磨羯宮決戦~八王子迎撃戦

作者:雪見進


「東京焦土地帯に、エインヘリアルの要塞が出現しました」
 緊張した顔で説明をしているのはチヒロ・スプリンフィールド(ヴァルキュリアのヘリオライダー・en0177)。出現したエインヘリアルの要塞は、磨羯宮『ブレイザブリク』。第九王子サフィーロと配下の蒼玉騎士団が守護している。
 磨羯宮『ブレイザブリク』出現と同時に、蒼玉騎士団の尖兵が、東京焦土地帯を制圧、周辺の市街地へと略奪を仕掛けようと出陣した様子。それを地図を広げ説明をしている。
「この蒼玉騎士団の尖兵である略奪部隊は、『蒼狂紅のツグハ』が指揮しています」
 この『蒼狂紅のツグハ』が指揮する略奪部隊は、市街地で殺戮と略奪を行おうとしている。
「皆さんには、この略奪部隊の迎撃をお願いします」
 そう言って、八王子焦土地帯の地図にマーキングをしていく。
 敵は統率の取れた騎士団。それが略奪というのも、まあ……よくある事だ。『略奪』という名称が『現地調達』や『徴発』等に変わるだけの話。
 とはいえ、現状でそれが可能であると思っている点を考慮すると、ケルベロスの実力を過小評価している事が分かる。そこを狙い、戦力を削り指揮官を打ち取れば、蒼玉騎士団も撤退するだろう。

「それで、略奪部隊の動きなのですが……」
 とはいえ、蒼玉騎士団はエインヘリアル直属のエリート。戦略はともかく精鋭であるのは間違いない。それが督戦兵1名、一般兵5名で班を組んで行動している。それが50班、計300人のエインヘリアルが八王子の焦土地帯で、行動している。
 何か異変があった場合や、敵が現れた場合は、この小隊規模で偵察を行ったり、敵の撃退を行うと考えられる。
 戦闘時には、別の小隊が増援として派遣される可能性が高いので、戦闘を行う場合は、ある程度本体から引き離して行ない、増援が来る前に決着をつけるか、撤退する必要がある。
「周囲の地形ですが、廃墟となった市街地等があります。それを利用すれば奇襲等は可能だと思われます」
 焦土地帯とはいえ、色々利用出来るものはある。強敵ではあるが、ここまで戦い抜いて来たケルベロスたちであれば勝機はあるだろう。

「そして、蒼玉騎士団の戦闘能力ですが……」
 問題の『狂紅のツグハ』率いる蒼玉騎士団だが、一般兵はそれほどの戦闘力ではないが、督戦兵はそれなりの実力。『ケルベロス一班』と『蒼玉騎士団一班』は、五分五分の実力。勝利する事は不可能でないと思われるが、戦闘後は戦闘不能者を抱え撤退を余儀なくされるだろう。
「ただ、督戦兵は、傲慢で面倒な事は全て一般兵に押し付ける傾向があるようです」
 それを利用すれば、被害を減らして勝利する事も出来るだろう。また、督戦兵を撃破出来れば、一般兵は撤退をするので、督戦兵の撃破を狙う戦術も有効だろう。
「蒼玉騎士団は、エインヘリアルの王子直属のエリートです。しかし、実戦経験は少ないので、皆さんなら無事に帰ってきてくれると信じています」
 今回の作戦は、正面から戦うだけではない。他班と協力して、撹乱に徹する班がいてもいいだろう。しかし、最優先は無事な帰還。今回の戦いは、第九王子サフィーロとの最初の戦いに過ぎないのだ。
「それでは、皆さんよろしくお願いします」
 最後に言葉を付け加え、後を託すチヒロだった。


参加者
ノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720)
愛柳・ミライ(宇宙救命係・e02784)
神崎・晟(熱烈峻厳・e02896)
羽丘・結衣菜(マジシャンズセレクト・e04954)
源・瑠璃(月光の貴公子・e05524)
フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)
輝島・華(夢見花・e11960)
折平・茜(モノクロームと葡萄の境界・e25654)

