猫様の言うとおり!

作者:土師三良

●愛猫のビジョン
「ふぉっ!? ふぉっ!? ふぉぉぉぉぉ~っ!? 猫様、かわいい! かわいい! かわいいぃぃぃ~ん!」
 鶏ガラのような体を反り気味にして奇声を発する男が一人。
 その周囲では、十数匹の猫が我関せずとばかりに毛繕いをしている。
 ここは、とある猫カフェ。最近の時流に逆らい、元日も店を開けたところ――、
「猫様こそ、正義だ! いや、神だ! ……いや、宇宙そのもの! 他の動物や人類はその大宇宙に漂う塵芥に過ぎなーい!」
 ――この変人が今年最初の客として来訪したのだ。
 いや、もう変『人』ではない。いつの間にか、鶏ガラのような体から『ガラ』の字が抜けている。
 ビルシャナ化してしまったのだ。
「あー、もう! 大宇宙たる猫様がかわいすぎて、息が止まりそぉーっ! でも、猫様のせいで死ねるのなら本望! ……あれ? 息が止まらない? 死ねない? そうか、猫様が俺に生きろと言ってるんだぁーっ! ありがとう、猫様ぁーっ!」
 常軌を逸したテンションの咆哮が響く中、猫たちは悠然と毛繕いを続けていた。

●有理&音々子かく語りき
「皆さぁーん! あけましておめでとうございまぁーす!」
 元気いっぱいの声がケルベロスたちの耳朶を叩く。
 時は元日。ところはヘリポート。そして、声の主はヘリオライダーの根占・音々子。振袖仕様のフライトジャケットを纏っている。
「新年早々にお呼び立てして申し訳ありません」
「気にするな」
 と、音々子の前に並んでいたケルベロスの一人――御影・有理(灯影・e14635)が言った。
「音々子殿が謝ることではない。憎むべきは、時も場所も選ばぬデウスエクスだ」
「ぎゅわっ! ぎゅわぁーっ!」
 有理の肩に乗っていたボクスドラゴンのリムが濁った鳴き声を発して、首を上下に振った。『そうだ! そうだ!』と同意しているつもりなのだろう。
「で、その憎むべきデウスエクスはどんな奴なんだ?」
「ビルシャナでーす」
 と、音々子は答えた。
「それも猫ちゃんが好きで好きでたまらないビルシャナなんですよ。元は人間だったんですが、猫ちゃんに対する偏愛というか変愛が高じて、ビルシャナ化しちゃったんです」
 ビルシャナ化した場所は、とあるビルの五階にある猫カフェ。件のビルシャナは(人間だった頃)その店の常連だったが、猫への愛が強いあまりに問題行動を頻繁に起こし、猫や店員や他の客に迷惑ばかりかけていたという。
「まあ、ビルシャナでなかったとしても、身近にいてほしくないタイプですねー。でも、狂的なまでに猫好きというのは、こっちにとっては有利なことですよ。なにせ、現場は猫カフェですから、猫ちゃんがいっぱい。ビルシャナは猫ちゃんに被害を及ぶことを恐れ、激しい抵抗はしないはずです」
「簡単に倒せるということか」
「はい。さくっと倒しちゃった後は猫カフェでのんびりまったり過ごしてください。可愛い猫ちゃんたちが皆さんを待ってますよー」
 ケルベロスたちの疲れを癒すの猫ばかりではない。三が日だけの期間限定メニューである雑煮を食べることもできるらしい。
「ふむ。新たな一年を猫たちとともに始めるというのもいいかもしれないな。もっとも、可愛らしさという点では――」
 有理は、肩に乗る小さな相棒を横目で見た。
「――どんな猫もリムには敵わないだろうが」
「ぎゅわっ! ぎゅわぁーっ!」
 またもや首を上下に振るリムであった。


