ある日、天文台より異常を告げる言葉がケルベロスに送られた。
それは絶望という言葉を表していたかのように思える。
星の海を渡る強大かつ無慈悲な存在……その名はドラゴン。
しかも、かつて見られた中でも大型の部類に匹敵するものが多いという。
到着すれば即ち死。それ以外の感想を抱けないほどに恐ろしい相手だった。
ただ、そこに居るだけで恐怖をまき散らす存在……その名はドラゴン。
絶望的なのは、ソレが一体だけではない事である。
無数とは言わねど実に数十体。ドラゴン『たち』の軍勢が到来した瞬間であった。
『蹂躙セヨ』
『人よ、終わりの時は来た』
『この地を我らが食事の場としよう。それを持って救済とする』
複数の首を持つドラゴンが……そう叫んだような気がした。
●
「第二王女ハールの撃破と、大阪上地下の探索、お疲れさまでした」
セリカ・リュミエールが緊張したおお餅で説明を始めた。
第二王女を撃破した事で、エインヘリアルと攻性植物による同時侵攻の危機を回避できたのは、僥倖だった。大阪地下では、ドラゴン勢力から、本星のドラゴン軍団が、竜業合体によって地球に到達しようとしているという情報も得られている。
だがしかし、地球に迫り来るドラゴンは、本星のドラゴンだけでは無かったのだ!
「サリナ・ドロップストーンさんたちが警戒していた、スパイラスに遺されたドラゴン達が竜業合体によって惑星スパイラスと合体し、地球の衛星軌道上に出現する事が予知されたのです」
この予知はこの予知は、黎泉寺・紫織、エマ・ブランらが協力を要請していた天文台からの情報、死道・刃蓙理が注意を喚起していたNASAによる解析によって、より詳しい情報が確認されたそうだ。
「可能な限り詳細な予知によれば、無茶な竜業合体により、慈愛龍が率いていたドラゴン軍団は殆どが失われており、残ったドラゴン達も、グラビティ・チェインの枯渇によって、戦闘力を大きく損なっている事が判明しています」
これは良い情報だと言えた。
しかし、問題なのはここからである。
「慈愛龍は、竜業合体した惑星スパイラス……螺旋業竜スパイラスを、衛星軌道上から日本に落下させ、その衝撃で殺害する数百万数千万の人間のグラビティを略奪する事で、失った力を取り戻そうとしているのです」
これが実現すれば地球は終わってしまう。
抵抗とか迎撃とかそれ以前の問題であり、恐怖や絶望など収穫し放題だろう。
「ですがドラゴンが出現する衛星軌道上のポイントは既に割り出しています。
皆さんには、グラビティチェインが枯渇し、弱体化している慈愛龍らドラゴンを撃破し、螺旋業竜スパイラスの破壊をお願いします」
セリカはそれだけを告げ、できる限りのケルベロスに説明する為、何度も同じような言葉を繰り返した。
「みなさんは宇宙用ヘリオンで移動し、班ごとにドラゴンたちと戦っていただきます。
無重力での戦闘ですが、支障がないように整えますので問題はありません。
このドラゴンは、恨みや憎悪と言った呪いを取り込んで進化したようですね。
精神攻撃や体を操ったりと言った攻撃が得意な様です」
セリカはそう説明しながら、ドラゴンの絵ごとに能力の説明をしていった。
このテーブルに置かれた個体は、黒い靄のような体の中に取り込んでいった存在が恨みつらみを吐き出しながらウネっているらしい。
「注意事項ですが、スパイラスそのものは竜業合体によって地球に移動する以外の戦闘力はありません。しかしその巨大質量を砕くには時間制限が存在します」