■リプレイ


「……何時だって負けられないの……今日も」
 静かに呟く愛柳・ミライ(宇宙救命係・e02784)。
(「三年八ヶ月前と、一字一句違えず。今日は初めて出会ったあの日に……とてもよく似ているから」)
 過去に想いを馳せるミライ。そんな彼女を、そっと支えるようにフローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)とポンちゃんが寄り添う。
「今日も君のために歌うのです」
 そんなフローネと他の仲間たちの為に、歌を響かせるミライ。
「生きるために必要なのかもしれない」
 折平・茜(モノクロームと葡萄の境界・e25654))は、新しいエインヘリアル、第九王子サフィーロ率いる蒼玉騎士団が、どのような理由で攻撃を仕掛けてきたのか考察している。
「だとしても、誰かが殺されるのを見過ごすわけにはいかないし、引き下がれない」
 しかし、負ける訳にはいかない。戦いの覚悟を口に出し気合を入れる茜。
「さあて、元市街地でのゲリラ戦、とかちょっと楽しくなるね……!」
 そんな神妙な雰囲気をあえて柔らかくするように声を上げたのはノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720)。
「数が多いが、まあ何とかなるだろう」
 神崎・晟(熱烈峻厳・e02896)は持ち前の豪胆さを見せる。そんな相手の数は三百。
「数は多いけど、相手の油断を突けば十分に勝てる戦い」
 羽丘・結衣菜(マジシャンズセレクト・e04954)の言う通り、相手は油断している。そこを突く事が出来れば勝利する事は不可能ではないだろう。
 そんな強大な戦力であるが、何か違和感がある。それを口に出したのはフローネ。
「ゲートへの道を開いて攻勢に出る……エインヘリアルはそのリスクを負う程、追い詰められている印象はありませんが……」
 今回のエインヘリアルの攻勢には不可思議な点がある。非常に 『油断』してるのだ。ドラゴン勢力のゲートを破壊したケルベロスたち相手に……。
「確かに……エインヘリアルがそれほど追い詰められている印象はないよね」
 ミライもフローネの言葉にうなづく。
「ハールの策略が効いているのでしょうか……」
 そうなると、どうしても気になる存在がある。ハールだ。その背後には様々な憶測があるが、分かっている事はそれほど多くない気がする。
「要塞も気になりますが、まずは皆様で無事に帰る事を最優先に」
 しかし、それも推測の域を出ない。まずは、作戦の成功及び帰還を考えるべきだと輝島・華(夢見花・e11960)は声を上げる。
「そして、これ以上の横暴な振る舞いや、略奪を許すわけにはいきません」
 相手が油断しているとはいえ、正面から戦えば勝機は無い戦力のエインヘリアル軍。
「みなさんが一緒ならきっと勝てるわ!」
 結衣菜は皆を見渡すと、そこにいるのは何度も共に戦場を駆けた歴戦の仲間たち。
「ええ、エインヘリアルの作戦を阻止してみせます!」
 これ以上の推測は戦いの後でいい。勝利すれば、そこから情報が得られるだろう。そこから今後の予測を立てていけばいい。
「僕も以前よりは、強くなったんだ!」
 源・瑠璃(月光の貴公子・e05524)も成長しつつある自分を実感しながら、気合を入れる。覚悟を決め、作戦行動に移るケルベロスたちだった。


