咲けないあじさいたち

作者:ほむらもやし

●予知
 この寺に佐賀県武雄市の山中にあり、境内には数千本のあじさいが植えられている。
 例年、6月の上旬から末にかけて花が見頃を迎え、多くの人で賑わう。
 しかし、今年は事情が違った。
 5月下旬の某日、未明まで降った雨は上がり、山中にある寺の周囲には霧が出ていた。
 夜が明ける頃には、漂う霧を押し流すように心地のよい風が吹き始めた。
 霧の切れ目から、水の張られた水田や遠く多久市の街並みが見渡せた。
 そして、光る粉のようなものが、その風に乗って流れていた。
 午前7時30分頃。
「今年のあじさい祭りは中止……もったいなか」
 野良着姿のおじいさんが、ヘッジトリマーを使って、色づき始めたばかりのあじさいをバサバサと剪定する。
 人が多く集まらないようにして欲しいと言う、市からのお願いに応じて、あじさい祭りは中止にしたが、あじさいがきれいに咲いていれば、それを見に来る人が来てしまう。
 だから全て刈り取ると決めた。
「しかたなか、しかたなか、しかたなかと」
 あじさい園の中に設定した順路に沿って剪定を進めて十分ほど、おじいさんは、少し早く見頃を迎えた青あじさいの前に立った。
「オオッ! すごかね!! 立派に咲いとるね。しかしいつの間にこげんでかくなったのか……」
 前日までは、あじさいは大きいものでも直径2メートルほどの饅頭形のものが殆どだったが、高さだけでも7、8メートルはある、超巨大饅頭形をしている。
「こりゃあ、剪定に骨が折れるばい……」
 あからさまに怪しいあじさいだったが、まさか凶暴な攻性植物と化しているとは思わずに、おじいさんは手が届く場所から剪定をしようとヘッジトリマーのスイッチを入れる。
「助け……」
 次の瞬間、巨大な饅頭形あじさいは動き出して、おじいさんをその体内に取り込む。
 おじいさんは声を上げようとしたが、心地のよい匂いに、蕩けるように五感が消滅し、間も無く思考する意識をも失ってしまった。

●ヘリポートにて
「紫陽花が攻性植物化しそうなの。気をつけてよね」
 かつて、ジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983)が、ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)に残した懸念が、現実のものとなって、予知された。
「紫陽花(あじさい)の攻性植物が出現するのは、佐賀県武雄市の山中の寺だ。急ぎ、これから現地に向かうから、急ぎ、撃破をお願いしたい」
 攻性植物の外見は直径8メートルほどの饅頭型の身体に蟹のような10本の手足を持つような感じ。
 数は1体。スベスベマンジュウガニに似た形状をしているらしい。
 寺は山の南向きの斜面に位置する。
 あじさいが植えられているのは、本堂を中心として見ると、南と東側、攻性植物となったのは南側の道路近くの一株である。
 到着時点で、おじいさんは体内に取り込まれている。
 ケンジは続けて、続いて、話題を戦いに必要となりそうな情報に変える。
「攻性植物は到着時点でお寺の本堂の南側にいる。上空からすぐに視認できるから直ちに攻撃を仕掛けられる」
 降下時のハイパーステルスを考慮すれば敵からの先制攻撃を受ける心配は無いだろう。
「時間は7時50分頃。お寺の本堂の北側にはおじいさんと家族の住居があるから、家族の者が異変に気がついて、予想外の行動に出る可能性はある」
 今回の攻性植物の攻撃については、枝で薙ぎ払ったり、枝を鋏のように操り挟んだり、有害なガスの噴射、巨体を生かした体当たりや捕食……という感じの攻撃が主となる。
「普通に戦えば、諸君が戦闘で遅れを取る可能性は低い。だが、それだけでは、体内に取り込まれたおじいさんを攻性植物の撃破と同時に殺してしまう」
