女体盛りこそ日本の文化!

作者:ゆうきつかさ

●都内某所
「俺は常々思うんだ! 女体盛りこそ日本の文化である、と! だから、お前達は何も迷う必要はない。ただ裸になればイイ! 後は俺に任せておけば、何の問題もない! むしろ、何も考えず、脱げばイイ!」
 ビルシャナが廃墟と化した料亭に女性信者達を集め、興奮した様子で叫び声を響かせた。
 女性信者達はビルシャナの洗脳によって、トロンとした表情を浮かべており、心ここにあらずと言った感じであった。
 そのため、ビルシャナに言われるがまま服を脱ぎ捨て、テーブルの上に寝転がると、身体の上に刺身を乗せられていくのであった。

●セリカからの依頼
「音取・蓉子(ウェアライダーの光輪拳士・e67671)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが拠点にしているのは、廃墟と化した料亭。
 どうやら、ビルシャナは女体盛りこそ至高であると訴え、女性信者を裸にして、如何わしい事をしているようである。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 ビルシャナは自らの欲望を満たすため、女体盛りが至高であると言っているため、女性信者達が器である事に疑問を感じたり、ビルシャナが女性信者達よりも別のモノに興味を持てば、洗脳を解く事が出来るようである。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。


参加者
ルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)
彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)
盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)
柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)

■リプレイ

●廃墟と化した料亭
(「女体盛りは好きだ……なんつったら味方からの攻撃に合いそうだな。今回は黙っとくか」)
 柄倉・清春(大菩薩峠・e85251)は気まずい様子で汗を流しながら、仲間達と共に廃墟と化した料亭の前に立っていた。
 最近は仲間達から、針のむしろが散歩道的な扱いを受けているためか、清春なりに自粛をしているものの、本音を言えば女体盛りが大好きだった。
 そういった意味で、ビルシャナと話が合いそうな気もするが、そんな事を言えば八つ裂き街道まっしぐらであった。
 そのため、表面上は『女体盛り、ダメ、絶対!』的なノリを通しており、雰囲気的に紳士であるように振る舞った。
「……まったく、女の人を器にするなんて、女の人を何だと思っているのでしょうかね」
 その横で彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)が、不機嫌な表情を浮かべた。
「ほ、本当に、その通りだよな! 本当に何を考えているんだか……。頭の中が腐っているんじゃねぇのか!?」
 その途端、清春が自分の事を言われているかのように、ビクッと体を震わせたものの、その事を誤魔化すようにして、慌てて紫の考えに同調した。
「女の子にお料理も盛り付けちゃうのも好きだけどー、ふわりは食べる方も好きなの!」
 そんな中、盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)が、自分なりの考えを述べた。
 清春的には『やっぱ、そうだよな? そう思うだろ!』と言いたかったが、そんな事を言ったら最後、脳天をフルスイングされそうな危険を感じたため、あえて言葉を飲み込んだ。
「とにかく、ビルシャナの考えている事は変態の域に達しています。これ以上、教義が広まらない様に、さっさと倒してしまいましょう」
 そう言ってルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)が、仲間達を連れて廃墟と化した料亭に足を踏み入れた。

