至高のサンタは過激なビキニ!?

作者:雷紋寺音弥

●真冬だろうと、俺達はビキニだ!
 雪の降り積もる夜の街角。一面を白く染め上げられた夜の公園にて、今宵も今宵でビルシャナが、なにやら怪しい教義を語っている。
「諸君も知っての通り、今やサンタクロースのコスチュームは、女子の萌え衣装の一つとなった! ミニスカートのサンタガールなど、もはや珍しいものではないからな!」
 そう言って熱弁するビルシャナは、赤いマントで身を覆い、サンタ帽子を被っていた。だが、次の瞬間、ビルシャナは唐突にマントを放り捨てると、今まで以上に熱気の入った声で、周囲にいる信者達に向かって叫び始めた。
「しかぁし! 世の大半の人間は、分かっていない! 真に尊いのは、ミニスカサンタなどではない! 真冬でありながら肌を晒してサービスする、ビキニサンタこそ至高なのだぁ!」
 そういうビルシャナの恰好は、真冬であるのに真っ赤なビキニ水着!
 そして、それに呼応するようにして信者達も纏っていたマントを脱ぎ捨てると、その下から現れたのは、やはり真っ赤なビキニだった。
「ジーク・ビキニ! ハイル・ビキニ! ビキニサンタこそ、俺達の夢だ!」
「クリスマスが終わっても、俺達の夢は冷めないぜ! どうせなら冬が終わるまで、至高のファッションはレッドビキニだ!」
 揃いも揃って無茶苦茶なことを主張しつつ、ビキニ姿でポーズを決める信者達。純白の雪に覆われた公園は、しかしビルシャナと信者達の放つ異様なオーラで、早くも黒く穢されようとしていた。

●ビキニでメリー苦しみます?
「うぅ……折角、楽しいクリスマスが近づいて来たのに、今回も酷いビルシャナが……」
 頼むから、年末くらい静かにしていてくれ。懇願するような瞳に涙を湛え、笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)は自分の垣間見た予知を、ケルベロス達に語って聞かせた。
「サンタクロースの衣装は、真っ赤なビキニじゃないとダメだっていうビルシャナが現れました……。それだけじゃなくて、いっそのこと冬の間、ずっとその恰好でいないといけないっていう教義で……」
 もはや、どこから突っ込んでいいか分からない。というか、あまりに色々と酷過ぎて、突っ込む気力さえ湧いてこない。だが、こんなビルシャナでも放っておくと、やがては信者を増やして第二、第三のビルシャナを誕生させ兼ねない。
「ビルシャナの周りには、影響を受けて信者にされた一般人がいます。目を覚ますためには説得が必要なんですけど……たぶん、まともに言っても、聞いてくれないですよね……」
 説得の際、重要になるのはインパクト。ビキニサンタ以上に過激で斜め上に吹っ飛んだサンタコスを提案できれば、彼らの意識はそちらに向いて、ビルシャナの支配から解放されるだろう。もっとも、彼らはミニスカサンタさえ否定しているくらいなので、その点も踏まえた上で、インパクトのあるサンタコスを考えねばならない。
 仮に、説得に失敗した場合、配下の一般人はビルシャナのサーヴァントのような存在となって、ケルベロス達の敵となる。その人数は10名程で、相手を強引にビキニ姿へと着替えさせようとしたり、「寒いだろう? 温めてあげるよ♪」などと言って抱き着いて来たりするので要注意。もっとも、ケルベロスの敵としては最弱レベルなので、ビルシャナを倒す前に倒してしまうと、一発で昇天してしまうことには注意せねばならない。
「戦いになると、ビルシャナは……その……み、みなさんの衣装を、ビキニにする技を使って攻撃して来ます……」
 下らない技と、侮るなかれ。防具を布面積の少ないビキニにして防御力を低下させる光線の他、触れただけで相手の防具をサイズの合わないビキニにして動きを止めたり、触手ビキニなる危険な代物を装着させて相手の体力を奪ったりするので、油断は禁物だ。
「こ、こんな人達がたくさん増えたら、ねむも冬の間はビキニで過ごさないといけなくなるんでしょうか? うぅ……寒いし恥ずかしいし、もうお外を歩けなくなっちゃいます!」
 頼むから、穏やかに年末を過ごすことを邪魔しないでくれ。そんなねむの嘆きに応え、溜息交じりに立ち上がる成谷・理奈(ウェアライダーの鹵獲術士・en0107)。
「うん……さすがにボクも、この教義はどうかと思うんだよ……」
 このまま放置しておけば、色々と面倒なことになり兼ねない。サンタコスを悪用するビルシャナを倒し、平穏なる年末を取り戻すのだ!


