城ヶ島制圧戦~ドラゴン機動部隊を撃破せよ

作者:青葉桂都

●電撃戦を仕掛けろ!
 城ヶ島への強行調査で、島に『固定化された魔空回廊』が存在することが判明した。
 ケルベロスたちを前にして、石田・芹架(ドラコニアンのヘリオライダー・en0117)はそのことを告げた。
「この魔空回廊に侵入して、内部を突破することができれば、ドラゴンたちが使用する『ゲート』の位置を特定することが可能になります」
 そして、『ゲート』の位置が判明すれば、その地域の調査を行ったうえで『ケルベロス・ウォー』を発動して『ゲート』の破壊を試みることもできるだろう。
「もしも『ゲート』の破壊に成功すれば、ドラゴンの勢力は新たな地球侵攻を行うことができなくなります」
 そうなればドラゴンの世界ではまたグラビティ・チェインが枯渇していく。
 滅びを迎えるのか、不十分なグラビティ・チェインを争ってさらなる戦乱が続くのかはわからないが……なんにしても地球には関係のないことだ。
「つまり、城ヶ島を制圧して固定化された魔空回廊を確保することができれば、ドラゴンの勢力の急所を押さえることができるんです」
 調査の結果によれば、ドラゴンたちは魔空回廊の破壊を最後の手段と考えているようだ。つまり、電撃戦に成功すれば奪取することは不可能ではない。
「ドラゴンの侵略を防ぐためにも、皆さんの力を貸してください」
 芹架は次いで、具体的な作戦内容について語り始めた。
「今回の作戦では仲間たちが築いてくれた橋頭堡から、ドラゴンの巣窟となっている城ヶ島公園へ向けて進軍することになります」
 進軍の経路についてはヘリオライダーが予知によって割り出している。
 予知の通りに移動すれば、戦うべき相手のところにたどり着くことができる。
 戦うべき敵……つまりドラゴンは強敵だが、固定化された魔空回廊を奪取するためには、まずその戦力を大きく削ぐ必要がある。
「難しい戦いになります。私にはお願いすることしかできませんが、どうか必ず勝つつもりで臨んでください」
 ケルベロスたちに芹架は頭を下げた。
 移動経路について説明した後、芹架は遭遇する敵について語り始めた。
「遭遇する敵はセルリアン・ドラゴン。深い青色の鱗を持っています」
 最大の特徴は背中がまるで一枚の板のようになっていることだ。
 超進化生命体であるドラゴンは過去に喰らった存在によって異なる特徴を持つ。
 このドラゴンはどうやら、どこかの海軍の艦隊を喰らったことがあるらしい。
 後頭部から尻尾まで一枚板のようになった背は空母の飛行甲板だ。
 グラビティによって甲板上に小さなドラゴンの群れを一時出現させることができる。
「甲板から飛び立った竜は戦場を飛び回って制圧し、攻撃を加えるのはもちろん、皆さんの行動を失敗させようとしてきます」
 もちろん本体の戦闘能力も侮れない。
 ドラゴンといえばブレスだが、この敵は魚雷をブレスとして吐く。
 いや、空中を飛ぶわけだから魚雷ではなくミサイルと呼ぶべきだろうか。
 無数に飛来する魚雷は連続して命中することもあり、手痛い傷を負わされるだろう。
 また強靭な尻尾には機銃が埋まっており、近づく者たちにプレッシャーを与えてくる。
「性格は生真面目で実直、自分の縄張りに入る者は決して見過ごしません」
 戦場はこれといった遮蔽物のない草原なので、必然的に正面から渡り合うことになるだろう。
「最後に、聞いておいて欲しいことがあります。今回の作戦、敵戦力を電撃戦で減らすことができなければ、魔空回廊に到達することすらできない可能性があるということです」
 強行調査の成果を無駄にしないためにも、ヘリオライダーが予知したドラゴンはすべて撃破しなければならないのだ。


参加者
乾・陽狩(サキュバスのミュージックファイター・e00085)
