汝は、

作者:四季乃

●Accident
 ひぃ……ひぃ……と物悲しい鵺の鳴き声のような呼気が、塗り込められた闇の狭間を抜けていく。
 死者の泉。その門番である黒騎士は、およそ常人とは思えぬ獣のような様相で異次元の通路を彷徨い歩く。右手をだらりと下げて、剣を引きずりながら巡回する変わり果てた彼にエインヘリアルであった頃の記憶はすでに無い。潰れた喉を震わせるような、唸り声を上げるだけの『死を与える現象』である。己が防御機構の一部に組み込まれたことも知らず、彼は掠れた呼気を闇に響かせながら廻り続ける。
 ただ彼はたった一つだけ己を指し示す言葉を持っていた。
 ――『門』と。

●Caution
「ブレイザブリクの隠し領域より、死者の泉に繋がる転移門を発見する事に成功したのはご存じでしょうか」
 発見者であるリューディガー・ヴァルトラウテ(猛き銀狼・e18197)の功績により、すでに隠し通路が双魚宮「死者の泉」に繋がっていることは確認されている。
 だが死者の泉は防衛機構によって守られており、侵入するにはそれを突破する必要があるのだとセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は言った。
「防衛機構は『門』と呼ばれる『死を与える現象』が実体化したような、黒い鎧をまとったエインヘリアルです。彼らは死んでも蘇り『門』を守り続ける守護者です」
 『門』は総勢四十二体とされているが、着実に攻略が進んでいる。瓦解させることはきっと可能なはずだ。

 戦いの場は転移門の内部、魔空回廊のような異次元の回廊になるだろう。しかも内部では『門』の戦闘力が数倍に跳ね上がって強化されているため、少しの油断も許されない苦戦を強いられると思われる。
「敵の武器はいわゆる両手剣と呼ばれる大剣ですが、右腕一本で軽々と振り回す上に獣のような身のこなしで翻弄してくることでしょう。騎士然とした姿勢を見せても、くれぐれもご注意ください」
 薙ぎ払いや飛ぶ斬撃、上空からの突きに蹴り技まで攻撃は多岐に渡る。連携して敵の動きを注視し、気を抜かず臨んで欲しい。
「最後に……『門』を四十二体撃破すれば、死者の泉に転移が可能になると予測されています。直通するルートが開けば、いよいよエインヘリアルとの決戦です」
 現時点では、このブレイザブリクから死者の泉に通じるルートをケルベロスが発見したことを、エインヘリアルはまだ察知していない。だが、攻略に時間が掛かり過ぎれば察知され、このルートを潰されてしまうかもしれない。
「リューディガーさんが見つけてくれた活路を潰すわけにはいきません。どうか皆さん『門』の撃破を、お願いいたします」


参加者
フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)
源・那岐(疾風の舞姫・e01215)
伏見・万(万獣の檻・e02075)
隠・キカ(輝る翳・e03014)
玉榮・陣内(双頭の豹・e05753)
如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)
山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)
メロゥ・ジョーカー(君の切り札・e86450)

■リプレイ


「死を与えるってケルベロスの専売特許だと思ってたのになー」
 強化ゴーグル型のヘリオンデバイスで『門』の居場所を探っていた隠・キカ(輝る翳・e03014)と玉榮・陣内(双頭の豹・e05753)の耳に、独語のような呟きが触れて僅かに意識が逸れた。ちらと視線を巡らせれば、異次元を前にして双眸を細めている山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)が、桜を模した杖を手慰みになぞっている。
「ま、いつも通り油断なく行こっか――とか言いつつ、デバイスめっちゃ頼りにするから! 思いっきり強者と戦える感じ、いいよね……!」
「色々状況が錯綜してますが、まずは進む為の道を開きましょう」
 ことほの言に頷きを返したのは源・那岐(疾風の舞姫・e01215)である。彼女は周囲の空気をつぶさに伺っていたのだが、つと傍らの如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)を見止めて眦を和らげた。
「沙耶、共に頑張りましょう。信頼してますよ」
「ええ、姉様。道は長いですけど、確実にクリアして行きましょう。共に戦えて心強いです」
 深い絆と強き信頼で結ばれている二人を盗み見て、なんと心強いことかと笑みを刷いたメロゥ・ジョーカー(君の切り札・e86450)だったが、
「しっ……」
 唇に人差し指を当てたキカの静止に、表情が引き締まる。呼気を絞った陣内が身構えるのが分かり、緊張が伝染していく。
「あの柱の影だ……そら、出てくるぞ」
 ひとつ、ふたつ、やけに長く感じられる束の間の沈黙。