参加者
ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)
影渡・リナ(シャドウフェンサー・e22244)
獅子谷・銀子(眠れる銀獅子・e29902)
如月・高明(明鏡止水・e38664)
秦野・清嗣(白金之翼・e41590)
リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)
 

■リプレイ

●毎年の御約束?
 クリスマスシーズンだけでなく、それこそ冬の間中、ビキニサンタファッションでいることを至高とするビルシャナ。相も変わらず、しょーもない教義を広める鳥頭に、現場に急行したケルベロス達は早くもドン引きだった。
「……またか、うん」
 もはや何度目か知れない変態の登場に、獅子谷・銀子(眠れる銀獅子・e29902)は完全に言葉を失っている。慣れというのは恐ろしいもので、変態を前にしても悲鳴を上げたり、盛大に突っ込んだりしなくなった自分が怖い。
「うん、コイツラはクリスマスを……サンタの衣装を何だと思っているんだろうね」
 ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)もまた、あまりに斜め上なビルシャナの主張に、頭を悩ませている。良い子のためのクリスマスを変態色に染め上げて、果てはシーズン関係なく冬期は全てビキニで過ごせとか、もはや完全に狂気の沙汰だ。
「ビキニね~。いい男が居たら眼福だけど、どうかな~」
 それでも、中にはイケメンが混ざっているかもしれないと周囲を見回す秦野・清嗣(白金之翼・e41590)だったが、残念ながら、いかにも臭そうなエロ親父や、年齢=彼女いない歴のキモヲタしかおらず、眼福どころか眼が腐りそうだった。
「クリスマスに、やっぱり変態鳥が沸いてでたね。まだまだ一杯いそうだから、さっさと駆除するよ」
「うん、そうだね。放っておくと、また変なことされるかもしれないし、盛大に殺っちゃおう!」
 リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)の言葉に、拳を握り締めながら頷く成谷・理奈(ウェアライダーの鹵獲術士・en0107)。気のせいか、いつにも増して言動が過激になっているが、それもこれも、彼女がビルシャナから受けた被害を考えれば、致し方あるまい。
 とにもかくにも、まずは信者達の説得が第一だ。あまり気は進まないが……ここはビキニサンタ以上に過激で奇抜なコスチュームを提案し、信者達の意識をビルシャナの支配から解放せねば。
「……皆、凄い姿だね。素敵だとは思うけれど」
 もっとも、そのために用意した仲間達の衣装が凄まじいことになっているのを見て、影渡・リナ(シャドウフェンサー・e22244)は言葉を濁す他になかった。
 こうなったら、相手が妙な反論をするよりも前に、インパクトのある説得で畳みかけるのみ!
 寒空の下、相も変わらぬ変態相手に、文字通り身体を張った説得が開始された。