「よーしペレ、結衣菜と一緒にちょっと待っててね。私が帰ってきたらスタートだ」
 ノーフィアは一度『ぎゅっ』とハグしてから、結衣菜にボクスドラゴン・ペレを預ける。
「ポンちゃんも待っててね」
「ラグナルを預ける」
 ミライと晟もボクスドラゴン・ポンちゃんとラグナルを仲間に預ける。
 ミライ、晟、ノーフィア、瑠璃はこれから蒼玉騎士団を誘い出す為、囮部隊として危険な任務に先行する。その為に、相棒を奇襲部隊に預ける。
「うん、任せて」
 ペレたちを預かる結衣菜。ボクスドラゴンたちも信頼した様子。ペレは、ノーフィアの肩に前足で『ちょん』っと触れて、いってらっしゃいの挨拶。
 それを見て、他の子たちも真似するように、挨拶。ラグナルは晟の足に軽く頭突き。ポンちゃんは、ミライの肩に乗り、歌うような声を響かせての見送り。
 そんな様々な反応をするボクスドラゴンたちの真似をするかのように、結衣菜のシャーマンズゴースト・まんごうちゃんは、結衣菜の周りを右に一周、左に一周とご挨拶。
「頑張ろうね、ブルーム」
 そんな様子を見て、相棒のライドキャリバー・ブルームに声をかける華。ブルームは花咲く箒のような美しい外見のライドキャリバー。そんなブルームも華の期待に答えるようにタイヤを回転させる。
 そんな微笑ましい姿を背に、瑠璃、晟、ミライ、ノーフィアの囮部隊はゆっくり先行するのだった……。


「ケルベロスだ!」
 事前の作戦通り、囮部隊は空を飛行しエインヘリアルの一部隊へと接近する。さすがはエリート部隊らしく、早々に発見される。
「よし……お前、追いかけろ。場所が分かったら教えろ」
「はっ!」
 そんなケルベロスたちへの指示は、驚く事に一般兵士を派遣し、居場所を特定してこいという命令。
(「油断……なのか?」)
 走って追いかけてくる一般兵士を囮部隊は、引き離し過ぎないように注意しながら、仲間が隠れている場所へと誘導する。その後を悠然と四人の部下と共に歩いてくる督戦兵。
 廃墟になっている八王子は隠れる場所は豊富。ゆっくり追いかけてくる敵をまく撒くなど容易。
 奇襲部隊は、そのまま索敵に来た一般兵を囲み奇襲を仕掛ける。
「悪いが、略奪など許す訳にはいかないのでな」
 無論、一人の一般兵を倒すのに時間などかからない。督戦兵が来る前に、一般兵を撃破し、再び隠れるケルベロスたち。
「……なんと、俺が来るまで時間稼ぎも出来ないのか……よし、お前、ここら辺にいるはずだ。探してこい!」
 兵士を失ったというのに、憮然とした態度を示すだけで、同じ指示を繰り返す督戦兵。
「は……?」
 さすがに、疑問を感じるのか、命令された一般兵の表情が曇る。
「……いけ」
「は!」
 しかし、有無を言わさぬ態度で、命令の遂行を促す督戦兵。立場の問題なのか、実力の問題なのか、命令に従う一般兵。
 無論、そんな各個撃破の機会を逃すケルベロスたちではない。
「これ以上横暴な振る舞いや、略奪を許すわけにはいきません」
 華の言葉と共に、こちらも一瞬で撃破する。
「……よし、お前ら今度は三人で行ってこい」
 戻らぬ二人目の兵士にしびれを切らした督戦兵は、残り三人に指示を出し、ケルベロスたちを探しに行かせる。
「は、はい!」
 三人は慌てて捜索に向かうものの、すでに二人の仲間が撃たれている。こんな状況では士気も下がる。三人は探す『ふり』をしながら、違いに距離を取らぬように周囲を警戒している。
「色々と事情があるのかもしれないですが、貴方達は侵略者でしかありません」
 しかし、周囲の地形を把握しているケルベロスたちにとっては、やはりただの愚策。
 事前に茜によって作られた罠へと誘い込み、完全に分断した後、殲滅されるだけだった……。


「やつら、何をやっている……」
 瓦礫に腰をかけ、悪態を吐く督戦兵。そこへ、ほぼ無傷のケルベロスたちが周囲を囲むように現れる。
「黒曜牙のノーフィアより蒼玉騎士団の督戦兵へ。剣と月の祝福を」
 とりあえず名乗るノーフィア。まあ、これだけ罠に嵌めといて、ちょっと思う所もあるが……。
「そうか、俺は督戦兵。エリートだ! 貴様らの首を貰う!」
 兵士を全て失っている事くらいは把握しているのだろうが、エリートだからか油断しているのだろう。
「それで退く理由などあろうはずもない」
 晟は豪胆は表情で最前線に立ち、その腕にラグナルを乗せ、戦いの構えを見せる。
 本格的な戦いの開始だ!

