ミシンロボ! クロースの大逆転

作者:大丁

 あいにくの曇り空だったが、その山へハイキングにきた人々は、それなりに楽しんでいた。
 中高年の夫婦は健康のため、その孫たちは野山で遊ぶため。
 若者の参加も多く、社会人や大学生もいる。
 道は、緩やかな傾斜を登り、藪と木々のあいだをぬいながら右に曲がっていく。
「……机?」
 コース上に、家具のような何かが置いてあると、先頭の女子大生が声をあげた。
 パソコン机のような印象だったが、近づいて確かめたそれは、ミシンとミシン台であった。
「どうして、山奥にこんなもんがあるの?」
「処分しきれないゴミをさ、捨ててくインチキ業者がいるんだよな」
 後続のグループも、台のまわりに溜まっていく。
 彼らは大自然の中で過ごそうと出かけてきた人たちなのだから、不法投棄にはことさら腹をたてている。
 どこかへ移動できないか、相談まで始めたところで、だしぬけにミシンが振動しはじめた。
 驚く人々のまえで、本体上部のイトマキが巨大化して頭のようになる。糸の縞が、目鼻をかたどる。机の四脚がのびて、跳ね馬へと変わる。
 女子大生は、もちろん逃げようとしたのだが、自分のリュックを強く引っ張られ、中身をぶちまけられた。さらにナイロン製のジャンバーが捕まっている。
「きゃああ! 放して、はなしてー!」
 なんとか振り返って、視たのは。
 動画の逆再生のように、ミシンの後ろから服が引き込まれ、頭部となったイトマキが、回転とともに太っていくさまだった。
 ダダダダダー……。

 扉が開いて、ポンチョ型のレインコートがうしろ向きに入ってきた。軽田・冬美(雨路出ヘリオライダー・en0247)は、ミシン台を運んでおり、アーシャ・シン(オウガの自称名軍師・e58486)に手伝ってもらっている。
「アーシャちゃん、こんな感じぃ?」
「そう、裏面をお見せするのがよろしいかと」
 予知に登場した、廃棄家電ダモクレスの説明用である。
 冬美は、集まったケルベロスに、現場のハイキングコースの様子を伝え、人々がやってくるほんの少し前に、敵と遭遇できると話した。
 アーシャは、扇でミシンの背をポンと叩く。
「出現するダモクレスは、ミシンロボ。クロース(布地)を逆転させ、ほどいて糸に戻してしまいます」
 ミシンは本来、布を糸で縫い合わせて服などにする機械だが、ミシンロボは織物だろうと編み物だろうと糸にして、イトマキに巻きとってしまうのだ。
 レインコートの裾をひっぱった冬美は、縫い針に引っかけると、送り反転のボタンを押した。
「こんなふうに、4つ足で接近したあとォ、背中を向けて、密着し、服を引き寄せるカンジぃ?」
 機械音がうるさいので、大声で解説する。一度の攻撃では一体しか狙えず、接近する必要があるから、近距離の単体で、服破りとのことだった。
 そのあいだにも、ポンチョは進み、分解こそされずにミシン前側からでてくるものの、両サイドのスナップも外れた。
「ハイキングの人たちも不法投棄には怒ってるけど、ともかくはダモクレスを倒さなきゃねぇ。レッツゴー! ケルベロス……あらぁ?」
 冬美の身体が、ポンチョの裾からスルリと現れる。すかさず、アーシャが扇をかざす。
「お隠しなさいませ。……ビニールや金属も糸になるのかしら?」
「なるぅ♪」
 隠しきれない冬美が、マッパで笑った。


参加者
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
機理原・真理(フォートレスガール・e08508)
除・神月(猛拳・e16846)
高千穂・ましろ(白の魔法少女・e37948)
アンヴァル・ニアークティック(バケツがガジェット・e46173)
アーシャ・シン(オウガの自称名軍師・e58486)
カフェ・アンナ(突風はそよ風に乗って・e76270)

