砕け散る攻性惑星は竜十字島に降り注ぐ流星雨に変わり行く。
誰もが勝利を確信した時、ソレは出現した。
『大変です! 敵集団捕捉!』
「はっ?」
「こら、誰ぞ予知でもしたんかもですな。このタイミングでゆう事は……」
ヘリオライダーは予知する能力があるとはいえ、完全でもなければ常時でもない。
とはいえ万能戦艦ケルベロスブレイドには無数のヘリオンが搭載されている。
余裕のある誰かが予知を立てたのだろう。
『竜業合体したドラゴン勢力かと思われます! 大至急対応を取ってください!』
「ドラゴン!? ど、どうしたら……」
「そない心配せんでもええ思いますえ。なにせここには、よーさんのケルベロスが居りますけ。奇襲ゆうても時間無いパターンよりは余程に余裕でしょお」
ビックリしはするものの、かねてよりドラゴンの来襲は警告されていた。
街の人々が現在進行形で殺されているのに、迎撃に向かえるのが数時間後……というよりは余程マシだろう。何しろ今回はケルベロスブレイドもあって十分に対応できるのだ。
「攻撃を防いだ? バリアーか!」
『バリアー稼働! 間に合いました! 攻性惑星から脱出したケルベロスの回収も完了!』
「こちらも反撃、いきますえ。まあこの距離やと千日手ですか」
攻性惑星に関してはケルベロスブレイドの中に待機して援護していたが……。
ここから色々行動することになりそうだと、ヘリオンの準備を始めた。
それと同時に巻物に記載する、これからのドラゴン戦に関する内容を考え始める。
この後はどうなるだろう? 出撃するとして、どう説明すれば判り易いだろうか? そんなことを考えながら手に入る情報と、少しでも予知できないかと考えながら筆を取ることにした。
●
「ドラゴンの一部が戦場を離脱して日本に向かい襲撃して住人を虐殺して、グラビティ・チェインを略奪しようとしとります」
緊迫する状況の中で、ユエ・シャティエが説明を始めた。
問題なのは距離とタイミングだ。ヘリオンの速度を超える速度で飛翔できるドラゴン11体で、日本に残っているヘリオンで迎撃しようとしても、速度的に不可能。また、ドラゴンがジェットパックデバイスが届かない高度から市街地を狙って攻撃して来れば、ケルベロスが狙われた都市に先回りして迎撃しても都市の壊滅は免れない。
「つまり高速で高空を飛行するドラゴンを何とかするには、ケルベロスブレイドによる追撃が必要ゆうことですわ」
追いついた後は小剣型艦載機群』をドラゴンと同じ速度で射出。
これを足場にしてケルベロスがドラゴンを撃破する必要がある。
危険な任務になるが、この作戦に参加してくれる者は集まって欲しいとユエは告げた。
「足場になる小剣型艦載機群は2m、数もありますんで飛び回って戦闘が可能です。こっちも相手も高速なんで、いわば風速800mの暴風雨の中で戦うんが難儀ですけど、それは相手のドラゴンに比べたらまあ何とかなるでしょお」
ユエはそう言って巻物を開いた。
そこには今回相手にする十一体のドラゴンの内、担当する個体の情報が描かれていた。
「相手は虹炎竜王レインボロスゆう個体ですわ。高速で飛翔し、虹色の煌きをまとう攻防一体型の戦闘をします。移動するだけで天を割き地を割る、生ける災厄ゆう感じですわ」
虹色の炎をまとった体当たり。
虹色の炎による攻撃、あるいは回復。
もしかしたら天候を操って虹そのものをぶつけてくるかもしれない。
「このクラスのドラゴンになると、もはや竜王と呼んでも差し支えない一柱ですわな。油断ができるはずもないのでご注意くださいな」
ユエがそう言った前後で不意に周囲が揺れた。
おそらくはケルベロスブレイドが加速状態に入ったのだろう。
「残念ながらヘリオンでは、今回の高速戦闘にはついていけません。ですが、必ず追い付いて回収するので、安心してくださいな。逆に言えば私らが巻き込まれることも無いんで心配いらしませんえ」
このままドラゴンが突き進めば人々が殺されてしまう。