参加者
セレスティン・ウィンディア(墓場のヘカテ・e00184)
フィー・フリューア(歩く救急箱・e05301)
御影・有理(灯影・e14635)
鉄・冬真(雪狼・e23499)
リィナ・アイリス(もふきゅばす・e28939)
八点鐘・あこ(にゃージックファイター・e36004)
オルティア・レオガルデ(遠方の風・e85433)
アルケイア・ナトラ(セントールのワイルドブリンガー・e85437)

■リプレイ

 時は元日。ところは猫カフェ。
 2020年のベストバトルとして全ケルベロスの記憶に刻まれること間違いなしの激戦の末、ビルシャナは息絶えた。

●フィー・フリューア(歩く救急箱・e05301)
 あのビルシャナってば、にゃんこを神扱いしていたくせに、にゃんこ道の厳しさってものがぜっんぜん判ってなかったみたいだね。
 二十四時間いつでもぬくぬくな快適環境を用意し、『飼い主』とは名ばかりの下僕としてひたすら奉仕する――そんなにゃんこ道を行くために必要な社会性があいつには欠けていた(まあ、にゃんこを優先するために社会性をオミットしなくちゃいけないことも時にはあるんだけどね)。よって、にゃんことともに生きる資格なーし。
 さて! 気持ちを切り替えて、にゃんこたちを愛でようっと。
「じゃーん!」
 と、取り出したるは一眼レフ。
「猫の写真を撮るの?」
「うん」
 シャドウエルフのお姉さん――セレスティンさんの言葉に僕は頷いた。
「最近、雑誌で猫の写真特集を見てさー。挑戦したくなっちゃったんだよね」
「いい写真を撮りたいのなら、照明や露出にも気を使ったほうがいいわよ」
 そう言いながら、セレスティンさんは近くの窓のブラインドを開けてくれた。
「ありがとう! これで明るい写真が撮れるよ」
 さあ、最初の被写体は……お? 窓から差し込んだ光の先にリィナさんがいたよ。猫じゃらしを持って、小さなにゃんこの相手をしてる。ちょっと幼い感じ(でも、僕よりも年上なんだって)のサキュバスと子猫が日向で戯れてるというシチュエーションはけっこう絵になるんじゃないかな。
「リィナさーん」
「……ん?」
 リィナさんがこちらに顔を向けた。カメラを見て取ると、猫じゃらしを持ってないほうの手でにゃんこを抱き上げてフレームイン。
 はい、ぱしゃり!
「ありがとう。可愛いいい写真が撮れたよー」
「……うん」
 にゃんこ(きょとんとしてる)を抱いたまま、小さく頷くリィナさん。ちょっと照れてるみたい。そこがまた可愛かったりして。

●リィナ・アイリス(もふきゅばす・e28939)
 猫カフェって、初めて来たけど……ホントに、にゃんこがいっぱいなんだね。どのにゃんこも……とても可愛い。この可愛さが……ビルシャナを狂わせてしまった。なんて、罪なにゃんこたちっ! でも、許しちゃう。可愛いは無罪。
「さあ、次はおしどり夫婦の2ショットを撮ってみようかー」
 赤頭巾を被ったレプリカントのフィーちゃんが……新しいモデルさんを見つけたみたい……冬真くんと有理ちゃんの夫婦。
 フィーちゃんにカメラを向けられると……二人は仲良く寄り添った。そこにボクスドラゴンのリムくんも加わって……ない? リムくん、どこに行っちゃったの?
「さっきまで夢中で雑煮を食べていたのに……」
 呟きながら、リムくんの姿を求めて室内を見回す有理ちゃん。
 その視線が止まった。
「あ? いたいた」
 にゃんこたちが部屋の隅に固まって……お団子みたいになってるんだけど……そのお団子から、ボクスドラゴンの尻尾と鼻先が覗いている。
「リム!」
 有理ちゃんが呼びかけると……尻尾がお団子の中にシュっと引っ込み、代わりに鼻先がニュっと伸びて……リムくん、登場。ぱたぱたと翼を動かして、有理ちゃんと冬真くんのところまで移動し……二人の周りにいたにゃんこたちと一緒にポーズ。
「はい、チーズ!」
 フィーちゃんがシャッターがぱしゃり。
 フラッシュの残光が消えると――、
「もう、冬真ったら……」
 ――有理ちゃんが顔を真っ赤にして俯いた。
 シャッターが切られた瞬間、冬真くんが……ほっぺにチューしたから。

