第二王女ハール決戦~因縁の終わりへ

作者:廉内球

 第九王子サフィーロとの決戦を制したケルベロスは、ブレイザブリクをその支配下に置き、エインヘリアル本星へ繋がるゲートの探索が開始された。
「しかし、こちらの戦果はエインヘリアルの窮地と言えるだろう、連中が何も手を打たんわけがない……と、推測した者がいたな」
 アレス・ランディス(照柿色のヘリオライダー・en0088)はフローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)の予測を引き合いに出す。ホーフンド王子らからは、サフィーロ王子の裏切りによりブレイザブリクを奪われた旨の報告が行われているはずであり、奪還のための軍勢を起こすことは間違いないだろう。
 この状況で、複数のケルベロスにより大阪城方面にも動きがあるとの調査結果が報告された。彼らによれば、大阪城の攻性植物が侵攻の準備を整えつつあるというのだ。これらの状況を合わせて考えると、エインヘリアルのブレイザブリク侵攻と攻性植物の進軍を同時に行う合同作戦である可能性が非常に高いと思われる。
「エインヘリアルと攻性植物は長年に渡り対立を続けてきたが、近年はお前たちケルベロスを共通の敵として結束しようとする傾向にあるようだ」
 さらに、大阪城にいるハール王女がホーフンド王子に援軍を送った実績もある。この合同作戦が実行される可能性はかなり高い。
「だが悲観する必要はない。皆の調査によって分かったことだが、大阪城側の準備が遅れているようでな。その隙を突けば合同作戦を阻止できるはずだ」
 必要なのは、エインヘリアルと攻性植物のパイプ役を担っていると思われるハール王女の撃破だ。あるいは、ケルベロスが撃破しなくとも、攻性植物がハール王女への信用を大きく損なった場合、攻性植物の方からハール王女を排除しようと動く可能性もある。そうなればエインヘリアルと攻性植物の対立は激化することは間違いなく、ケルベロスにとってより良い結果を得られるかもしれない。
「ハール王女は度重なる失態から、最前線の防衛基地『要塞ヤルンヴィド』を任されているようだな。だがホーフンド王子に援軍を送ってしまったから、手勢も充分とは言えんだろう」
 しかし『要塞ヤルンヴィド』はダモクレスの城塞だ。ダモクレス勢力も駐屯していることは想像に難くない。よって、ダモクレスの勢力とハール王女を分断する必要がある。方法はいくつかあるだろう。陽動を行いダモクレスを物理的に引き離すか、あるいは心理的な隙を作るという手もある。無論、その両方を行っても構わない。

「さて、『要塞ヤルンヴィド』だが、現在の指揮官の名はインスペクター・アルキタスだ。こいつが主力のダモクレス軍を率いている」
 要塞内に詰めているのは大多数がダモクレスであり、ハール王女自身の軍勢はかなり少ないと目されている。
「それを補うためか、防衛部隊である炎日騎士部隊がハールの指揮下に回されたようなんだが、連中はハール王女よりインスペクター・アルキタスの指示を優先して守るようだ」
 ハール王女を要塞に受け入れてはいるものの、ダモクレス側には王女を死守する理由はない。うまく分断することができれば、ハール王女を討つことはより容易になるだろう。
「ハール王女自身の手勢としては、フェーミナ騎士団がついている。他、有力な戦力として戦鬼騎士サラシュリ、槍剣士アデル、策謀術士リリー・ルビーが控えている」
 戦鬼騎士サラシュリは戦闘狂であり、搦め手や挑発に弱く指揮能力も劣るが本人の戦闘力が高い。炎日騎士部隊を率い、最前線でフェーミナ騎士団騎士三名とともに警戒を行っている。
 槍剣士アデルは三人いた副団長の一人であったこともあり指揮能力はあるが、度重なる敗戦による自信喪失のために行動が消極的かつ防御的になっている。もはやハール王女への忠誠も揺らいでいるが、戦犯扱いとなっているフェーミナ騎士団に功を立てさせるため、ハールに従っているようだ。
 策謀術士リリー・ルビーはハール王女の腹心の部下であり、情報工作担当でもある。ハール王女を倒したとしても、リリー・ルビーが残っていればエインヘリアルと攻性植物のパイプは早期に復活する可能性がある。直接の戦闘は苦手かつ自身の安全を最優先にするため、発見することは難しいかもしれない。一方で、発見しさえすれば撃破は難しくないだろう。
 第二王女・ハールは要塞の西側を守備しているが、自ら前線に立つことはなく、最も警戒が厳しい要塞の奥に隠れ大阪城からの援軍を待っている。インスペクター・アルキタスや大阪城からの援軍を抑え、撃破に十分な戦力をもって挑めば倒せる相手だ。
 残る中央と東側はインスペクター・アルキタスが担当している。量産型ダモクレスを大量配備して防衛を行っているが、ケルベロスの攻勢が激しければ、ハール王女らのもとに派遣している炎日騎士部隊を防衛に回すことで、結果的にハール勢力を弱体化させる可能性もある。
「この作戦と同時に大阪城地下への潜入作戦も行われる。各部隊が上手く連携すれば、それだけ大きな戦果を上げることが出来るはずだ」
 アレスは敵に関する資料をたたむと、ケルベロスたちに視線を送る。
「こちらも大規模な作戦になるが、必ず無事に帰ってきてくれ」


