怪しい鳥がプリンを大量に作ってると通報が

作者:星垣えん

●のどかすぎる
 まったり平和な、夕刻の町。
 その情景の一角――至って普通な住宅に奴はいた。
「オレ、プリン、スキ」
 しかも片言だった。
「プリン、メッチャスッキャネン」
 しかも口調が不安定だった。
「デモ、プリンアレンジスルヤツ、キライ。ダメ。ソノママイチバンウマイ。パフェニツカウトカ、パンニヌルトカ、コロシタイ」
「教祖! 落ち着いて!」
「しっかりしてください!」
「あ、ご、ごめん」
 慌てた信者たちに肩をゆさゆさされ、ハッと目覚める鳥さん。そのまま水を飲まされたり団扇で扇がれたりしたところで、教祖さまはようやく平常な精神状態を取り戻した。
 で、自分が座している食卓を見下ろした。
 そこに乗っているのは、多種多様なプリンの数々だ。
 スタンダードなプリンから、カスタードプリンや抹茶プリン、コーヒープリンや紅茶プリン、イタリアンプリン等々……。
 メッチャスッキャネンと言うだけはある、品揃えである。
 そのうちにある『たまご☆プリン』とラベルが貼られたカップを取って、鳥さんはめいっぱい上に掲げた。
「やっぱりプリンは普通に食べるのが一番だよ。変にアレンジしたらむしろ美味しさが失われると思うんだ……だから、ね、そのまま食べよ?」
「いやそれはホント同感です」
「プリンパフェとか邪道なんだよなあ……」
「なー。あ、おかわりたくさんあるから好きなの食べてねー」
『やったー!!!』
 鳥さんと食卓を囲む信者たちが、ばんざーいと手を上げる。
 平和な町の情景にふさわしく、こいつらも実に楽しげだった。

●大量のプリンが保管されてるらしいぞ
「つまりボクたちは秘密教団が製造した謎のプリンを回収してくればいいんだね」
「ああ、そうだ」
 熱心に話を聞いていたアンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)の第一声に、くっそ適当に返すザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)。
 もう、しっかり言い聞かせようという空気が微塵も感じられません。
 結果的にビルシャナは倒れてるだろうしいいか的な雰囲気が溢れております。
「信者たちはビルシャナの手作りプリンに心奪われ、プリンはそのまま食べろという教義を妄信している状態だ。これを覆すにはプリンのおすすめアレンジレシピを披露する必要があるだろう」
「アレンジ……っていうとやっぱり一番に思いつくのはパフェかな」
「そうだな。『そのまま食べろ』と言っているから、ちょい足しなども有効かもしれん」
「プリンにちょい足し。結構難しいね」
「プリン自体が強烈だからな」
 あーでもないこーでもない、と語らう王子とアンセルム。
 まあ要約すればプリンを美味しく食べるアイディアを繰り出してやればいいらしい。料理するなりちょい足しするなりは自由だが、とにかく『そのまま』以外の方法でプリンを食ってやればいいのだ。
 猟犬たちがタスクを理解したことを告げると、王子は「そうか」と言った。
「ならばヘリオンに乗ってくれ。ちなみに言うまでもないが、ビルシャナを倒したあとの現場には大量のプリンが残っているだろう。ビルシャナの手作りらしいが種類も豊富で、味や食感も極めて優れているようだ。それは自由にしてくれていい」
「手作りなら保存料も入ってないだろうし、気を付けないとね。気を付けないと」
 王子の言葉を受けて、意味深に首を振るアンセルム氏。
 かくして、猟犬たちは鳥さん率いる秘密教団からプリンを押収することになりました。


参加者
朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)
ベルベット・フロー(紅蓮嬢・e29652)
一之瀬・白(龍醒掌・e31651)
アンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)
霧山・和希(碧眼の渡鴉・e34973)
エルム・ウィスタリア(薄雪草・e35594)
朧・遊鬼(火車・e36891)
山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)