■リプレイ

●傾斜の先に
 ケルベロスらは、ハイキングコースを使わず、茂みを下から登ってきて、現場を覗ける位置にきた。
 『隠された森の小道』で、除・神月(猛拳・e16846)が先導してきている。
「今まではビリビリに破く奴が多かったけド、綺麗に糸に戻すとか芸術点高ぇナ」
 紅葉したツタの葉っぱをかき分けて、様子を伺う。
 なるほど、山腹にそったカーブの途中に、唐突なミシン台である。アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)は、ムッとする。
「捨てに来たのが業者だとすると、金は貰ってんだろーな。ふてぇ野郎だぜ」
 起動はまだだが、コギトエルゴスムは憑りつき済みのようだ。
 こちらから仕掛ければ、戦いに持ち込めるだろう。かといって、ハイキングにくる人々を探して接触するほどの時間はなさそうだ。
 アーシャ・シン(オウガの自称名軍師・e58486)の口調はすでに戦闘モードになっている。
「責任もって倒さねえとな。服を糸にする狙いは、俺たちケルベロスの弱体化かもしれねぇ。策は……あるぜ!」
 カーブした坂道の、山頂方向にはアンヴァル・ニアークティック(バケツがガジェット・e46173)が立った。セーラー服っぽいデザイナーズウェアは、景観にそぐわない。
 ゆえに、芸術家らしくもある。敵が、神月(しぇんゆぇ)の言う通りなら、その腕前にも勝りたいところだ。
 絵の具の満たされたバケツを一回転させた。
 機理原・真理(フォートレスガール・e08508)のライドキャリバー、プライド・ワンもこの位置だ。本人は、ミシン台のそばにいるほか、5人がおのおのの射程で、取り囲んでいる。
 最後に、山道のふもと方向は、戦闘域と下り坂が両方見渡せる角に、ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)が配置された。
 カフェ・アンナ(突風はそよ風に乗って・e76270)は、機械を前に唇を震わせて、ついアーシャに話しかけてしまう。
「変な敵もいるものですね……。薄着と厚着、どちらを好むのでしょう……。私は、無視されてしまうでしょうか……」
「はじめから全裸か。……まあ、アレだ。ダモクレスの特性をみる役には立つぜ」
 嫁入り前の若い参加者も多いなか、もう隠してやる方策は捨てていいな、と細いレイピアに変更した武器を、合図に振った。
 それを受けて、高千穂・ましろ(白の魔法少女・e37948)は、変身した衣装と、魔法のステッキとなったバスターライフルでもって、光の魔法を放った。
 廃棄家電は、じっとしつつも警戒していたのだろう。瞬時に4脚をのばすと、ダモクレスにチェンジした。
「ミシーン、ロボッ! ロボ、ロボ……」
 変な残響音をあげながら、光をくらってぐらつく。