 ――ひぃ……ひぃ……。

 それは、ひどく物悲しい響きだった。正体さえ知らなければ隙間風とも泣き声とも取れる、細い幽かな命の音。だらしなく垂れた手には引きずられた剣、のそりとした歩みは冬眠から覚めた熊のようにも、インプットされた行動を繰り返すだけの機械のようにも思えた。
「さてと、さっさと喰っちまうか。おかわりがまだあンだろコイツ」
 口端を吊り上げた伏見・万(万獣の檻・e02075)が、悠然としてしなやかに首を回すと、鋭い歯を剥き出しにして笑った。
「何やら立て付けの悪いー、戸のような音が聴こえますのー。中々開けるのにー、手間が掛かりそうですわねぇー」
 頬に手の平を当てておっとりと小首を傾げながら敵の仔細を眺めていたフラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)のサークレットが展開。
「やはり拠点の守りを崩すのであればー、大槌が定石ですわねぇー」
 額に隠した弾痕から突如として活性化した地獄が迸った。彼女が曼荼羅大灯籠を地面に突いて精神を集中させるのと、仄暗さの奥から黒い塊が飛び込んで来たのはほぼ同時だった。瞬きすら命取りとも思える素早さで間合いを詰めた『門』の斬撃が、フラッタリーの大石槌を掻き鳴らす。
 耳を貫くような激しい金属音、のちに起こったフラッタリーのサイコフォースの爆風に乗って那岐がジェットパック・デバイスで飛び立つと、彼女を始めとした前衛に沙耶が導きの星を召喚。輝きを身の内に閉じ込めながら振り下ろされた那岐のアックスが『門』の肩口を穿った。その一瞬の隙を狙い撃ち、万が『門』の後頭部を蹴り抜く。まるで鋼鉄の塊のように重く硬い感触は、むしろ己の方がダメージを喰らったのではないかとすら思えるほどだ。
「さぁ、始めようか! ショーは派手に開幕するものだよ」
 被っていたシルクハットをくるり、手のひらで翻したメロゥの仕草に伴い、突然、爆発がわき立つ。奇術のようなそれはキカ、陣内、沙耶たち後衛の士気を高めるブレイブマイン。援護を受けたキカは、フラッタリーから距離を取ろうとしている『門』へと掌を翳すと、眩い閃光のような幻覚を黒騎士の身の内に奔らせた。
 無数の光の槍が己の手足を刺し貫く――そんな偽りの光景に囚われた『門』を更に襲ったのは砕け散る菊の花。
「殺されても一時の休憩で済む連中に「死」を語ってほしくないものだね。地獄の番犬が本当の死を教えてやろう」
 陣内の指先ひとつで何もかも”内”から引きずり出される感覚。それは心の奥底に沈めたものをさらけ出してゆきそうなほど、眼前を眩く照らす。
『門』の喉奥から威嚇のような猛りが吐き出された。それは、皮膚を刺すような、あるいは焦がすような激越を極めており、とっさに危険を察知した猫が花のリングを後頭部へ叩きつけると、ぐるんっと首が後方へ向いた。
 僅かに上体を屈めて体勢を低くしようとしている。そのことに気が付いた藍はエンジンをがならせると、激しく回転するタイヤから炎を噴き出した。そのまま突進。搭乗していたことほは火の粉と共に藍から跳ね上がると、頭上からプラズムキャノンを撃ち出した。
 炎を巻き上げるエクトプラズムの霊弾を胸部に受けた『門』は、衝撃で数メートルほど地に両足を付けたまま吹き飛ばされたが、仰け反った上体を元に戻す矢庭にすぐさま蹴るように駆け出した。目先の敵を薙ぎ倒す勢いのままに振り抜かれた刀身は黒い三日月のような残滓を見せ、前衛たちの躯体を等しく掻く。
 フラッタリーと猫、ことほと藍が盾として積極的に前に出る一方。
(「全部の色がまざって、まっくらな世界。死んだ人が、この道の向こう側に連れていかれるのは……きっと、すごく悲しい」)
 後衛から敵の仔細、動向、仕草ひとつひとつを注視していたキカの夏空の青い瞳には、常に在るはずの太陽が陰っていた。
 狂笑を浮かべもはや『門』と同じように獣じみた動きで前線に立つフラッタリーと互角の激烈さで剣戟を交える、かつて黒騎士であったもの。大剣を斬撃ごと大石槌で圧し潰されても、バネのようにしなやかな身のこなしで次の一手を繰り出してくる。
「それに、何もわからなくなってしまうのは、もっと悲しいよ」
 たん、と地を蹴り上げる。華奢な躯体で軽やかに駆け出したキカは、闇を照らす綺羅星のような光を帯び放ちながら『門』へと接近。『門』の視線がぐるり、こちらを向く。喉を震わせる音は何かしらの呼びかけだったのかもしれない。
 だから。