●料亭内
 室内は不気味なほど静まり返っており、奥の部屋から薄っすらと光が漏れていた。
「ウヒヒヒヒッ! いいぞ、その調子だ。随分と緊張しているようだが、俺にすべてを任せろ! ゆっくりと目を閉じ、自分が器になったように言い聞かせるんだ。そうすれば、恥ずかしい気持ちになんて、あっと言う間に吹き飛ぶぞッ!」
 部屋の中にはビルシャナがおり、女性信者達の上に刺身を乗せていた。
 そのため、女性信者達は緊張と恥ずかしさで体を強張らせ、顔を真っ赤にしていた。
「女の人の身体を器代わりにするなんて、随分と酷い事をしていますね?」
 それを目の当たりにしたルピナスが、嫌悪感をあらわにした。
 その途端、女性信者達が一斉にビクッと驚き、さらに緊張した様子で身体を強張らせた。
「そもそも、女の人を器にして、そんなに刺身が美味しくなるものでしょうか?」
 紫が女性信者達をマジマジと見つめた後、ビルシャナに対して疑問を口にした。
「ああ、もちろん! これが実に美味い! 特に、この赤貝……甘みがあって、絶品だぞ! これに勝るものはない。絶対に、な!」
 ビルシャナが上機嫌な様子で傍にいた女性信者の身体を撫で回し、ケルベロス達を見つめてニンマリと笑った。
「……ですが、それでは体温で刺身がぬるくなってしまって、刺身の美味しさが半減してしまうと思いませんか?」
 紫が色々と察した様子で、女性信者達を見下ろした。
 女性信者達はケルベロス達の視線を浴び、身体が火照って、刺身が熱を帯びていた。
「しかも、人の身体はどんなに綺麗に洗っても、少しながら雑菌が残ってしまいます。その上に、刺身を乗せるなんて、刺身の痛みが早くなって食中毒の原因にもなりますよ」
 その事に気づいたルピナスが、女体盛りの問題点を指摘した。
「いや、これがイイんだ! コイツらが緊張すればするほど、旨味が増すッ! 特に、このタレ! これが絶品だ! そして最後に器を食べる! それがイイんだろうが!」
 ビルシャナが淫らに糸の引いた刺身を食べ、満足した様子で喉を鳴らした。
「……たくっ! さっきから言いてえこと言いやがって! 一部の方々からすりゃな、男体盛りだって日本の文化らしいぞコラァ!! お姉様方の需要もしっかり満たしてみやがれゴラァ!」
 そんな中、清春がイラついた様子で、調達してきた薄い本をバラ撒いた。
「よし、寝ろ!」
 その中身を一読した後、ビルシャナが清春を睨みつけた。
「えっ? いや、別に俺が器になりたいとか、そう言う訳じゃなくて……」
 清春が本能的に身の危険を感じつつ、ダラダラと脂汗を流した。
「いいから、寝ろ!」
 だが、ビルシャナの考えは変わらない。
 薄い本と同じような展開に持ち込むつもりなのか、此処で考えを改めるつもりはないようだ。
「ええい、好きにしやがれ!」
 その視線に耐える事が出来ず、清春が半ばヤケになりつつ、服を脱ぎ捨て寝転がった。
「許可も出た事だし、遠慮なく……やれ!」
 それと同時にビルシャナが女性信者達に指示を出し、清春の身体に刺身を乗せ始めた。
「うわっ、緊張して、ココが……」
 そんな中、眼鏡を掛けた女性信者が、清春の股間を見つめ、恥ずかしそうに頬を染めた。
「み、見るなああああああああああああああああああ!」
 その視線に気づいた清春が、慌てた様子で股間を隠そうとしたものの、他の女性信者達に両手両足を押さえられ、まな板の鯉状態になっていた。
「ふわりも盛りつけを手伝うのー♪ ちゃんと全部食べるから、安心して欲しいの!」
 ふわりもドサクサに紛れて、女性信者達とキャッキャウフフとしながら、清春の身体に生クリームやフルーツを乗せ、クリスマス仕様の盛りつけをした。
「……って、刺身とクリームが混ざり合って、大変な事になっているじゃねえか! こんなモン、喰えるのか? 喰えねぇだろ! 」
 すぐさま、清春がツッコミを入れたものの、相変わらず動く事が出来ないため、悔しさのあまり涙目になっていた。
 しかも、肝心のふわりは女性信者と一緒に、互いの身体にクリームを塗り合い、とてもイイ感じになっていた。
 そのせいで、清春のクリスマスツリーが、反射的に小高くなった。
「ふふふー、美味しいのー……♪ やっぱり、食べさせあいっこが一番楽しいの!」
 その間も、ふわりは上機嫌な様子で、女性信者達の身体に舌を這わせ、同じように女性信者達にも身体を舐めさせた。
「……って、俺を無視するんじゃねえええええええええ!」
 その事に腹を立てたビルシャナが烈火の如く怒り狂い、清春のクリスマスツリーをへし折るのであった。