フラジール・ハウライト(仮面屋・e00139)
イグナス・エクエス(怒れる獄炎・e01025)
八千沢・こはる(ローリングわんこ・e01105)
マグル・コンフィ(地球人のキンダーウィッチ・e03345)
リン・グレーム(機械仕掛けの武器庫・e09131)
雨霧・濡華(サキュバスの螺旋忍者・e09663)
浦戸・希里笑(鬼械殺しの機人・e13064)

■リプレイ

●草原のドラゴン
 城ヶ島を進むのは8人のケルベロスたち。
「今のところトラブルはありませんね」
 ボクスドラゴンのフィリーヤを連れた、乾・陽狩(サキュバスのミュージックファイター・e00085)が呟く。
 目標までの道のりはヘリオライダーから事前に伝えられている。
 聞いていた通り、大過なくドラゴンの棲み処までたどり着くことができそうだった。
 他の場所ではもう戦闘が始まっているのだろうか? 遠くから騒がしい音がもう聞こえてきているような気がする。
 目の前が突然開けると、そこには枯れ草の原が広がっていた。
 季節が違えば美しい光景だったかもしれないが、冬の野原はただ殺風景なばかり。
 その中心に、目標はいた。
「いました。気合を入れて挑みましょう!」
 八千沢・こはる(ローリングわんこ・e01105)が中央に鎮座する敵を指し示す。
「世界中の方々が安心して過ごすためにも、ここでドラゴンぶっとばさないといけませんから!」
 バトルオーラに包まれた手で、少女は日本刀とナイフを構えた。
「できれば先手をとりたかったんですけど、気を散らしてはいませんわね」
 雨霧・濡華(サキュバスの螺旋忍者・e09663)の言うとおり、蒼色をしたドラゴンはケルベロスたちをはっきり視界に捕らえているようだった。
 いつでも攻撃できる態勢をとっている。
「ドラゴンともあろうものが、ずいぶんな警戒ぶりですわねぇ」
 艶やかな微笑みで濡華はドラゴンを見やった。
 他のチームとの戦いで気をそらしているようなら、先制攻撃を仕掛けたかったのだが、どうやらそんな甘い相手ではないらしい。
 大地に顎をぺたりとつけ、睨みつけるようにケルベロスたちを見ている。
「あれは絶対に逃がさないっていう目。逃げる気はないけど」
 浦戸・希里笑(鬼械殺しの機人・e13064)の声が、紫のマフラーの下から届いた。
「それは、こちらも、同じ……前回は潜入、調査だった故、見逃した、けれど。今度は逃がさない……どれだけ来ようが殲滅する」
 フラジール・ハウライト(仮面屋・e00139)が言った。
 当然ながら、この戦いには先日の強行調査に加わっていた者も少なからず加わっている。フラジールもその1人だった。
 同じく強行調査に加わっていたリン・グレーム(機械仕掛けの武器庫・e09131)は、無意識に自分の腹部に軽く触れていた。
 調査のときに、海竜に傷つけられた場所だ。
 今は服に隠れているが、傷跡はまだ残っている。
 憂さ晴らしをしたい……そんな想いが、表情に出ているかもしれない。
 幸い、仮面はリンの願望を隠してくれているはずだ。
「あなたがセルリアン・ドラゴンなのですね。なんて綺麗なドラゴンなのだろう。でも負けるわけにはいかないのです」
 恐れる様子もなく声をかけたのは、マグル・コンフィ(地球人のキンダーウィッチ・e03345)だ。
 ドラゴンとは比べるべくもない小さな体。
 けれど、彼もまたケルベロスだ。
「敵のことを調べてから来たか。そう、我が名はセルリアン・ドラゴン。我が力を恐れぬのなら踏み込んでくるがいい、ケルベロスたちよ」
「はい。私はマグル、あなたを倒させてもらいます」
 礼儀正しく頭を下げた少年が、ケルベロスコートの着脱ボタンを押す。
 脱ぎ捨てたコートが風をはらんでふわりと浮いた。
