もなかったかのように振る舞う。
「ドジっ娘が大正義……本当にそうか?」
続けて疑問を投げかけるゼノア。
「お前そんな悠長な事言ってるけど実際仕事の場でドジな失敗とかやられたら殺意しか沸かんくないか? コンビニ店員が業務レンジで缶珈琲温めだしたらそんな笑っていられるか? ん?」
お? といった表情をビルシャナ達に向けるゼノア。
「それに人選の問題もある。俺みたいな野郎がドジを披露した所で不快感しかないし結局顔のいい女であれば割となんでもいいのではないのか? 百歩譲ってドジ属性が庇護欲を掻き立てるという意味で有効であることは理解する。しかし一緒にいる相手なら気遣いが出来たり細かい事に気が付く有能の方が恩恵が大きく大正義だ。ドジ属性は結局一属性の域を出ない……」
そして一息で思いの丈をぶちまけるゼノア。
と、そこにシャーリィンが、すっと前に出る。
「何がドジっ娘の正義なのかしら? 可愛いから? 癒される? よく転ぶ子を可愛いと感じるなら転ぶのを見てないで助けてあげればいいのだわ。その方がよっぽど、その子の為にもなるし。自分の徳も上がるわ。うっかりうっかりも、てへぺろコツンも許されない限度があってよ? 転んでばかりなんて、その度に怪我をして可哀想だし、というか、ドジする自覚があるのなら転ばない努力の姿勢も大事よ。幼児は兎も角、大抵の人は転んで『ふえぇ……』は何度も許されません。わたくしがドジっ娘だったことがありまして? 普段少し誤字が多いくらいで、そんなこと……あっ……」
ずずいっと前に踏み出そうとしたその時、シャーリィンはスカートの裾を踏んづけ、両手を上にピーンしたままぺしょっと倒れる。
何事もなかったかのように無言で起き上がり、パンパン、とスカートをはたくが、ちらと魅せたぐぬぬ顔を、ティフは見逃さない。
そしてティフは思った。
シャーリィンは天然であると。
「あ~……うん。大正義かは兎も角微笑ましくはなるな……」
そんなシャーリィンを眺めながら呟くゼノア。
「ゼノアくんだってドジる時くらい、あるでしょう? 自分で気付かないだけよ。靴下が反対だったり同じ向きだったりする日くらいあるのだわ、きっと。わたくしのこれは(ドジ)偶然なのよ。普段はちゃんと出来る女なのだわ」
自分に言い聞かせるシャーリィン。
「積み木があぁぁ!!」
あー、聞こえない聞こえない。
「人がドジを踏むのは仕方ない。ただ、ドジっ娘が至高? それは困るなぁ……料理人の観点からすると、ドジっ娘がドジ踏む度に食器割られたり商品を間違えたり……結果、自分の店の評判が落ちるわけでしょ? それじゃあ困るんだよね。ドジっ娘が二次元の中で『かわいい』と言うなら構わない。けど、リアルでドジはダメ。ドジを踏まないように努力してもらわないと、社会的にダメ。それを助長する? 語るに落ちる、ってもんだよねー。ドジっ子が至高なわけないじゃん」
真っ向からぐうの音も出ないほどの否定をするカルロス。
「ミスのない人間なんていないからある意味言ってることは正しいのかな? でも、ドジっ娘なお医者さんに手術されてうっかり体内にメスが残っちゃいましたーとか笑えないのよ。わたしも、道を急いでるときは時速80km出るけどドジっちゃったら、大惨事になるの。でも、安全なドジしかしないなんて天然モノじゃないと思う」
断じてぶってるドジは許さんという強い決意がうかがえるティフ。
「ドジっ娘が至高なら、ビルシャナさんもドジになるべき。ドジなビルシャナさん……つまり、布教大失敗で誰ひとり信者が居ない。つまりは……君のことだ!(ドーン) おめでとう! 君こそ至高の存在だ! 遂にドジの高みを極めてしまった。行く手を阻むものは……最早なにもない。という訳で……シヌガヨイ☆ミ」
これから始まるドドンパチを暗示するかのごとく、目から星を飛ばしながらキャルンするアンヴァル。
相変わらずいいことを言っているようでよくわかんねえことを言うなあアンヴァルさんは。
しかしビルシャナの顔がもう真っ赤であることは間違いない。
●またこういう展開
「おばちゃん忙しいから、速攻終わらせるよ?」
ビルシャナをマッハでボッコしかかるクリームヒルデ。
「低音調理鳥チャーシュー、楽しみだ」
続けて獣撃拳を叩き込むカルロス。
「みなさん、回復はまかせてくださいね」
