桜彩

作者:崎田航輝

 桜の並木を進んだ先に、その市は賑わっていた。
 満開の木々が、花を少しずつ風に散らせはじめていく中で──広場に並ぶのもまた桜色。
 淡紅のアクセサリーに、桜カラーのクッションやぬいぐるみ。薄紅のガラス製品やウォールステッカー、シェードに文具……挙げれば枚挙に暇無く、可憐で愛らしい品々を人々が眺めている。
 それは桜をモチーフにした小物市。
 淡いものから濃色のもの、飾り物や実用品。桜に彩られたそれらは他では手に入らないものばかり。仄かに香る風の中、人々は春を感じるように笑顔で歩み、愉しげに品を手にとっては買い求めていた。
 けれど──そんな広場を見下ろす青空から、ふわりと舞い降りてくるものがある。
 それは謎の胞子。風に漂うと、並木の桜に取り付いて同化。根を動かし、俄に蠢き出していた。
 満開を過ぎた桜は、花を散らすばかり。既に花のない枝があることを、その樹は嘆くかのように──そして桜の色を求め続けるように。
 広場の市へと這い出して、その只中に襲い掛かっていった。

「桜の綺麗な季節ですね」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)は皆へそんな言葉を口にしていた。
 とある公園の広場では、そんな桜が咲く中で、桜をテーマにした小物の市が開かれているらしい。
「ただ、そこで攻性植物が現れる事が予知されたのです」
 現場は大阪市内。爆殖核爆砕戦の影響によって続いている事件の一つと言えるだろう。
 放置しておけば無論、人々が危険だ。
「そこで皆さんにはこの敵の撃破をお願いします」
 戦場は公園の並木道。
 木々の間から這い出てくる敵を、こちらは迎え討つ形となる。
「広場や周囲の人々は、警察や消防が避難をさせてくれます。皆さんが到着して戦闘を始める頃には、人々も逃げ終わっていることでしょう」
 こちらは到着後、戦闘に集中すればいいと言った。
「広場に被害を出さずに倒すことが出来るはずですから……勝利した暁には、皆さんも小物市など、見ていっては如何でしょうか」
 文具や食器、ぬいぐるみに飾り物。桜の色や柄に彩られた無二の品々がある。眺めるだけでもきっと楽しいですよ、と言った。
「そんな時間の為にも、ぜひ撃破を成功させてきてくださいね」


参加者
月宮・朔耶(天狼の黒魔女・e00132)
シャルンホルスト・レギンレイヴ(静寂を奏でる熾天の抱擁・e22853)
イズナ・シュペルリング(黄金の林檎の管理人・e25083)
ティリア・シェラフィールド(木漏れ日の風音・e33397)
瀬入・右院(夕照の騎士・e34690)
朱桜院・梢子(葉桜・e56552)
ラグエル・アポリュオン(慈悲深き霧氷の狂刃・e79547)

