●都内某所
「いいか、お前ら! 女をモノにするなら、催眠術ッ! これしかねぇ! 俺は催眠術を会得するため、高名な催眠術師に弟子入れした! そして、会得した催眠術を! それを今から、お前達に伝授してやろう! これさえ会得すれば、お前らは無敵ッ! 例え、相手が誰であろうと、必ずオトす事が出来るッ!」
ビルシャナが、とあるビルに信者達を集め、自らの教義を語り始めた。
その言葉を一言一句逃す事なく聞きながら、信者達が未知なるパワーに思いを馳せた。
催眠術さえ会得すれば、気になるあの子に、あんな事や、こんな事……。
考えれば、考えるほど、頭の中がイケない気持ちで、いっぱいになった。
●セリカからの依頼
「中村・真菜(ノスタルジア・e63219)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
ビルシャナが拠点にしているのは、とあるビル。
この場所では、怪しげなセミナーなどにも利用されているため、色々な意味で悪い噂があるようだ。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
信者達はビルシャナから催眠術を伝授されているものの、成功率は微妙なレベル。
それでも、必ず効果があると信じ、催眠術を仕掛けてくるようだ。
そのため、催眠術が効いたフリをするより、そんな事をする必要がない方向性で説得をした方が、成功率も高いようである。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくお願いします」
そう言ってセリカがケルベロス達に対して、ビルシャナの退治を依頼するのであった。
参加者 | |
---|---|
機理原・真理(フォートレスガール・e08508) |
マリオン・オウィディウス(響拳・e15881) |
盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466) |
ディ・ロック(オウガの光輪拳士・e66977) |
●君にもできる催眠術
「……まあ、流行ってますものね、催眠もの」
マリオン・オウィディウス(響拳・e15881)は何やら察した様子で、ビルシャナが拠点にしているビルの前に立っていた。
ビルシャナは催眠術を使って、如何わしい事をしようとしているらしく、ビルからも怪しげな雰囲気が漂っていた。
そのため、色々な意味で近寄り難い雰囲気が漂っているものの、ビシルャナが関わっている以上、ここで退く訳には行かなかった。
「つまりビルシャナ達は、その催眠術を悪用して、信者を集めているという訳ですか」
ディ・ロック(オウガの光輪拳士・e66977)が納得した様子で、マリオンに答えを返した。
事前に配られた資料を見る限り、ビルシャナが信者達に教えている催眠術は、素人に毛が生えたレベルのモノ。
そんなモノで催眠状態に陥る相手などいないと思うのだが、ビルシャナ自身は催眠術を使う事が出来るため、その辺りを上手く誤魔化しているのかも知れない。
「催眠術って聞くと、そういうイメージの人も居るかもですが……忘れちゃった事を思い出したり、トラウマを治療したり、人に役立つスキルなのですよ。……ですから、これは良くありませんね。そもそも、催眠術は自分の欲望を満たす道具ではありませんし……」
機理原・真理(フォートレスガール・e08508)が、自分なりの考えを述べる。
しかし、ビルシャナ達は自分達の欲望を満たすため、催眠術を使おうとしているため、何としても阻止する必要があった。
そうしなければ、催眠術を使って、あんな事や、こんな事。
最悪の場合は沢山の被害者を生み出す事になるだろう。
「催眠術も面白そうだけどー……して欲しい事があるだけだったら、ふわりは言ってくれたら全部してあげるのになー、って思うの! だから、みんなに話を聞くのー! そうしたら、催眠術なんて必要なくなるのー!」
そう言って盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)が上機嫌な様子で、廃墟と化したビルに足を踏み入れた。
●催眠術の力は偉大なり!
「おっ! 噂をすれば、獲物が来たぞ!」
その途端、ビルシャナ達がケルベロス達の存在に気付いて、ニンマリとした笑みを浮かべた。
みんな如何わしい事を考えているのか、頭の中で妄想全開ッ!