その前に倒して欲しいとユエは軽く頭を下げた。
参加者 | |
---|---|
ローレライ・ウィッシュスター(白羊の盾・e00352) |
相馬・泰地(マッスル拳士・e00550) |
ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707) |
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921) |
エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455) |
ラーヴァ・バケット(地獄入り鎧・e33869) |
夢見星・璃音(輝光構え天災屠る魔法少女・e45228) |
ガートルード・コロネーション(コロネじゃないもん・e45615) |
●
今回の作戦、ケルベロス達にとって幸運と不運が同居していた。
一つは詰め込んでおいた新しい機能をいきなり使う羽目になった事。
いきなり使いこなせというのは酷だが、逆に言えばコレのお陰で間に合うのだ。
「オレは攻性惑星との戦いを終えたばかりだったんだがな」
「それを言うと、私は白羊宮で食べてただけだよ~」
相馬・泰地(マッスル拳士・e00550)が不敵に笑うと、エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455)は泣き言を口にした。
戦う事も修行も好きな泰地にとっては望むところだが、キッチン機能のテストという言い訳でモグモグしていただけのエヴァリーナには驚愕である。
作戦直後で、人が居ないから行けと言われればこうもなろう。
「まあ戦いに成っちまったもんは仕方ねえ。サーフィンだと思って使いこなすとしようじゃねえか。何十万もの被害を出すわけにはいかねえからな」
バレンタインの数日後に都市壊滅大量虐殺なんて市民からしてみれば絶望物である。
泰地はそう言って入念い戦いの準備と、イザと言う時の備えを始めた。
「仕方ない……かあ。なるはやで倒して食べに戻ろ。地上の美味しい食べ物屋さんも潰させるワケにはいかないもんね」
エヴァリーナはグラビティで周囲に風避けの障壁を張る。
今回一同が用意した重力による盾であり、他にもゴーグルやらフックなにやら付けている。
そして一同は準備を終えると次々に空へ飛び出して行った。
「雲間の虹は美しいものだけれど……罪無き弱者を踏み躙る無粋な力は醜悪なだけよ」
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)は義妹よりも前に飛び出しながら、髪の毛を抑えつつ遠くを眺める。
そこにはケルベロス達と進路を交差するように、巨大なドラゴンが宙を翔けていた。
広大な大空だが、その色彩ゆえに判り易い。
「高速で高高度から吶喊するドラゴンですか。でも、こちらにも勝利の鍵がある」
「虹の炎。格好良いじゃあぁ、ありませんか」
ガートルード・コロネーション(コロネじゃないもん・e45615)とラーヴァ・バケット(地獄入り鎧・e33869)は暴風雨で視界が遮られていないことを確認しつつ、ドラゴンの脅威を確認した。
自分たちが特殊な装備なしに出撃できない領域に、我が物顔でカっ飛んでいるのだ。
その美しい輝きから言っても、このドラゴンそのものが虹であると言われても信じそうになる。
「前哨戦にしては強敵すぎますね。しかし、この星は私たちケルベロスが護ります」
「さすがにドラゴン、凄まじい相手ですね。でも、こちらにも勝利の鍵がある!」
ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707)の言葉に頷きつつ、ガートルードは恐ろしい速度での飛行にジェットパックデバイスでも置いて行かれることを把握した。
だがその事は問題ない。力は受け取れているし……。
何よりも新兵器のお陰で、この大空を戦場に出来ているのだ!