●サンタの心は奉仕の精神
 真冬の最中、ビキニで動く。エロい、エロくない以前に、そもそも身体への負担が大き過ぎる格好に、まずはラインハルトが冷静に切り込んだ。
「さて、皆さんはビキニサンタが至高と言ってますが……そもそもサンタクロースは男性の老人なので、皆さんの発言だと……男性の老人にビキニを着させて喜んでいることになるのですが……本当にそれでいいのですか?」
 サンタをビキニにするのであれば、当然のことながら本家本元、白髭の爺さんもビキニにするのだろうかと、ラインハルトは尋ねた。
 だが、その程度で引き下がれば苦労はしない。というか、ビルシャナや信者達はサンタコスを『萌え衣装』の一部として考えているため、そもそも爺さんがどんな格好をしていようと、それは主張や興味の範疇外だ。
「うるせー! 俺達は別に、サンタが好きなんじゃねーんだよ!」
「白髭爺さんが好きなのは、プレゼントもらえるガキだけだろーが! 俺達にとっちゃ、サンタコスは女の子に着てもらいたい萌え衣装なんだよ! 文句あっか!!」
 案の定、ブチ切れた信者達がその辺に積もっていた雪を玉にして、一斉に投げ付けて来たから堪らない。しかし、ここで「はい、そうですか」と納得してしまえば、彼らをビルシャナの影響下から救えない。
「そうですか……。しかし、冬の寒い中にビキニは着ている方がただの拷問ですし……そもそも、肌を晒してサービスする……何て言っている時点で、あのビルシャナは自分の性的欲望を求めているだけで、別にサンタでなくてもいいと思いますよ」
 ビルシャナが重要視しているのは、あくまで女性の裸体か、それに近しい格好だろう。それならば、水着美女がわんさかいる温水プールにでも行った方がマシだろうと言ってやったが、信者達のヒートアップは留まるところを知らず。
「はぁ!? だから、サンタコスは女の子の『萌え衣装』の一部だって言ってんだろーが! だったら、そこに可愛さやエロさを求めるのは当然じゃねーか!」
「それに、昔から『お洒落は我慢!』なんて言うじゃねーか! 肌を晒すのが拷問だって言うなら、この真冬に生足晒してスカートで学校行ってるJKも、拷問を受けてるって言いたいのか!?」
 殆ど屁理屈に近い理由を並べたてながら、あくまで自分達の主張が正しいと豪語する信者達。どうやら、彼らの主張のツボを押さえ間違えたことで、完全に怒らせてしまったようだ。
 このままでは、済し崩し的に彼らとの戦闘に突入し兼ねない。そうなったが最後、ここにいる変態を全て敵に回した上で、あのビルシャナと戦わねばならない。
 ビルシャナ使って来る技を考えると、変態の前でビキニ姿にされるのは、さすがに御免被りたかった。どうせ恥ずかしい格好を晒すのであれば、せめて信者達を正気に戻しておかなければ、完全に割が合わないのでやってられない。
「萌え衣装? だったら、やっぱり大切なのは奉仕の精神じゃないかな?」
 とりあえず、ナース服風のサンタコスを着たリナが、まずは信者達の気を引くべく尋ねてみた。確かに、彼女の服は白衣の天使。ある意味では奉仕の精神を体現しているものであり、そしてこれも『萌え衣装』認定されているジャンルの一つだ。
「ふむ、奉仕の精神ですか……。では、私はビキニサンタよりも、メイドサンタの方が素晴らしいという事を教えましょう」
 リナの言葉に便乗し、すかさず如月・高明(明鏡止水・e38664)が畳みかけた。そもそも、メイドというものは、主に仕えるものである。そして、本当に主のことを思ってくれているメイドサンタなら、『ご主人様、プレゼントですわ』とプレゼントを贈ってくれるはずであると。
「メイドの奉仕活動に加え、プレゼントも与えてくれる。まさに至高の存在では無いでしょうか?」
 いつもはシックな黒基調のメイド服も、この時期限定だけ赤くしてみるというのも一興である。もしくは、原初のサンタは黒服だったことに便乗し、敢えてメイド服にサンタ帽だけというのも良いだろう。
「そういえば、男の人は裸エプロンっていうのが好きなんだよね? サンタさんもそういう恰好すればいいんじゃないかな?」
 どうせメイドサンタに手料理を作ってもらうのであれば、男の人が好きそうな格好をしてもらえば良いではないかと、リリエッタが更に信者達へと続けた。もっとも、そう言うリリエッタ自身、裸エプロンがどのようなものかは分かっておらず、普通に一般的なサンタクロースの衣装を着ていたが。
「おお、そうか! 裸エプロンのメイドサンタ……確かに、これは新しいぜ!」
「でも、本物がここにいないんじゃ、どうにもイメージできないよなぁ? 君、ちょっと実演してみせてくれないか?」
 ビキニサンタから一転してメイドサンタへ興味を持ち始めた信者達だったが、それに合わせて変態的な欲求もぶつけて来るので性質が悪い。普通なら、そのまま頬を引っ叩いてやるところだが、リリエッタは信者達の言葉を冷静な口調で流すだけだった。
「え? リリは料理できないし、それにリリなんかの裸エプロンなんて興味ないでしょ?」
 ああいうものは、もっとセクシーなお姉さんがやるからこそ絵になるのではないか。だから、こちらに期待しても無駄だと言い放つリリエッタだったが……変態信者どもが、それで納得するはずもない。そして、彼らの中にはほぼ確実に、ロリコンという危険な人種が混ざっている。
「なんだよ、言うだけ言って、本物はありませんってか!?」
「ふざけんなよ、畜生! こうなったら、そこのお前でいい! 責任、取ってもらうからな!!」
 何故か理不尽な怒りをブチ撒けつつ、理奈を指差す信者達。どうやら、モコモコで脱がしにくそうなサンタ服よりも、普通の格好をしている理奈の方が、色々と仕掛けやすいと思ったようで。
「えぇ、ボク!? な、なんでボクが……うわぁぁぁん!!」
 案の定、お約束の如く信者達に襲われて、瞬く間に服を剥ぎ取られてしまう理奈。その代わりに与えられたのは……何故かエプロンではなく、恐ろしく布面積の少ないビキニだった。
「うぅ……さ、寒い……それに、恥ずかしいよぉ……」
 両足を振るわせながら、理奈は両手で胸元を隠しながら泣いている。結局、今回もこんなオチか。というか、そもそもエプロンを持っていないなら、何故に脱がせて着換えさせた!?
「はい、これ。とりあえず、身体を冷やさないようにね」
 見兼ねたリリエッタが理奈にタオルを渡したが、タオル一枚では焼け石に水である。このままでは遠からず、風邪をひいてしまいそうだ。
「……なんというか、普通に逮捕しちゃだめなのかしら、これ?」
「まあ、それは事件を解決してからね。今はとにかく、過激に攻めて信者の目を覚まさせないといけないわ」
 呆れた表情の銀子に、円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)が答える。この強敵を押し切るには、最後の最後で強烈なインパクトを持った隠し玉を使わねばならないのだと。