 それが地面に落ちる頃には、すでにマグルは前進し始めていた。
 他のケルベロスたちも、それぞれ武器を構えてドラゴンの射程内へ飛び込む。
「出し惜しみせず最初からフルスロットルで行くぜ!」
 イグナス・エクエス(怒れる獄炎・e01025)が地獄化した右腕の拳を硬く握る。
 迎え撃つセルリアン・ドラゴンの背からは、無数のミニドラゴンたちが飛び立った。
 けれども、雲霞のごとく近づくドラゴンの群れを恐れる者は、1人としていなかった。

●機動部隊の強襲
 接近するケルベロスたちに、先制の攻撃が降り注ぐ。
 ミニドラゴンたちはブレスを吐きながら迫り、さらにケルベロスたちにまとわりついてその動きを阻もうとする。
 最初に狙われたのは最前線まで近づこうとするフラジールやイグナスに、ライドキャリバーを駆るリン。
 それに、希里笑や濡華のサーヴァントたちもだ。
 多数のケルベロスたちを一気に狙いながら、さらにその威力も決して侮れない。
 イグナスの地獄化した腕に装備した縛霊手から放つ巨大な光の弾が、なおも妨害しようとするミニドラゴン数体を焼いてドラゴンに正面から命中する。
 だが、フラジールはミニドラゴンたちの妨害によって攻撃の機会を逸していた。
「みんな、気をつけろ。予想していたとおりだが、あの群れの攻撃は厄介だ」
 仲間たちに警告したのは、口数の少ないフラジールではなく、イグナスだった。
 片目をつぶっているのは連絡にアイズフォンも併用しているからだろう。
 陽狩は走りながらギターをかき鳴らした。
「フィリーヤ、回復に集中してください。傷の重い人を優先で……ただ、なるべく濡華さんとは違う人を治してくださいね」
 ボクスドラゴンのフィリーヤに声をかける。
 ここぞという時はサーヴァントとともに加勢するつもりでいた陽狩だったが、果たしてその余裕があるものかは疑問に思うほどの威力だ。
 だが、考えてはいられない。
 彼女は歌いだした。
 ストリートで競い合い、磨き上げた音楽を仲間たちに届けるのだ。
 生きることの罪を肯定するメッセージが皆を癒し、そしてミニドラゴンたちの妨害を突破する力を与える。
 歌の間に、フィリーヤもフラジールに属性をインストールして援護していた。
「助かるっすよ、乾さん」
 両の手に剣を構えたリンがミニドラゴンを突破して接近する。
 横薙ぎの斬撃と、縦に振り下ろす斬撃が、天地を揺るがす重力を伴ってドラゴンの固い鱗に傷を刻み込んだ。
 リンの礼の言葉に、陽狩は爪弾くギターのネックを振って応じた。
「さすがドラゴン、最初から面倒なことをしてくれますね」
 こはるはむっちりとした太ももを躍動させて、攻撃の機会をうかがう。
「でも、そっちが邪魔してくるなら、こっちだってさせてもらいますから!」
 特にこはるとマグルは、敵を妨害しやすい距離をとっている。
 ドラゴンにはこちらを妨害する手段があるものの、こちらの妨害を防ぐ手段はない。
 だから、彼女はめいっぱい、ドラゴンの行動阻害に注力するつもりだった。
 日本刀を振りかぶる。
「せーのっ、ドーン!」
 振り下ろすと共に生み出した氷結の螺旋が、ドラゴンの鱗を凍らせる。
 次いでマグルが古代語を詠唱し、石化の魔力を放った。
 巨大な翼が、一瞬だけ羽ばたいた。
 わずかの間だけ浮いた巨体の下を魔力が通り抜けていく。
「……かわされた!」
「本当にめんどくさいですねえ、ドラゴン!」
 思わず荒っぽい口調で、こはるは叫んでしまっていた。
 戦場を縫うように伸びた濡華の鎖も敵は爪で弾いた。
 いかに巨大であっても敵の動きは決して鈍くはないようだ。
 それでも、後衛からの狙い済ました攻撃まではかわしようもない。
 希里笑の放つエネルギー光弾が飛行甲板に着弾し、さらに飛び立とうとしていたミニドラゴンたちの発進を阻害する。