 助ける為には、バランス良く敵にヒールを掛けながら戦わなければならない。
 被害者の救助を最優先に考えれば、難易度は上がると、ケンジは表情を険しくする。
「どうしてそんな厳しい顔をするの? ヒールを敵にかけても、ヒール不能ダメージが少しずつだけど溜まって行くってことよね。ようするに余分に癒しを続けられるよう攻撃していけば、おばあさんを助けられるはずなのよね?」
 そうだ戦い方については、実戦を重ねたケルベロス方が詳しい。
「承知した。それじゃあ出発しよう」
 あまり細かく言わなくても大丈夫だと信頼し、ケンジは自分の任務に集中することにした。


参加者
エニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486)
赤星・緋色(中学生ご当地ヒーロー・e03584)
華輪・灯(幻灯の鳥・e04881)
ジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983)

■リプレイ

●霧の山間
 風に流れる霧間から、鮮やかな青の花に飾られた巨大な饅頭型の塊が見えた。
「あじさいにしては、確かに大きすぎますわね」
「動き回ってはいないみたいだね――どうしようか?」
 手足を伸ばせばさらに大きいだろう。エニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486)の声に応じつつ、赤星・緋色(中学生ご当地ヒーロー・e03584)は、おじいさんの家族に事件発生を知らせに向かう、ジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983)の後ろに靡く二連の赤い髪に目を向けた。
「ジェミさんが説明を終わるまで、攻性植物もおとなしくしていてくれれば良いのですが」
 お任せですよ。という頼もしい表情はしている、華輪・灯(幻灯の鳥・e04881)であったが、なるべく不利にない状況で戦いたい気持ちもある。
「難しい戦いですけど、私……いえ、私達なら、きっとやり遂げられます!」
 緊張からか、灯はぎゅっと手を握りしめる。攻性植物の方からは仕掛けてくる様子はなく、離れて見ている分にはあり得ないほどに、巨大で立派な青あじさいとも言える。
「待たせたね。間に合ってよかった。絶対に助けようね」
 戦いが終わるまでの間、家族への自宅待機をお願いした、ジェミが戻って来る。言葉には決意が滲む。
 おじいさんは保護したから大丈夫。
 ――家族を安心させるために言った言葉をウソにはできない。
「どんな手を使っても絶対にね」
「どうしたのですか? ジェミさん、なんだか怖いです」
「だいじょうぶ。こんなことであじさいをしおれさせないし、おじいさんを助けて、気持ちよく開花を迎えさせましょう!」
 いつもの頼もしいジェミさんだ。だがかつて無いほどに真剣な顔をしているような気がした。
 ふと感じた未知の違和感を灯は気にしないことにして、スチームバリアを発動する。
 噴射音と共に、灯の放った蒸気がジェミの防御を嵩上げする。
 それと同時、攻性植物が手足のような枝をワシャワシャと動かして動き始める。
「あらこちらも急に元気になったようですわね」
 身を屈めていた蟹が動き出したかのようだと、エニーケは面白いものでも見たかのように眉尻を下げつつも、鋭く踵を踏み込んで跳び上がる。
「来月の風物詩に除草剤を撒くわけにはいきませんわね」
 エニーケは空中で空烈竜牙紅斧――ルーンアックスを振り上げると、眼下の攻性植物を睨み据える。
 落下の勢いで癒力を増した無骨な紅の両刃斧が真上から襲いかかる。
「これならどこを狙っても当たりそうですわ」
 直撃。意外な程に手応えは少なく、草むらを刃で払うような感覚だった。
