冬陽と猫の街

作者:崎田航輝

 年の瀬も近づく頃には、薄雲の下に日々寒冷な風が吹く。
 けれど時折訪れる快晴の日は、ぽかぽかとした陽光が暖かく――そんな日には猫達もにゃあにゃあと元気そうに外を闊歩していた。
 雄大な山と美しい海に挟まれた港町。
 都会から離れたそこは穏やかな空気に満ちていて、長閑。猫にとっても過ごしやすいのか、見渡せば至る所に野良猫が垣間見える。
 塀の上を駆けていく虎猫に、屋根の上で遊ぶ黒猫。公園でごろごろとくつろぐ白猫がいれば、港や軒先を散歩する灰猫もいて。
 その可愛らしさを求めてか、今の時期にも観光客は多く。その皆が楽しげに、猫達と戯れては写真を撮って賑わっていた。
 と、そんな景色を近くに望む草むらに――人知れず転がっている物体がある。
 それは古いデジタルカメラ。以前に訪れた観光客が落としたのかどうか、既に壊れて久しいようだった。
 伸びた草に隠れていて、このままならば誰にも見つからぬままだったろう――けれど。
 そこにかさりかさりと這ってくるのは、コギトエルゴスムに機械の脚が付いた小型ダモクレス。草の間を進み、デジタルカメラにたどり着いて一体化していた。
 するとそれは小さな手足を生やして俄に動き出す。
 草を払い除け、観光客の姿を見つけると疾駆して――レンズに殺意の耀きを瞬かせ、人々へと襲いかかっていった。

「集まって頂いて、ありがとうございます」
 冬の晴れ間のヘリポート。
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達へ説明を始めていた。
「本日はダモクレスの出現が予知されました」
 曰く、とある港町にて古いデジタルカメラが放置されていたらしく──そこに小型ダモクレスが取り付いて変化してしまうようだ。
「このダモクレスは、人々を襲おうとするでしょう」
 そうなる前に撃破をお願いします、と言った。
「戦場は公園の傍の草むらです」
 ダモクレスがそこから出てくるところを、こちらは迎え討つ形となる。
「一般の人々については事前に避難がされますので心配はいりません」
 猫達も自然と逃げてくれる筈だ。こちらが到着する頃には現場にいるのは敵だけとなっているだろう。
「皆さんは戦いに専念してください」
 景観を荒らさずに終わらせることも出来る筈だ。
「無事勝利できれば、周囲を散歩したり猫さん達と遊ぶ時間もあるでしょうから。ぜひ撃破を成功させてきてくださいね」
 イマジネイターはそんなふうに言葉を結んだ。


参加者
カトレア・ベルローズ(紅薔薇の魔術師・e00568)
ルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)
羽鳥・紺(まだ見ぬ世界にあこがれて・e19339)
七隈・綴(断罪鉄拳・e20400)
香月・渚(群青聖女・e35380)
八点鐘・あこ(にゃージックファイター・e36004)
ティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)