●ビルシャナ
「……って、殺す気かあああああああああああああああ!」
 その途端、清春が涙目になりつつ、ビルシャナの胸倉を掴んだ。
 幸いへし折られたのは飾りつけに使われていたクリスマスツリーだけだが、一瞬ヒヤっとしたらしく、股間が残念な事になっていた。
「お前らが俺を除け者にしたから悪いんだろうが! そもそも、ここは俺のナワバリだ。お前達が好き勝手やってイイ場所じゃねぇ! 女性信者達だって、俺のモノ! 俺だけのモノなんだ! それなのに、お前達は俺の許可なくイイ思いをしやがって! 駄目だろ、そんな事をしたら! 俺も混ぜろ! それが出来ないんだったら、全部お前らが悪いッ!」
 だが、ビルシャナはまったく自分の非を認めず、完全に逆ギレした様子で、その責任をすべてケルベロス達に押し付けた。
 そこには何の躊躇いもなく、悪意しかなかった。
 おそらく、自分の事を否定する考えを持った人間が、まわりにいなかったためだろう。
 『俺は絶対に悪くない!』と言わんばかりに、踏ん反り返っていた。
「悪いビルシャナさんには、御仕置きなのー!」
 次の瞬間、ふわりがワイルドブレイドで腕を巨大刀に変形させ、ビルシャナを力任せにぶった斬った。
「このナイフをご覧なさい、貴方のトラウマを想起させてあげますよ!」
 それに合わせて、ルピナスが惨劇の鏡像を発動させ、ナイフの刀身にビルシャナが忘れたいと思っているトラウマを映し、ふくよかな熟女を具現化させた。
「ぐきゃあああああああ、やめろ! やめてくれえええええええ! こっちに来るなああああああああ! もう嫌なんだ! そんな顔で俺を見るな! 見ないでくれえええええええええええええええええええええ!」
 その途端、ビルシャナが腰を抜かす勢いで驚き、小動物の如く勢いで体をガタブルと震わせた。
 一体、彼女との間に何があったのか分からないが、失禁する程のトラウマが、ビルシャナに襲い掛かっていた。
「このオーラで、吹き飛んでしまいなさい!」
 その間に紫がフォーチュンスターを仕掛け、理力を籠めた星型のオーラを、ビルシャナに蹴り込んだ。
「こ、こんな酷い目に遭うなら……死んだ方がマシだ!」
 その一撃を喰らったビルシャナが、血溜まりの中で息絶えた。
 しかし、その表情は、まるで眠り姫の如く、安らかだった。
「さて、それじゃ……信者のみんなを保護しないとねー」
 清春がイイ笑顔を浮かべながら、女性信者の方を向いた。
「きゃああああああああああああああ!」
 その途端、女性信者達が悲鳴を上げ、恥ずかしそうに顔を隠した。
「どうやら、ここにも変態がいたようですわね」
 ルピナスが警戒した様子で、女性信者達を守るようにして陣取った。
「い、いや、これは……その事故的なモノで、別にやましい気持ちは……その……あるって言えばあるんだが……いや、ない、ない! 絶対にない! だから、信じてくれ!」
 清春もサムズアップジュニアに動揺しながら、ぎこちない笑顔を浮かべつつ、自分の無実を訴えた。
「まったく信用できませんね。とにかく、信者の人達は私達で保護します」
 紫が色々な意味で不信感を抱きつつ、女性信者達の身体を布で隠した。
「みんな、ふわりが保護するのー♪」
 そんな中、ふわりが裸で女性信者達に抱き着き、イケない気持ちになりながら、奥の部屋に姿を消した。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年12月17日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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