●鉄・冬真(雪狼・e23499)
「もう、冬真ったら……」
 不意打ち成功。隙をついて、有理の頬にキスすることができた……と、思いきや、敵もさる者。僕が油断してる間に反撃のキスをしてきた。これは引き分けかな?
「ひゅーひゅー!」
 と、冷やかしながら、シャッターを切り続けるフィー。でも、一瞬だけ手を止めて、小さく頷いた。有理に気付かれないようにそっと。
 僕もまた有理には見えない角度でサムズアップ。
 実は、事前にフィーに取引を持ちかけていたんだ。有理の素敵な写真(有理が写ってる時点で素敵になるのは判りきってるけど)を撮りまくり、それらを提供してくれるなら、撮影に協力するし、フィーの分も雑煮を確保する、と。
 だけど、撮影協力のほうともかく、雑煮の確保は大丈夫かな? 次から次へと雑煮をかき込んでいる人がいるんだけど……。
「うん。美味しい」
 それはオルティア。セントールのお嬢さんだ。大半の人が猫に意識を持って行かれてる中、彼女は雑煮に夢中になっていた(ちなみに僕も『大半の人』には含まれていない。猫よりも有理に夢中だ)。空になった碗が前列の足下に重ねられているが、その数は十個に届こうとしている。
「よく食べますねー」
 碗の塔を見やり、目を丸くしたのは、今回のチーム最年長(九歳だ)のあこ。この場所で最も違和感がないのは彼女かもしれない。虎の獣人型ウェアライダーだからね。
「食べられるうちに……食べられるだけ……食べておかなくてはいけない」
 雑煮を貪りながら、オルティアは言った。とても真剣な声で。
「これほどの食べ応えなら……きっと、三日は保つ!」
 どうやら、普段は食費を切り詰めているらしい。定命化したばかりだから、経済的にいろいろと苦しいのかもしれないね。

●オルティア・レオガルデ(遠方の風・e85433)
 定命化して以来、何十回となくデウスエクスと戦ってきたけれど、それらの中でいちばん長く感じたのは今日の戦いかもしれない。
 何故に長く感じたのかというと……この雑煮を食べたかったから。一秒でも早く食べたかったから。
 そんな私を冬真が不憫そうに見つめている。嗚呼、絶対に言えない。ソーシャルゲームの沼にはまっているせいで、食費にも事欠く生活を送っているなんて……。
「かわいく撮れた写真があったら、後で見せてね」
 冬真の同情の視線に気付かない振りをして、私はフィーに声をかけた。
 そして、十何杯目かの雑煮に箸をつけようとした時――、
「今、まさにかわいい写真が撮れそうなんだけど」
 ――フィーがカメラを向けてきた。
 一匹の猫が私の背にジャンプし、肩まで駆け上り、雑煮の碗を覗き込んできたから。
「ん? お雑煮、食べたいの? でも、塩分とかあるから……ごめん。見てるだけなら、いいけど」
 でも、猫は私の言うことを聞いてくれなかった。箸で伸ばした餅(いえ、伸ばすつもりはなかったんだけど、口まで運ぼうとしたら、ぐにゅーんと伸びたの)を前足でつつこうとしてくる。
「あ? 待って! これはお餅。名前は似てるけど、おもちゃじゃないから! ダメですって! 汁がこぼれますからぁ! ……ちょっと、アルケイアさん! なんとかしてくださーい!」
 私が助けを求めた相手は同族のアルケイア。
 しかし、こちらの様子に気付かず――、
「美味しい、美味しい、とても美味しい! ああ、幸せ……」
 ――先程までの私と同様、凄まじい勢いで雑煮を食べている。どうでもいいけど、語彙力が死んでない?
 そんな彼女(の雑煮)にも猫たちは興味を持ったらしく、次々と群がっていく。
「ああ! 可愛い、可愛い、とても可愛い! 幸せすぎます……」
 動じることなく、片っ端から猫たちを片手でモフモフしていくアルケイア。その間も箸を操る手を止めていないのは流石だ。
 でも、やっぱり、語彙力が死んでいる。