■リプレイ

●迎撃
 優しい陽気が暖かく快い。
 そんな街へ翼で降り立った香月・渚(群青聖女・e35380)は――遠くに聞こえる鳴き声に耳を澄ませていた。
「ここ、猫が沢山見られる街なんだよね」
 今は近くにこそいない、だからこそ期待を抱くように。
 見回すティフ・スピュメイダー(セントールの零式忍者・e86764)も気持ちは同じ。
 セントールだからでもあろうか、普段からキャットタワー代わりに乗られたりすることもあって遊ぶのは慣れているから。
「ねこじゃらしも用意してきたし、楽しみだわ」
「ええ、早く一緒に遊びたいですね」
 淑やかな声音にも、わくわくとしたい色を含むのはルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)。故にこそ、と草むらの間をそっと見やっていた。
「ダモクレスによる被害を出さない様にせねばなりませんね」
 視線の先。
 そこに捉えたのは、草の間を縫うようにして現れる機械の姿。それは角張った体に手足を生やし、命を得てしまった――。
「デジタルカメラですか」
 観察しながらも、七隈・綴(断罪鉄拳・e20400)は冷静に呟く。
 元の面影を残しながら、それは確かに異形と化していて。羽鳥・紺(まだ見ぬ世界にあこがれて・e19339)はそっと声を零す。
「せっかくの、喧騒から遠ざかった長閑な場所だというのに……デウスエクスが現れてしまうなんて」
「この辺りは観光客も多いみたいですし、そういう落とし物も多いのかも知れないですね」
 綴が応えると、そうですわね、と上品な声音に憂いも滲ますのはカトレア・ベルローズ(紅薔薇の魔術師・e00568)。
「新型もどんどん開発されるものですから。或いは、古いタイプはすぐに破棄されてしまうのかも知れませんわね」
 それはどこか憐れを誘う。
 けれどするべきは、人や猫――無辜の命を護ること。だから紺は槌をその手に握って。
「急いで、解決しましょうか」
「ええ」
 行きましょう、と。
 深い夜のような、静やかな声を紡ぐのはアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)。既にライフルをダモクレスへと向けて引き金に指をかけていた。
 刹那、フラッシュと共に放った弾丸を爆裂。足元に強烈な衝撃を飛散させて体勢を崩させていく。
「お願いね」
 小さな声に、ビハインドのアルベルトも応えて飛翔。銃撃を踊らせて敵を縫い止めた。
 生まれた隙に、カトレアは残霊を喚び『バーテクルローズ』。薔薇模様の斬撃に爆破を重ねて敵を宙へ煽る。
「今ですわ」
「判りました」
 そこへルピナスもエナジーの刃を無数に創造。『暗黒剣の嵐』――その全てを雨と注がせダモクレスを穿っていた。
 地へ墜ちたダモクレスは、それでも閃光を放つ、が。
 盾役がしかと防ぎきってみせれば――八点鐘・あこ(にゃージックファイター・e36004)が星の光を手元に燦めかせている。
「大丈夫なのです! すぐに癒やしてみせるのです!」
 猫にも似た形の星座から、立ち昇る光の柱が加護と癒やしを与えれば――同時に翼猫のベルも飛翔。治癒の風を吹かせて体力を持ち直させていた。
「次、お願いするのです!」
「了解よー」
 応えて攻性植物を揺らめかすのは、ティフ。
 蹄を奏でるように奔りながら、皆の周囲に蔓を巡らせて。黄金に煌めく果実を顕現させてその甘露で皆の治癒を進めていく。
「これで、あと少しかな?」
「任せて!」
 と、渚も雷竜のドラちゃんに治癒の雷光を注がせると、自身も『躍動の歌』。生き生きと、活力に溢れた歌声を響かせて皆を万全とした。
 ダモクレスは尚攻撃を目論んでいるが――。
「させません」
 その頃には紺が細身の砲身から一撃、鋭く弾ける砲弾を撃ち込んでいる。
 同時に手を翳すのが、己が身を継戦力を高めるオーラで纏っていた綴。
「身体を巡る気よ――!」
 瞬間、そのオーラの内から更に煌めく気の塊を現出すると『練気掌波』。真っ直ぐに放出された耀きでダモクレスを穿ち貫いてゆく。

●撃破
 破片を零しながら、ダモクレスは尚立ち上がる。
 そのレンズには変わらず、殺意にも似たものが覗いていて――アウレリアは少しだけその姿を見つめていた。
「このカメラも、昔は人と公園の猫達の笑顔や、平和な日常を写し撮っていたのかしら」
 殺す為に造られた身には、優しい目的で生み出され、人の役に立った機械達が愛おしく――眩く映ってならない。
 だからこそ、そのレンズに焼き付く最後の光景が幸福なものではないのが残念だけれど。
 ――その在り方を守る為にこそ。
「惨劇を起こす前に終わりにしましょう」
「勿論なのです!」
 あこはふんすと胸を張って頷く。
 仰ぐ陽光は、寒空の中だからこそぽかぽかと快くて。
「冬の日向ぼっこは太陽がとても気持ちいいのです……! だから、にゃんこのお昼寝タイムは邪魔させないのです!」
 ダモクレスはそれに対しただ、盲目的な敵意で駆けてくるばかり。
 だからカトレアも迷わず刃を手に取ると、隣に視線を遣って。
「合わせますわよ」
「はい」
 楚々と応えたルピナスは、伸ばした手から光の花を咲かせるように御業を顕現。はらりと透明の花弁を風に流して飛翔させていた。
 ダモクレスの周囲を取り巻いたそれは、幾つもの光条にほどけて廻転し、機械の体を縛り上げて拘束していく。
 そこへドレスの裾を柔らかに揺らしながらカトレアが肉迫。月弧を描く優美な斬閃で足元を切り裂けば――。
「綴、お願いしますわね」
「ええ、後はこちらで」
 頷く綴が疾駆。
 よろけたダモクレスの眼前へ至ると――体勢を整える暇も与えず一閃。疾風を伴う鋭き蹴撃を見舞った。
 躰を深く裂かれながらも、ダモクレスは斃れず反撃を狙う。だからティフは敢えて身を晒すようにファインダーの前に飛び出た。
「こっちよー! ほら、デジカメなのに写さないなんて勿体ないー!」
 ダモクレスは誘われるままに突撃する。けれど予期されたその一撃を、ティフは上手く防御して衝撃を抑え――。
「これを受け取って!」
 直後には渚が自身の気力を治癒の光へと変えて投擲。体に溶け込ませるように傷を癒やしていた。
 あこもまた癒やしの月光を与えて戦線を保ってゆく。憂いもなくなれば、ティフはそのまま雷撃でダモクレスを留めていた。
 そこへアウレリアが『バラ・エスターカ』。精確なる射撃で中枢を貫いて――。
「任せるわ」
「――ええ」
 紺が夜を思わす暗い影を撃ち出す。
 音もなく飛翔して、這い寄るようにその身を穿つ『葬送の神話』は――昏く鋭い衝撃を伴って、違わずダモクレスを破壊した。