「敵味方の捕捉完了。こんな天気でも目立つというのが特に良いねえ。もっとも住民にこれをお見せするわけにはいきません。さっさと落として差し上げましょうか」
ラーヴァはチェイスデバイスを起動させながら、ドラゴンと自分たちの相対速度が同レベルであると確認した。
これならば普通に戦えるし、予備の艦載機を離れた列に待機させておけば、多少の脱線はフォローできるだろう。落下に備えて回収のために味方にもマーキングを行っておく。
「あなたが居れば、大勢の人達が悲しみに飲み込まれる。その前にさっさと失せろ!」
「これ以上、ドラゴンによる被害は出させない。この場で、確実に討滅させてもらうよ」
ローレライ・ウィッシュスター(白羊の盾・e00352)が仲間たちを守るために前に出ると、夢見星・璃音(輝光構え天災屠る魔法少女・e45228)はマインドウィスパー・デバイスを起動して時間管理を受け持った。
ドラゴンと交差する距離に合わせて、カウントダウンが皆に告げられていく。
「紛い物の虹は消えなさい」
その間にアウレリアは何時でも戦闘態勢に移れるように動きつつ、ビハインドであり亡き夫であるアルベルトに指示を出した。
「戦闘距離に到達まで三、二、一。スタート!」
「何時でも行けます。被害が出る前に、確実に倒しましょう!」
璃音の声が聞こえた瞬間にウィッカは飛び出していた。
ケルベロスを載せた艦載機群が軌道を変え、迎え撃つドラゴンも戦闘態勢に入った。
一足先に攻撃を浴びせたのはやはりドラゴンの方だ。
『人間め! こざかしい!』
「黙れ! 人間は、ドラゴンなんかに……負けないいいい!」
圧倒的な速度で迫りくるレインボロスに、ローレライは敢然と立ち塞がった。
巨体なのに恐ろしい速度というべきか、それとも翼も大きいからこそ移動力も高いというべきか。
巨竜の一撃に吹っ飛びそうになるが、何とか受け身と取りつつワイヤーで小剣型艦載機にしがみつく。
「ちゃんと役に立ってくれてるみてえだな。なら、安心したぜ!」
泰地はワイヤーもさることながら、ちゃんと追随してくれる艦載機群に満足した。
屈強なドラゴンとも互角に戦える。そう思って両手を広げて迎え入れるように挑んだ。
片手でドラゴンを引き寄せ、残る手で殴りつけるような仕草で自ら飛び込んでいく。
「まるで中世の鯨退治みたいですね。いずれにせよ、ここはセオリー通りに行きましょうか」
綱を引っ張って接近するかのような彼の動きを見て、ウィッカは鯨取りを見ているような気分に成った。
とはいえ見物ばかりしているわけにもいかない。艦載機を操り、蹴りならぬ小剣部分で切り裂くように急接近を果たす。
その際にグラビティで相手の動きを引き止めに掛かった。
「寒天ちゃんも艦載機と私を掴んでサポートお願い。まずはみんなの援護だけどね」
エヴァリーナはオウガメタルの寒天に指示を出し、薄く広げて仲間たちの援護に回す。
風雨も遮断するのだが、敵味方の動きに合わせて援護してくれる優れ物である。
「この風雨とドラゴンという災厄を晴らして、私達自身の手で真の虹を掴みにいくわ」
アウレリアは腕を回転させて殴り掛かると、ビハインドのアルベルトは援護を開始。
貫手に続いて正確な射撃がドラゴンを貫くが、まるで効いたような気がしない。
だがこの攻撃はまだまだ序盤のモノ。いきなりの戦果を期待しているという程では無かった。
「やはりこの程度では効かないわね。先を見据えて行きましょうか」
「時間制限のある、強力な相手との戦いです。早めに動きを固めた方が良いでしょうね」
アウレリアの言葉にラーヴァは頷きながら周辺を爆破して、乱気流に乱気流をぶつけた。
その流れをグラビティで調整し、仲間たちの追い風に変えたのである。
これから戦いは長引くが、人々の元に届かせる訳にはいかない。ならばまずは仲間達を援護することで、可能な限り早期に倒すべく奮闘を始めた。