参加者
相馬・泰地(マッスル拳士・e00550)
ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)
コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)
ユナイツェルク・メーベルナッハ(嬌襲煽蕩姫・e16656)
フレック・ヴィクター(武器を鳴らす者・e24378)
ユーデルラーネ・メーベルナッハ(夢色フェアベルゲン・e66822)

■リプレイ

●突入、ヤルンヴィド
 要塞ヤルンヴィド。ダモクレスのそれらしい機械的な壁面を見つつ、ケルベロスたちはじっと待機していた。時は未だ来たらず。戦鬼騎士サラシュリが挑発に乗って門を開くその時こそ、突入の好機だ。
「久々の大物狩り、上手くいけばいいのですが……」
 ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)は目前の鉄壁に守られる槍剣士アデルを、そしてエインヘリアル第二王女ハールの居るであろう方角を睨む。
「このメンバーなら大丈夫だよ!」
 対して楽観的なのはユナイツェルク・メーベルナッハ(嬌襲煽蕩姫・e16656)。三姉妹での作戦参加に加え友人も多いせいか、それとも元々の性格がなせる技か、その言葉にチームの緊張がほぐれていく。
「油断は禁物よユナちゃん。もうすぐよ、準備はいい?」
 ユーデルラーネ・メーベルナッハ(夢色フェアベルゲン・e66822)が妹たちに注意を促す。クノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)は頷くと、大阪城の方向にそっと視線を移した。
「攻性植物の内情も興味はありますが……今は倒すべき敵を倒す時、ですね」
 眼鏡を正し、知的好奇心を今はヤルンヴィド内部に向ける。
 ……やがて、ケルベロスの一団が要塞に近づいていく。目深にかぶっていたキャスケットを上げ、マリオン・オウィディウス(響拳・e15881)は椅子代わりにしていたミミックの田吾作から立ち上がった。
「……来ます」
 おもむろに要塞の門が開き、エインヘリアルの騎士と炎日騎士数名が飛び出していく。緑の瞳にその姿を写したマリオンは仲間達を振り返る。突撃の時は今だ。
「さてクノン姉さまというべきかしら? 今回は援護させていただくわね?」
 フレック・ヴィクター(武器を鳴らす者・e24378)はクノーヴレットに微笑むと、【魔剣「空亡」】を抜いて戦いに備える。その銀の瞳が、要塞西門から離れていくケルベロスたち、そしてサラシュリの一団を追い……引き返しがたい距離になったことを確認。
「この状況下では全霊を尽くして戦い抜くことが道を繋げる事になるだろう。ならば……やるべきことは一つよな!」
 コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)の言う通り、今回彼らが担う役割は槍剣士アデルの戦力を引きつけること。コクマは他のケルベロスチームにも届くよう、大声で突撃の号令をかける。
「行くぞ!!」
「筋肉最強! 派手に暴れて役目を果たそうぜ!」
 相馬・泰地(マッスル拳士・e00550)がそれに応え、真っ先に駆け出していく。サラシュリに置き去りにされた炎日騎士たちの群れへ、突撃するケルベロスたち。浮き足だった敵に【マッスルガントレット】で一撃を加えつつ、一行は恐れること無く要塞の奥へと突き進んでいく。

