大阪パリピハザード

作者:雷紋寺音弥

●チャライ連中の呼び声
 夜の帳が降りた、大阪城の周辺地域。かつては攻性植物の拠点と化していた地も、今や瓦礫と廃墟が佇むばかりな沈黙の場所。
 戦いは終わっても、人々がすぐに戻ってくるわけではない。そして、面倒な置き土産が残されているのは、この大阪城周辺地域もまた同じであり。
「……WeeeeeY!!」
 夜風に乗って、どこからともなく響いて来る、妙にノリの軽い呻き声。それに釣られるようにして、物陰からふらふらと現れる異様な集団。
「……WeeeeeY……」
「……Weee……Woooo……!!」
 廃墟と化した建物の中から現れたのは、カビやキノコのようなものが生えた蠢く死体。正に、ゾンビ映画さながらの光景なのだが……現れた死体は、どこか軽薄そうな雰囲気を漂わせており、当てもなくふらふらと夜の廃墟を歩き回っていた。

●今宵はファンガスフィーバー!?
「ユグドラシル・ウォーでは無事に勝利を収められたが、多数の敵が逃げ去ってしまったな。現在も探索を続けているが……連中が残して行った、負の遺産も厄介だぜ」
 あれだけの軍勢を相手に勝てたのは賞賛に値するが、後始末まできっちりつけねば真の勝利とは言えないだろう。そう言って、クロート・エステス(ドワーフのヘリオライダー・en0211)がケルベロス達に依頼したのは、大阪城周辺に残った残存勢力の撃破だった。
「大阪城の残存勢力の大半は、暴走したユグドラシルと共に姿を消したが……幾つかの勢力は、大阪城周辺に取り残されている。カンギ戦士団のファンガスロードが残した、使い捨て戦力のファンガスも、その一つだ」
 このファンガス達は、大阪城内に貯蔵されていた『大阪市民の死体』を苗床にして大量増殖してしまった。このまま放置しておけば、大阪城周辺地域を復興する際、多大なる障害になるのは間違いない。
「お前達に向かってもらいたいのは、大阪城周辺地域の一角にある廃墟地帯だ。長らく、攻性植物に支配されていた場所だからな。周囲に人の気配はなく、ただ廃墟になった建物が並んでいるだけなんだが……」
 その建物の中に、ファンガス達は潜んでいる。日中は建物の中で息を潜め、夜になると建物の外に出てくるため、活動時間になるのを待ってから仕掛けた方が効率的ではあるのだが。
「敵の数は、およそ50体ほどだ。まともに正面から戦えば、さすがに苦戦は免れないぞ」
 そうなる前に、何らかの方法でファンガス達をおびき寄せ、総力戦になる前に数を減らしておくと良い。
 ファンガス達は会話こそできないものの、元となった死体の特徴や習性が多少なりとも残っている。その習性を利用すれば、誘導することも可能だろう。
「この地域に存在するファンガス達は、どうも若者の死体が中心になっているようだな。生前は……パリピ、というのか? 妙にノリの軽い、チャランポランな連中ばかりだったようだ」
 いったい、何故にそんな者の死体など集めていたのか。何らかの実験にでも使うつもりだったのかもしれないが、今となっては分からない。
「ファンガス達は、生前の男達の……平たく言えば『遊び人』の特徴を受け継いでいる。楽しげな雰囲気があればそれだけで寄って来るだろうし、好みの女がいれば、我先に飛び掛かってくるだろうな」
 なお、撃破の際にはできるだけ、死体を損傷させないでおいて欲しい。放蕩息子や遊び人が大半とはいえ、それでも遺族からしたら、自分の息子の遺体が酷く損傷した状態で戻って来るのは、あまり気持ちの良いものではないだろうから。
 大阪城周辺地域の復興を進められるか否かは、この戦いに掛かっている。そう言って、クロートはケルベロス達を、ファンガスの集う夜の廃墟へと送り出した。


参加者
セレスティン・ウィンディア(墓場のヘカテ・e00184)
美津羽・光流(河童と交した約束・e29827)
ファレ・ミィド(身も心もダイナマイト・e35653)
リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)