「うん。きぃ達は、あなたをこわしに来たの」
 言うなり、キカの細い脚が『門』へ飛び蹴りを見舞った。それは『門』の肩にほど近い二の腕を狙った一撃であったのだが、彼は折り曲げた膝を持ち上げると彼女の腹へと蹴り返したのだ。う、と苦し気に咳き込んだのは、エクトプラズムで疑似肉体を作り、負傷した前衛たちの外傷を塞いでいたはずのことほであった。庇ったのだ。
「私がただの女の子だったら今ごろ真っ二つよ……!」
 お腹を押さえながら、やさしくキカの肩を押してさり気なく敵の意識を逸らしたことほは再び藍に乗り込むと杖を振り上げる。大自然と己とを霊的に接続、足の爪先から吸い上げるように癒しを吸収していく一方。
「ほぅら、いい子だ。言うことをよく聞け」
「引き裂け、喰らえ、攻め立てろ!」
 右方から陣内が捕食モードに変形させたブラックスライムを、左方から万が己を構成する獣を幻影として呼び出し『門』に向かい解き放つ。ブラックスライムに飲み込まれた『門』の傷口に、飢えた獣達の牙が突き立てられる。獲物の傷を正確に狙い容赦なく食い荒らす百の獣牙は、万の張り上げる声によって峻烈を極めていた。
 まず間合いを測るように動いていたフラッタリーのその頭上。敵の不意を突けるよう戦場を飛び回っていた那岐が、射撃する藍へと視線が向けられたその一瞬を狙い、振り上げられた剣先を弾き返しつつ、後頭部に斉天截拳撃を叩き込んだ。真上からの衝撃で膝を折った『門』が前のめりに傾く――そのとき。
「危ないっ!」
 後衛に居た沙耶は見た。
 自身が放ったサークリットチェインの隙間を縫うように駆け抜ける『門』の背中を。彼は曲線を描くように駆け抜けると四つ足状態で飛び上がった。猫が飛翔する己より高い位置までに跳ね上がった黒騎士を目にして、双眸を見開く。
 次瞬、小さき身体に真っ直ぐと突き立てられた刃。大地に縫い止められるように叩きつけられ貫かれるも、猫は前足を宙に向けて振り上げた。ビャッと空気を裂いたその引っ掻きは『門』の外殻を僅かに削り取ったのだ。
「多彩な技……いいね! 僕の奇術に活かせる動作もあるかも、要観察だね」
 歌うように紡がれた明るいメロゥの言葉に、瞳が瞬く。振り返る『門』に向けてメロゥがシルクハットをひっくり返すと中から御業が飛びだし、それは縄のように『門』の躯体に絡みつき捕らえてしまう。
「お礼に僕の技も見せてあげよう。されどももう何度目か、君は覚えていないし、覚えられないのだろうけれど」
 メロゥの身体を包み込む白光に、口ずさむ言葉が掻き消えた。背面に向けて撃ち出されたるはフラッタリーの轟竜砲。御業から逃れる動きに合わせて射程を詰めた一発に追従して、那岐がスカルブレイカーを叩き込む。それは片腕を削ぎ落しただけでなく、寸前に放たれた斬撃を弱めるに至った。下から掬い上げるように杖で捌いたことほが、そのまま傷付いた猫の身体を大自然の護りでヒール。
「ほらほら、そっちじゃないだろ」
 腕と共に落ちた剣を拾いながらも、陣内から寄越される幻影の菊の花を斬り伏せ、スウィングさせたキカのハンマーを斜に構えた刀身で受け止め、すぐに体勢を整える。
(「どことなく、動きが早くなったような……」)
 戦況を冷静に見極めていた沙耶は、前衛を飛び越えて斬撃を叩き込むひと薙ぎを庇い受けた藍に向けて、気力溜めを施しながら『門』の様子を一瞥する。
 まさか腕一本失ったからというわけにはあるまい。けれど、デットヒートドライブの反撃を喰らいながらも復帰する背中は、とても負傷者のそれではない。
「姉様!」
 上空から敵の死角を狙っていた那岐を呼ばう。時間稼ぎのためメロゥがシルクハットから熾炎業炎砲の炎を現すと、剣で捌くその隙を突いて懐に潜り込んだ万が、複数の頭をもつ狼を象ったオウガメタルを拳に宿し、超鋼拳の一発を腹に叩きつける。そこへ追撃のキャットリングが横っ面に直撃。
 ――ッ!
 声にも音にもならぬ掠れが吐き出された。ぐぐっと上体を起こした『門』は至近のケルベロスを咆哮と共に斬撃で跳ね飛ばすと、駆けた。その動きは最早遭遇した際の素早さの非ではない。
(「ああ、なるほど……つまりこれは」)
 得心がいったように胸の内でひとつ頷いた那岐はアックスを振り上げた、この場の誰よりも高い火力を誇る一撃を確実なものにするため、ことほのプラズムキャノンとキカのスターゲイザーが命中した瞬間を見計らい、ルーンを発動。
 上空から一気に振り下ろされた刃が残る片腕を叩き切った。
 ――しかし。
「お行儀が悪いな」