(「レインボロス……その見た目が、私が決着をつけたはずのザッハィシオに似ているんだよ……ムカつく」)
璃音はかつて倒したはずの敵を思い出した。
見知った敵によく似た姿だが更に強大。龍業合体の結果であることを踏まえれば、奴が進化してこうなる未来もあっただろう。
(「うん、単なる私怨。だけど……私にはその存在が許せない。もう一度過去に変えてやる!」)
璃音はただの私怨であることを理解した上で、その思いを力に変えた。
本物ではないからこそギリギリのところで冷静に成れ、思いの力だけを引き出せるのだ。
その思いを凍らせる為、時間を止めて弾丸に変えて解き放った。
「随分と速いけど、早さなら負けてないよね」
「うん! あんな奴には負けない! 行こう!」
ガートルードとローレライは肩を並べて飛び出した。
手を取り合いなどはしないが、それぞれに加速して突撃を掛けたのだ。
体が軋むほど限界まで乗せた力、あるいはブースターを吹かせて吶喊していく。
援護もあり果敢に挑むケルベロスであるが、その程度でドラゴンは倒れはしない。
ましてやレインボロスは竜業合体した強敵である。ラーヴァが作り上げた爆風の向こうから平然とした顔で姿を現した。
『攻撃とはな。こうやるのだ、ニンゲン!』
煩わしそうに顔を振ったレインボロスは、真正面に向き直った時には既に姿を消している。
虹色の煌きの中に残像すら残すその動きは、七色の個体に分裂したかのようであった。
「止めきれない? でも……」
ガードは必ずしも成功するわけではない。
アウレリアは自らに向かってくる青い姿を抑えたが、仲間の元に向かた残像を捕らえ損ねた。
「シュテルネ!」
だが心配することなかれ。
ローレライはテレビウムのシュテルネと共に分身突撃の中に飛び込み、見事に受け切ったのである。
だが悪い面もある。運悪く前回も防御したローレライが連続で防ぐ格好になってしまった。
「大変! 急いで治療しないと」
エヴァリーナは電気ショックで肉体を活性化させて、生命力を蘇らせに掛かった。
「回復までの時間を稼ぎましょう」
「おうよ! 喰らいな……旋風斬鉄脚!」
ウィッカがハンマーを振るって衝撃波を放つと、泰地は旋風の様にドラゴンへ急接近。
死角から強烈な回し蹴りを放つ!
その一撃はまばゆく、ドラゴンの巨体で見え難かったにも関わらず何が起きたかを誰もが理解した。
「相変わらずの硬さね。少しは効いていると良いのだけれど……。ここは攻撃力対策も必要そうなのが面倒だわ」
アウレリアが先ほど放った一撃やラーヴァの援護はダメージレースで優位に立つ為だ。
最初に攻撃した時よりも有効だと信じたいが、まだまだ援護は必要そうである。
それなのに相手の火力も高いので、それを軽減する為に重力弾で牽制せざるを得ないのがもどかしそうであった。
「虹の炎、この地獄の色で染めてさしあげたいねえ」
悩む彼女に対し、ラーヴァの方は実に楽しそうだ。
バケツ型ヘルムをゴウゴウと燃やし、顔色の代わりに感情を発露する。
そして艦載機を操ると、雷の如き速度で突っ込んで行った。鱗を削り取れば少しや戦い易くなるだろう。
「だいぶ動きが見えて来たけど……もう少し何とかしたいかな」
璃音は相手の動きを見ながらある程度の予定を組んだ。
まずは刃で切り裂き痛みで動きを鈍らせ、次は蹴り倒して重力波を叩き込もうとする。
仲間たちの行っている火力対策や防御対策と合わせ、行動を鈍らせる事で長期戦を有利に戦う為だ。
「これ以上誰かが傷付く位なら……存分にみせてやる。この異形の姿を! 恐れ戦け! お前に……明日はない!」
ガートルードはワイルド化させた左手の指を、巨大な爪状に変形させた。
突っ込みながら腕を振るえば、まとったグラビティが乱気流の様に変化して変幻不可思議な連撃で切り刻む。
「あ痛たた……回復してくれたし何とかなりそうかな。やってくれたね! お返しだ!」
ローレライは大砲を展開するとレインボロスに向けて重砲撃を放った。
