彼岸の防人

作者:天枷由良

 乱れ、歪み、渦巻く涅色。
 磨羯宮ブレイザブリクから死者の泉へと続く転移門の内側。
 千変万化の魔空回廊の如き路を、防御機構たる黒鎧の騎士が彷徨い歩く。
 その巨躯に相応しい、禍々しき大剣を引きずりながら。
 不埒な侵入者に――ケルベロスに。
 死を与えるべく。

●ヘリポートにて
「改めて、状況を確認するわね」
 ミィル・ケントニス(採録羊のヘリオライダー・en0134)は語り、手帳の頁を捲る。
「今回、皆に向かってもらうのはブレイザブリクの隠し領域。其処がリューディガー・ヴァルトラウテ(猛き銀狼・e18197)さんによって発見されたのは、東京で開かれた大運動会が終わった頃だったわね」
 その隠し領域には“死者の泉へと繋がる転移門”が存在するが、先へ行こうとすれば番人であるエインヘリアルの黒騎士……“門”と呼ばれる防御機構が、ケルベロスの迎撃に現れる。
 “死を与える現象”が実体化したかのようなそれは、一度撃破しても新たな個体が現れ、行く手を阻む。これに対処しなければ、転移門の向こう側には進めない。
「とはいえ、門も無限ではなく。四十二体の撃破を以て、殲滅可能と予知されているわ」
 多くのケルベロスたちの奮闘もあって、残る門は十を切ったかどうかと言うところ。
 あと一息……ではあるが、しかし攻略期間がそれなりの月日に及んでいる以上、此方の動向がエインヘリアルに露見する可能性も高まっているのが現実的な見方だろう。
「此処までの努力を無為にしないよう、残存する敵勢力のどれもが大きな動きを見せていない今のうちに、作戦を進めたいところよね。ぜひとも、皆の力を貸してちょうだい」

 黒騎士こと“門”との戦闘は、転移門の内側にある異次元空間で行う事になる。
 まるで魔空回廊のような其処では、門の力も通常の数倍に引き上げられているようだ。
「とはいえ、皆にも“ヘリオンデバイス”がある。向こうが強化されているなら、こっちも強化して対抗よ。これで少なくとも同じ土俵には乗れるはずだわ」
 相手は騎士らしく大剣一本を武器に挑んでくるだろう。無言のままに振るわれる狂気の刃、その絶大なる破壊力を凌ぎ、襲い来る死の恐怖に抗えば、必ずや勝機を掴めるはずだ。

「防御機構という性質上、撃破後にも戦場に留まり続けていれば、また新たな門が現れるでしょう。……早く作戦を進めたい気持ちもあるけれど、油断や慢心は禁物よね」
 故に、撃破後は速やかに帰還すべきだろう。
 そう締め括って、ミィルは説明を終えた。


参加者
シル・ウィンディア(鳳翼の精霊姫・e00695)
エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455)
マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)
宮口・双牙(軍服を着た金狼・e35290)
メロゥ・ジョーカー(君の切り札・e86450)
九門・暦(潜む魔女・e86589)

■リプレイ


 水底の如く澱んだ空に淡い流線が滲んだかと思えば、傍らでは朽ちた柱や壁のような物が忽然と峙ち、すぐに崩れ去る。
 輪郭すらも定かでない世界は、正しく混沌であるが故に、幾度訪れても既視と未知が綯い交ぜになっていく。
(「……慣れませんね」)
 ぐるりと全方位を見回した後、九門・暦(潜む魔女・e86589)は前だけを見据える。
 ヴォルフ・フェアレーター(闇狼・e00354)も視線を注ぐ其方から微かに響く音。石床に何かを擦り付けるような響きは、程なく一つの形を成した。
 死者の泉を護る防御機構。通称“門”と呼ばれる黒騎士たち。
 踏み込む度に姿を現すそれとの戦いも、終わりが近いと聞く。
「打ち止めになるまで、一つずつ確実に落としましょう」
「長い付き合いだったけど……ようやく、だねっ!」
 暦の言葉に、シル・ウィンディア(鳳翼の精霊姫・e00695)が快活な声で返す。
 この不可思議な空間への攻略が始まってから三月。出撃を繰り返したシルのような勇士からすれば、感慨とまでは言わずとも、それに近い想いはあるかもしれない。
「今回も張り切っていきましょ!」
「ああ。終わりが見えてきたからこそ、気を引き締めて臨まなければな」
 淡い碧色の刃を握ったシルには、アンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974)が歯切れよく明瞭に答える。
 その傍ら、エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455)は不測の事態に備え、レスキュードローン・デバイスを少し後方に待機させた。
 一方、淡々と近づく黒騎士は一粒の言葉も発さずに大剣を構える。
「君にだって何もない訳じゃないだろうに。いつも黙ったままで……シャイなんだね、ふふ」
 メロゥ・ジョーカー(君の切り札・e86450)が誂うように言っても、反応はなし。
 泉に取り込まれて番人となったそれは、もはや使命以外の全てを喪ってしまったのだろう。
 与えられた役割をこなすだけというのであれば、ある種の機械とも言えようか。
「SYSTEM COMBAT MODE」
 マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)が、奇しくも機械らしく抑揚に欠ける声で戦闘態勢への移行を告げる。
 その瞬間、黒騎士が振り上げた大剣は、不気味な世界の中に一陣の風を巻き起こした。