 目を疑った。
 咄嗟のことだった。陣内がレゾナンスグリードで捕食した『門』は、削ぎ落された腕が落ちる寸前、剣を口に咥えて突進してきたのだ。外殻は破壊され、覗いた頭部は闇がまとわりついたようにはっきり見えない。けれど、ちらちらと燃えるような赤が覗いている。瞳だろうか。
「元から獣だったのか、獣にされちまったのか、こりゃ分かんねぇな」
 万は後頭部をガリガリと掻きながらぼやいた。ぞんざいな言ではあったが『門』が気にした風はない。
「ああ、言葉は通じねぇんだったか。じゃあ俺たちもお前だけを相手にしてるわけにはいかねぇんでな」
 終わらせようや。
 言うなり、万の躯体から獣達が駆け出した。突如として姿を現した獣は牙を剥き『門』の四肢に深く噛み付いて離れない。すかさず飛び出した猫も曝け出された首根っこに爪を立て、藍がガトリングで蜂の巣にする。羽虫を払うように頭部を巡らせて咥えた剣と、己の足で跳ねのける『門』であったのだが。
「君にもご協力願わせてもらうよ。ふふ、大丈夫大丈夫、遠慮しないで。一切を僕に任せてくれれば、悪いようには――するかもね?」
 仰々しく一礼したメロゥがスカーフを放り投げた。それは目に見えぬ風に乗って『門』の咥えた大剣へと、ひらり落ちる。
「あら不思議」
 パチン、と指を鳴らすとスカーフが落ちると、あれほど大きな大剣が、まるで闇に乗じたかのように消え去ったではないか。そこにあるのは何の変哲もないコイン。
「――ちょっと強引だったかな? 次はもっとスマートにやるとしよう」
 だが『門』の顔には力尽くで毟り取ったような、荒々しい傷跡が残っている。激昂したように吼えた『門』を目にしてメロゥは双眸をゆるめて、笑んだ。
 奇術師じみた挙措に目口をすこしやわらげた沙耶は、光の剣を具現化するキカを見止めて、導きの星を召喚。星灯りに照らされたキカはちいさな呼気を繰り返すと、手負いの獣に向けて真っ直ぐ振り下ろした。渾身を込めたその一撃、とりまく闇を払い除けるような眩さを、放つ光が弾けて包む。続いたのはフラッタリーだ。
「此レ為ルハ石ヲmO焦ガ須煉獄ノ焔。葬送之灯籠也」
 慈悲なく振るわれる大石槌は末路を語る。打ち据えられれば地への埋葬。焼き尽くされれば塵に還る火葬、その白腕にて振るわれる度に、石灯籠は末路を問う。それは、陽炎の如く濁って見えるほど極点まで研ぎ澄まされていた。発狂したフラッタリーの精神ごとぶつける、煩雑世界Bumbleheim。
 焔炎、槌に灯りて門を照らす。一つ二つ、三つに四つ。揺らめくたびに灯火は膨れ、ついには振るわれる灯籠諸共に燃え盛らん。その焔を空色の風が呑み込んだ。舞う那岐の戦舞はまるで弔いのように、あるいは死出の贐のように。
 牙をもがれた獣が――黒騎士の成れの果てが崩れ落ちる。
「――よんじゅう、に。それだけの人が、わからなくなってるのかな。自分のこと、わすれちゃったのかな」
 どろどろと沼のように地面に融けて消えていく『門』を見てキカは悲し気に呟いた。
「こんなまっくらやみで。だれかをこわすためだけに動いてる」
 そんなの、痛くて、悲しくて。
「ねぇ。あなたは、泣いてるの」
 キカは玩具のロボを抱きしめた。
 たとえ、彼が自分を思い出せなくても。
「あのね。きぃには、あなたの涙が見えるよ」
 体から最初に零れ落ちた一滴が、たとえどす黒い闇のような色をしていたとしても。確かにそれは、眦から落ちたものだった。

「それでは、ひとまずの撤退だね」
 残滓すら見えなくなった『門』を憐れむように見つめていたことほは、メロゥの言葉を耳にしてすぐさま藍に搭乗。速やかな退避を試みる那岐や沙耶たちのあとに続くようにホイールを転がすと、万と陣内も後方を警戒するように続いていく。
「さようなら、また会う日まで――ほんの一時、お別れだ」
 そう言って、チェイスアート・デバイスを展開したメロゥはフラッタリーとキカと共に身を翻した。それは息づく気配に気取られず全員が帰還する結び目となったようだった。

 これはちいさな一歩だが、確かに大きな道へと繋がっている。

作者:四季乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年10月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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