■リプレイ

●春花の道
 春風に流れて花びらの雨が降る。
 木々と空気が薄紅に染まる公園は、優しい花香りも麗しくて──翼で舞い降りたイズナ・シュペルリング(黄金の林檎の管理人・e25083)は笑みにも花を咲かす。
「わぁ、満開の桜だね♪」
 ふと後ろを見れば、広場にも沢山の桜色が並んでいて。
「えへへ、とっても綺麗だね」
「ええ。でも、この辺りではもうシーズンも終わりが近いのですね」
 と、シャルンホルスト・レギンレイヴ(静寂を奏でる熾天の抱擁・e22853)は仰いだ。
 並木の中には、既に花弁が落ちきったものもある。髪を靡かせる暖かな風も、季節の移ろいを告げるようだった。
 それでも美しいのが桜だけれど──。
「ゆっくり眺めるのはまた後にして……まずは、私達の責務を果たしましょうか」
 呟き真緋の瞳を動かす。
 そこに見えるのは、蠢き這い出る樹木。
「桜というのはもっと儚いモノだったような気がするのだけれどね」
 ラグエル・アポリュオン(慈悲深き霧氷の狂刃・e79547)は立ちはだかるよう歩み出ながら、ほのかに息を吐いた。
 見据えるそれは流動する桜の異形。
 甲高い嘶きは散花を嘆き、寂しがるかのようでもある。
「寂しくないよ」
 けれどイズナは真っ直ぐに声を返す。
「散って名残惜しいかもしれないけど……。また咲いたらいいんだから、桜を大切にしてくれてる人を襲ったらダメだよ」
「ええ。花は散っても毎年咲き誇る──何も悲しむことはないと、桜は知っているんです」
 だからその気高い心まで汚すような行いを、見過ごす事はできない、と。
 シャルンホルストは桜ではなく、異形の因子を与えた存在そのものへ言ってみせるように──美しくも勇壮な歌を響かせた。
 狂樹達は精神を刺激されたように此方へ敵意を向ける。
 その意識を外させぬよう、ヴォルフ・フェアレーター(闇狼・e00354)は正面に立ちながら──同時に自由も許さない。
「……Brechen」
 静かに紡ぐことで顕現するのは、昏く輝く精霊。
 『Verwesen Beten』──朽ち果てた祈りによって敵の絶望を求めれば、精霊はそれを具現するように舞い翔び、敵陣を混乱に陥れていた。
「朔耶」
「了解、準備は進めておくな」
 応えて鎖に魔力を纏わすのは、月宮・朔耶(天狼の黒魔女・e00132)。
 殺界を広げて人払いを万全としながら、白妙の髪を棚引かせてひらりと廻り。冥く燦めく光の軌跡で魔法円を描き、護りの加護を自身と仲間へ施していく。
「それじゃ、後はこっちに任せてね」
 と、明朗に言ってみせるのは朱桜院・梢子(葉桜・e56552)。そっと瞳を閉じると、軽く息を吸って。
『夕立の まだ晴れやらぬ 雲間より おなじ空とも  見えぬ月かな』
 艷やかで、けれど雅な声音で編むのはー和歌技ー千載集『夕立』ー。
 歌が現実に顕れるように、幽玄な雲間から月光を差し込ませ、清廉な輝きで後方の仲間にまで護りを与えていた。
 戦線が整えば、朔耶のオルトロス、リキが奔り抜けて一体へ斬撃。同時に風を泳いで飛翔したイズナがそこへ氷気に満ちる一打を重ねてゆく。
 別の一体が風の刃を飛ばしてくる、が。
「大丈夫です。俺に任せてください」
 瀬入・右院(夕照の騎士・e34690)がルーンストーンへ魔力を巡らせ治癒の輝きを呼び起こしていた。
 怯まず凛然としながら、心の中ではその逆で。風に揺らめく衣も携える武器も、魔力を高める為の慣れぬ装備でぎこちなさは残る。
 けれど退かぬとだけは強い意志で決めて、『イサの石』から雪結晶を煌めかせ──魔に抗する力を齎しながら治癒も兼ねていく。
「これで少しは良くなったはずです」
「後は、私がやっておくよ」
 と、継いで虚空へ手を伸ばすのはラグエル。花風に冬の冷気を呼び込むように、蒼風を吹かせていた。
 その中からはらはらと零れる氷が、魔力を仲間へ融かして傷を癒やしていく。皆が万全と見れば、同時に敵の状態を的確に見取って。
「皆、中央の一体を狙って」
「私からいくね」
 頷き、見据えたティリア・シェラフィールド(木漏れ日の風音・e33397)が真っ直ぐに腕を突き出していた。
 そこから揺蕩う陽炎は焔を喚ぶ魔力。
「炎の螺旋よ、敵を焼き尽くせー!」
 刹那、狂樹の周囲を渦巻くのは闇色の熱。『黒炎の竜巻』──燃え盛り立ち昇る豪炎の嵐が、枝葉を烈しく灼いていく。
 その一体が抗うように蠢いても、ヴォルフは狙いを外さない。ミリ単位で誤差なく根元を穿ち巨体を傾がせれば──。
「後は、頼みます」
「うん!」
 ティリアが影の魔力を腕に収束させ、連撃。黒色の弾丸で狂樹を貫き四散させた。

