ツナツナしているしマヨマヨしている

作者:星垣えん

●食のこだわり
「ツナマヨなんだ」
 立派な嘴の伸びる顔をパタパタと団扇であおぎながら、鳥の人が思わせぶりなイケボでそんなことを言いだした。
 いよいよ暑くなってきているというのに、ビルシャナさんは元気である。
「世の中、美味いものはいっぱいある。それは確かだ認めよう」
「焼肉も寿司も美味いっすよね」
「世界は美味しいであふれてますね」
「うむ。いいことだ。食文化ばんざい」
 返事をしてくれた信者たちにピッピッ、と指を差して頷く鳥。
 だが当然ながらビルシャナである彼には譲れぬ信念がある。そして片手に持っているツナマヨおにぎりを見れば、その信念とは何たるかは語るべくもなかった。
「美味いものは多くある……しかし一番はツナマヨであると俺は思うのだ! ツナマヨこそが至高! ベストオブフーズ! もしも今日地球が滅ぶなら俺はツナマヨを食べたい!」
「うおお! 教祖ー!」
「俺たちもついていきまするー!」
 信者の1人がツナ缶を掲げ、別の信者がマヨネーズを掲げる。
 そんなツナマヨラーたちがたむろする廃ビルの一室には、『ツナマヨ至高党』と筆書きされた横断幕が飾られていました。

●薫ちゃんの執念の調査が実を結んでしまった
「ついにツナマヨ至高を謳うビルシャナが現れたんですね」
「ああ。だからこれ以上、連日訊いてくるのはやめてくれ」
 猟犬たちが見ている前で、ザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)はマジ顔で久遠・薫(バウム至高明王・e04925)に説教をかましていた。
 なんでも薫さん、ツナマヨ案件はないのかと毎日チェックしていたらしい。
 で、待望の鳥さん出現に嬉々としてヘリポートに駆け付けた次第であるらしい。
 どんだけツナマヨを欲していたの? そしてツナマヨ至高明王とバウム至高明王が激突したら地球はどうなってしまうの? 太るの??
「……まあ案じても始まるまい。ビルシャナが出現したことは事実なのだ。だからすぐに急行し、おまえたちの手で葬ってきてくれ」
「はい、すぐに向かいましょう。ところで現場にツナマヨはあるんですよね?」
「……」
 真剣な顔で聞いてくる薫に、沈黙の眼差しを向ける王子。
「……ツナマヨを好いているビルシャナだからな。もちろんある。ツナ缶とマヨネーズが山ほど用意されているし、コンビニで売ってるツナマヨおにぎりも死ぬほど買いだめしているようだ」
「それは楽し……大変ですね」
 眠たげな瞼の下で、きらりと瞳を光らせる薫。
 これは真面目に仕事する気のない眼だな。
 そう理解したザイフリート王子は、諦めて他の猟犬たちに顔を向けた。
「信者は10人ほどいるが、普通にツナマヨ以外に美味いものを食わせてやれば目を覚ますだろう。それも別に手の込んだ料理などをする必要もなく、コンビニで買える程度のものでも十分だ」
 普通にチョロい仕事っぽいですね。
「では準備ができ次第、出発する。ツナマヨが世界のすべてではないということを……おまえたちが美味しいと思うものを食わせて、奴らに教えてやってくれ」
 とにかく信者に飯食わせてやりゃいい――とかいう失敗するのが激ムズな使命を胸に刻んで、猟犬たちはヘリオンに乗りこむのだった。


参加者
青葉・幽(ロットアウト・e00321)
琴宮・淡雪(淫蕩サキュバス・e02774)
久遠・薫(バウム至高明王・e04925)
セレネテアル・アノン(綿毛のような柔らか拳士・e12642)
マロン・ビネガー(六花流転・e17169)
ジェミ・ニア(星喰・e23256)