●神、降臨!
 裸エプロンのメイドサンタで湧き立つ信者達だったが、それだけでは完全に彼らの目を覚まさせられない。先程、高明が主張したプレゼント。それに対する答えが、まだケルベロス達の側から出されていないからだ。
「プレゼントかぁ……。でも、この歳になって、玩具が欲しいなんてのはないしなぁ……」
「なんかこう、パッと思い付かねぇんだよな。何貰っても、そこそこに嬉しくはあるんだけどさぁ……」
 至高のプレゼントとは、いったい何か。どうせ貰うなら、世界に一つしかない物が欲しいというのは我儘だろうか。そんな信者達に問いに……キアリは恥ずかしさを押し殺し、自らプレゼントとなって現れた!
「ビキニサンタが至高とか、笑わせないで。至高のサンタ衣装は『これ』に決まっているわ!」
 そう言って現れたキアリの格好は、裸にリボンだけを巻き、要所のみを隠したサンタ衣装姿! というか、頭にサンタの帽子を乗せている以外、完全に裸リボン以外の何物でもない!
「名付けて、『わたしがクリスマスプレゼント☆』よ! サンタにしてクリスマスプレゼントでもあるというこの形態こそ、至高のサンタ衣装だわ」
 そして、どうせならこれを、メイドサンタにやってもらえば最高ではないか。それでも足りないというのであれば、クリスマスツリーもおまけでつけよう。
「どうせなら、こっちの方が圧倒的にクリスマスでしょ、ね」
 続けて現れた銀子は、なんと裸にクリスマスツリーのオーナメントを飾り、見えては拙い個所をギリギリ隠しただけの格好だった。おまけに、電飾完備でライトアップも万全な上、袋にお菓子も完備してある。なんだったら、この後に真のお楽しみとして、裸にチョコレートをかけて食べさせてやっても良いと大胆発言!
「大事なのはビキニじゃなくて、奉仕の精神……感激したぞ!」
「ひゃぁっ! 俺はもう、我慢できねぇぜ! 早く、俺にご奉仕してくれぇ!!」
 もはや、ビキニサンタに憧れる気持ちは、信者達の中から完全に消え去っていた。そもそも、彼らは『萌え衣装』としてビキニサンタコスを推していたので、それ以上の萌え衣装を持ち出されれば、コロッと意識を持って行かれてしまったのだ。
 もっとも、ビルシャナの影響から離れても変態であることに違いはなく、信者達はケルベロス達を裸リボンや裸ツリーにしようと襲い掛かって来た。
「うわぁっ! せ、洗脳が解けたのはいいけど、今度は変態がこっちに向かって来たぁ!!」
 タオルで身体を隠しながら逃げる理奈。冗談じゃない。ここまで来て、また服を剥かれた挙句、もっと恥ずかしい格好にさせられるなど、やってられない。
「……甘ーい!」
 そんな中、信者達を止めるべく、清嗣が強烈な一喝をかました。
 果たして、裸リボンや裸ツリー以上に、過激な何かがあるのだろうか。その場にいた全員の注目が集まる中……清嗣が提案したのは、紛うことなき全裸だった。
「聖夜なのだからビキニじゃないでしょう!! 寧ろ神聖さを求めねば!」
 そもそも、神は自らの身体に似せて人を作った。そして、そんな神は、当然のことながら服など着ていない。そう言うが早いか、羽を広げて宙へと舞い上がり、堂々と衣服をキャストオフ!!
「最も神聖で美しいもの! それを追い求めるなら、究極的には全裸でよいのではないかね?」
 当然、サービスもマックスに行える。いや、むしろお前達がサービスしろ。そんな台詞を、ギリシャ彫刻のような神々しい肉体を曝け出して告げられれば、もはや平伏す他にない。
「な、なんと……しかし、それこそが真理だったのかもしれない」
「俺達は、随分と遠回りしていたんだな」
 なにやら両目を輝かせながら、次々と衣服を脱ぎ出す信者達。その上で、彼らは一斉に空き地から飛び出すと、全裸のまま冬の街に繰り出した。
「求めるは裸リボンのメイドサンタ……ってことは、メイド喫茶に行けば解決だな!」
「たぶん、交渉次第でサービスしてくれるだろ。いや、むしろ今の俺達は全裸にして神! ZEN・RAパワーで、新サービスを提案だぁ!!」
 完全に犯罪者丸出しな格好で、危険な台詞を吐きながら去って行く信者達。その後ろ姿を眺めつつ、銀子は警察署の同僚達に、そっと彼らを逮捕するよう連絡し。
「こらぁぁぁっ! 貴様達、よくも私の愛するビキニサンタコスを馬鹿にしてくれたな! 許すまじ!!」
 全ての信者を失って完全にブチ切れたビルシャナと、最後の戦いが始まった。