■リプレイ

●パリピ・ハニートラップ
 大阪城に集められた、パリピの死体がゾンビと化した。いや、正確にはゾンビではなく、ファンガスに寄生された死体なので、カビ人間とかキノコ人間といった方が正しいのかもしれないが。
 マタなんとかやら、モールなんちゃらと言った名前が、微かに頭をよぎった者もいるだろう。奴らは数で攻めてくる。この手の敵のお約束であり、ファンガス達も例外ではない。
 少数精鋭で挑む以上、ここは各々が敵を誘き寄せ、分断して撃破する他に有効な作戦が見当たらなかった。多少、危険は伴うものの、ケルベロス達はそれぞれ作戦を用意して、エリアの端で敵を誘き寄せることにした。
 まずはエリアの東側。廃墟と化したビルの乱立する場所にて、セレスティン・ウィンディア(墓場のヘカテ・e00184)は大胆なゴシック調の黒衣を纏い、パリピゾンビを待ち受けていた。
「……Wo?」
 廃墟の窓から微笑む、妖艶なセレスティンの姿に気が付いたのだろう。周囲をふらふらと歩いていたファンガスの何体かが、呻き声を上げながら建物へ近づいて来た。
「うふふ……さあ、こっちにいらっしゃい」
 今夜は特別大サービス。スリットから艶やかな足を覗かせ、誘うように指を曲げれば、それに釣られないパリピなどいない!
「Wooooo!!」
「Yeeeeee!!」
 自分達がおびき寄せられているとも知らず、パリピファンガス達はセレスティンのいる建物へ一直線! あまりに慌てて殺到したので、入り口のところで詰まってしまったが……セレスティンからすれば、これはむしろチャンスだった。
「生と死は、等しく全て私のもの……おやすみなさい」
 それだけ言って、彼女が一番先頭のファンガスに触れると、そのファンガスは瞬く間に力が抜けて動かなくなる。見れば、身体に付着していたカビのような物体、ファンガスの本体もまたしぼんで消滅しており、ただの死体に戻っていた。
 対象に直接触れることで、相手の生命力を奪うグラビティ。それは、ファンガス相手でも例外ではない。
「Uuu……aaa……」
「Wo……wooo……」
 先程までの勢いはどこへやら。セレスティンに触れられる度にファンガス達は崩れ落ちて行き、やがて全ては元の死体へと還ってしまった。
「ふぅ……まあ、こんなものかしらね。しばらくは、ここでおびき寄せましょうか」
 戦いはまだ、始まったばかり。果たして、どれだけのファンガスを惹きつけられるのか、そこはセレスティンの腕の見せ所だ。

●パリピ・ナイトフィーバー!
 ファンガスの群れに占拠された一角にて、美津羽・光流(河童と交した約束・e29827)はエリアの西側。
 小規模ながらも、歓楽街だったのだろうか。廃墟と化した建物の中に、ちらほらとクラブの跡が見える。
 その中でも一際大きな建物に目をつけ、光流は臆することなく中へと入った。夜だというのに、当然のことながら建物の中は静まり返っている。かつては、ここで多くの若者が賑やかに歌ったり踊ったりしていたのだろうが、今はコップや椅子の残骸が散乱し、ステージの上も見るも無残な様子に汚れ切っていた。
「うわ、想像以上やな。こりゃ、後片付けが大変やで……」
 本当なら、せめてもう少し綺麗にしてから行動に出たかったが仕方がない。まずは、持ち込んだミラーボールを天井に設置し、次いでカラフルな照明で店を飾る。床が散らかっているのが気になるが、少なくとも店が普通に開店していた際の雰囲気は出せただろうか。
「ほな、最後の仕上げや。ミュージック、スタート!!」
 ラジカセのスイッチを入れ、光流はイカした音楽を最大音量でブチ鳴らした。間近で聞けば、鼓膜が破れるかと思わんばかりの凄まじい音。どう考えても騒音にしか思えないのだが……建物の外に溢れる音は、パリピファンガス達を誘き寄せるには十分だった。
「Uuu……Woooo!」
「Yeeee! Wryyyyyy!!」
 ドアをブチ破り、雪崩れ込んで来るファンガス達。数は6体ほどだろうか。この程度なら、戦い方を間違えなければ、一人でも対応できそうだ。
「へい、お兄さん達。今日もノッてるかい?」
 浮かれたサングラスのアメカジスタイルで、光流はファンガス達を店の奥へと誘き寄せて行く。どう見ても、単なるチャラ男にしか見えないが……その片手には既に刃が握られ、彼の背中へ隠されており。
「……ほな、今晩のスペシャルイベント始まりや!」
 瞬間、逆手に持った斬霊刀の一撃が、ファンガスの菌糸を斬り捨てた。
「Wooo!? Ugyyyyy!!」
 切断された菌糸がドロリと溶けて、ファンガスはそのまま単なる死体へと戻ってしまった。やはり、こいつらはそこまで強い相手ではない。数の暴力にさえ気をつければ、単独でも十分に相手ができる。
「さあ、まだまだこれからや。……今晩は特別に、出血大サービスやで!」
 残る5体のファンガス相手に、光流は刀を構え直した。廃墟と化したクラブハウスの中、瓦礫やゴミが散乱する床を、ミラーボールの場違いな輝きが照らし出していた。