●進め、弾丸の如く
 先陣切って城塞内に飛び込んだケルベロスたちは、混乱する守備の炎日騎士を強行突破し要塞内部へと駆け込んでいく。猛進するケルベロスを追う騎士たちと後方のチームがぶつかる中、先頭を行く番犬たちは、機械的な通路が続くその先から、フェーミナ騎士団員の小隊が現れたことに気付いた。
「侵入者だ! 止まれ!」
「いましたね。巡回の小隊です」
 敵の姿を認めたマリオンが、田吾作を伴い前に出る。
 接敵寸前、フレックの剣舞と戦歌、The Blade Music Festival(ユウシャニササゲルオンガクサイ)がケルベロス達の目に、耳に届く。湧き出る力とともにまずは前衛がフェーミナ騎士団と衝突。
「勇者達をこうして支援してたけど、こんどはこちら側になるなんてね」
 かつてエインヘリアル陣営にいたヴァルキュリア達、その一員であったフレックがエインヘリアルを相手取ることになるとは、運命の皮肉と言うべきか。
「なるべく派手に、相手の目に留まるように戦って……本命を引きずり出さないとですね!」
 騎士たちを、ラインハルトの空間を断つ斬撃が切り払う。次元斬・葬(ジゲンザンソウ) により、複数の騎士団員を切り伏せると、次なる敵へと狙いを定めて突き進んでいく。
「てめぇらまとめて倒してやる!」
 泰地が気合いを重力波に換えてフェーミナ騎士団小隊へと放つ。かろうじてその攻撃の対象とならなかった騎士も、マリオンがけしかけた田吾作に噛みつかれ気を取られた隙に、虹の蹴撃で昏倒させられた。
 敵小隊をなぎ倒して進むケルベロス達は、まさに戦場に解き放たれた猛犬と呼ぶに相応しい。なおも前進するケルベロス達にいくつかの小隊が攻撃を仕掛けてくるが、後方に控えるチームからの攻撃支援もあり、番犬たちを食い止めるには至らない。
「各個撃破ならこちらに分があります!」
 フェーミナ騎士団員の槍を受けながらも、ひるむこと無くブラックスライムでの攻勢に転じるクノーヴレット。ミミックのシュピールもその武装を具現化させて主人の援護に当たる。
 襲い来るエインヘリアルの小隊をことごとく突破するケルベロス達だが、徐々に消耗の色が見え始めてきた。フェーミナ騎士団も後がない。倒すには至らずともケルベロス達へいくつもの手傷を負わせてきている。そのたび、時に守り手も回復に回りながら戦線を突破し続けていく。
「恐るべき勇者の集団……アデルはまだ出てこんのか!」
 咆吼とともに回転攻撃で敵陣へと突撃するコクマ。日頃賢者を名乗る彼も、今このときばかりは地獄の炎を燃え盛らせて狂戦士の如き気迫を見せる。
「見て! 広間だよ!」
 通路をひた走ってきたユナイツェルクの目に、開けた場所が映る。目の前にいる最後の小隊員をアームドフォートの砲撃で排除すると、ケルベロス達は一斉に広間へと駆け込んだ。
 そこに居たのは、白き鎧を纏った長身の女騎士。その青い瞳が冷たくケルベロス達を睨む。
「サラシュリめ、これだけの侵入を許すとは……!」
 怒りをあらわにするアデルを前に、番犬たちに緊張が走る。
「ここにいたのね、槍剣士アデル……」
 ユーデルラーネはクノーヴレットの体にグラフィティを描いてその傷を癒やすが、弾丸のごとく突き進んできた代償の大きさは癒やし手こそ知っている。これまでの戦闘の消耗を考えれば、取るべき手は。
「クノンちゃん、ユナちゃん。下がりましょう。私たちが相手をするには、ちょっと怪我しすぎてるみたい」
 振り返れば攻撃支援を送ってくれた班がいる。その後ろには、さらにもう一チームがいるはずだ。
「アデルをつり出すのが作戦だ、ここは下がるしかねぇようだな」
「ええ、我々は本命ではありません……後方の敵を引き受けましょう」
 かくして、ケルベロス達は反転する。決戦を仲間達に託して。