●決着
 蒼空の静寂を、樹木の咆哮が濁らせる。
 二体となった桜は未だ殺意を鋭い擦過音に顕していた。花を失う寂しさが、怨みへと変わりゆくかのように。
「満開は過ぎても、葉桜も青葉も紅葉もいいものなのにねぇ……気の毒に、来年はもう咲けないのね、あの桜達」
 梢子は柔く息をつく。
 春だけでなく、桜は美しい姿を持っている。だが輪廻の環から外れたが故に、此処で最期を迎えることになるだろう。
 それは確かに非業だった、けれど──梢子は包帯をきゅっと握り締める。
「これもお仕事だから。悪く思わないで頂戴ね!」
「うん。桜は私も好きだし、可愛そうだけれど。人々に危害を加えるなら、放ってはおけないよ」
 ティリアが言えば、ラグエルも頷く。
 ここに在る他の桜までもを、倒させないために。
「来年、また綺麗な桜並木を見るためにも──ここは大人しく倒されて貰おうか?」
 するとその心に呼応するかのように、肩に二匹の管狐が乗ってきた。ラグエルはその顔と、そして自身が纏う、弟に借りた和装も見下ろす。
 自分はまだまだ弟には遠く及ばなくて、守りたいモノを守れる自信もついてない。
 けれど自分なりの精一杯を披露したいとも思っているから。
(「たとえ一緒にいなくても、お兄ちゃんは何処ででも頑張るよ!!」)
 瞬間、輝かせた霊力を氷気の光弾として発射。氷晶を纏わせ二体を蝕む。
 そこへ梢子がビハインドの葉介を飛翔させ、一体を縛らせると──同時に自らの血を舞い散らせて。
「桜相手とくればこれよね、舞え! 血桜!」
 紅を桜へと変じさせて狂樹達の膚を焼いていった。
 揺らぐ一体が、それでも枝で薙いでくる。が、直後にはシャルンホルストが緋色に輝かせた空間より神霊を召喚していた。
 手伝ってね、と。かけられた言葉に応えるよう、その存在は癒やしの炎をヴェールにし、石化の魔眼により障壁へ転化。枝を祓い、傷をも焼き尽くす。
 その間に朔耶は光らせた杖を梟の姿へ解放。その躰に魔力を込めていた。
「ポテさん、頼むな」
 瞬間、剛速で翔び立たせるように魔法弾として撃ち放つ。『月桜禽』──光の直線を描いて幹を貫く一撃が、一体を麻痺に陥れ静止させた。
「義兄!」
「──ああ」
 判っている、と。
 疾駆するヴォルフは既にその狂樹の至近へと飛び込んでいた。
 瞳に宿るのは、ただ殺すべき相手へ注ぐだけの興味と好奇心。
 一切の無駄なく、研ぎ澄まされた挙動でシースナイフを抜き放ち鋭利な剣撃。縦横に奔らせる斬閃で樹木を千々に散らせた。
 残る一体が突進してくれば、右院はうわっと一瞬だけ慌てるけれど。
 すぐに見据えて正面から受け止めて。地を滑りながらも踏み留まって、直後に淡く暖かなオーラを自身に纏わせ傷にも対処していた。
 そのまま敵に組み付き、動きを抑えることも忘れない。
「今の内です!」
「ありがと、行くね」
 と、ふわりと飛んだイズナは、美しき伝承の剣を祈りと共に天へ捧げる。
 瞬間、陽の如く輝くその刃が閃光と成って天より奔った。『天翔ける勝利の剣』──眩く飛来する一刀は逃さず一体の根を斬り裂く。
 倒れゆく狂樹へ、ティリアも体勢を整えさせる暇すら与えず肉迫していた。
「電光石火の蹴りを、食らえー!」
 言葉に違わず、地を蹴って旋転する速度は疾風を置き去りにして。苛烈な斬撃にも似た一撃が幹に亀裂を入れていく。
 そこへ真紅の魔槍を振るうのが、シャルンホルスト。
「これで、最期です」
 朱き斬撃が違わず一閃に、異形の桜を斬り裂いて消滅させた。