■リプレイ

●正気になれ
 赤く色づいた空の下。
 朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)が路上をスキップしていた。
「ぷるぷるプリンだあああ! シンプルなプリンでも固さや甘さにそれぞれ個性があるのでうっかり食べ過ぎるプリン様!」
「僕、一度でいいからバケツいっぱいのプリンを食べてみたかったんだよね」
 テンションがヤバい環の横で、一之瀬・白(龍醒掌・e31651)もプリンに溢れた空間を妄想して口角を緩ませる。
 朧・遊鬼(火車・e36891)は白の後ろで頷いた。
「仕方あるまい。プリンだからな」
 とか呟いてる彼は間違いなく絶対にプリンのことしか考えていないだろう。頭上でルーナ(ナノナノ)も飛び回ってるもの。
 前を歩いていたベルベット・フロー(紅蓮嬢・e29652)は楽しげに笑った。
「プリンパーテー頑張ろうね!」
「そうだね、ベルベットさん!」
「がっつり食べまくっちゃいますよー!」
「やるしかあるまいな!」
 おー、と息の合った返事をする白、環、遊鬼。ルーナもビースト(ウイングキャット)と一緒に頭上で小躍りしている。
「大丈夫なのかな……」
 4人の少し後ろを藍(ライドキャリバー)に乗ってついてってる山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)が、顎に手を添えて考えこんでいる。
 きっと前方の人たち見て心配に――。
「そもそもプリンの定義があやふやなんだよね。蒸し固め全般案件かと思いきや狭義じゃカスタードプリン限定だったり。食文化の豊富な星は楽しいけどむずかしーなー!」
 なっていません。
 このオウガっ娘もプリンで頭いっぱいでした。
「プリン……」
 鋭い表情でことほに応じる霧山・和希(碧眼の渡鴉・e34973)だが、彼もまた言わずもがなだ。さっきからプリンという単語しか発していない。
「プリン……プリン……」
「和希。しっかり」
 隣を歩いてたアンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)が、和希の肩に手を置いて諫める。これだけだと常識人に見える。
 だが左腕の中には甘ロリ衣装の人形さんが抱かれているんだ。
 あと右手に生クリームたぷたぷの容器(2L)を持ってるんだ。
「生クリームをたっぷりかけて俗世にまみれるのも良いと思うよ」
「あーいいですね」
「ね」
 目を輝かせる和希に親指を立てるアンセルムはもうダメだ。
 こうなったら頼みは比較的おとなしくしてくれてるエルム・ウィスタリア(薄雪草・e35594)しか――。
「あっ、ビルシャナの家ってあそこかな!」
「あそこにプリンが!?」
 ベルベットが見つけた鳥邸にエルムが最速で駆けだしたー!
 そのまま弾丸速度で居間に雪崩れ込み、鳥さんのプリンを凝視するー!
「沢山プリンあるじゃないですか。これ全部手作りですか? 鳥さんすごいです! 素敵です! アレンジプリンが沢山出来ますね!」
「いやどなた!? てゆか近い近い近い!!?」
 エルムが飛びこんでった部屋から漏れ聞こえる悲鳴。
 やったな! 正常なのは1人もいないようだぜ!