●パリピ・ダイナマイト!
 廃墟とかした街の中。建物の中にファンガス達を誘き寄せて倒す者が多い中、ファレ・ミィド(身も心もダイナマイト・e35653)は自ら外でファンガスを誘き出す作戦に出た。
 失敗すれば、街中のファンガスが集まってしまうかもしれないが、その時はその時だ。そうなる前に先陣切って現れたのを倒すか、あるいは逃げ回って敵を集め、他の者達と合流した際に一網打尽にすれば良いだけなのだから。
「Woooo……」
「Wryyy……」
 エリアの南にある駅の跡地。かつては駅前広場だった場所に出れば、そこには既に複数のファンガス達がたむろしていた。
「う~ん……。私の好みからは外れるけど……」
 慎重にファンガス達を品定めしつつ、ファレは呟いた。彼女の好きなタイプは大柄でふくよかな男性だったが、残念ながらそういった類のパリピはいないようだ。
「こういう子達が安心して遊べるようにならないと、職場がいつまで経っても閑古鳥なのよ」
 それでも、このまま大阪が寂れていては困ると、気を取り直してファレはファンガス達のいる広場へと向かって行く。
 ちなみに、彼女の所属している旅団はホテル。それも、男女がいちゃこらするようなホテルだったので、こういったパリピ達に元気がないと、冗談抜きで経営危機なのである。
 ここはひとつ、自分が身体を張らねばなるまい。敢えて胸を大きく前に突き出して強調し、露出の高いパリピ系ファッションに身を包んで広場へ踏み込めば、もうそれだけでファンガス達を惹きつけるには十分だった。
「ウェーイ! お兄さん達~、一緒に遊ばな~い?」
 口調もパリピ風にして声を掛ければ、瞬く間にファンガス達が集まって来た。正直、こんな連中に逆ナンでモテても嬉しくはないのだが……これも作戦、仕方のないこと。それに、近づいてもらわなければ攻撃もできないので、逃げられるよりは好都合。
(「これ、地味だからあまり使いたくないのよね……」)
 心の中で呟いて、ファレはファンガスに軽く触れる。殆ど力も入れず、それこそ優しく撫でるような仕草だったが、果たして彼女の呟きとは裏腹に、それだけでファンガスは大ダメージを受け。
「……? Woboooo!!」
 謎の悲鳴を上げて、死体から菌糸の部分だけが吹っ飛んだ。ファレの送り込んだ魔力波によって、体内のグラビティ・チェインが急速に消耗させられ、そのまま肉体を維持できずに崩壊したのだ。
「う~ん、やっぱり地味ね。でも、死体を傷つけるわけにもいかないし、今回は好都合かも」
 死体の身元が確認できる状態で敵を倒さないといけないため、ド派手な技は、今回に限っては封印だ。多少の不満を覚えつつも、ファレは次なるファンガスに手を伸ばし、再び魔力波を注ぎ込んだ。
「ウェーイ! さあ、次に吹っ飛ばされちゃいたい人、いる~?」
 パリピなノリで肩を叩けば、それだけで吹っ飛んで行く菌糸体。見た目は地味でも、威力は抜群。駅前広場に集まったファンガス達は、ファレの巧みな技によって、瞬く間に数を減らして行った。