(「疾い……!」)
 目を瞠る宮口・双牙(軍服を着た金狼・e35290)の前で、黒騎士は間合いそのものを斬り捨てたかのように距離を詰め、大上段からの第一撃を放つ。
 エインヘリアルの巨躯に相応しい巨大な得物が鋼鉄の肉体を叩き、密やかな空間には耳を劈く騒々しい音が響いた。
 しかし、まだ一撃。数多の戦いを越えてきたマークを震えさせるに、それだけでは程遠い。
「RED EYE ON」
 淡々とした機械音声に続き、猛者たるレプリカントの眼が赤く光る。
 その妖しげな輝きは無論、ただの装飾などではなく。相対する相手の攻撃的衝動を増大させる特殊な波長。
 黒い兜の奥から、微かにくぐもった声が漏れる。まるで獣じみたそれに釣られて、大剣を押し込もうとする力も増していく。
「……馬鹿か?」
 他の七人などまるで目に入っていないかのような振る舞いに、ヴォルフは思わず呟いてから魔法弾を撃った。
 “残虐な猛威”を意味するそれも、対象を激昂させる力を持つ――が、しかし被弾した黒騎士は一瞥くれる事すらなく、あくまでもマークを屠らんと競り合いを続けるばかり。
「だったら、これで――!」
 シルがジェットパック・デバイスを噴かせて、不気味な空へと翔び上がる。
 両足という錨を切り離した途端、天地の境も曖昧になったような感覚に襲われたが、それも一瞬。
「闇夜を切り裂く、流星の煌めきを受けてみてっ!」
 宙空にふわり浮いたかと思えば、デバイスを逆噴射させて言葉通り流星の如く墜ちる。
 その勢い、破壊力の凄まじさもまた“星が墜ちる”に等しい。がら空きの背中に猛攻を受けた黒騎士は大きく態勢を崩し、マークと鎬を削っていた刃も力の行き先を変えられて足元を抉った。
 其処に、双牙もすかさず間合いを詰めて回し蹴りを打つ。撓り、空を裂く片足に兜を捉えられた黒騎士は、為す術もなく転がって――。
「門よ。君の動きは……“見えて”いる!」
 立ち上がろうとしたところを三度、今度はアンゼリカに蹴り飛ばされる。
 シルのそれが突き抜けた威力であるなら、双牙の一撃は謂わばツボを突いたもので、アンゼリカが繰り出したのは正確無比であるが故に強力。三者三様の蹴撃に弄ばれた黒騎士の巨躯は、戦場の片隅へと転がっていく。
 そうして生まれた僅かな時間に、癒し手の片翼を担うエヴァリーナが緊急の施術を開始する。
 癒やすべき相手と、その傷を齎した相手を幾度か見やりつつ、一片の迷いもない所作で励むそれは、常日頃から“死”に抗い続けている証か。瞬く間に自身の傷が癒えるのを見て、マークは返礼代わりにエヴァリーナを庇うよう立った。
 それを受けて、もう一方の翼を担う暦は、治癒の補助を兼ねた調べを奏でる。
 戦いの幕開けと共に露わにしたメリュジーヌの真なる姿、アオダイショウにも似た色合いと模様の半身で異界に塒を巻き、銀色の三日月を思わせる形をした竪琴で紡ぎ出すのは、微かな希望も逃さず掴み取って前へと進む冒険家の歌。
「いい音色だね」
 同胞へと囁き、メロゥがスカーフを翻す。
 途端に鬱屈とした空を銀の煌めきが飾って、それは暦の歌と共に最前のケルベロスたちを奮い立たせる。其処にはメロゥ自身も含まれ、今日の彼女が纏うマジックハンド風の巨大機械腕型デバイス――アームドアーム・デバイスが、闘志を溢れさせるかのように軋んだ。