「住職のおじいさん、聞こえている? 今から助けるから耐えてね!」
 返事はなかった。それも想定内と気持ちを切り替え、緋色はサイコフォースを発動。極限まで攻性植物に意識を集中した瞬間、巨体の内部から閃光が溢れて、爆発する。
 おじいさんに意識があって、攻撃の痛みが伝わっているなんて考えたくないし、あって欲しくない。
 もしおじいさんの悲鳴がして、助けを求める声が聞こえたら、精神的につらいものがあるだろう。
 返事がないにしても、おじいさんが攻性植物と融合していると意識するだけで緋色の心拍数は上がった。
 攻性植物が見渡すように視線を向けてくる。たとえ一体でもデウスエクスは強い。
 幾ら修練を積んでも、単独の人間には限界があり、一対一なら圧倒されてしまう。エニーケも灯も緋色もジェミの合流を重視したのは、それが理由だ。
 碌に考えずに成り行きで戦いを開始して、各個撃破されたら目も当てられない。
 戦力に余裕が無くなれば助けられる命も助けられなくなる。
『おっふごっ……』
 攻性植物は呻きのような音と共に巨体を揺らしガスを噴射し始める。
 至近距離にいたジェミは強烈なダメージを覚悟しながら咄嗟に腕で鼻口を塞ぐが、ほとんどダメージを受けなかった。
「――ハズレ?」
 それは攻性植物にとっても意外だったようで、挙動がおかしいが、緋色にはすぐに理由が分かった。
「武器封じが効いているみたいだね」
 戦いが始まって2分も経っていないのに、攻性植物は効果的な反撃をする前にもうボロボロになっているように見えた。ガスは霧を運ぶ風に流されて瞬く間に霧散した。
 攻撃を続けるか否か微妙なラインだったが、積み重ねた戦いの経験から来る勘でまだ倒れない予測はついた。
『……ッ』
 ジェミのゲシュタルトグレイブが纏う稲妻の光に気がついて、攻性植物は身を護ろうと、大人の身体ほどもある大きさの腕で払いのけようとする。
 攻撃を阻まれるか?
 しかし槍撃の方が速い。ジェミの強烈な刺突は彼女の身体ごと巨体の反対側に突き抜ける。
 振り向けば饅頭型の胴体に人が通れるほどの大穴が開いていた。
「まだいけそうだけど、身体は思ったよりも柔らかいみたいね」
「私が癒しますから、安心して続けて下さい!」
 攻性植物への射線を確保した灯が声を上げる。
「癒しの花束、いかがです?」
 直後、少女の元気な声がたくさんの光る羽と花を連れてきて、ボロボロになった攻性植物の大きな身体を包みこむ。武器封じにプレッシャーにパラライズ、積み重なりつつあるバッドステータスを打ち消すことなく、莫大な癒力で敵である攻性植物の胴に開いた穴を修復した。
「どうやら、これの出番は無さそうですわね」
 エニーケは竜騎兵銃――バスターライフルには治癒弾を装填せず、代わりに伝承器砲と名付けたアームドフォートの砲身を敵に向ける。弾種は榴弾、この手の柔らかな身体の敵には徹甲弾よりも向いているはずだ。
 身体を修復されたばかりの攻性植物は勢いを取り戻していて、二本の鋏状の腕を胴体の前に出して向けられた砲身に対して威嚇するようなポーズを取ってくる。
「除草剤では人体・環境共に悪いですから焼却で勘弁してさしあげましょう」
 フォートレスキャノンによる一斉射。
 爆音を轟かせて放たれた砲弾が炎と共に爆ぜて、攻性植物が突き出した両腕を粉砕して、再び胴体に大きな風穴を開けた。
 あからさまな敵意を露わにする攻性植物。その敵意が自分に向けられたと気づいてエニーケは身構える。
 遠距離で狙える攻撃は限られてくるから、先ほどのようなガスか何かを飛ばすか――瞬間、高速で伸びる鋏のような枝が迫ってくる。
「くっ!」
 避けられないと思った瞬間、脇から影が飛び込んでくる。