●重ねていこう
 プリンが並べられたテーブルに、鳥さんの拳が下ろされる。
「困るよぉ、アポとかないと……」
「すみません。プリンがあったものですから……」
「理由が軽いんだよォ!」
 申し訳なさそうなエルムに、鳥さんのイマイチ怖くない怒号が飛ぶ。
 急に現れたからね、そりゃそうだよね。
「まあまあ、そう熱くならずに。これでも飲んでクールダウンしよ?」
「あ、どうも」
 お説教タイムに横から紙コップを差し出したのはベルベットだ。冷えたそれを受け取った鳥と信者たちは、添えられたストローを差してずずっと啜る。
「んー。なかなか美味しい……」
「何ですかこれ?」
「アタシお手製のプリンシェイクだよ!」
「ぶはぁぁぁぁぁ!?」
 あまりの衝撃にシェイクを吐き出す鳥さん。
「どうしてプリンをこんなことにしちゃうの!?」
「これはうちの孤児院で大人気のデザートなんだ♪ 子供でも簡単に作れるし、果物で自分の好みの味を色々試せるからね!」
 鳥さんへの華麗にスルーを決めるベルベット。
 クーラーボックスからバニラアイスや牛乳、バナナやら何やら、果てはハンドミキサーまで卓上に置くと、孤児院の院長さんは周りのプリンをチラ見した。
「色んなプリンがあるねえ……使うプリンを変えればもっとバリエーション豊かに作れると思うんだけど、試してみたくない?」
「お好みのシェイクが……?」
 秒でプリンシェイクになびく信者たち。
 そこへ白は優しい眼差しで近づいてきた。
「プリンを食べるだけでいいなんて、夢の様な話だよね……僕はあれだよ、生クリームを乗せてキャラメルソースを掛けたのとか食べたいなぁ……」
「生クリーム……」
「キャラメルソース……」
「実は作ってきたんだよね……」
 ごくりと喉を動かす信者たちの前で、白はカップを並べだした。
 中身はもちろんプリンだ。
 それも生クリームこんもり、キャラメルソースたっぷりの。
「皆も食べてみてよ! それで出来たら、皆のも少し交換してくれたら嬉しいなー……って」
「なん……だと……」
「交換して……くれるのか……」
「うん。はい、どうぞ」
 っしゃらー! と叫んでガッツポする信者たち。
 彼らと無事プリンをシェアしてみせた白は、鳥さん印のぷるぷるプリンを食べて夢心地に浸った。
「プレーンも美味しい……」
「お前のプリンもなかなか……」
「でしょ? やっぱりプリンは見た目で楽しむのも大事だよね……!」
「納得ー」
 うまうまと白のプリンを食う信者たちが首をふりふり。
 鳥さんはがくっと膝をつき、顔に落胆を浮かべた。
「プリンはそのままがいいのに……」
「そんなのはプリンじゃない。卵と牛乳を混ぜて蒸しただけの物だよ」
 鳥の隣に立ったアンセルムが、鼻で笑う。
 そして、グラニュー糖をまぶしたプリンをかざした。
「プリンはその発展性が素晴らしいんだよ。例えばこうして熱したスプーンで表面をなぞれば、ブリュレ風プリンの完成さ」
「そ、そんな小細工――」
「ブリュレ風!?」
 鳥さんの反論にがっつり被せてくる信者たち。
 正直食いつきがすごい。ブリュレ風プリンだけでイケる気もする。
 しかしそれではアンセルムの気が済まなかった。なにせ2Lもの生クリームを持ってきているのだ。使わず持ち帰るのだけは避けなければならない。
「まぁボクも鬼畜じゃない。譲歩案を出そう」
「別に何も言ってないけど……」
「この生クリームの山にプリンを乗せるのはどうかな?」
「なっ!?」
 皿に盛った生クリームの頂上に、プリンを乗せるアンセルム。
「カロリーという概念がないのか!?」
「これなら『プリンにトッピング』じゃなくて『プリンをトッピング』さ。まさかこれで文句言うなんて、ねえ?」
 勝ち誇ったように鳥を見下ろすアンセルム。
 が、何ということでしょう。
 この所業も猟犬たちの恐怖の片鱗でしかなかったのです。
「皆さまご存じでしょうか……プリン様とて季節感を演出できるということを!」
 何やら真面目な顔して口を出してきたのは、環だ。
 彼女はアイテムポケットから2つのアイテムを取り出した。
 ひとつは業務用かき氷機。
 もうひとつは――保冷剤で冷やしまくっていたプリンである!
「このカッチカチに冷凍したプリンを……かき氷と同じ要領でかきます!」
「な、なにぃぃーー!!?」
 シャカシャカ、とかき氷機のハンドルを回す環。
 凍ったプリンを刃が削って、下に置いた器に黄白色の氷が積もってゆく。
「これで暑い夏もしのげますよー! そのままでもオッケーですし、果物や生クリームも相性抜群ですー。何より……プリン・オン・プリンができます!」
「ば、馬鹿な!!?」
 てーいっ、とプリン氷の上にプリンを落とす環。
 信者たちは恐ろしさに震えていた。眼前で起きたことが衝撃的すぎて、俄かには信じられなかった。
「単体プリンは最強です。ならばダブルプリンはどうでしょうねー……?」
「くっ、クソォォォ!!」
 悔しさに歯噛みする信者たちが――スプーン持ってかき氷機に群がる。
 うん、半数ぐらい持ってかれたね!