●セレスティン・ウィンディア(墓場のヘカテ・e00184)
「にゃんにゃん♪ キミたちと遊べて……幸せなのー。もっと私と一緒に……遊ぼ?」
 猫じゃらしを揺らしながら、子猫たちに語りかけているリィナさん。
 その様子を見ていると、こっちまで幸せな気分になるわね。猫が可愛いのは当然として、猫と戯れている子たちも本当に可愛い。
『たち』がつくのは、リィナさん一人じゃないからよ。
「ふっふっふっ。作戦成功なのです!」
 虎縞の尻尾をゆらゆら揺らして自慢げに笑っているあこさんも可愛い。
 床にぺたんと座っている彼女の傍には何匹もの猫が集まっていた。その中心にいるのはウイングキャットのベル。
「作戦って、なんのこと?」
 私が尋ねると、あこさんは尻尾の動きを速めて、嬉しそうに解説した。
「にゃんこを引き寄せる作戦なのです。にゃんこたちがスルーしているポイントにあえてベルを配置して温めておいたら――」
 両腕を広げる動作をして、集まってきた猫たちをアピール。
「――はい、この通り! 誰かが利用していると羨ましくなってしまう習性を利用したのです。どうですか、この頭脳プレイ?」
「たいしたものだわ」
 私は小さく拍手した。ベルはあこさんの『頭脳プレイ』とやらに興味がないらしく、退屈そうに欠伸してるけど。
「しかし、ただ呼び寄せるだけでは終わらないのです。迫真の猫じゃらしさばきを披露して、にゃんこたちを楽しませてあげるのです。ほーら、チラチラしてシュッ♪ チラチラしてシュッ♪ チラッ、チラッ、シュッ、シュッ、シュッ♪」
 あこさんは『迫真の猫じゃらしさばき』とやらで猫たちと遊び始めた。もっとも、その猫たちの中にベルは含まれていなかったけど。
 体を丸めて眠ってしまったから。

●アルケイア・ナトラ(セントールのワイルドブリンガー・e85437)
「ああ、美味しかった……本当に美味しかった……」
 お雑煮を食べ終えて、ほっと一息。
「具沢山の仙台風お雑煮というのは、控えめに言っても最高ですね」
「センダイフーか……私に負けず劣らず、アルケイアも地球にしっかり順応してるみたいね」
 呆れてるのか感心しているのかよく判らない語調でそう言ったのは、同族のオルティアさん。彼女はまだお雑煮を食べ続けていますが、猫ちゃんにはもう絡まれていません(敬語でなくなったのは恐慌状態から脱したからでしょうか?)。
 では、その猫ちゃんは今なにをしているのかというと……私の背中(馬体のほうの背中です)の上でちょこんと香箱をつくっているのです。振り返っても見えない角度に位置しているので、壁にかけられた姿見で観察することしかできませんが、鏡越しでも可愛い!
「可愛い! 可愛い! 可愛すぎます!」
「また語彙力が死んでるわよ」
 オルティアさんに指摘されました。
 でも、語彙力が死んでしまうのも当然です。だって、ほら、見てください。香箱をつくってる猫ちゃんに触発されたのか、他の猫ちゃんたちも背中に登ってきたんですよ。
「数が多すぎて、姿見のフレームに収まりませーん。今、何匹の子が乗ってます? ねえ、何匹ですか? あーん! もう何匹だろうと、可愛い! 可愛い! 可愛い!」
 私、キャットタワーになっちゃいました。これでは動けませんね。でも、満足! 幸せ!
 しかも――、
「チラチラシュッごっこで疲れちゃいましたか? では、休憩するのです。あそこにある猫タワーで!」
 ――あこさんに先導されて、新たな猫ちゃんたちがやってきましたよー。背中だけでは飽きたらず、私の頭への登攀に挑戦している子もいるようです(死角なので見えませんが、人体のほうの背中の感触で判ります)。
「可愛い! 可愛い! 可愛い!」
 語彙力が蘇る見込みはなさそうですね。