 それが、ウイングキャットの『アナスタシア』である――とエニーケが気づいた時にはもう、枝に挟まれたアナスタシアはクルリと空中で一回転して脱出していた。そしてお返しとばかりに尻尾についている花輪のようなリングを攻性植物に向かって投げ飛ばす。
 刹那、花のリングが攻性植物の身体のサイズに合わせるように巨大化したかと思ったら、キュッと小さくなってその巨体を締め上げる。
 攻性植物は苦しそうな悲鳴を上げる。ふくよかな饅頭型の身体にコルセットで締め上げた女性の腰のくびれのような形ができあがっていた。
「花のコルセット見た目は可愛らしいかもね。いっくよ~。ひっさーつ!」
 緋色の澄んだ声が、癒力を孕んだグラビティを運んでくる。その強大な癒力に変形した攻性植物の身体がみるみる元の形に戻って行く。
「おじいさん、辛いのはいまだけだよ。――続きは頼んだよ」
 送られた緋色の目線に笑顔で頷き返し、ジェミは高々と跳び上がる。
 平時であればツッコミどころ満載だったかも知れない体型変化にも集中力を途切らせない。
 繰り出すのはレベル102のスカルブレイカー。今日は一度も外していない。脳天をたたき割る破壊属性の一撃はプレッシャーのバッドステータスを与え命中率の低下をもたらす。
「おじいさん、あと少し、あと少しだから、辛抱してね」
 バサリと軽い音を立てて2つに咲かれた巨体から悲鳴があがり、裂かれた身体から無数の蔦のようなものが湧き出て、互いに手を繋ぐように絡み合う。
 青あじさいを咲かせたスベスベマンジュウガニのような外見をしているが、中身は蔦か触手のバケモノであることは既に誰もが知るところとなっていた。だが、おじいさんの所在は不明であった。もし肉体という枠を失って、攻性植物と融合状態にあるのなら、幾ら探しても見つけることは出来ないだろう。
「私たちで、必ず助けますから、がんばって下さい!」
 それでも声をかけ続ける。――絶対に失敗はさせない。ジェミの決意が伝わってきて、灯はハッとする。
 いつだって強くて、頼もしく見えても、実は悩んだり、表に見せない痛みや辛さに耐えて、それでも逃げずに立ち向かっている。だから支えたい。一緒に前に進みたい。
 灯の放った光る羽と花が攻性植物を包みこむ。
 キラキラと輝く幻想的な光景の中で傷だらけの巨体が急速に修復されて行く。
「直ったばかりのところ悪いですが、また焼却して差し上げましょう」
 エニーケが向けたアームドフォートの主砲が火を噴き。次の瞬間、爆発と共に攻性植物の身体の右半分が消し飛んだ。やり過ぎたかも知れない。一瞬エニーケの表情が固まるが、焼け焦げて煙を上げる断面から黄緑の触手がウネウネと噴き出て新たな形を作り、巨体を修復して行く。
「なんとも禍々しいですが、ご自分でもヒールは使えたわけですわね」
「そのようだね。手間が省けたと言うべきなのかな?」
 緋色は惨殺ナイフを握る手にグラビティ・チェインを集めると、ひと跳びで攻性植物の至近距離に迫った。
「おじいさん。家族は皆無事だよ。もうすぐ会えるからね」
 言葉を掛けると同時、腰だめに構えた得物を突き出す。瞬間、破壊の力に変換されたグラビティ・チェインが輝きを放ち、ダメージと共に攻性植物が自ら獲得していた加護を消し飛ばす。
 再び身体に大穴が開く攻性植物。もはや倒されるのは時間の問題に見えた。
「そろそろ決着をつけないとね」
 敵からの不意打ちに警戒しながら、仲間を見渡すジェミ。
 信頼できる仲間ばかりだったからこそ、与えるダメージを上手くコントロールしてここまでたどり着いた。
 真剣な表情のまま、無言で頷き、癒力を孕んだ光る花と羽で攻性植物を包みこむ灯。
 そこに、ジェミのグレイブテンペストとエニーケのロックオンレーザーの光条が交差する。
 攻性植物は完全に動きを止めた。
「あとは仕上げだね――」
 そこに、ウイングキャットのアナスタシアの投じた花輪が当たって、攻性植物の巨体は昇華して黒いガスとなって消えて行く。そして、攻性植物の圧迫感のようなものは無くなった。