それぞれ時間以内に敵を撃破した上で、グラビティを集中して倒す必要があるそうだ。
敗北または時間切れの班が五班以上になった場合、戦力不足で被害が広がるらしい。
「グラビティチェインの枯渇によって弱体しているといっても、慈愛龍を筆頭とするドラゴンは、強大な敵であり、勝利は難しいだろう」
「阻止しなきゃ地球が終わっちまうんだろ? まあ逃げるってのはねーよな」
「クカカカ! ドラゴンか! 戦う相手として不足なし!」
ケルベロスたちはそれぞれの思いを秘め相談を始めるのであった。
参加者 | |
---|---|
ヴォルフ・フェアレーター(闇狼・e00354) |
ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544) |
ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129) |
神宮寺・結里花(雨冠乃巫女・e07405) |
リュセフィー・オルソン(オラトリオのウィッチドクター・e08996) |
富士野・白亜(白猫遊戯・e18883) |
篠・佐久弥(塵塚怪王・e19558) |
カタリーナ・シュナイダー(断罪者の痕・e20661) |
●
「そろそろ接敵範囲だ。宇宙と地上の差を理解して、相対位置の把握に努めろ」
軽く腕を上げたヴォルフ・フェアレーター(闇狼・e00354)は、そのまま横にスライドさせた。
その時に指先を動かし、事前に取り決めたハンドサインを示しておく。
地上と違って距離が判らないならば、足元の空を見ろ。星を見ろ、宇宙を見ろ。彼方から迫るデウスエクスの赤い瞳を見よ。
「全く、ゲートなしで力づくで飛んでくるとか……これだから竜って奴は面倒っすね」
神宮寺・結里花(雨冠乃巫女・e07405)が見る限り連中は力を放出しながら移動している。
「ひゃう……こっち睨んでますよ。うぅドキドキが止まりません。正直、小心者の私には怖い敵です」
ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)は小さな体を震えさせた。
だがそのハートはドキドキしていても、逃げる気などない。
「しかしまあ。大決戦が終わったと思ったら次はドラゴンか」
彼方に見え始めた敵は遠距離だというのに大きく、富士野・白亜(白猫遊戯・e18883)はドラゴンと戦うのだという事を否応なく自覚した。
その後ろに見える龍のようなナニカは星なのかもしれないが、手前には無数にいるのだ。どう見ても後ろの巨大物体だけがドラゴンではあるまい。
「日本総人口を%単位で殺す力っすか。怖いっすねぇ」
篠・佐久弥(塵塚怪王・e19558)は遠くを眺めながら他人事のように呟いた。
恐ろしいが、それをさせる気などありはしない。ゆえに日本人口が減ることなどエゾら毎の他人事でしかない。
「逃げ帰るか?」
「いいえ、いいえ! 怖いのは怖いです。ですが皆の上にドラゴン達が落ちる。そっちのほうが何倍も怖いです」
覚悟はできてます! 行きます!
ヴォルフの確認にティオはそう返した。
ケルベロスが『戦場に立てるのか』かなど問いですらない。ならば問題ないと返すのは当然のことではないか。
「数が多い? それがどうしたというのだ?」
カタリーナ・シュナイダー(断罪者の痕・e20661)は拳を握り締める。
躊躇している余裕はない。
臆している余裕はない。
「ここで退くわけにはいかないんすよ」
他の戦場がある?
他の班がいる?