●ローテーション
 ハイキングの一団はまだ、来ないようだ。
 ミスラは、コースの角を塞ぐ位置から、『憐れみの賛歌(キリエ・エレイソン)』を唄う。
「許しは此処に~♪」
 加護の力が、服の破壊を癒すはずだ。
 その逆に、アーシャは、戦術超鋼拳。オウガメタルに覆われた腕に、チャイナドレスといった出で立ちで飛び掛かった。
「てめぇみたいなヤツを、許すかよ!」
 ミシン本体を殴る。装甲の一部を脱がした。
 皆の攻撃が一巡したころ、ミスラは大学生らしき集団が登ってくるのに、気が付く。
 予知にみた被害者であろう女性もふくまれている。
 ミスラは、鮮血装を纏っていた。
 怨念の塗り込められた衣服から妖気を解放すれば、楽しげだった学生たちも、陰鬱な表情で歩みを止める。彼らの前に出て、一言命令するだけだ。
「帰れ」
 少しばかり可愛そうにも思ったが、一般人の安全確保は、仲間内でも優先事項だった。「次に誘導するのは、ミシンだな」
 ミスラは薄着になることにした。厚着が狙われる可能性もあるが、そこは試しだ。
 物陰にでも入るつもりで持ってきた衣装は、着衣プレイ用のTバックハイレグレオタード。薄地で露出度も高い。
 戦闘中の高揚感が手伝って、躊躇なく裸になると、脚を通す。その股の部分には、バイブレーションマシンが仕込まれている。
 ミシンの語源は、ソーイングマシンの略だという。
 仲間は変な敵だと言ったが、ある意味、ダモクレスにふさわしいのかもしれない。ミスラは、マシンに対抗するため、自らに埋める。
 ピチンっとレオタードの肩紐をあげると、完全にナカに入った。腿の内側がプルプル震えるのは、機械の動作からだけでなく、与えられた刺激に下腹部が反応しているからだ。
「うんっ! あふ、あ……あ?!」
 下り坂のとちゅうで、ひとりの少年が見ていた。
 ミシン台の裏側には、アルメイアがおびき出しに来ていた。
 蒼いドレスはステージ衣装。ひだの多いスカートは、もし厚着が好みならば、ほどきたいはず。
 はたして、ミシンロボはアルメイアのいる中衛にまで走ってきた。裾が巻き込まれていく。
「んぎゅぅぅんんっ…!?」
 思ってた感触と違う。スカートは確かにスムーズに分解されたのだが、アンスコの股間部分が引っ掛かって、擦れている。
 ダモクレスの頭部にあたるイトマキは、吸いこんだ蒼さに満たされたが、アルメイアは顔を真っ赤にして身悶えるのだ。
「ぐ、ぐ、てててててめえこのガラクタ野郎ッ!?」
 イイ声が出そうで怒声にかわり、下着での反撃はバイオレンスギターで殴る、達人の一撃だった。
「そんなんで、いいだろ。ミスラと代わってくれ!」
 アーシャに言われると、被弾して服がなくなったアルメイアは、ふもと方向の角に移動し、ミスラと交代する。
 ハイキングに来た人たちには、後続のグループがあるから、一部の人を説得したり指示下においたりしても、効果の及ばなかった別の一団が次々と登ってきてしまう。
 そこで、ローテーションだ。
 各人が工夫のおびきだし策で、一人づつ順番にミシン糸戻しを受け持てば、集中されての味方撃破は防げる。こっちは攻撃に全振りだ。
 そして、損害済みの者が交代で、コースの角を陣取り、一般人への説得や指示を出せばいいのである。
 アルメイアはミュージックファイター。バイオレンスギターをかきならし、さらにフェスティバルオーラを使えば、新たに訪れた若者数名を扇動するのは造作もない。
「とっとと逃げな! ここは私たちが引き受ける!」
 しかし、ブラとパンツのライブには、また頬を紅潮させている。