●猫街
 にゃあにゃあと鳴き声が響く。
 周囲の修復を済ませた番犬達は、街へ無事を伝えていた。すると観光客や住民と共に、猫の姿も見えてきて――程なく平穏が戻ってくる。
「お楽しみ猫さんタイムだー!」
 と、そんな中でティフは早速猫と戯れようと公園へ入るところ。
 とは言え警戒されないように……まずは遠巻きに、小高い一角で日向ぼっこを始めた。
 そうすると柔らかな陽射しの下、数匹の猫が興味を持って近づいてくるから――。
「こっちだよー」
 手招きして撫でてあげる。すると猫達はごろごろと喉を鳴らして心地良さげだ。
 その内によじよじと、馬体に登ろうとしてくるので……ティフは背に乗せて立ち上がる。
「少し走ろっか?」
 猫はにゃあと猫が鳴いて応える。ティフはよし、とゆっくり歩み出して――そのままぱかぽこと周遊し始めた。
 風を感じてか、猫達は気持ち良さそうに瞳を細めている。肩に乗ってくる猫もいるので、ティフはそのままにしてあげつつ散歩を続けた。
「うーん、やっぱり猫は可愛い!」
 もふもふの感触を得ながら、そんな実感に呟いて。まだまだ猫タイムは終わらないと、優しい風の中を進んでいった。

 漣が仄かな潮騒を響かせている。
 長閑で美しい景色を長めながら、紺は散策をしていた。
「綺麗な街ですね――」
 翠の木漏れ日、立ち並ぶ家並み。
 そして空と溶け合う海が美しく、心濯われる。
 公園で一休みすれば、近くで猫達が戯れているのが見えた。元気な子猫が追いかけっこをしていれば、傍らでは親猫達が日向ぼっこしていて。
「あの子、可愛いですね」
 中でも気になったのは、オレンジブラウンの毛並みに縞模様の入った茶トラ。
 気ままな性格のようで、仲間と毛づくろいした後はひとりでうろうろし始めて……木立に爪をかりかりしては、揺れる草に猫パンチ。
 それも飽きると、な~、と欠伸してごろりと寝転がる。
「ふふ」
 紺は眺めながら優しく微笑んで。茶トラがこちらに気づくと、そこへ小さく手を振ってみたりする。
 にゃあ、と茶トラが応えてまたお昼寝に戻ると、紺も小さく伸びをして。
 暖かな日向に、穏やかな潮風が心地良い中で――ゆったりと、時間を送っていった。

 猫に満ちる公園は、すっかり平和な空気。
 あこはそんな一角で、猫達と共に過ごそうと……おやつを準備するところだった。
「さあ、沢山用意したのです!」
 並べるのは固形のカリカリタイプに、流行のペーストタイプ。更に煮干しなども揃え、よりどりみどり。
 ベルのおやつタイムも兼ねて、猫達を呼び寄せようという心持ちで……ベルがもふもふとささみを齧り始めると、期待通りに他の猫も集まってくる。
 茶猫に白猫に黒猫……にゃあにゃあと脚を伸ばしてくる猫達に、あこはおやつを配ってあげて。かりかりぺろぺろがじがじと、美味しそうに食す姿を眺めていた。
「やっぱり可愛いのです!」
 同じ猫科ではあるけれど、虎より可愛いと思っているイエネコに対しては憧れがある。
 だからそんな可愛らしさにあやかるように……お腹を満たした猫達が寝転び始めると、あこもそっと一緒にお昼寝。
 強制的にそこに並べられたベルは、なーご、と少々憮然と鳴くけれど……そのうちベルも眠そうに瞳を細めて、寝息を立てて。
 あこはそのまま暫く、心地良い微睡みの時間を過ごしていった。