●八点鐘・あこ(にゃージックファイター・e36004)
「セントール型のキャットタワーというのも可愛いわね」
 アルケイアさん(よく判りませんが、ゴイリョクとかいうのをなくしてしまったそうです。後で一緒に探してあげましょう)を見ながら、セレスティンさんが微笑んでいるのです。
 確かにキャットタワーと化したアルケイアさんも可愛いのです。背中や頭ににゃんこがいっぱい乗って、モフモフでモコモコの状態になっていますから。
 でも、あこが先導したにゃんこ全員がアルケイアさんに乗っているわけではないのです。まったく食いつかず、ベルと一緒に丸くなってるにゃんこたちもいるのです。
 そういうノリの悪いにゃんこたちをアルケイアさんのところに御案内するため、あこは最終手段を取ることにしたのです。
 さあ、いきますよ……動、物、変、身!
「がおー!」
 にゃんこに近い虎の姿になり、率先してアルケイアさんにダッシュ。あ? あこに釣られて、ノリ悪にゃん団も寄ってきたのです。またもや、作戦成功なのでーす!
「あら? 可愛い子虎ちゃんね」
 アルケイアさんの背中に登ったあこの頭をセレスティンが優しく撫でてくれたのです。『可愛い』とか言われると、照れくさいのです。でも、あこには判っているのです。所詮、自分は虎。その可愛さは本物のにゃんこには到底及ばないのです。まあ、だからこそ、こんなにもにゃんこに惹かれてしまうわけなのですが……。
 それはさておき、おなかが空いたのです。あこもお雑煮も食べ……はっ!? この鰹だしスメルはにゃんこのおやつの香り!
 ああ、にゃんこが押し寄せてきました! だ、だめなのです! こーれーはーだーめー!

●御影・有理(灯影・e14635)
「にゃんこと遊んだら……おなか減ったの……私も、お雑煮、食べよっ」
「せっかくだから、私もいただこうかしら」
 セレスティンとリィナがお雑煮を食べ始めた。
 二人の足下では――、
「にゃーん?」
「がおー!」
 ――お雑煮を巡って、猫たちとチビ虎モードのあこが激しい(?)攻防戦を繰り広げている。先程までのオルティアと同じように。
 そのオルティアはといえば、お雑煮をたっぷり食べて満腹になったのか、アルケイアと並んでキャットタワーになってる。
「すごーい。アルケイアさんの背中、猫でいっぱい。よっぽっど、乗り心地がいいんだろうねー」
 フィーがアルケイアやオルティアの写真を撮ってるけど……ちょっと、気になる。さっきからずっと冬真と目顔でやりとりしているように見えるのだ。二人でなにか企んでいるのだろうか? まあ、いい。後で冬真を問い詰めよう。じっくりと。
「この子、有理に似て可愛いよね」
 私がなにかに気付いているということにも気付かずに冬真が語りかけてきた。『この子』というのは、彼にすり寄っている黒猫のことだろう。
「こっちの子はどことなく冬真に似てるよ」
 私が指し示したのは、膝の上でゴロゴロと喉を鳴らしている白猫。思わず頬が緩んでしまうほど可愛い。もっとも、甘えた姿を見せてくる時の冬真の可愛さには及ぶべきもないが。ふふふっ……。
「犬カフェにも行ってみたいですね」
 と、猫を満載かつ満喫しているアルケイアが言った。
 うん。犬カフェにはしごするのも悪くないかもな。だが、その前にここで百へのお土産を買っておかないと。
 百は鉄家で飼っている猫。とても可愛いんだ。
 何度も言うように、冬真の可愛さには及ばないがな。

作者:土師三良 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年1月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 0
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。