 マグルも気を取り直し、接近して一撃を叩き込むべく機会をうかがい始める。
 ドラゴンはまだ揺らぐ様子もないが、ケルベロスたちは果敢に攻撃を続けていた。
 イグナスは敵の死角に向けて移動しながら、祭壇から紙兵をばらまく。
 どうやらこの敵は、ケルベロスたちを妨害することを狙って攻撃を仕掛けている。
「用意してきてよかったぜ。ドラゴンが搦め手を仕掛けてくるんなら、こいつらの守護は効果的なはずだ」
 ばらまいた紙兵の霊力は仲間たちを守護してくれる。
 その守護を当てにしつつ、ケルベロスたちが逆に敵の動きを縛れば勝てるはずだ。
 銃声が前方から聞こえてきた。
 機銃を放ちながら、ドラゴンの長大な尻尾が、周囲を薙ぎ払ってくる。
 数え切れないほどの銃口が猛烈な勢いでイグナスへと迫ってきた。
 ライドキャリバーで走りこんできたリンが、銃口から彼をかばってくれた。
「無事か、リン!」
「大丈夫っすよ。それより、攻撃のチャンスっす!」
「ああ、わかってる!」
 2人分の機銃を受けたリンのダメージは決して軽くはないが、それは回復役の仲間に任せるしかない。
 ドラゴンの側面に回りこんだイグナスは、再び巨大光弾を放った。
 イグナスの反対側では、フラジールが氷河期の精霊を生み出していた。
 先ほどの攻撃はフラジールもなぎ払おうとしていたが、それは濡華のテレビウムがかばってくれていた。
 こはるやマグルによって、ドラゴンの体は何ヶ所か凍っている。
 巨躯を自在に操って、攻撃をかわすことさえあるのはさすが格上といったところだが、手数のあるケルベロスたちの攻撃をすべて防ぐことはもちろんできない。
「……これで、ダメージを与えやすくしよう。これから貴様が味わうのは、断末魔の苦しみだけだ!」
 精霊が取り付いて、さらに一ヶ所氷漬けの部分を増やした。
 氷は戦いが続くごとに、少しずつでも敵の体力を奪っていくはずだ。
 ドラゴンが口を開く。
 だが、そこから飛び出したのは苦悶の呻きなどでは、もちろんなかった。
 息吹と共に吐き出されたおびただしい数の魚雷が、先ほどフラジールをかばったテレビウムに降り注ぐ。
 無論攻撃より早く癒し手たちはテレビウムも含めて回復している。
 だが、ドラゴンの攻撃力はそれを上回った。魚雷のブレスが通り過ぎた後、テレビウムはもう動けなくなっていた。

●倒れた仲間と、倒れゆく巨体
 ブレスはドラゴンにとっても切り札らしい。
 主に尻尾とミニドラゴンで体力を削り、弱ったところをブレスで止めを刺す。
 希里英はなるべくダメージを分散させるように指示を出していたが、それでも彼女やリンのライドキャリバーはやがて魚雷の雨を受けて倒れていた。
 とはいえまだ倒れたのはサーヴァントのみ。
 ケルベロスたちも全員傷ついてはいたが、まだ誰も倒れてはいない。
(「これは、ケルベロス全体での、重要なミッション。たとえ相手が、あのドラゴンでも、失敗はできない。竜狩りを、絶対成功させる」)
 希里笑はマフラーの下で気合を入れ直す。
 サーヴァントたちが倒れるまでに、もう十分に敵の動きを封じる技は使っている。
 それでも封じきれないのが脅威だが、後は火力を集中する。
「武装解凍開始・言霊認証―――憎悪の叫びを銃身へ、刃金の殺意を弾丸に。無垢なる怒りを胸に抱き、咆哮を上げよ破壊機神―――」
 体内のコアを全力で稼動。
 アームドフォートを連結し、体内で発生した青白い荷電粒子を銃口へと収束。
 光弾の連射は、ドラゴンの鱗を幾度も貫いた。
 ドラゴンが再び口を開いたのは、フラジールに対してだった。
 リンはとっさに彼女の前に割り込む。
 正面から見た竜の口の中に、無数の魚雷発射管が並んでいるのがはっきり見えた。