●桜色
 薄紅の景色に賑わいが帰ってくる。
 皆は周囲の安全を確認後、人々を呼び戻していた。桜の木々に傷はつかず、明媚な眺めの中で小物市は早くも再開されている。
 番犬達もそれぞれに散策へ。朔耶もヴォルフと共に品々を眺めていた。
「色々あるんやねぇ」
 文具に、ぬいぐるみにアクセ。
 桜色を中心に、可愛らしい色彩に視線を巡らせていく朔耶に、ヴォルフも後からついていきながら品に目に留めていく。
「何か、気に入ったものはあったかい」
「んー、このへんかなぁ」
 と、ヴォルフに応えて朔耶が手にとっているのはペンに便箋。
 それからクッションに……アクセサリも捨てがたいというように幾つかを選んでいた。
 艷やかなイヤリングに、石の綺麗なネックレス。その辺りを加えると流石に予算オーバーになりそうでもあったけれど。
「これ欲しいんだけど、買ってくれない?」
 ニッコリ笑顔で義兄という名のお財布におねだり。
「判ったよ。これだね」
 ヴォルフはやんわりと息をつきながら、それでもしっかりと買ってあげて。
 美しいアクセサリーの数々を見ていると、自分も知り合いへのプレゼントを用意したくなってきた。
「……これにしようか」
 花びらの型のワンポイントがついたブレスレットや、桜型のブローチや髪留め。並ぶ中から迷いつつ一つを手にとり、それを包んでもらうことにしたのだった。

 桜の木立を眺めながら、桜色の小物を手に取る。
 そんな快いひとときをシャルンホルストも過ごしていた。
「誰かの喜んでくれる顔を思い浮かべながらのお買い物は楽しいですね──」
 探すのはお土産。
 ほわりとした可憐な笑顔を頭に描くと──。
「ネフティにはネックレスがいいかな……」
 小さめで派手すぎないのが似合いそう、と。清楚ながら、桜型が可愛い一品を購入。
 次に少しむっとした不機嫌な顔を想像して。
「キャルちゃんはコンパクトミラーなら多分使うよね」
 猫耳のついた桜意匠のそれを見つけると、迷わず買った。
「椛ちゃんは実用品なら自分で作っちゃうし……ヘアピンがいいかな」
 柔和な表情を想像しつつ、上品な淡紅の逸品を発見してしっかりと手に入れる。
 品が揃えば、満足感に表情を和らげて。散歩するようにもう一回り。
「後は、兄さんには何かないかな──」
 呟きつつ、花に彩られた景色を歩んでいった。