●What is Paripi?
 担当エリアの西地区にて。広がる住宅街の一角にて、リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)はラジカセ片手にファンガスを集めようと奮闘していた。
「むぅ、パリピってリリよく分かんないけど……出来る限り頑張って引き寄せてみるよ」
 ちなみに、彼女の恰好は市街地なのに何故か水着である。なんとなく、この恰好の方がパリピが集まって来そうな気がしたのだが……年齢に反して幼い体型の彼女では、パリピよりもロリコンの方が集まって来そうな感じがするのは気のせいか。
 とりあえず、このままでは仕方がないので、何か楽しそうな音楽でもかけておびき寄せるか。そう思って、持ち込んだラジカセを使おうとしたリリエッタだったが……光流とは異なり、彼女は盛大な機械音痴だったのである。
「あ、あれ? これ、どうやったら音が出るのかな……」
 適当にボタンを押しまくっているが、何故か全く反応しない。『再生』のところだけ押せばいいのに、他のボタンまで押すので、設定が変わりまくって上手く反応しないのだ。
「むぅ……こういう時は、叩けばいいって、誰かが言ってた気がするよ」
 最後は完全にヤケクソになって、リリエッタはラジカセを思い切り叩いた。その結果、運よく再生のボタンが押され……今度こそ楽しそうな音楽が、大音量で鳴り響き始めた。
「あ、動いた……。やっぱり、言うこと聞かない機械は叩くに限るね」
 果たして、本当にそれで良いのだろうか。なんとも後先不安な感じだが、しかし戦いになればリリエッタの十八番。
「Wo……wooo……」
「WooooRyyyy……」
 早速、ぞろぞろとファンガス達が集まって来たが、リリエッタは慌てず銃を構えた。
 最初に狙うのは敵の足元。まずは足を止め、近づかれる前に倒す。1体ずつ、身体の菌糸部分だけを狙って正確に。
「これで足を止めるよ! フリージング・バレット!」
 まずは1体、足元を凍らせて動きを封じた……かに見えたが、そこは相手もデウスエクス。死体に寄生しているだけとはいえ、凍結を強引に振り払って、足を引き摺りながらも歩き始めた。
 なるほど、確かに面倒な相手だ。これなら、下手に小細工などするよりも、菌糸の部分を狙って的確に処理した方が話は早い。
「ん、あんまり時間をかけられないね。集め過ぎたら、囲まれる……」
 路地裏から続々と集まって来るファンガスの数を数えつつ、リリエッタは次弾を装填して狙いを定めた。自分だけで、果たしてどこまで数を減らせるか。接近されれる前に勝負をつけなければ、いざという時の逃げ道を失う。
 こんなところで、ミイラ取りがミイラになるつもりはない。再び銃を構えて狙いを定めれば、夜の街に甲高い銃声が響き渡った。

●最後の大掃除
 少数精鋭で、総勢50体ものファンガスを狩る。一見、無謀にも思われる作戦だったが、しかし個々に敵を惹きつけて処理した結果、混戦になることは避けられていた。
 これで、後は残りのファンガス達を一ヶ所に集めて叩くのみ。エリアの中央に集合し、ケルベロス達は改めて、それぞれのやり方でファンガスを惹きつける。
「Uuu……aaaa……」
「Wooooon……WeeeeeY!」
 音楽に釣られ、大通りにファンガス達が集まって来た。その数は、既に半分を切っている。
「廃墟ではしゃぐとか最高じゃない? しかも、なんかヤベー奴いるから危険な香りマシマシで、マジマンジ? え、ごめん自分でも何言ってるかイムフでうけるんですけどー」
 独りで戦っていた際の雰囲気はどこへやら。完全にパリピと化したセレスティンが、悪霊の群れを呼び出し敵を薙ぎ払って行く。殆ど、どこぞの街のハロウィンのようなノリだが、季節的には、まだ3ヶ月ほど早い気が……。
「どうやら、これで最後みたいね。さっさと片付けるわよ」
 ファレの剣先が花の嵐を呼び、それに閉じ込められた敵の身体からファンガスの菌糸だけが消滅して行く。それに合わせ、今度はリリエッタが銃を構え、中和光線で敵を撃つ。
「ん、そうだね。早くやっつけて、待ってる人のところへ戻してあげよう」
 死体を利用するような敵のやり方に、リリエッタはあからさまな不快感を抱きつつも、攻撃の手だけは緩めなかった。
 このやり方は、死神と同じだ。デウスエクスは人間の尊厳だけでなく、時として死者さえも冒涜する。そんな連中のやり方を、リリエッタは決して許さない。かつて、自分が二度も殺すことになった親友の姿が、どうしても重なってしまうから。
「さあ、そろそろ宴は仕舞いや。こんなんに寄生されたまま彷徨い続けるんは、ホトケさんかて浮かばれへんやろ」
 光流の太刀が、最後の1体を斬り捨てる。菌糸を断たれ、死体に戻るパリピゾンビ。元は放蕩な遊び人だったかもしれないが、それで無残な姿を晒して良いという理由にはならない。
「ふぅ……ようやく、終わったのかしら?」
「ん、そうみたいだね」
 額を拭きながら問うファレに、リリエッタが答えた。互いに、それ以上は何も言葉を交わさない。疲れているのではなく、今回の戦いに関しては、それぞれに思うところがあったからかもしれない。
「ほんなら、ホトケさんを袋に入れるの手伝ってや。こんな場所で野晒しにしとくんは、あんまりにも可哀想やで」
 黙祷を終えた光流が、大きな袋を片手に外の者達を呼び集める。そんな中、先程のパリピな雰囲気は影を潜め、セレスティンは静かに月を見上げていた。
(「こんな子達でも、帰りを待っている人がいる……。それだけが、救いなのかもしれないわね……」)
 どんな人間も、たった一人で生きているわけではない。遊び人とて、それは同じ。騒ぎの終わった夜の街を、銀色の月明りが静かに照らしていた。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年7月27日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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