■リプレイ

●ビルから怪しい声が
「ツナマヨっすー」
「ツナマヨマヨー」
「転ぶんじゃないわよ」
 廃ビルの階段を上る、シルフィリアス・セレナーデ(紫の王・e00583)とアリャリァリャ・ロートクロム(悪食・e35846)。外食に向かう子供と化してる2人の背中に青葉・幽(ロットアウト・e00321)は忠告を投げた。
 そんな幽の表情は、いつものツンケンより一層厳しい。
「まったく。ただでさえ食べ物系はコダワリで派閥が多いってのにビルシャナは……」
「コダワリ……色んな人たちがいますからね」
 のんびり笑いながら頷くジェミ・ニア(星喰・e23256)。
「でもこの時期におにぎりを買いだめなんて、賞味期限が気になりますね」
「あ、確かにそうよね」
「魚と油。足が早いの二乗です! 早く食べきらないと……」
 ジェミに振り向いた幽の横を、マロン・ビネガー(六花流転・e17169)は慌てた様子でてけてけと駆けあがる。ツナマヨの大量廃棄を憂う顔はそれなりにマジだった。
 そして、琴宮・淡雪(淫蕩サキュバス・e02774)の顔もマジだった。
 マジ顔で、両手で持ち上げた彩雪(鶏)と眼を合わせていた。
「いい? さゆきち。今回は常識的に振る舞うのよ。人の食べ物を奪うのは絶対NG!」
「コケェ……」
 そんな、と言わんばかりに震えるデブ。
「さゆきちさん、我慢ですよ」
「薫ちゃんの言うとおりですわ。言っとくけど焼き鳥がビルシャナ以外にもう一羽増えても私は困らないからね?」
「コケェ……!」
 隣から鋭く一言を差し挟んできた久遠・薫(バウム至高明王・e04925)と、顔を近づける淡雪に凄まれ、彩雪は泣いて戦慄した。
 セレネテアル・アノン(綿毛のような柔らか拳士・e12642)の手が、震える鶏の頭を撫でる。
「さゆきちさん、大変ですね~。ファイトです~っ」
「アノン様も他人事ではないですわよ? つまみ食いとか禁止! ステイ!」
「私もでしたっ!!?」
 ずびしっ、と淡雪に指差されてガーンと反応するセレネテアル。
 ――と、そーこーするうちに猟犬たちは階段を上りきっていた。
「ツーナ! ツーナ!」
「マーヨ! マーヨ!」
「ツナマヨ! ツナマヨ!」
 フロアの奥の一室から漏れ聞こえる、謎の大合唱。
 幽はひとつため息をつくと、仲間たちを見渡して、ドアノブを握った。
 そして――開け放つ。
「アンタたち、バカなことしてんじゃないわよ!」

●同じのが続くとね
 猟犬たちが押し入ると、すぐに鳥と信者たちは警戒態勢を取った。
 だが2秒後には鳥さんの姿は部屋の隅っこに移っていた。
「ツナマヨー」
「とりあえずあなたはそこでそのチューブを吸っててください」
「わぁい」
 与えたチューブ(ツナマヨ入り)をちゅーちゅーしてる鳥に言いつけ、仲間たちの中に戻ってゆく薫。
「10分は稼げますね」
「あの鳥、チョロすぎですわね……」
 薫の報告に呆れかえる淡雪。
「でも、これで心置きなく信者たちとオハナシできますわ」
「はい。さっさとやってしまいましょう」
 ツナマヨ信仰の信者たちへと視線を移す2人。
 鳥という中心を失った彼らは――。
「ウン、ツナマヨおにぎりを開発しタヒトは天才ダナ」
「こいつ……勝手に俺たちのおにぎりを!?」
「世が世ナラ鶏肉が陸ツナっテ呼ばれてテもおかしくネー」
「缶ごと食ってる!?」
 ツナマヨ物資を食いまくってるアリャリァリャに、てんてこ舞いだった。
「ツナのポテンシャルはスゲー……だからツナマヨで思考停止しテタラもったいネーゾ!」
「あっ、おい!?」
 ツナ缶を抱えて退室するアリャリァリャ。
 それから少しして戻ってきた彼女は、何品かの料理を携えていた。
「レタスとツナの素麺! ソレとコッチは冬瓜のうま煮ダ!」
「ツナレシピ……だと!!」
「食っテいーゾ」
 手作りツナ料理を振る舞うアリャリァリャ。
 どれ、と信者たちも好奇心と食欲に負けて箸をつけた。おろしポン酢が効いた素麺はさっぱりと食べやすく、とろとろに仕上がった冬瓜はツナの旨味がよく染みて食が進む。
「うめぇ……」
「マヨなしでこれほどとは……」
「そーダロ。でもウチの一押しはこの鉄火カツ丼!」
 誇らしげに笑うアリャリァリャが丼を出す。
 白飯に黄金色の具が乗っかっている。それはとても美味しそうだった。
 もちろん、具の中にツナ缶が見え隠れしていなければの話である。
「何ぞコレぇぇぇぇ!!!」
「アツアツのスチール缶をほかほかご飯とカッ込むのはいーゾ」
「いやいやいや!?」
「お好みでマヨたっぷりかけてもイイナ!」
「そーゆー問題じゃないですよ!?」
 信者たちが全力で拒否し、アリャリァリャが残念そうに完食したのは言うまでもない。