 それを耳聡くも聞きつけたか、態勢を立て直した黒騎士はメロゥへと突っ込んだ。
 鎧よりも暗い色の翼を翻し、地を這うように迫って繰り出す連撃には、まだ衰えもない。
「剣の方は随分と雄弁だね」
 作り笑いを貼り付けたまま、引っ切り無しにデバイスを動かして抗うメロゥだが――捷さでは上回られたか、奇術師の一張羅ごと斬り裂く刃が白い肌に幾つもの紅い筋を作る。
 しかし、今日のメロゥに膝を折らせるなら、少なくとも今しがた黒騎士が繰り出した斬撃の倍は必要となろう。
 不敵な笑みを浮かべ続ける彼女は、己の身体の其処彼処から滴る血を操り、敵の眼前にハートを浮かべてみせる。すぐさま黒騎士に両断されたそれはメロゥ自身へと返って、少しばかり傷の癒えた彼女は鼻先にまで迫る敵へと、やはり変わらぬ笑みを向ける。
 ともすれば逢瀬とさえ呼べそうな一瞬。
 それを裂いたのは、ヴォルフの刃。不可思議な造りの戦場や、その向こう側に在るもの。更には一時、肩を並べて戦う仲間にすら興味などないと言わんばかりの斬撃は、他の七人と異なる律動で、ただ敵を殺す為だけに振るわれる。
 雷鳴の如きその猛襲に、然しもの黒騎士も攻勢から守勢への転換を余儀なくされた。
 瞬間、ケルベロスたちは尚続く暦の歌を浴びつつ、一気に襲い掛かる。
「この異界すらも照らす輝き、闇と共に在る光。その眩さに魂を凍らせるといいさ!」
 漲る戦意に吼え哮り、天光色の大きな瞳で敵を見据えたアンゼリカが白翼を広げれば、放たれた光は一瞬で黒騎士の姿を攫う。
 其処にマークのライフル“DMR-164C”から撃ち出される極大光線が加わって、また戦場の果てまで流されていこうかという敵を捕らえたのは、双牙の手甲“日喰”から伸びた網状の霊力。
 そのままぐぐっと引き戻された巨躯は、忽然と宙で解放されて。
「一気にいくよっ!」
 初手から全開のシルが振るう剣。六色の小さな宝石が施された指輪から伸びる光の刃で、懐深くを斬り裂かれた。
 それを受け流すはずだった騎士の大剣が、一拍遅れて虚しく宙を薙ぐ。碌な受け身も取れず落ちていく黒鎧とは対照的に、シルは己がデバイスを巧みに操り、翼を翻すかのように軽やかな動きで地へと降り立つ。
「……門番さんは――」
 メロゥに投与する秘薬を合成しつつ、エヴァリーナがちらりと黒騎士を流し見た。
 死者の泉への路を護る番人の一人は――苦悶も悲鳴もなく、鎧の擦れる音だけを鳴らしながら再び立ち上がる。