●アイディアはまだまだある
「俺のプレゼンが足りなかったんだろうか……」
「気を強く持って! 教祖!」
「まだ俺たちが残ってますよ!」
 項垂れる鳥さんの肩を、残った信者たちが両サイドからゆさゆさする。
 彼らは出されたプリンの数々にも負けなかった男たちだ。
 しかし落とせぬ城はない――。
 とかいうナレが似合いそうな格好いい顔で、和希は鳥印のプリンを手に取った。
「これは凄い……だからこそ、残念です。足しても良いんだと何故分からないのですか」
 はぁ、と眼を伏せた和希がテーブルに器を置く。
 そしてその真ん中にプリンを置く。
 したらばプリンの周囲を彩るように生クリームとカッとメロンを置く。
 最後にプリンの上にさくらんぼを置く。
「季節の果物を使ったプリンアラモード、いかがでしょうか?」
「テメ何ヤッテンダコラーッ!」
 ニコッと微笑みやがった和希に、信者の片言の怒りが殺到する。
 プリン弄るな言うてる鳥さんの前でコレだからね。不可避だったよね。
「プリンの濃厚な味わいに生クリームの甘みや果物の瑞々しさも加わって。こうしたトッピングはプリンの美味しさを引き立てるものでもあるのです!」
「こいつ堂々と……!」
「そんなアラモードなんかで……アラモードなんかで……!」
 和希のプリンから顔を背け、しかし連続チラ見してくる信者たち。
 あ、うん、そんな心強くもないっすねコレ。
「トッピングなんか惹かれてないんだから……」
「皆さんもトッピングしてみませんか? 簡単にできる方法もありますよ」
「簡単にできるとな?」
 エルムが優しく声をかけると、信者たちが俄然興味を示す。
 彼らのギラついた視線の中で、エルムは鳥印のプリンをひとつ手に取り、カラメルソースを加えた。
「プリン本体だけの甘味がカラメルの苦みで引き締まってより美味しくなりますね」
「まぁ定番やもんね」
「でもいまひとつパンチに欠けない?」
「そうですね。でもここからが本番ですよ」
 くすっと笑んだエルムが、用意しておいたチョコペンを取り出す。
「こう、プリンにチョコペンで顔を書いて、切り抜いたチョコやフルーツで耳や口をつければ……可愛い動物さんプリンの完成です」
「これは……にゃんこ!」
「こっちは……わんわん!」
 齧りつくようにエルムのプリンに反応する信者たち。猫や犬、文鳥やシマエナガを象った愛らしいプリンに男たちの顔もほんわか綻んだ。
「見た目も可愛くて美味しくて最高でしょう?」
「確かに……」
「――♪」
「これは見事な手前……ルーナも気に入ったみたいだ」
 信者に混じってプリンを観賞してるルーナを見て満足げな遊鬼。
 そのままルーナがシマエナガさんにダイブ決めこむのを見届けると、遊鬼は犬猫プリンに夢中になってる信者たちの後ろに立った。
「プリン単体で満足するようではプリン好きとは言えん。プリンにトッピングしても尚旨く頂けるのが真のプリン好きなのではないか?」
「真のプリン好き……言われてみれば」
「プリンを好くのであれば形にこだわるべきではなかろう」
 言いながら、抹茶プリンを皿に開ける遊鬼。
 そこに生クリームを乗せ、バニラアイスを乗せ、果物を乗せる。そうして完璧な装いにしたところに黒蜜を回しかけると、遊鬼は見せつけるように信者の前に皿を置いた。
「抹茶プリンアラモードだ。抹茶アイスではなくバニラアイスにする事で抹茶プリンの味を際たたせる……黒蜜も絡んで美味だぞ?」
「和風……!」
「黒蜜とかダメだろ……反則……!」
 披露された和プリンに頭を抱える信者たち。
 ここはもう押しどき――と感じたことほは、悩める信者たちの前に躍り出た。
「プリンを食べ続ける場合の最大の欠点って……冷たいことだよね!」
「冷たい……まぁそうだけど……」
「口の中が冷えると、せっかくの美味しいプリンの味がわからなくなるんだよ。だから口直しの温メニューを教えてあげるねー」
 ぺらぺらと語りながら、2品を卓上に出すことほ。
 ひとつは、贅沢にプリンがあしらわれたフレンチトーストだ。
「レンチンして溶かしたプリンにパンを浸して焼くだけだよー。さらにプリンをトッピングしたら美味しくないわけないと思わない?」
「プリンでフレンチトーストが……」
「ほぉ……面白いな。一口良いか?」
「いいよー」
 信者と一緒に感心してしまった遊鬼が、むぐむぐとプリントーストを頬張る。彼がその味わいを楽しんでいる間に、ことほは別の品の説明を始めた。
 皿に乗っているのは、エッグタルトだ。
「崩したカスタードプリンをフィリング代わりにタルト型に詰めてオーブンで焼くだけ。温めた口の中をパンやタルトでリセットできて、追いプリンも楽しめるんだよー」
「ほう、プリンを中身に……」
「つい冷蔵庫に入れっぱで食べるの忘れてて……って時も火を通してるから安心できるよね。ほかにも色々レシピでもあるけど、どう?」
 笑顔でもって、信者たちを説得することほ。
 対する信者たちは――観念したように首を肯けた。
 1人残らず、ね!