●真冬のビキニ大戦!
 聖なる夜を性なる夜へと変えるべく、ビキニサンタを至高とする不埒なビルシャナ。どう考えても色物で変態な敵なのだが、そこは腐ってもデウスエクス。相手の衣服をビキニ化させるという、なんともふざけた性質の技を使って来るが、その戦闘力は意外に高く。
「ハーッハッハッハ!! どうだ、私のビキニパワーは! さあ、お前達も、ビキニの素晴らしさに屈するがよい!」
 度重なるビキニ攻撃の前に、ケルベロス達は完全にビキニ姿にされてしまっていた。それだけでなく、中には特殊なビキニを装着させられた者もおり、明らかに戦闘への支障が発生していた。
「……っ!!」
 顔を赤らめながら、身体を振るわせるリリエッタ。半ば強引に装着させられたビキニが、まるで拘束服の如く全身を締め付けて来るが、その程度であればマシな方だ。
「……っ……!? ……っ……んっ……っっ……!」
「あ、ダメ、はいって……ひゃぁっ!!」
 キアリや銀子に至っては、布地の裏に触手がビッシリと生えたビキニを装着させられ、そこから直に力を吸い出されてしまう始末。こんなもの、早々に脱ぎ捨ててしまいたいが、それをしたら丸裸なので脱ぐに脱げない。
「ゃあ……だ、だめぇ……力が……入らないよぉ……」
 ちなみに、理奈は速攻で狙われて触手ビキニを食らった挙句、そのまま魔力を吸い出されてダウンしていた。
「このままじゃマズイね。皆、回復するよ!」
「仕方ないねぇ。響銅、手伝ってあげて」
 見兼ねたリナと清嗣が、それぞれに花と、そしてボクスドラゴンの力を以て仲間達から危険なビキニを取り払う。衣服が元に戻ったところで、改めて変態に反撃開始だ。
「寒いでしょう、では炎で温めてあげますよ」
「行って、アロン! あの鳥を焼いちゃって!」
 まずは高明が燃え盛る蹴りを繰り出したところで、キアリの命によりオルトロスのアロンもビルシャナに火炎攻撃! 続けて清嗣が御業を放ち、ビルシャナを完全に拘束し。
「さあ、もう逃げられないよ」
 そのまま強引に締め上げれば、そこへラインハルトの乱打が炸裂する。
「貴方のその煩悩、燃やし尽くしてあげます」
「ちょっ……や、やめ……ぐふぉぉぉぉっ!!」
 脇腹を押さえ、その場に蹲るビルシャナ。しかし、ケルベロス達の猛攻はまだ終わらない。散々恥ずかしい目に遭わせてくれた、今までの恨みを思い知れ!
「変態鳥には、お仕置きだよ」
「勢いを付け、スピードを乗せ、破壊力を補助する感じで……うんっ!」
 リリエッタとキアリの強烈な蹴りが、同時にビルシャナの股間に炸裂した。両目をひんむいて、絶叫しながら飛び上がる鳥頭。そのまま落下して来るところを、最後は銀子が待ち構え。
「獅子の力をこの身に宿し……以下略、さあ、ぶっ飛べっ!!」
 強烈な拳の連打で、文字通り空の彼方へ吹っ飛ばす。断末魔の悲鳴を上げる暇もなく、ビキニサンタを推すビルシャナは、真昼の星となって消滅した。
「お、終わったの……? うぅ……今回も、酷い目に遭ったよ……」
 全てが終わり、しょんぼりと項垂れる理奈。そんな彼女を含めて声をかけ、清嗣は近くの喫茶店で暖を取ろうと提案した。色々と酷い敵だったが、せめてミニパーティでも開ければ、気持ちも晴れるであろうから。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年1月2日
難度:普通
参加:7人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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