佐久弥は、塵塚怪王は後退しない。
「違うんす。そんな逃げの姿勢でいられる状況じゃない」
あの地球(ほし)、あの国(日本)にはたくさんの人がいる。
仲間がいる。そして何寄り大切な者が居るのだと佐久弥は闘志を新たにした。
あの星の明日の為に、あの世界の明日の為に。進めケルベロス! と第何次になるかも判らないドラゴンとの決戦に挑む。
「面白いことを考えると思うが地球は私の縄張りで家だ。荒らされるのは容認できないな? 愚か者の代償として食い殺してやる」
「まあでもこれが最後の抵抗だろうっす。だったら全力で潰すっすよ。地球にドラゴンたちの居場所はないっす」
白亜と結里花は顔を見合わせて頷いた。
常識外の能力に呆れつつも、これだけのことは何度もできないのだと判る。
こいつらを倒せば慈愛龍たちは終わり。また同じことが起きるとしても、奴らの本星で最期だろう。
「人類に仇為す悪しき龍どもを有無を言わさず殲滅するのみだ。みな、準備はいいか?」
「問題ない。後は時間を合わせて突っ込むだけだ」
決意を新たにしたカタリーナは一同に視線を投げ最終確認を行う。
ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544)はマイペースにリストウオッチを掲げ、時間管理の準備も含めて整っていると告げた。
「では参りましょう。雨冠の巫女、結里花。竜を討ちます」
「螺旋業竜呪呪羅を地球に来させはしません!」
結里花も同じように時計を掲げると、同じく後衛に居る治療師のリュセフィー・オルソン(オラトリオのウィッチドクター・e08996)も頷いた。
彼女たちを最後方に置いて、ケルベロス達はドラゴンの一体……呪われしキメラたるジュジュラを目指す。
「敵影確認、接敵します。もう直ぐあちらの攻撃が……」
「……戦闘開始だ」
敵の動きリュセフィーが報告し、ディークスが開戦を告げつつスイッチを入れる。
こうして螺旋業竜とケルベロスの戦いが始まった。
●
やがてドラゴンと相対するとその巨大さは異質だった。
『人よ、終わりの時は来た』
巨大なドラゴンは黒い靄の中に居た。
そこから鎌首をもたげる姿は、無数の蛇が沼の中にでも居るかのようだ。
だがその意思は一つであり、一気に距離を詰めると襲い掛かってくる。
『謝肉祭を始めよう。今宵は飽食の宴なり』
「むっ? こちらに来たか! 来るならば来い!」
カタリーナがそう言ってライフルを構え、迎え撃とうとした時。
不意に衝撃を受け、代わりに見たのは無数の首が唸りを挙げて通り過ぎるところであった。
「だ、大丈夫ですか?」
「問題ない。だが攻撃は確かに命中したはず。という事は……」
カバーしようとして失敗したティオにカタリーナは返事をした。
二人とも無事だという事は、答えはそう多くない。
「わ、わわわ……」
「ぐあああ。痛っ。確かに強烈っすね」
ティオは佐久弥の首が黒い靄の中に浮かんでいるのを見た。
そして脱出しようとする手足に、巨大な牙が食らいついていくところだ。
そのまま飲み込んでしまおうとするのだが、小さなスパークが漏れるのはレプリカントである佐久弥の血代わりなのか、それとも抵抗の証か。
「ちっ火力もあるのか。結界を張っておくとしよう。力よ退け」
ヴォルフは自身の周囲にエネルギーの幕を覆った。
あれほどの力を持つ者が本格的に攻撃して来ると大変なことになる。
火力もだが、洗脳や呪いのような力で汚染されると面倒だ。
「まずは足を奪います。その猛く速き意思を奪う」
結里花は白蛇を模した槌を振るう。
この場合の脚とは四肢の事に非ず。素早く動くための機動力・俊敏性の事だ。
コン! と何もないはずの宇宙で木槌が音を立てた!