「お疲れ様です、お怪我は無いですか?」
 平和の戻った景色の中、綴は改めて見回している。
 それにええ、と笑みを返すのはルピナス。道に戻ってくる猫にも目を向けていた。
「猫さん達も無事のようですね」
「うん。でもちゃんと安心させてあげないとね」
 と、歩んでゆくのは渚。まだ物陰にいる猫達に、優しく声をかけてあげる。
「もう大丈夫だよ。ダモクレスは倒しちゃったから」
 するとお礼だろうか、猫達はにゃあ、と鳴いて公園へと戻っていた。カトレアは足元の猫を撫でつつ、そんな眺めを見渡している。
「この辺りの猫さん達は皆可愛いですわね」
「良かったら、皆で遊んでいきませんか?」
 綴が言えば三人は勿論と頷いて。ルピナスは早速、やんちゃに走り回っている猫達に歩んでいた。
「猫さん、わたくし達と一緒に遊びませんか?」
 にゃー、と応えた猫は、すぐにぴょんと跳んでルピナスの肩へ。すりすりと体を擦り付けて懐き始める。
 綴もその猫をもふもふとしつつ――オウガメタルを猫のような形にして走らせてみた。すると猫達も走り始めて暫し追いかけっこになる。
「元気ですわね」
 言って笑むカトレアも、そこへボールをぽんぽんと転がして、渚との間を往来させると……猫が駆け寄ってきてボールの争奪戦が始まった。
 そこに渚も加わって暫しじゃれ合い。
「そちらですわ」
 と、カトレアがボールを投げると渚がキャッチ。ふわりと浮いて周遊する。
 猫達が連なって追いかけてくると、良いタイミングでボールを落とし……そこに猫達がなーなーと群がる姿をまた眺めていた。
 一頻り猫達が満足すると、ルピナスがおやつを用意。
「はい、おやつですよ」
 にゃあにゃあと殺到してくる猫達皆に行き渡らせつつ、皆と共に小休止した。
 それから、渚はまた立ち上がって。
「折角だから散歩していこうよ」
「良いですね。行きましょう」
 ルピナスが言えば、三人も続いて皆で猫と共に散歩。
 猫の行きたがる方向に合わせて進み、公園から海沿いの道へ。雄大な水平線を眺めつつ、カトレアは仄かにそよぐ髪を撫ぜ上げた。
「港町ですし、風が気持ちいいですわね」
「ええ、天気も良くて、素敵な日です」
 ルピナスも微笑み返すと……渚があっと気付く。
「見て、入り組んだ方に入っていくよ」
 見ると猫達が曲がりくねった道に入っていた。
 その先は何やら深い藪になっていて……皆は少々顔を見合わす。
「先に何かあるのかな?」
「そうかも知れませんね」
「あっ、猫さん達もこちらを呼んでいるようですよ……?」
「なら行くしかありませんわね」
 カトレアが好奇心交じりに進むと、三人も続く。
 それから緑の間を抜け、トンネルを通り、花畑を抜けると……辿り着いたのは木立に囲まれた古い洋館だった。
 にゃー、と猫が呼ぶ。入ってみると、中にも別の猫達がいた。
「文字通りの猫屋敷ですわね?」
「案内してくれたのでしょうか」
 静かで、寛げる空間。綴はホールを見回しながら猫達をよしよしと撫でた。遊んであげたお礼に秘密基地まで連れてきてくれたのだろう、と。
「ここの猫は、皆お利口で可愛いですね」
「少し、休んでいきましょうか?」
 ルピナスも古びた椅子に座る。
 すると硝子のない窓から陽射しが入ってきて。
「ぽかぽかしてて、眠くなりそうですね――」
 見れば皆も少し欠伸をしたりしている。
 快い温度の中で、猫と過ごす静謐。それはまったりとした寛ぎに満ちた優しい時間だった。

 猫達がのんびりと寛ぐ公園の広場。
 そこを訪れたアウレリアは、その手にブラシ、コーム、スリッカー、ご褒美のおやつまで用意して――猫達と全力で触れ合う算段だった。
「さあ、目一杯戯れましょう」
 元より戦いを迅速に終わらせ、猫との時間を楽しむつもりでもあったから。早速興味を示して寄ってきてくれた猫を膝に乗せて……ブラッシングを始める。
 最初はグレー毛が可愛らしい一匹。元より毛並みは悪くないけれど、やはり野良だけあって更に綺麗になる余地があるから――。
「更にふわふわの艶々でピカピカに……ふふふ」
 ブラシで背中とお腹を優しくブラッシング。
 な~、と心地良さげに瞳を閉じている、その顔周りもコームを使って丁寧に整えて。艶めきを増したその毛並みを撫でては堪能した。
「とても綺麗になったわね――」
 この間、アルベルトは他の猫と遊んでいる……というより猫じゃらしを振り回して猫達と同レベルにはしゃいでいる。
 そもそも生前から動物好きで、様々な動物を拾っていたアルベルトだ。遊ぶ気満々で臨んできたこともあり、右に左に駆け回り、何とも愉しげだ。
 それに微笑みながら、アウレリアも交渉成立した猫達を次々にブラッシング。皆の毛並みを艶めかせながら、横に毛玉の山を積み上げていた。
 風は陽光と融け合って、快い温度で。
「――素敵な時間ね」
 伴侶と共に、可愛い猫と過ごす。それをもう暫し味わおうと、アウレリアはまたブラシを動かしていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2021年1月3日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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