それが見ただけで分かってしまう程、いやらしい笑みを浮かべていた。
「誰にいくら払ったか知りませんがそういうの徒労っていうのですよ。ご存知です?」
マリオンがミミックの田吾作に腰掛けながら、呆れた様子でビルシャナ達を鼻で笑う。
「……なん……だと?!」
その途端、ビルシャナ達の目つきが、一瞬にして鋭くなった。
「そもそも催眠術って、かけられる側に、その気が無いとかかんないと思うのです。……ですから、嫌がってる子とかを好きに、なんて出来る訳ないのですよ?」
そこに追い打ちを掛けるようにして、真理がビルシャナをジーッと見つめ、プレッシャーを掛けた。
「う、嘘ですよね、ビルシャナ様!」
それが原因で、まわりにいた信者達が不安な気持ちになったのか、小動物のような視線をビルシャナに送る。
「そんなの、嘘に決まっているだろうが!」
ビルシャナが激しく動揺した様子で、必要以上に強がった。
だが、信者達は不安げ。
『本当に大丈夫なのか』と言わんばかりに、ビルシャナの顔を覗き込んでいた。
「そんなにやりたい事があるんだったら、ちゃんと勇気を出して言ってみた方が、まだ成功する確率はあるのですよ。その方が催眠術なんか使うより、よっぽど効果的ですから」
それでも、真理が臆する事なく、催眠術を否定した。
「ならば……お前達の実力を見せてやれ!」
その事に腹を立てたビルシャナが、まわりにいた信者達を嗾けた。
「……はい!」
それに応えるようにして信者達が一斉に陣取り、糸のついた5円玉を左右に揺らした。
その光景は一見すると滑稽であったが、無駄に息が合っているせいか、ずっと見ていると気持ちが悪くなってきた。
「……グラビティでも無いのに人を操るとはなんと恐ろしい力なのだ。……これが地球人の底力なのか」
その勢いに間見込まれ、ディが驚いた様子で口を開く。
一見すると、子供騙しに思えたが、それでも効果は抜群。
何となく別世界に迷い込んだような違和感があった。
しかし、それ以上に残念感が勝っているため、催眠術には掛からなかった。
「いえ、この程度であれば、真似をするのは簡単です。ほーら、あなたはだんだん眠くなる。ジャンジャンバリバリ眠くなる」
すぐさま、マリオンが傍にいた信者から5円玉を奪い取り、見よう見まねで催眠術を試みた。
「うっ……」
その影響を受けた信者が、崩れ落ちるようにして、グッタリ。
まわりにいた信者達も、うつらうつらとした様子で、ユラユラと頭を揺らし始めた。
「鍛え抜かれたケルベロスなら催眠術が使える……これがケルベロスの常識……」
これにはディも圧倒された様子で、完全に勘違いをした。
だが、信者達も思い込みは激しく、今にも夢の世界に旅立ちそうな勢いだった。
「お、お前ら! もっと頑張れ! ガッツだ! 気合だ! 根性だ!」
それに危機感を覚えたビルシャナが、信者達を煽って、煽って、煽りまくった。
しかし、信者達は体力の……限界ッ!
それ故に、フラフラ。
『……なんだか、とっても眠いんだ……』と言わんばかりに、意識が朦朧としており、危険な状態に陥っていた。
「負けて……たまるかァァァァァァァァァァァァァ!」
そんな中、必死に意識を保とうとしていたのは、熱血タイプの男性信者であった。
既に意識が朦朧としているものの、それでもビルシャナの教義を信じ、気合と根性だけで立っているような状況であった。
「……大丈夫。まずはリラックス、して下さい。目を瞑って――貴方のしたい事を一つずつ、思い浮かべるですよ」
真理が熱血タイプの男性信者に駆け寄り、耳元で囁くようにして妄想の世界に誘った。
熱血タイプの男性信者は動揺していたものの、真理が背後に回り込んで、ズボンを下ろした事によって、今まで張りつめていたモノが、ヒョッコリと顔を出した。
「ほら、貴方の凄いのが私のナカに入ってくるです……熱くて、トロトロになったのが、貴方を包んじゃってるですよ」
それでも、真理はモノには触れず、言葉だけで熱血タイプの男性信者を興奮させ、その気持ちを昂らせた。
「……変態」
そこで真理がトドメの一言を吐き、熱血タイプの男性信者を、現実に引き戻した。
「んあ、くうっ!」
だが、熱血タイプの男性信者は、妄想の世界で果ててしまったのか、噴水の如く勢いで大量のミルクを撒き散らした。
そのせいで、腰から崩れ落ちるようにして座り込み、薄ら笑いを浮かべながら、妄想の世界の住民と化していた。
「ば、馬鹿なっ! こんな事……あるはずが……」
ビルシャナが唖然とした表情を浮かべ、ワナワナと体を震わせた。