 ガスが風に流されて消えた後には、野良着姿のおじいさんが立っていた。

●戦い終わって
「ありゃ? わしはなんばしよったのかのう?」
「ジェミ・フロートよ。分かるかしら?」
「うむむ、初対面のはずばってん、初めての気がせんのう……」
 とりあえず名乗ってみたが、おじいさんは何も覚えていないようだった。
 そんなタイミングで、濃い霧の塊が流れてきて、降っていなかった雨が少し降り始めた。
「ご無事でなによりです。ご家族も心配されていますし、まずはご自宅にもどりましょう」
 攻性植物が出現したあたりにはクレーターのような大穴が残っていて戦いに荒れた場所はそこそこ大きかったが、ヒールを掛けておけば元通りに修繕できる見込みが立つ程度だ。
 おじいさんの様子に不審な点はなく、エニーケはほっと胸を撫で下ろす。
「そうだね。このままじゃびしょ濡れになっちゃうしね」
 斜面を上っておじいさんの自宅に向かう道すがら、本堂の入口にある木彫に気がついてエニーケが足を止める。
「立派な仁王像ですわね。ここは不動霊場でもあるのですか」
「そうじゃよ。あじさいの方が人気だけどねえ」
 周囲を見渡せば、様々な地蔵や石仏、不動明王像があり、独特の形状をしたイヌマキや椎、銀杏の巨木が並び、これらも攻性植物にならなかったのは、不幸中の幸いだったのかも知れない。
「ケルベロスの皆様、本当にありがとうございました!」
「おじちゃん、おじいちゃん、よかったー」
 果たして、自宅におじいさんを送り届けた一行は泣きながら感謝された。
「後から疲れが出るかも知れないのね。後始末をあたしたちに任せて、ゆっくり休んでね」
 息子夫婦も子どもたちも、本当に心の底から心配していたようで、その表情を見て、ジェミは救出に成功して本当に良かったと思う。
「雨も止んだみたいだね。後片付けついでに、いろいろ見学させてもらっても良いかな?」
「ええ、お好きにご覧になって下さい。今年、咲いているあじさいを見るのは、みなさんが最初で最後のお客さんになりますから」
「最初で最後?」
 首を傾げる緋色におじいさんは、市からの要請で遠方からも人が訪れる可能性の高いイベントを中止すること。中止しても、あじさいの花があれば見に来る人がいるから、剪定して見られなくしなければならないと、寂しそうに言った。
「あじさいが有名な神社仏閣ってなんか多い気がするけど、今年はどこもそうなのかな?」
 本来であれば今日、明日中くらいであじさいの剪定作業は終了の予定だったらしい。
「そう言えば、奥ノ院って、どこにあるの?」
 ジェミが問うのは、来る前に聞いていた石仏群の事だが、このお寺は境内に別の神社が幾つもあったりしてかなり広大で、探すのに苦労しそうだった。
「それでしたら、溜め池の対岸に見える山道を登って10分ほどですよ」
 そんなに遠くはないようだが、それなりに歩かなければならないようだ。
 軽く頭を下げて、ジェミはスッと立ち上がり、エニーケも緋色も灯も続いた。
「まずはヒール作業からだよね――見学はそれから」
「みんなでやればすぐ済みそうです」
 顔を見合わせて頷きあう、緋色と灯。
 外の霧が完全に晴れる様子は無いけれど、霧の合間から見える遠景は趣があり美しい。
 どうか素敵な友だちと、いつまでも共にありますように。
 これから拓かれる世界に幸多きことに祈りをこめて。

作者:ほむらもやし 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年6月5日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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