●瓦解
「ミシン程度で、この魔法の服がほどけると思わないでくださいねっ!」
 次に挑発しているのは、ましろで、フワモコの素材をアピールした。
「そんな、魔法の服がっ!?」
 丈は短いが、布地の多いはずのスカートは、裾から糸がほつれていく。パンツ丸見えになると、やはりそこで引っ掛かった。
「そんなに強く引っ張らないでっ! ひゃあああんっ!」
 刺激のあまり透明な液体を激しく吹き出しながら絶頂する。
 いまのところ、ダモクレスは厚着志向らしいのだが。
 ノーマークのカフェが、ミシン台の上に乗っかった。大きめのお尻も、小さめの胸も、すべて晒している。
「構わず叩きのめします……!!」
 鬼神角を生やした下腹部を、連続で打ち付ける。腰のふりは、ミシン針に劣らぬ高速。
 『咲き誇る白の純潔』は、真理の攻性植物だ。同じ巻き取るでも、本体ごとをツルクサにとは考えていまい。
 敵が、ましろのびちょびちょパンツを吸いあぐねているあいだに拘束し、神月のクイックドロウが狙う。
「早めにミシン針を潰しテ、攻撃力下げといた方が安心だロ」
 ダダダと空回りする針から、ましろは布地を抜き取ると、変身を解除して、制服姿に戻る。
 残った布地からでは、ぺらぺらの服だ。地元のガイドボランティアのふりは、隣人力と合わせて行った。
「向こうのコースの方が景色がきれいでしたよ」
 恥ずかしいながらも誘導する。大人のハイカーは、案内にのってくれた。
 もし、分析通りなら、初冬のハイキング用装備では、ミシンロボのエサだ。一般人を戦場に立ち入らせてはならない。
 真理は、まさにそうした服装で厚着して挑んでいる。ただし、肩口にわざとほつれをつくっておいた。
「はまりましたですよ!」
「ミシシ! ツヨガリハ、ヨセ!」
 まんまとダモクレスは、とびはねつつ真理の上半身から襲いかかり、イトマキを太らせていく。
 服の下は、いつも通り白の競泳水着型フィルムスーツだったのだが、それさえも続けて分解し、電子回路や配線が、イトマキに回収されていくのだった。
「ドーダ、モウ、キルモノはネエ!」
 解放されるも、地面に這いつくばった真理は、しかし裸ではなかった。
 攻性植物で自分を覆っていたのだ。ライドキャリバー、プライド・ワンが、ミシンロボの周囲を走りまわるあいだに、彼女は移動した。
「真理さん、交代です。……封印解放!」
 ましろは再び、魔法少女へ。でも、ブラパン姿だ。
「廃棄家電がデウスエクスになって危ないのです。落ち着いて、ゆっくり離れてて欲しいのですよ」
 真理は、攻性植物に身体を隠してもらっている。戦闘中だと正直に話し、人々を遠ざけようとする。
 若い男女のグループは、かえって興味をもってしまったようだ。
「ねぇ、あなたこそ大丈夫なの?」
「え!? は、はいです」
 近づいた女性に、過敏に反応してしまった。攻性植物が、より密着しようと、ナカに入ってきたのだ。
「だ、ダイジョウブ、なのです、……あああ!」
 四肢に力が入らなくなって、女性に背を向けたところで、また這いつくばるような姿勢になってしまった。
 高く上げた尻のあいだと、その前。2穴に潜り込むツルの本数が増えていくのを見られて、真理は意識を保てなくなる。
「あぐ、あふう、……くぅ!」
 ミシンにチャイナ服を吸われながらも、アーシャは盾役ということもあって、まだ持ちそうだった。
 もうひとりのチャイナ服、神月は、まだミシンに狙われるまえに、誘導役を交代しにいく。
 女性だけでなく、男性までが、真理のソコを覗こうとしているのを、サッと割って入った。
 服といっても、スリット深め、胸元広めの薄着スタイルに、下着も付けていない。さらに、真理と同じく、ほつれも用意していた。
 男性たちは、神月に注意を引かれ、そのほつれにも気が付いた。
「その女の人の、具合が悪そうだったんで……。あ、ヘンな糸くずがついてますよ」
 どうやら、本当に親切な青年たちだったらしい。
 親切が、スルスルっと神月を素っ裸に剥いてしまう。
「うわああ! ごめんなさい、ごめんなさい!」
「イタズラ好きがいるみてーだナァ?」
 神月は、ニヤリと怖い笑顔をみせるが、怒ってはいなかった。
「あとで、いーことシテやっかラ……」
 抱きついてみせると、立ち退かせようとして、しかしそこへアーシャまでやってくる。「ほら、お爺ちゃんガン見しない」
 老人や、その孫を連れた団体までが、追いついてきていたのだ。
「わ、私が、また案内役ですか?」
 ましろは、服がなくなり、植物を巻きつけた。葉っぱが、胸と股を隠してくれる。
 その、かっこうで案内する。
「こ、紅葉がきれいで……」
 身体をじっくり見て。
「ツタ科の植物ですね。もうそろそろ落葉しちゃうかな」
「間にあいましたな」
 引き返す人々の後ろ姿をみるころに、葉っぱは落ちて、遅ればせながら、また水やりになった。
「はふう」
 ワレメから吹きかける。一般人を帰すのが、間に合わなくなってきた。
 さきほど、ミスラの着替えを目撃した少年も戻ってきた。
「良い子にしてたら、あとでご褒美をくれるって言ったんだ」
 単騎の敵ゆえか、機械のボディだからか、ダモクレスは結構な耐久力だった。投棄した業者も、手抜きせずにリサイクルを考えるべきだったろう。
 ともあれ、2周目のローテーションに入らざるを得ない。
 加えて、カフェが抑えているものの、一般人たちの服を、ミシンロボに嗅ぎ付けられているふしがある。
 策は、瓦解したのか。ケルベロスの数人も息をのんだその時。
「待てぇい!」
 制止する声に、ダモクレスの動きが実際に止まった。うろたえるように、イトマキの顔で付近を見回す。
 山肌を見上げた岩の天辺。逆行に立つ人影が。
「モノは見かけによらぬもの……人それを本質という」