本音を言えば、キッパリと否定したいところだが、迂闊な事を言えば、間違いなく教義に反してしまう。
しかも、信者達が面白い程、催眠術に掛かっているため、嫌な汗が止まらなくなった。
「何だか、よくわかんないのー……。だから、とってもヒマなのー!」
ふわりがプンスカと怒った様子で、大きく頬を膨らませた。
「だったら、お前に催眠術を使って、あんな事や、こんな事をしてやるうううううううううううう!」
ビルシャナが興奮した様子で、5円玉をユラユラと揺らした。
しかし、ふわりはキョトン。
「ひょっとして、えっちな事をしろって事? それなら、催眠術なんて無くてもー、ふわりは皆がして欲しい事、ぜぇーんぶしてあげるの♪」
その途端、ふわりが何やら察した様子で、傍にいた男性信者に顔を近づけ、唇を奪うようにして舌を絡ませた。
男性信者は半ば眠りの世界に旅立っていたものの、ふわりが服を脱いで跨ってきたため、緊急事態とばかりに己のモノを反り立てた。
それは催眠術とは全く関係なく、本能的なモノ。
それがふわりのナカにズブズブと沈んでいき、根元がきゅっと締め付けられた。
「うくっ!」
その拍子に男性信者が、盛大に果てたものの、ふわりがまったく気にせず腰を動かしてきたため、ナカから溢れ出すほどのミルクが床に広がった。
「う、嘘だろ……!」
それを目の当たりにしたビルシャナが、信じられない様子でダラリと汗を流すのだった。
●ビルシャナだって、エッチがしたい
「……って、そう言う事は俺にするんだ、俺に!」
ビルシャナが涙目になりつつ、自分の顔を指さした。
本音を言えば、『跨られていたのは、俺のハズ』と言いたかったようだが、ふわりは再びキョトン顔。
男性信者の顔を胸の谷間で挟みながら、別の男性信者を相手にしようとしている最中だった。
「順番を守らない悪いビルシャナさんは、そこで大人しくしていればいいのー!」
ふわりがビルシャナに自分のショーツを被せ、その間に猟犬縛鎖を仕掛けて、動きを封じ込めた。
それに合わせて、ディがサークリットチェインを使い、地面にケルベロスチェインを展開すると、味方を守護する魔法陣を描いた。
「そもそも、信者達に教えていた催眠術自体インチキですよね? 例え、効果があったとしても、それは単なる思い込み。所詮は、その程度のモノですよ、これ」
マリオンが皮肉混じりに呟きながら、ビルシャナに攻撃を繰り出していく。
それに合わせて、ミミックの田吾作が、マリオンらを守るようにして陣取った。
その間も、ふわりは男性信者達の相手をしており、前や後ろだけでなく、口や胸、両手も使って、雄々しく反り立ったモノから、ミルクを搾り取っていた。
「……と言うか、俺もヤラせろおおおおおおおおおおおお!」
次の瞬間、ビルシャナが気合と根性と何かで拘束から抜け出し、ケルベロス達に対して催眠光線を放ってきた。
「グラビティなら拙者でも対応できる!」
それを迎え撃つようにして、ディがヒーリングパピヨンを使う。
「……安心しろ、俺にそっちの趣味は……ない!」
その言葉を聞いたビルシャナがキリリとした表情を浮かべ、躊躇う事なくキッパリと断言した。
だが、他のケルベロスにも効果はなかったため、ビルシャナが気まずい様子で汗を流した。
「……残念ですが、私も趣味じゃありません」
それと同時に真理がライドキャリバーのプライド・ワンと連携を取りつつ、一気に間合いを詰め、チェーンソー斬りを仕掛けて、ビルシャナを真っ二つに切り裂いた。
「そ、そんな……」
そのため、ビルシャナは最後のセリフを言い終える前に崩れ落ち、血溜まりの中に沈んでいった。
「……終わったか」
ディが肉の塊と化したビルシャナに、ゆっくりと視線を落とした。
ビルシャナは完全に絶命しており、二度と動く事はない。
その途端、まわりにいた信者達がハッと我に返り、ふわりの股間をガン見した。
「こっちの方が、みんな催眠より効いちゃいそうなのー♪」
そう言って、ふわりが股間から大量のミルクをポタポタと垂らしながら、甘い蜜に群がる蜂の如く迫ってきた信者達の相手をするのであった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2019年10月16日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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