 桜薫る柔風の中で、イズナは愉しげに見回していた。
「わぁ、桜がいっぱいだね♪」
 連なる店々は、どこもわいわいと賑わっていて。そこに歩み入っていくと自分もその一部になったようで、嬉しい気持ちが湧いてくる。
 品を眺めれば、桜彩の簪に組紐、リボンと可愛らしいものがいっぱいだ。
「アクセサリーも素敵だね」
「どれも綺麗だねー。見ているだけでも、楽しいよ」
 と、傍を歩むティリアも品々に目を奪われていた。
 特に気になるのは食器類だ。桜の意匠の入ったスプーンやフォークのカトラリーセットや、薄紅のディッシュプレートも愛らしい。
 イズナもそれを覗き込んで。
「かわいいね。どれか買うの?」
「そうだね。丁度欲しかったところだし、良い機会かなって」
 と、ティリアはカトラリーのセットを選んだ。一点物だけれどお求めやすい値段でもあったので即決だ。
「そっちは何か見つかった?」
「うん。これとかいいなって」
 イズナはリボンや髪留めが気になって手にとっている。
 それに、桜柄の扇も見つけて──その落ち着いた可憐さに魅了されて購入決定。桜の飾りがついた動物のぬいぐるみや、桜色のガラスペンも手に入れて。
「えへへ、たくさん買っちゃった」
 荷物を提げて、満足の心地で木々を眺める。
 こんな時間を過ごすと、桜が皆に大切にされていると実感する。
 イズナはそれが嬉しくて。
 ──みんなよかったね。
 桜にそっと語りかけて、またティリアと共に暫し市を眺めていった。

 右院は小物市を歩みながら、桜の木々にも目をやっている。
 桜は、この星に来てから初めて見る種類の花だった。
(「春を迎えたらそこら中に咲いてて、驚いたんだよね──」)
 過日を思うように暫し立ち止まる。
 四年前がとても懐かしいと思えるのは、定命だからかもしれない。自分にとって少し不思議な感覚もある──思い出、と呼べるもの。
(「スパイラスにもわりと咲いてるって聞いて、固有種じゃなくてがっかりして文化圏の違いかーなんて思ったりもしたけど……」)
 それはそれ、と。
 呟きつつ歩みを再開すれば、目に留まるのは和の小物達。
 数多の種類が並ぶ中には、美しい工芸品もあり──その中に目貫を見つけて。
「これ、合いそうだな」
 自分の刀にぴったりくると確認できれば、購入。
 うんと一つ頷き、また並木へと漫ろ歩いていった。

 梢子は葉介と共に店を巡り中。
「桜色がこんなに沢山!」
 足取りは弾むように、声音は花開くように。
 くるりと廻って店から店へ、可憐な品を見つける程に表情は明るくなってゆく。
「ちりめんの小物入れ、可愛らしいわねぇ。──まぁ、桜の練り切りを模した帯留め!? 食べたくなってしまうわ!」
 引っ張り回される葉介は、ふよふよと漂いつつも少々お疲れ気味で。それでも梢子が愉しげな様子を見せれば離れずついて行った。
 そんな梢子が見つけたのは、夫婦箸。
 桜が螺鈿で描かれていて、煌めきが美しく気品も備えた品だ。
「螺鈿がきらきらして綺麗……葉介も気になる?」
 隣に並ぶ葉介も見遣っているのを見て、梢子は笑顔。
「じゃあこれにしましょうか。新しいお箸で沢山食べて体力つけないとね!」
 と、決めればすぐに購入して。
 また踊るような足取りで、桜の道を葉介と共に進んでいった。

「賑やかだね──」
 ラグエルは人々の明るい様相を目にしつつ、店を歩んでいる。
 日用品から芸術品、並ぶ物は千差万別。桜を愛する気持ちだけを共通項に幅広く揃っていた。
 その中でラグエルが気になったのは──。
「あ、メンズアクセはこの辺りかな」
 洗練されたデザインと、桜の美しさを兼ねた品々がある一角。
「この中なら、お揃いで使えるものがあるかな……」
 と、暫し探して見つけたのはイヤーカフ。
 桜柄で、華美に過ぎないデザインで。これなら違和感なく二人で着けられると購入を決めた。
「……とはいっても、着けてくれるかは分からないけど」
 それでもちょっとは夢が見たい。
 きっとすげなく断られるだろう。でももし自分が買ったものを何だかんだと言いながらも着けてくれるのだとしたら、これほど嬉しいこともない。
 だからそれを手にして、期待を胸に。
 ラグエルはゆっくりと帰路へついていった。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年4月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 2
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