「ひどいものを見た……やはりツナマヨが一番だな」
「ねー……」
「確かにそれはわかるっす。ツナマヨおいしいっすよねー」
 ツッコミ疲れなのか元気なくツナマヨを貪る信者に混じり、しれっとツナマヨおにぎりを食べまくるシルフィリアス。
 だが彼女は口にマヨをつけながら言った。
「でも同じものを毎日食べてたら飽きが来るっすよ」
「飽きる、か……」
「それは感じることはあるかもなー」
 理解を示す信者たち。
 シルフィリアスは、満を持して菓子袋を取り出した。
「そこでポテチっす! ポテチは定番商品としてハズレのない無難な味を用意しつつ、いくつものフレーバーも用意してるっす! 味が何種類もあり期間限定商品も多いっすから飽きがこないっす!」
「ポテチねぇ……」
「うーん……」
「基本は塩味っすから他の物と組み合わせて食べることもできるっすよ。ツナマヨだってポテチに乗せれば違う味わいになるっす」
「なん……だと……!?」
「色々持ってきてるんで試したらどうっすか? 自分の好みの味を探すことも楽しいっすよ」
 身を乗り出す信者たちの前に、ざぁっと大量のポテチ袋を投下するシルフィリアス。
「これとかどうっすか?」
「んー、さっぱりした梅味とか良き……」
「ポテチありなのか……いやしかしツナマヨのパンチ力には……」
「ツナマヨの濃い味に惹かれる……それはわかりますよ~」
 気づかぬうちに信者に紛れこんで(一緒にポテチを漁って)いたセレネテアルがめっちゃ頷く。
「でも、味が濃すぎるというのは利点でもあり欠点でもありますよね? ツナマヨは味が濃すぎるので沢山食べるのには向かないんですよ~!」
「そ、それは……!」
「確かに一理ある……?」
「ツナマヨが悪いとは言いません! ですが、方向性を変えるのもいいと思いますよ~!」
 迷いを見せる信者へ、セレネテアルはずいっと顔を近づけた。
 そして懐から出したのは――お茶漬けの素。
「私のオススメとしてはお茶漬けあたりがベストですっ! あっさりしているので食事のシメでも行けちゃいますよ~!」
「お茶漬け……!」
「ツナマヨで始めてお茶漬けで締める……どうです~? お茶漬けよくないですか~?」
「言われると食べたくなってくるなぁ……」
 ぱちりと放たれたセレネテアルのウインクに、ぐらりとくる信者たち。
 そこへとことこ歩み寄ったのはマロン。
「ツナマヨを食べすぎる問題は飽きだけではないです。ツナとマヨでこってりさんですから、食べ続けると所謂ピザでメタボになるのですー」
「ハッ!?」
「メタボ……!!」
 聞かされた恐るべき単語に、見開かれる信者たちの眼。
 そのままがくりと床に手をついた彼らへ、マロンはしゃがんで目線を合わせる。
「ツナマヨが美味しいのはわかるのです。でもツナマヨは少量に抑えることが大事ですよ! パンに塗ってタマネギやエビやチーズでトーストにするのはどうです? サンドイッチにして胡瓜やレタスを足すのもいいですね。彩りと食感もアップです!」
「なるほど!」
「それは美味しいな。聞いただけでも美味そう!」
「そんな訳でサラダとハムを持ってきました。バランスの良い食事にしましょうです。そちらのお兄さん達も一緒にどうですか?」
「いいのか!」
「もちろんですー」
「イヤッフーー!!」
 アッパーをしながら飛びあがる信者たち。
 そっからのお食事会はそれなりに盛り上がったそうである。