●勝利のケルベロス
 逆光を背に、熱いおにーさんが登場し、ケルベロスらさえ、ざわつくなか。
 なぜか、デウスエクスが代表でたずねる。
「イッタイ、ダレダッ?」
「貴様に名乗る名は、ない!」
 絶壁を飛んだ影が、ミシンロボにぶち当たると、それは真っ黒い絵の具であった。
「そーんな光景が目に浮かんだものですから」
 アンヴァルが、ぶちまけた『ペイントスプラッシュ』の効果であった。
 足止めが生かされ、敵が黒く染まってしまった糸を直すあいだに、ケルベロス側は体勢を立て直した。
 アーシャが、対処法を看破したのだ。
「つまりなぁ、内に刺さっているか、被さっているものは、分解できないってことよ、自分で言ってて恥ずかしいけど」
 ヒントになったのは、ミスラのマシンだ。
 アルメイアは、ポンと手をうつ。
「私の下着もひっかかって……。つい、怒ってしまったが、対処法の手掛かりだったか」
 そして、もう一つ。カフェが今度は、子供たちの防衛役にまわっていた。
 股間から生やしていたのは、双頭のマシンだったのである。
「体を張ってでも、ダモクレスの被害を止めねばです……」
 走り回って、つぎつぎと腰を振り、ミシンロボに狙いをつけさせない。
 助けられた女の子が、また男の子も助ける。
 ミスラは、約束した少年に、ここでご褒美タイムにした。
 四つん這いで指示する。ちゃんと雄の本能があった。
「お、お姉さん……僕、おしっこ出ちゃう…っ!」
 腰を密着させ、少年の初めてを受止める。
 真理は、『咲き誇る白の純潔』を、女性たちに這わせた。先ほど刺さっていたのは、見本であると。
 大人の男性は、神月が被せてまわり、攻撃にも参加した。
「4人と交わった姿勢のまま、ジャンプしたーッ」
「男たちを次々と、脚で投げ上げて、合間に敵へキックを!」
「キン……お手玉しているのか」
 これには、アーシャも驚く。
「まるで中華雑技の足芸だぜ」
「おい、アーシャ! この恰好で、ライブしろってのか?」
 アルメイアは、下着も無くなった全裸で、ギターを抱えた。軍師からはGOサインがでている。
「貴様諸共、裁断してやる、死ねえ!!」
 バイオレンスギターは巨大なハサミに変形した。
「ミィシャアアア!!」
 ダモクレスの最期は、『断絶の鋏刃(グッバイ・シザース)』で、ちょっきん。
 廃棄される前には、布を裁断したあとの縫製が仕事だったのだ。
「つ、疲れた。服を修復して……ぐお、根性!」
 アルメイアが倒れそうなのに、一般の人たちこそ、タフに交わり続けていた。
 いつのまにか、ましろ、アーシャとアンヴァルまで、参加している。ミスラの祈りで許されたんだそうだ。

作者:大丁 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年12月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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