「外すと面倒だな。まずはこうするとしよう」
ディークスは銀の翼を作り上げていたが、その密度を一気に広げた。
空間に満ちて彼らの補助を行い、今どうなっているのか手助けするためだ。
「脱出を援護する。さっさと上がってこい。礼も言えん」
「くっ。おおお!!」
カタリーナが重力弾を放つと、佐久弥は黒い靄から脱出した。どうやら敵は捕食したわけではないようだ。
「判って他っすけど、中々手強いっすね。地道に行かないとヤバそうっす」
佐久弥はそう言って体の各部よりガスを放った。
それは自分を守る為ではなく、後ろに結界を張って治療師である仲間を守る為だ。
回復を確保できれば強敵相手でも戦い抜けるし、逆に彼女らが洗脳されてしまえば大変な事になるだろう。
「やっぱりそっちからですかね。敵にとってこの地球は美しいでなく美味しいそうに見えるんでしょうかね。哀しいです」
ティオは勇気を奮うと同じように後衛に結界を張った。
この手の力は確実なものではないので、ある程度は繰り返す必要がある。
本当は自分たちを守りたいとは思いつつ、結界が張り切れてないなら優先度は後方だと、勇気を出して守ることにしたのだ。もしプルプル震えていたとしても見ないフリをしてあげよう。
「攻勢あるのみ。削り切ってやる」
「その力をお守りしますね。邪悪を退ける力を」
白亜がバールのようなナニカを猫の爪の様に敵に引っ掛けた。
勢いに任せて態勢を崩すためにグルンとした所へ、リュセフィーがエネルギーの幕で覆って結界を張る。
後衛・中衛を守った後は当然前衛だ。
そしてその力が彼女を覆った後、周囲に邪悪な力が満ち溢れ始めた。
『蹂躙セヨ。我ガ命ズルハ汝ラ自身ナリ』
「ど……どうしたんだっぺ? わ、私味方だ……。味方です。私味方なんですってばっ」
「いけない。コントロールを奪われているみたいね。なんとかしないと」
どうしたことだろう。ティオをミミックが襲い始め、他の仲間も襲おうとして首を振ったりしている。
リュセフィーは急いで解呪を試み始めた。
「これは呪詛……か?」
「そのようだな。そちらは自我を守ったようだ。ネガティヴなエネルギーは洗脳の初歩だが……。……全く、人間の器は……難儀な物だな?」
白亜は盾役がカバーしきれなかったようだが、何とか耐えきったらしい。
その様子を見てディークスはやはり早めの倒さねばならぬと、戦いの趨勢を見定めるのであった。
●
戦いは白熱化し、佳境を迎えた。
既に何度目かのアラームが鳴り、節目である半分以上を過ぎた状態だ。
「やれやれ。そろそろ結界の類は打ち止めにした方がいいな。最低限の回復に絞って、動ける奴が動ければいい」
「攻勢に専念すれば何とか行けそうだな」
ヴォルフとディークスは頷き合って共にナイフを抜いた。
武骨な刃と美しいナイフ、大局的ではあるがやることは同じだ。
ドラゴンに肉迫して、至近距離から攪乱するまでだ。
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ。雷の右!!」
結里花は右手にインドラの籠を宿した。
そして殴りつけたインパクトの瞬間に解き放ち、稲妻を落として火力を上乗せする。
「ガッチガチに凍らせててるんだし、……このまま砕く!」
そして木槌を振り上げ、隙あれば殴りつけようと動き回るのであった。
「もう一度言うっす。退くわけにはいかない。お前を滅ぼす」
佐久弥は自らの心臓部へ腕を突き立てた。
そこにはタ兄の無い、子供の玩具が眠っている。
「始まりは地獄、続くも地獄。燃えろ、俺の地獄」
ブウンと唸りを挙げるがただの音色に過ぎない。
だからそこからは彼の『心』が火の粉を溢れさせる。ソレの一つ一つは小さな火だが、みなで力合わせれば炎になる。
輪転するは後悔か、愛か、それとも憎しみか? それらすべてが地獄の炎となって溢れ出るのだ。
プラスチックの鉄拳が、ベルトが、あるいは扇風機やヒーター達が唸りを挙げて炎を吐き出し続けた。あの星の明日を守る為に!
「我々には執念がある。生存をかけた戦いである以上、我々は抗い続けるぞ。貴様らが滅びるか、それとも我々が滅びるか、雌雄を決するその日が来るまでな!」
カタリーナはライフルを片手と肩で支え、もう片方の手は盛んに弾倉を入れ替え続けた。
もはや十分と見た重力弾を捨て、凍結弾と破砕弾頭を入れ替えながら撃ち続ける。
「負けません。私たちは負けたりしません。絶対絶対負けたりしないんです!」
戦いの中でとうとうティオはナイフを投げ捨てた。
無重力の中で銀色の刃が流れて消えるのを無視しながら、腰だめに構えて何もないはずの宙を踏みしめる!