●強烈だった
 ところで鳥さんはまだツナマヨのチューブを吸っているのかと思うだろう。
 安心してほしい。もう吸ってはいない。
「アンタは隅っこでこれでも食べてなさい!」
「わぁーい」
 幽がころんと地面に転がしたツナ缶に夢中だった。タイヤみてーに転がる缶をヘッスラでキャッチした鳥さんはまたあと10分ぐらいは隅っこにいるだろう。
「鳥さん、あんなに楽しそうにマヨネーズを混ぜて……」
「扱いやすくて助かるわ」
 珍獣でも見る眼で鳥さんを眺めるジェミの横を通りすぎ、信者たちの前に立つ幽。
「ツナマヨ自体は否定しないわよ。でもアンタたち、考えてみなさい。マヨネーズって何でもマヨネーズに染めちゃうじゃない。それって悲しくない?」
「え? それがいいのでは?」
「何言ってんの。素材の味ってものがあるでしょ。私も少し昔まではよくツナマヨを食べてたもんだけど……今ではお出汁の利いてる薄味の良さがわかってきたわ」
「へぇー」
「おにぎりの具にしたって、ツナマヨはお米の良さを潰しかねないわ。ほら塩鮭と梅干しのおにぎり持ってきたから食べてみなさい!」
 2種のおにぎりを取り出し、ぐいぐいと信者に押し付ける幽。
 信者たちは少し不満げだったが、食べてくうちにやがて表情は綻んでゆく。
「んー……こういうのもいいかも」
「お米を感じるぅ」
「でしょ? ツナマヨばかり食べるのはやめたほうがいいわよ」
 黙々とおにぎりを食べる信者たちへダメを押す幽。
「そもそもですね、あなた方の言っている至高とはどういう意味だったんですか?」
「んむ?」
 米で頬を膨れさせる信者たちへ問うたのは、薫だ。
「どういう意味って……」
「ただそれだけを延々と食べ続けることができる、という程度でしたらわたしはそれを認めません! 至高というものは高みに至ると書いて至高なのです! わたしの唱える至高のモノとは最終的に行きつくモノ! つまり……家庭料理です!」
 くわっ、と薫は有無を言わさぬ語勢で言い切り、荷物から重箱やタッパーを出してはシュパパパッと並べていった。
 炊き込みご飯に味噌汁、煮物や漬物やらに溢れた食卓はまさしく家庭のそれ。
 ついでに中央にバウムクーヘンまるまる1本置いて、薫は微笑んだ。
「家族の作った料理、もしくはそれに近しいものが至高だと思うのですよ。そんなわけでこのみーちゃんと大量に料理を作ってきました」
「どう見てもバウムが浮いてるんですけど……」
「ツナマヨのような味の濃いものばかりではなく優しい味のモノも食べましょう?」
「バウムは!?」
「わぁ、お料理たくさんで美味しそうですね!」
「おいバウムが見えねぇのかこいつらは!?」
「モンブランのほうが食べたいです?」
「お前まで絡んでくるんじゃねええぇぇぇぇぇ!!」
 頑として崩れぬ薫の微笑と、横でなんかめっちゃ賛同ムーヴきめてるジェミ。あとにょきっとモンブランを勧めてくるマロンに信者たちはツッコむしかなかった。状況がごちゃつきすぎである。
 で、その隙を淡雪は見逃さない。
「信者たちのツナマヨセットは食べていいですわよ! さゆきちGO!」
「コケェー!!」
「ぬあーーっ!!?」
 獅子の形相で襲いかかり、信者の持ってるツナマヨを強奪する彩雪。
 一瞬でハンズフリー状態になった彼らへ、淡雪はしれっと誘いをかけた。
「さて、皆様お手元に何も無くて寂しいですわよね?」
「きみんとこの鶏のせいでね!」
「焼き立ての焼き鳥とかいかがですか? カロリーも少なくていいですわよ! 更にビールもあると最高!」
 都合の悪いことは華麗に聞き流して焼き鳥を勧める淡雪。香ばしいそれに合わせてプシュッと缶ビールを開ければ、昼間から呑む立派なダメ女の完成である!
「ぷはーっ! ですわ!」
「こいつ完全に居酒屋のノリで……!」
「しかし美味い……あれ絶対美味いやつ……!」
 信者たちの喉が思わず、ごくりと鳴る。
 もはや陥落寸前である。
 耐える彼らの額には暑さも相まってじんわり汗が滲む。
 その様子を見ながらジェミは、これ見よがしにソーダアイスをしゃくっと食べる。
「最近暑くなってきましたよねー。アイスが美味しい季節です!」
「き、貴様ぁぁ!!」
「さっぱりするし喉も潤うし……ツナマヨみたいに悪くなる心配もありませんよね!」
「それは本当にそうですねぇぇぇ!!」
 目の前でアイスを食う姿を見せつけるジェミに突っかかる信者たちは、もう我慢とか暑さで色々おかしくなっているのかもしれない。激昂しながら頷いとる。
 だがジェミの煽りムーヴは止まらない。
 むしろ「さてさて」とかわざとらしいことを言いながら、アイスの詰まったクーラーボックスを開ける!
「アイスクリームも良いよね。濃厚チョコとかこだわりバニラとか……あ、宜しければどうぞ?」
「い、いいのか……!」
「はい。色々揃ってますよ。シャクシャク涼しいシャーベットアイスから、ちょっと高級なカップアイスまで……どれにします?」
「選択権までくれると言うのか!」
「たくさんありますから!」
「多謝ッッッ!!!」
 ジェミに渾身の礼をかました信者が、わーいと殺到する。
 アイスだけではない。焼き鳥にも家庭料理にも、信者たちは群がる。
 鳥さんが隅っこから復帰したときにはもう、誰もツナマヨは食べていなかった。