「さっさと倒れろ!」
 最初に攻撃を仕掛けてきたのは蒼玉騎士団督戦兵。その名は伊達では無い様子。ゾディアックソードを振り、剣に山羊座のオーラを宿し広範囲へ斬撃を飛ばして攻撃してくる。
「ふんっ!」
 それを正面から受け止めるべく前に出たのは晟。全身を重武装装備へと換装し、蒼竜之闘氣【澳】をフルパワーで展開させる。
「うっぜえええっ!」
 さらに茜も仲間を守る盾となるべくバトルオーラを全開にして、晟と共に督戦兵の攻撃から仲間を庇う。
「舐めるな!」
 しかし、エリートであるのは間違い無い様子。重武装の晟と茜を星座のオーラで押し潰そうとする。
「まだです!」
 そこへ割り込むのは結衣菜。エクトプラズムで擬似的肉体を作り、晟と茜を支える。
「感謝する!」
 結衣菜の援護を受け、重圧の星座オーラを押し返そうと、足に力を込める晟。
「叩き刻むは、我が雷刃……」
 星座のオーラに耐えながら、拳に蒼雷を纏わせる。その拳を貫手に形を変えると共に、その蒼雷と共に竜頭の如き形へと変化する。
「雷鳴と共に、その肉叢を穿たん!」
 そのまま、星座のオーラごと、督戦兵へと蒼雷を纏った貫手が貫く。
「やるな!」
 攻撃を半分以上防がれ、反撃を許したのに、余裕の笑みを見せる督戦兵。しかし、これまで歴戦をくぐり抜けてきたケルベロスたちには、余裕というよりは油断にしか見えない。
「事情があるのかもしれないと思っていましたが……」
 他のデウスエクスは様々な理由で戦ってきた。しかし、このエインヘリアルは驕り略奪を目的として現れているだけに見える。
「醜い貴方を貫きます!」
 茜の武装が赤い鋼線へと変化する。それは自身の血と羊毛を織り込んだもの。
「貴方の殺意が私だけに向けるのなら、お互いの武器で血肉を削りましょう」
 その赤い鋼線が督戦兵を貫き、その内部に鋼線の破片を残す。
「『本当』に死にたくないなら、自害をお勧めしますが……」
 茜の言葉は残酷に聞こえるかもしれないが、デウスエクスとケルベロスの戦いでは意味が大きく異なる。
「下らぬ!」
 茜に激しい怒りを向ける督戦兵。その隙を狙い、連携して動くケルベロスたち。
「私が出来る最善を尽くして皆様を守ります」
 しかし、督戦兵のように油断しないのがケルベロス。華はケルベロスチェインをノーフィアやフローネを守るように展開させ、ケルベロスたちに有利な状況を作り出す。同時ぶブルームが、その鎖を起点に高速回転しながら督戦兵へと突撃する。
「今、あなたに贈りましょう、純潔の花、無垢な花、忘れないで尊厳の花♪」
 ミライの歌声は白百合を想像させる、そんな歌声。その歌に込められた想いが仲間たちの背中を押す。
「そこだ!」
 ドラゴニックハンマー・機龍槌アイゼンドラッヘを砲撃モードへと変形させる瑠璃。
「合わせるよ!」
 瑠璃に動きを合わせ、ノーフィアも龍の顎門の底部を展開させる。
「ポンちゃんも一緒に攻撃、いいね!」
 そこに重ねるペレとポンちゃん。二体のボクスブレスと共に、二発の竜砲弾を叩き込む。
「何度エリンへリアルと戦いがあろうとも、私は紫水晶の盾を掲げ続けます!」
 そして、フローネの全身に力を込めた、サファイアグレイブによる高速斬撃が、督戦兵を追い詰めていく。
「くくく、中々やるようだな。だが、貴様らはここで俺の功績となり消えていくのだ!」
 督戦兵と言われているだけはあるようで、一般兵とは比べものにならないくらいの強さ。もし、一般兵士が五人いる状況であれば、勝率は五分……いや、もっと低かったかもしれない。
 しかし、戦況はケルベロス有利。それに気付いていないのは慢心か、それとも油断なのだろうか……。