 倒しても倒しても、また新たな“門”が現れて行く手を阻む。
 防衛機構の仕組みを体現するかのように、幾度倒れてもケルベロスへと立ち向かってくる黒騎士の姿は、彼方の泉から妄執の如く迫る“死”そのものであるようにも思える。
 だが、その恐ろしい様をエヴァリーナは鼻で笑う。笑い飛ばす。
「身体は大きくても、ちっちゃい。ちっちゃいよ」
 所詮、目の前を彷徨くそれは目に見えるもの。ぶん殴れるもの。
 本物の死、日々あらゆる所から、あらゆる所へひたひたと忍び寄る真のそれとは比べるまでもないのだ。故にエヴァリーナは恐れず、マークやメロゥの傷と真っ向から相対して全力で癒やす。医に携わる者として、目の前で仲間に倒れられるなどあってはならない事と、己が誇りを懸けて。
 それを間近で見やる暦が、まるでオペナースのように臨機応変な補助を行えば、悉く強者が並ぶ今日の八人に綻びなどそうそう起きはしない。
 強烈な一撃には二人がかりでの治癒を、エヴァリーナ一人で事足りるようなら、暦は竪琴の音色や黒鎖の魔法陣にて攻防の備えを。
「私達が折れる前に、門番さんの心が折れちゃうね?」
「それなら両手を挙げて、降参の姿勢でも見せて頂ければ話が早いのですが」
 エヴァリーナに応じた暦は、まさかと自らの言を否定する。
 四十二の黒騎士全てが皆寡黙なのかは知る由もないが、少なくとも目の前のそれは、先だって自らが倒したものと同じく、感情らしい感情を感じられない。
(「これでは話になりませんね」)
 下卑たエインヘリアルのように、此方を品定めするような目線を送ってこないだけマシなのかもしれないが。
 ともあれ、倒すべき相手にあれやこれやと考えても詮無い事。
「そろそろ楽にしてあげましょう。……永遠に」
 竪琴を弾く手を止め、暦は静かに敵を見つめる。
 其処に秘められた魔力が、大剣掲げて来る敵の動きを僅かに押し留める。
 刹那、双牙が体勢低く駆けた。
「……俺の距離に入らせてもらうぞ」
 狩るべき獲物を見定めた獣の目、その片割れの地獄が揺らぐ。
 黒騎士は魔蛇の視線に抗いながら刃を振るうが、しかし。
 それを容易く掻い潜った双牙が、己より遥かに大きな敵へと組み付き、片肩に乗せる。
「拳も試してみたくはあったがな」
 其処までの機会が巡ってこないのならば、この一発を渾身のものとすべし。
 巨躯を担ぎ上げ、双牙は両掌から迸る地獄で鎧を焼きながら一歩、二歩と進んで――繰り出すは、天に捧げる一撃。
「ソードスミス・ハンマー……!」
 その名の通り、まるで刀工が振るう鎚のように投げつけられた黒騎士の身体は、背から落ちて勢いよく地面を叩く。
 有象無象ならばKO間違いなし。そうでなくとも、もはや3カウント以内に立ち上がる事は不可能だと思える強打。
 だが、ケルベロスたちは手を緩めない。フォール技に代わって浴びせられるのは、マークの特殊改造アームドフォート“XMAF-17A/9”の主砲から放たれる一撃。
 それが炸裂した瞬間、黒騎士からは血飛沫でなくスペードのエースが飛び出す。
「……おや、よりにもよってそれを選んだんだね」
 絵柄が意味するところに、メロゥが嘲笑とも憐憫ともつかぬ声で呟いたのも束の間。
「私たちケルベロスには、ただ一度の敗北も許されない! デバイスを託した人々の想い、その重さに……応えるんだッ!」
 正しく騎士と呼ぶに相応しい気合を露わに、アンゼリカがバスターライフルの引き金を引く。
 撃ち出された弾丸は、其処に注がれた想いを糧として膨れ上がり、黒鎧を飲み込んで。
 全てが明らかとなるよりも早く“未だ”と悟ったヴォルフが刃を手に攻めかかる――が、しかし。
「……ッ!」
 喰い破る獣牙の如き一撃は、黒騎士の肩を掠めて過ぎた。
 稲妻突きにジグザグスラッシュ――攻勢の悉くを捷さに拠る技で行っていたからか、などと思う間もなく動き出す黒鎧。その敵意は最も間近でなく、戦いの最中に少しずつ積み上げられていた怒りの赴くまま突き進む。
「来るか……!」
 ならば、受け止める。
 メロゥはマジックハンド風デバイスを制御しつつ、大剣の唸りに備え――その前に立ったマークが、脚部のパイルバンカーを異界の地へと打ち込んで肩のシールドを前面へと押し出す。
 戦いの幕開けを告げた、刃と金属の打ち合う騒々しい音が再び響く。
 今度は終わりを知らせる音として、だが。
「ドラゴンも撃ち抜いたこの魔法……どれだけ強い相手でも、これは痛いはず! ただで済むとは思わないことだよっ!!」
 盾役が凌いだ一瞬。ジェットパック・デバイス全開で黒騎士の真横へ肉薄するシル。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 それは、今日のシルが撃てる最強の技。
 威力最優先であるが故に、精度も射程も放り捨てた一発だが――零距離であれば。
「さぁ、全部もってけっ!!」
 解放を許された力が、爆ぜる。
 そのあまりの烈しさに、吹き飛ばされそうな自身の身体を、展げた青白の翼で支えて。
「まだまだ……っ!!」
 シルは己の全てを魔力砲撃へと注ぎ込む。
 黒騎士を消し飛ばしたそれは、異界の景色すらも一時、乱れさせた。


 程なく、静けさと不気味さを取り戻した世界には、また涅色が蠢く。
「――よしっ、帰ろう帰ろう!」
「そうですね。次が来る前にお暇しましょう」
 左手の薬指を撫でたシルに、暦が言葉を重ねて踵を返せば、仲間たちもそれに倣う。
 逸る気持ちや先への好奇心も無くはないが、勝って兜の緒を締めよ、だ。
「出番が終わった演者は速やかに舞台から下りるものさ。ボクも、キミたちも、ね」
 メロゥは踏み込んだ時と変わらない笑みを貼り付けたまま呟き、双牙の足元から伸びるビームを辿るように退いていく。
 面妖な空間を舞台とする演目も千秋楽目前。
 その最後の瞬間まで、寡黙な騎士たちは騎士として在るのだろうか。
「すぐに解ることさ。そして、この戦いが終われば――いよいよだね」
 アンゼリカは、来たるべきエインヘリアルとの決戦に思い馳せる。
 その戦いが一際苛烈な、生半な覚悟では挑めないものになるであろうことは、想像に難くないが、それでも。
「この地球を、侵略から解放された真の楽園にする為には」
 ――ただ一度の敗北さえ許されない。
 自ら放った言葉を噛み締めながら、アンゼリカもまた、戦場を後にする。

作者:天枷由良 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年11月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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