「起動! クロノスハート! 粉砕レベル金剛石! 砕け散ってください!」
勇気の無いライオンが勇気を振り絞るかのように、ティオはなけなしの勇気を総動員した。
例え金剛を越えて、ロンズデーライトであろうとも。
あるいはアダマンタイトであろうと砕くには十分過ぎる!
試作品の粉砕装置をフル稼働させ、岩より堅いドラゴン砕くために恐怖を乗り越え爆発させたのである。
「時間がないな。後は威力勝負か。ならば何も考えずに押すまでだ」
白亜は技を放つにつれ、目的の為に繰り返した物を削って先鋭化していた。
そしてバールをまるで剣の様に構えて、宇宙を疾走したのである。
いや、この場合は天を翔る流れ星の様だというべきだろうか。
『サセヌ。我が、我は滅びぬ。いや、我が滅びようとも我らは……』
「く……。間に合うでしょうか……」
「いや、問題ない。行ける」
悪夢の力が前衛陣を襲う中で、リュセフィーは暖かな光を翼から放った。
邪悪な力を振り払う中、いつしかヴォルフが技を放って彼女の隣に居たのだ。
「これが……最後の……一撃!」
『馬鹿な。この、この我が!? ウオオおおおあああ』
結里花が振り下ろした木槌が、ジュジュラを滅ぼした。
ドラゴンの未来を打ち砕くかの様に、凍気がダイヤモンドダストのように流れては消えていく。
●
元よりここに来るまで相当な無理を重ねていたのだろう。
ジュジュラだけではなく、他にも倒されたドラゴンが砕け、あるいは潰れていく。
「其の命、糧と成れ」
ディークスは軽く祈りを捧げた後、最後の一つへと向き合った。
「どうだ?」
「やはり遠すぎるな。一斉攻撃を仕掛けなければ無理だろう」
一足早く倒したらしきチームの放った技がスパイラスの手前でかき消えたり、弾かれていく。
ディークスの言葉にヴォルフが答えた。
「後ひと踏ん張りですね」
「そうっすね。見たところ大丈夫そうだし、頑張るっすよ」
結里花が槌を振り上げると、佐久弥が足の調子を確かめる。
凍気やオーラを集めて一斉攻撃の準備に移った。
「時間だ。行くぞ!」
カタリーナはライフルを構えて最大の火力で砲撃を開始した。
「成功だな。私は大きな破片に追撃を掛ける」
星が砕けていく中で、カタリーナはライフルを担ぐと先を急いだ。
同じように他のチームからも大きな破片に向かう者が現れる。
「あ……流星が……。敵にとってこの地球は美しいでなく美味しいそうに見えるんでしょうかね。哀しいです」
砕けていくスパイラスをみながら、ティオが悲しそうにつぶやいた。
「でも、私は宇宙へ来たのは初めてだったんですよね。宇宙の星空は、とても美しいですね」
「そうだな。偶にはこういうのも悪くないかもしれん」
リュセフィーが少しだけ嬉しそうに笑うと、ヴォルフは頷いておくことにした。
ドラゴンの集団を倒し無事に地球を救ったのだ、星空を上から眺めるのも良いだろう。
「では撤退するか。負傷者が居れば拾っていこう」
「邪魔者になってもなんだしな」
ディークスが近くの仲間を連れてヘリオンに向かうと、白亜は耳をピクンと動かした後でそれに続いた。
「何とかなったっすねえ。早く帰りたいっす」
「ままま、待ってくださいーい」
佐久弥たちも帰還を始めるとティオもそれに続いていく。
「めでたしめでたしっすかね? 自分も帰って寝るとするっすよ。そちらはどうするっすか?」
「もうちょっとだけこのまま眺めてから戻りますね」
結里花が声を掛けると、リュセフィーたちはもう少しだけ流星を眺めていく。
星降る空の中でケルベロスたちは凱旋したのであった。
作者:baron |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2020年6月4日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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