 戦況はケルベロス有利に進んでいく。
「今日はここで一休みしよう。夜は彼らの領域だ。砂塵で星は見えないが、風が我らを守っている証さ♪」
 ミライの歌声が仲間たちの傷を癒し……。
「この森の恵みを以って、あなたを癒すわ」
 結衣菜がまんごうちゃんと一緒に祈りを捧げると、魔法の木の葉で仲間の傷を優しく包み癒していく。
「貴様さえ倒れれば戦況は変わる!」
 執拗に茜を狙い攻撃を繰り出す督戦兵。茜のダメージはかなりの量だ、仲間のサポートで何とか耐えている状況。
「させぬよ!」
 そこへ再び割り込む晟。その体躯を利用し身を呈して茜を庇いながら、口を開きラグナルと同時にブレスで反撃を繰り出す。
「誰かが殺されるのを見逃すわけにはいかないし、引き下がれない!」
 晟の援護を受け、反撃を繰り出す茜。晟の巨体で死角を作り、そこから旋刃脚を繰り出す。
「あなたに私の力を……」
 ダメージを負う晟に華が周囲に舞わせていた花弁が、晟の傷を包み癒していく。
「しっかりなさって……!」
 華の癒しを受け、再び凄まじい気迫と共に立ち上がる晟。
「むぅ……」
 その威圧感に、一瞬だけ気後れする督戦兵。それを見逃さす瑠璃が動く。
「力を借りるよ!!」
 瑠璃は、太古に盟約したカーバンクルに力を借りる事が出来る。
「カーバンクル、その魔力にて、停止を成せ!!」
 召喚したカーバンクルの額から発せられた光が、督戦兵へと放たれ、その動きを鈍くする。
「しまった!」
 カーバンクルの光に貫かれ、動きが鈍くなったところへ、フローネとノーフィアが動く。
「明鏡止水……ココロを澄ませて」
「我、流るるものの簒奪者にして不滅なるものの捕食者なり。然れば我は求め訴えたり……」
 ノーフィアが形成する漆黒の魔法陣と対照的に、フローネの紫水晶の輝きを放つアメジスト・ビームシールドが周囲を明るく照らす。
「……いきます!」
 ビームシールドを刀状に薄長く展開させると共に、居合の構えを取る。
「紫閃!」
 紫水晶の輝きと共に、一閃された刃は督戦兵の胸を捉える。
「ぐふっ!」
 胸深くまで届いた刃が、督戦兵へと致命的な一撃を与える。
「奪え、ただ闇が欲する儘に!」
 完成した立体的な魔法陣に、督戦兵が引き寄せられ、そのまま魔法陣の中で圧壊する。
「ばかぁなぁぁぁぁ!」
 断末魔と共に督戦兵は消滅した。ケルベロスたちの勝利だ。


「まだ、戦えますか?」
「はい、大丈夫です」
 互いに損傷状況を確認する。予想以上に油断していたエインヘリアルたち。被害は最小限だったと言えるだろう。
 とはいえ、敵戦力はまだまだいるだろう。いつものように、通信手段は使えない。他の仲間たちが上手くやっている事を信じて、こちらも作戦を続ける。
「いずれは、この東京焦土地帯も、地球の人々のものに取り戻せますように、今出来る事を頑張るのみです」
 特にダメージが大きかった、茜、晟、結衣菜のヒールを行いながら、次の戦いの準備をする華。
「ならば、もう一部隊、釣り上げて来る」
「そうだね。このメンバーなら大丈夫だね」
 飛行囮部隊は再び翼を広げ、囮の役目を果たすべく飛んでいく。
 同様の作戦で、一般兵を五体排除するまで進むが、そこで戦場の空気が変化する。
「どうやら『蒼狂紅のツグハ』を倒したようだね」
 残った督戦兵が撤退していく。この班には大きな怪我を負った者は誰も居ない。ケルベロスたちの勝利だ!

作者:雪見進 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年9月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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