 息吹に合わせて脈動したそれから、おびただしい鋼の雷撃が飛び出す。
「誰も死なせずにドラゴンを倒す……まったくやりがいのあるお仕事っすねぇ」
 痛みはない。
 どれだけダメージを食らおうと、痛覚を消してリンは何度でも立ち上がる。
 なのに、傷口が疼く気がする。
 陽狩や濡華が回復してくれるが、同じ攻撃を再び食らえばもう持たないのだとわかった。
「最後の一発は……憂さ晴らしをさせてもらうっすよ!」
 一気に接近し、ドラゴンの腹部めがけて回転する腕を突き入れる。
 リンの腕にえぐられながらも、ドラゴンが再び口を開いた。
 頭に、肩に、腹に、足に……いくつもの爆発を感じながら、リンは倒れた。
 次いでドラゴンが狙ったのは後方の癒し手たちだ。
 傷ついた飛行甲板から飛び立ったミニドラゴンが、陽狩とフィリーヤ、濡華、希里笑に襲いかかる。
「すみません、自分たちの回復を優先します!」
 陽狩の謝罪の言葉に、イグナスが片手を上げて応じる。
 ミニドラゴンたちは攻撃するのみならず回復を妨害しようとする。
 だが、イグナスがこまめにばらまいていた神兵の守護が妨害から助けてくれる。
 陽狩がギターをかき鳴らして歌い、濡華が分身を付与する。
 それでも、倒れるのは時間の問題だった。
「わかっているわ。あなたも焦っているのね。これ以上長引くと自分がもたないって」
 回復は時間稼ぎにしかならないが、稼いだ時間は確実にドラゴンの体力を削っているのだ。
 艶やかに微笑む濡華の姿が魚雷の雨に消えて、彼女は倒れた。
 濡華の次には陽狩が狙われる。
「フィリーヤ、私が倒れても回復の手は休めないでください」
 ボクスドラゴンに声をかけ、彼女は遠くで口を開く敵を見やる。
 必殺のブレスを放とうとした――その瞬間、ドラゴンの膝が崩れた。
「なんだと!」
「……ペトリフィケイションが効いてる」
 マグルが呟く。
 動きを止めたのは、石と化したドラゴンの足。
 改めて起き上がるまでに、マグルが凍りつくような見事な一撃を放った。
「ザックリいきますよ!」
 こはるが日本刀を振り回して、ドラゴンに刻まれている傷跡をえぐりとった。
 陽狩が倒れるが、その間にも氷漬けになった体がドラゴンの体力を削り取っている。
 中衛の2人はまだ多少余力があるものの、イグナスやフラジール、希里笑はもうあと1回耐えられたら幸運という状況……しかし、もはやドラゴンのほうも限界だった。
 強気にフラジールがゾディアックソードを振るう。
 それは次元を超えた見えざる一閃だ。
 一撃にも関わらず放たれた追撃は未来からの攻撃。
「俺は全てをぶち抜く! 城ヶ島を制圧する為にもこんな所で立ち止まってはいられないんだ! ビッグバンドリルッ!!」
 イグナスの腕が巨大なステップドリルと化して、ドラゴンの体を貫いた。
 突き上げたドリルで勢いのままに体内へと飛び込んだ彼は、そのまま背中から飛び出して飛行甲板を打ち砕く。
 ドラゴンが、断末魔の悲鳴を上げた。
「ギリギリ……でしたね」
「いいや。つまらない、どいつも雑魚ばかりで、歯応えのある敵など、1匹もいない……」
 マグルの呟きを、フラジールが強気に否定する。
 実際、この勝利はまだ前提条件でしかないのだ。
 魔空回廊制圧に向かった者達の勝利を祈りながら、ケルベロスたちは倒れた仲間を介抱し、ひと時体を休める。

作者:青葉桂都 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年12月9日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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