こうしてケルベロス達は、強大なドラゴンに一歩も引くことなく戦い続ける。
やがてタイムキーパーである璃音から五分、あるいは十分と時間の経過が報告された。
とうとう遠目に日本が見えた頃……。
「ハハハHAはは、人よ、終わりの時は、き、タ!』
「決して上陸なんてさせないわ!」
アウレリアは薔薇の様に深紅のナイフを突き立て、レインボロスにしがみついた。
跳ね飛ばされるのは仕方がないが、せめて艦載機群のフォローが間に合うまでは保たせねばならない。
ここで振り落とされたら戦線復帰は難しいだろう。
「回復は終わったんだよっ。回収もなんとか?」
「で、あれば遠慮は不要というもの。我が名は熱源。余所見をしてはなりませんよ」
エヴァリーナがオウガメタルの寒天を伸ばして回収がてらに回復していると告げると、ラーヴァは満足そうに頷いて腕を伸ばした。
身の丈を超える巨大な機械弓より無数の矢を放ち、上空から滝の様に落とし始めたのだ。
炎の雨が災厄をもたらしたかのようにも見える。
「回り込んでるから、もう少しだけ時間を稼いで」
「了解! でも時間稼ぎじゃなくて、ぜんぜん本気!」
ウィッカの言葉に応えつつも、ガートルードは全力で攻め立てる為にこそ動いた。
デウスエクスを狩る為の大鎌に膨大なグラビティを込め、一閃して周囲の空間ごと抉りる。
「切り裂けえ!」
『オノレ! 私の空間、GA!?』
ガートルードが大鎌を振り下ろすと、レインボロスが維持していた虹色の空間が砕け散る!
他の仲間が半壊させていたが、重力圧により残った部分を完全に破断させたのだ。
「おう! こいつあ元がド派手なぶんだけすげえな」
「負けてられないね。生命の輝きよ、私に集いて一時の力となれ! 此処で終わらせる!」
泰地が口笛を吹いていたが、璃音は拳に集めた力を編み直した。
虹の結界が砕けねば自分で壊すつもりだったが、もうその必要はないだろう。
長き歳月を経て完成されし絶技、八つの属性を束ねた虹色の剣を構成したのである。
「レディアント・ステラ・グラディオ!」
そして彼女の翼も輝くことで、巨大な力が閃光を放ちながら戦場を切り裂いていく。
「虹対虹って感じだね! ……全て浄化してあげる!」
ローレライは弓を構えると、七つの宝石を連ねた。
宝石同士をつなぐ光が、まるで矢の様に放たれたのだ。
直撃すればジュっとレインボロスの胴を消し飛ばし、体に風穴を開けたのである。
『許さんぞ! 人間めがあぁ!!』
レインボロスは最後の力を振り絞り、虹色の光線を世界に放つ。
だがその前に立ちふさがる者がいた!
「やらせない!」
「させません!」
ローレライは矢を放った姿勢のままシュテルネと共に光を塞ぎ、アウレリアはライフルを槍の様に構えながら飛び込んできた。
お互いに体力も気力もあと少し、そして人々を守るべくケルベロス達はその身を盾にしたのだ。
「うおおおお!! イザとなったら俺ごとやれ!」
「いえ、これで……終わりです!」
泰地は千切れつつある敵の上半身を捕まえて、強引に拳を叩き込んだ。
だが僅かに遠く倒しきれない、怒号を上げる彼の側面を掠めてウィッカの放った凍結光線がトドメを刺した。
ビキビキと砕け散る体は、無念そうに顔を歪めて海の中にバラバラに落ちて行ったのである。
「竜業合体したドラゴンは恐ろしい敵でしたね。でも私たちの勝利です……」
ウイッカが呟くように、敵は強いが決して勝てない相手では無い。
戦えケルベロス! 負けるな、ケルベロス!!
作者:baron |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2021年2月26日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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