●反転、攻勢
 身を翻したケルベロス達が見たのは、なおも追いすがる炎日騎士団の姿だった。その様子を見るに、門の守備隊がここまで追いかけてきたらしい。
「後方はわしらに任せろ! お前達はアデルを!」
 コクマが殿軍を務めたケルベロス達に声をかけ、一行は炎日騎士の相手を引き受ける。他のチームが離れていくのを見届ける間もなく、ケルベロス達は炎日騎士団を押さえるべく広範囲に渡る攻撃を中心にしてその追撃を食い止めていく。しかしその数に徐々に押され広間へと押し込められ始めた時、背後から鋭い女の声がかかった。
「……炎日騎士! 貴様ら、なぜ門から離れた! 持ち場に戻れ!」
 指揮官であるアデルは、門番部隊がここまで引きずられてきたことを即座に理解したのだろう。その声を聞いた炎日騎士たちが恐怖に身をすくめて引いていく。
「これは……好機です、私たちもアデルと戦う皆の支援を」
 マリオンが再び反転し、アデル配下の騎士たちに挑んでいく。追う田吾作は満身創痍だが、まだ消滅は免れている。
「お待たせ! 騎士はボクたちが引き受けるよ!」
 ユナイツェルクも追うようにアデルと配下の間に割って入り、戦力分断にかかった。とはいえその数は十。一度に相手をしていては押し切られかねない。
 その時だ。別方面から放たれた御業の炎が、騎士の一人を焼いた。先にアデルに挑み後退していたチームが態勢を立て直したのだ。それを見たケルベロスたちは、こちらも戦線の立て直しを図る。
「功が欲しいならおいでなさい。獲るべき首は、ここにありますよ」
 気力で傷を癒したマリオンはフェーミナ騎士の槍をフェアリーレイピアで捌き、騎士たちをひきつけて離れていく。
(「こうした戦場は恐ろしいけど……でもとても高揚する」)
 戦乙女であるがゆえか、それとも血のなせる業か。フレックは目前で繰り広げられる激闘を前に昂りながらも、御業を操りラインハルトのための鎧へと変える。
「先頭を進んだとはいえ、まだ倒れはしません。手を止められるとは思わないことですね」
 傷の回復を受け、霊を纏った斬撃でフェーミナ騎士の鎧を砕いたラインハルトは油断なく喰霊刀の切っ先をエインヘリアルに向けた。
 一方、ともに騎士を相手取るケルベロスたちも負けてはいない。赤き雷が床を削り、隆起する大地が騎士の一人を飲み込んで粉砕せんとしている。
 しかし、騎士たちの背後で、アデルとぶつかるケルベロスたちが押され始めているのが見えた。こちらも余裕はない。泰地は奥歯を強く噛みしめて、目の前の騎士の排除にかかる。
「どけ! マッスルキャノン!」
 騎士の一人にオーラをぶつけた泰地を、別の騎士の槍が狙う。それをかばってついに消滅する田吾作。一刻も早く騎士たちを排除し本隊に合流したいケルベロスたちだが、フェーミナ騎士団も意地を見せる。じりじりと押しあう中、転機は突然に訪れた。
「新手か!?」
 アデルの声が、確かにケルベロスたちの耳にも届く。そして、広間になだれ込んでくる八人のケルベロスの姿。リリー・ルビー捜索に回っていた味方が、増援として到着したのだ。
「よかった、これならアデルも倒せるかも!」
 希望とともにユーデルラーネが黄金の果実を結実させる。ここで倒れて騎士たちを指揮官の援護に向かわせるわけにはいかない。
「堪えどころですね……アデルは頼みます」
 シュピールが愚者の黄金をばらまいて騎士たちの眼をくらませる。その隙を突き、自らの内なるエネルギーを濃縮し放った霧が、クノーヴレットを癒した。まだ立てる。アデルとの戦いの邪魔はさせない。
 突入から戦い続け、いくつもの傷を負ったケルベロスたち。だが、引き下がるわけにいかないのは敵もこちらも同じこと。戦線維持を第一に、防御主体で耐え続ける。
 やがて数を減らした騎士たちの背の向こうに、ひときわ高く炎柱が燃え盛る。
「……この、私……が!?」
 それは、アデルの最後の言葉。続く旋律に、癒しは届かずとも心を支えられたケルベロスたちは、攻勢に出る。そして、終わりを告げる一発の銃声が鳴り響き、アデルとの因縁についに……決着がついた。

●勝利、撤退
「アデルは討ち取られた! この戦い、わしらの勝ちじゃ!」
 声高く宣言するコクマは、その大剣に青い結晶を纏わせ、横に薙ぎ払う。騎士団の身も心も打ち払う一撃に、残された騎士がひるんだ。
「アデルまで失ったら、本当にもうどこにも居場所なさそう」
 ユナイツェルクがいたずらっぽく挑発しつつ、敵騎士を蹴り倒し、その勢いで離脱する。目的が果たされた今、要塞内に長居する理由はない。ハールを狙ったチームが上手くやっていることを祈りながら、ケルベロスたちは退却を開始した。
「リリー・ルビーは……見つかりませんか」
 撤退しながらも左右の通路に目を光らせていたクノーヴレットだが、策謀術士の名を持つ幹部の姿はついに見つけられなかった。代わりに指揮官を失った騎士達が散発的に現れるが、混乱の中でケルベロス達を止める力は無く、蹴散らされていく。
「アデルを倒せただけでも戦果よ。胸を張りましょ、クノンちゃん」
 ユーデルラーネが微笑みかけると、三姉妹に安堵の空気が流れる。彼らの成すべきことは成された。あとは帰還し、作戦の成果を確認するだけだ。

作者:廉内球 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年5月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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