シャーリィンは折をみて回復を行いサポートに徹する。
「よっしゃ、玄人のオレに任せとけ……あれえ?」
すっ、と腰に手をあてるサイファは、そこにあるはずの武器がないことに気が付く。
「あれ? あれ??」
バンバン、と服をはたきながら武器がないかを確かめる。
ちなみにこちらに向かう際、先ほど自らが立てたフラグはしっかりと踏み抜いたようで、ぬかるみに足をとられ、なんとか踏ん張ったと思ったらなぜかそこにバナナがあって側溝に足を突っ込みそうになったというか突っ込んでしまったらしく、膝から下は泥だらけである。
「いや違うし! オレはドジっ娘じゃねぇし! 普段のオレはめちゃくちゃしっかりしてるよな??? な???」
すがるような眼でシャーリィンとゼノアを見つめるサイファ。
(「やっぱり、キャラ得なのよね」)
そんなサイファに自愛の笑みを浮かべるシャーリィン(にこ)。
「ん? 何が玄人だって? 武器はどうした? どうやってビルシャナと戦うのだ? ほらどうだ? 殺意しか沸かんぞ?? ん??」
ほれほれ、とここぞとばかりにドヤ顔を披露しながら疑問を投げかけるゼノア。
「……うわーん、そんな目で見るなよう!!」
手足をバタつかせながら暴れるサイファ。
(「天然モノ……」)
ティフはそんなサイファを見つめる。
「ってゆーか、武器がなくても攻撃くらいできるもんねー!」
しかし吹っ切れたサイファは素手で攻撃できる何らかの技を使用し、ビルシャナに肉弾戦を試みる。
やたら切り替えが早いところもサイファのいいところなのかもしれない。
「……あ、網タイツが伝線してた。どこで引っかけたんだ……て、ドジじゃないよ。せくしぃ担当だから、読者サービスなんですよきっと。だから、ハイヒール履いてた足がもつれて尻餅ついて、イヤーンな格好で座り込んでるところをガン見されてもドジではない。これはせくしぃ担当の業務なんですよ。正しく業務を遂行してる訳ですよ奥さん……ねえ、誰か代わりませんか? うさうさたのしいようさうさ」
地面にぺたりと座り込み、しなっと体勢を崩すアンヴァル。
せくしぃ担当の業務であるならばいささか仕方のないことではあるが、お父さんはいろいろとアンヴァルさんのことが心配になってくる。いい意味で。
「積み木は崩してなんぼじゃーーー!!」
遂に目覚めた信乃は、ぽいっ、とバナナの皮を地面に置き、刀を抜いて斬りかかる。
「踏んだからって転ぶなんてことは現実には……」
といった矢先、信乃の身体が宙を舞う。
「ふ、不注意は誰にでもあります! 私が特別ドジなんじゃありません! と言いながら!」
「うおっ、あぶ!」
宙を舞ったついでに刃先をビルシャナに向ける信乃。
「こんな風に身体や生命に危険が及んでも、ドジっ娘がいいんですか?」
続けてグラビティの暴発を装いつつ攻撃をしかける。
「ちょ、やめ」
「こ・れ・で・も、ドジっ娘が至高なんですか!?」
「キャー」
なあに、ビルシャナをフルボッコすればいいってことよ、とは誰が発した言葉であったか。
そしてカルロスのオルタナティヴが炸裂した頃、いつの間にかビルシャナは帰らぬ鳥となってしまっていた。
●ドジっ娘よ、永遠に
帰らぬ鳥となったビルシャナを前にしても、信乃の興奮は収まらない。
「私がドジっ娘? 何言ってるんですか! ほら、よく見てください!」
慣れた手つきで前方にバナナの皮を投げると、そのバナナの皮を海老反りジャンプで飛び越え、片手を突き上げてウィンクととびっきりの笑顔を振りまく。
「ほら、ドジっ娘じゃないですよ? ってあああああああ! だ、誰ですかこんないたずらしたのはあぁぁぁぁ!」
そこには誰があけたのか、ちょうどマンホールがようこそいらっしゃいませをしていた。
そして信乃は姿を消した。
クリームヒルデはスクランブルダッシュで既に帰路についていた。
その後うっかりうさべえは飽きるまでうさうさした後、真顔で家に帰った。
作者:湯豆腐 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2021年3月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 4
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