●残さないでね
「さーて本番っすねー」
「お残しはダメだかラナ! 責任もって食べルゾ!」
 シルフィリアスとアリャリァリャが、山のように揃った料理を前にしてバンザーイと両手を上げていた。
 鳥さんをサクッと葬った一同は心置きなく、持ち寄った食べ物でパーリィタイムに突入しているのだった。
「んー、炊き込みご飯が美味しい……」
「ほっこり温かい味ですね……」
 幽が炊き込みご飯を味わい、ジェミが熱い味噌汁を啜る。
 その横では、マロンとセレネテアルがツナマヨおにぎりをもぐもぐしていた。
「ツナマヨもしっかり消費しないとですね~」
「勿体ないのでちゃんと回収なのです。皆さんの料理と合わせれば飽きもこないですね」
「ですね~っ」
「コケェー―!!」
「あっ! さゆきちさんに取られましたっ!?」
「と言ってるアノン様が私の焼き鳥を奪った!?」
 彩雪にツナマヨを奪われたセレネテアルに焼き鳥を奪われる淡雪。取り返そうとは思ったが、すでにその焼き鳥を巡って彩雪とセレネテアルがバトってたので、おとなしく諦めてビールを飲む。
 そして手近なツナマヨに眼を留めて。
 それから、ちらっと薫の平坦な胸を見た。
「そういえば一時期マヨネーズ食べると豊胸になるって噂ありましたけど……あれ嘘ですわ。お腹にお肉つくだけですからね?」
「……」
 無の眼差しを返す薫。
 彼女は、何か言ってくる人のお腹をつまんだ。
「あぁ、なるほど」

作者:星垣えん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年6月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。