●戦い
 10分後。
「オレ、プリン、スキ……」
「素敵なプリンを作るだけであれば、お互いにどれほど良かったことだろうか……」
「惜しい人材を失ったね」
 しゅわしゅわ消えてく鳥さんを、和希とアンセルムが見送っていた。
「それにしてもプリンが美味しいですね」
「ね」
 2人とも普通にプリンもぐもぐしてるけど、悼んではいる。たぶん。和希は胸に手を当てて瞑目するぐらいには悼んでるはず。アンセルムは頬にクリームついてるけど。
「鳥さんのプリン、色んな種類があって美味しいですね……」
「この動物プリンもなかなかに美味いぞ?」
「ねー。見た目も可愛いし……あ、エルムさんもエッグタルト食べる? ほかのみんなも食べたかったら食べてねー」
 ぶんぶん手を振って視線を集めることほ。その横ではエルムが黙々と鳥印プリンを食べつづけ、遊鬼がエルムの動物さんプリンをスプーンでつついている。
 ええ、プリンパーティーです。
 いや、プリンパーテーです。
「プリン食べ放題って最高! あ、牛乳プリンみーっけ!」
「くっ、狙っていたのを取られてしまいました……ならこっちのとろとろプリンを!」
「あー僕が食べたかったやつー!?」
 牛乳プリンを掴み上げたベルベットに負けじと、環がテーブルの上を滑って白のそばにあったプリンを掠め取る。白はまぁまぁショックだった。
 が、そこで気づくのだ。
「確か冷蔵庫ならぬ冷蔵室があるんだったよね……?」(閃く白)
「はっ! そうでした!」(振ってた尻尾が止まる環)
「アタシ孤児院にもお土産持ってかなきゃなんだよね」(顔が燃える院長)
 鋭い視線を交わす、3人。
 そのまま3人は音もなく立ち上がった。

 それから数十分後、一同はホクホクになって帰りました。

作者:星垣えん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年6月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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