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事件を聞きつけ、ヘリポートへとケルベロス達が駆けつけてくる。
「東京焦土地帯に、エインヘリアルの要塞が出現したんだ」
そこでは、銀髪のシャドウエルフ、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)が彼らに対して状況説明を行っていた。
出現した要塞は磨羯宮『ブレイザブリク』で、第九王子サフィーロと配下の蒼玉騎士団が守護している。
要塞出現と同時に、蒼玉騎士団の尖兵が東京焦土地帯を制圧、周辺の市街地へと略奪を仕掛けようと出陣したようだ。
この略奪部隊は、殺戮を好む『蒼狂紅のツグハ』が指揮しており、市街地で殺戮と略奪を行おうとしている。
「市街地の殺戮をさせるわけにはいかないよ」
その為にも、蒼玉騎士団の略奪部隊を迎え撃たなくてはならない。
敵は統率の取れた騎士団で数も多いが、本国のエリートである為かケルベロスの実力を過少に評価しているようだ。
幾つかの小部隊に別れ、奇襲や伏撃を繰り返すなどして敵を翻弄し、指揮官である『狂紅のツグハ』を討ち取るか撤退させれば、騎士団も撤退していくだろう。
戦場となるのは『八王子の東京焦土地帯』で、周囲に一般人の姿はない。
騎士団の規模は蒼玉衛士団督戦兵が50体、蒼玉衛士団一般兵が250体で、300体程度だ。
「督戦兵1体が一般兵5体を率いる『小隊』が50隊あると考えるとわかりやすいかな」
何か異変があった場合や敵が現れた場合は、この小隊規模で偵察を行ったり、敵の撃退を行う。
戦闘時は、別の小隊が増援として派遣される可能性が高い。
「だから、戦う場合はある程度本隊から引き離してから交戦を始めて、増援が来る前に決着をつけるか、撤退するのがいいと思う」
また、この地域には、自然地形や廃墟となった市街地、幹線道路などがある。
戦闘は行わず、廃墟となったビルや駅ビルの地下街、下水道などを使って相手をうまくかく乱し、多くの小隊を本隊から引き離す事ができれば、本陣への強襲も可能かもしれない。
一般兵のエインヘリアルの戦闘能力はあまり高くはないが、督戦兵のエインヘリアルは罪人エインヘリアルと同程度の実力がある。
全力を尽くして戦えば、督戦兵1体と一般兵5体を同時に相手にして、五分五分で勝利する事も不可能ではない。
「ただ、戦闘後は戦闘不能者を抱えて、撤退するしかなくなってしまうよ」
督戦兵は傲慢で、自分は面倒な事は全て一般兵に押し付ける傾向がある。
これを利用すれば、派遣されてきた小隊を更に各個撃破できるかもしれない。
また、小隊の指揮官である督戦兵を撃破できれば、残りの一般兵は戦闘を中断して撤退しようとするので、指揮官をピンポイントで狙う戦術も有効だ。
一度、区切りをつけてから、リーゼリットはさらに話を続ける。
「磨羯宮『ブレイザブリク』は、エインヘリアルのゲートを守護する為に出現したのだと思われているよ」
この磨羯宮『ブレイザブリク』を攻略しない限り、エインヘリアルのゲートへの道は開かれないだろう。
ただ、蒼玉騎士団はエインヘリアルの王子直属のエリートで、実戦の経験は少ないようだ。歴戦のケルベロスならば、それを利用して有利に立ち回ることができるかもしれない。
これらのツグハの略奪部隊を撃破できれば、ダンジョン化した磨羯宮『ブレイザブリク』の攻略を開始する事が出来るだろう。
「以上だね。……皆の健闘を、ボクは祈っているよ」
最後にリーゼリットは戦地に向かうケルベロスの身を案じ、話を締めくくったのだった。
参加者 | |
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水無月・鬼人(重力の鬼・e00414) |
シアライラ・ミゼリコルディア(天翔けるフィリアレーギス・e00736) |
篠・佐久弥(塵塚怪王・e19558) |
北條・計都(凶兆の鋼鴉・e28570) |
雑賀・真也(英雄を演じる無銘の偽者・e36613) |
ルフ・ソヘイル(嗤う赤兎・e37389) |
堂道・花火(光彩陸離・e40184) |
如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384) |
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東京都、八王子焦土地帯。
デウスエクスの襲撃を受け、人々がこの地から去って久しく、八王子の市街地は廃墟となり果てていた。
この地へと、多数のケルベロス達がヘリオンから降り立ち、作戦の為に散開していく。
街の合間から見えるエインヘリアルの要塞、磨羯宮『ブレイザブリク』。
「エインヘリアルの要塞が何でこのタイミングで……」
敵拠点を仰ぎ見た堂道・花火(光彩陸離・e40184)がそれとなしに口に出す。
「東京焦土にエインヘリアルの要塞が、ねぇ」
水無月・鬼人(重力の鬼・e00414)は周辺地図を確認しつつ、徐に呟く。
彼らが確認したのは地下への入り口。
今回、こちらのチームの作戦方針は、ケルベロスの掃討へとやってくるエインヘリアルの部隊をおびき寄せて撃破する作戦だ。
作戦内容について、如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)やルフ・ソヘイル(嗤う赤兎・e37389)も作戦について認識を深めるべく、あれこれと語り合っている。
「随分と急、ですね」
「ああ、あまりに急な登場じゃないか……一体何を焦っているのやら」
シアライラ・ミゼリコルディア(天翔けるフィリアレーギス・e00736)の言葉に、北條・計都(凶兆の鋼鴉・e28570)が同意を見せる。
ここにきて、いきなり動きを見せたエインヘリアルに注目するケルベロスも少なくない。
「何度来てもほんと、ここは彼方と近い場所なのかもしれないっすね」
幾度か交戦に訪れていることを顧みた篠・佐久弥(塵塚怪王・e19558)はこう分析する。
デウスエクスがいるからこそ、ケルベロスは個々に集うし、サルベージを狙って死神も集うと考える。
「エインヘリアルの宮がここに顕れたのは、この地が彼方に近いからなのかもしれないっすね」
そんな佐久弥の考えについて、花火は難しくてちょっと分からないとしながらも。
「でも、これはチャンスッスね! 頑張って行こうッス!」
しかしながら、鬼人は今回相手となるエインヘリアル、狂紅のツグハを指揮官とする部隊「蒼玉衛士団」について腑に落ちない部分があるらしい。
「重要拠点なのに、頭の悪そうな指揮官にやる気のない督戦兵、練度の低い一般兵で攻めてくるとは、ちょっとわざとらしくないか?」
これも敵の作戦の匂いがすると、鬼人は感じていたらしい。
敵の一大拠点だ。できる限り磨羯宮の様子を確認しようと、彼は頻りにそちらを観察していた。
ただ、それはそれとして、チームメンバー達は現れる部隊の対応をとまずは考えていて。
「ツグハのような残虐な敵は許しておけないっす」
花火はその討伐こそ他のチームに託すが、作戦を阻止する為にと気合を入れる。
「精鋭だかエリートだか知らんが、こっちは戦場での叩き上げなのでな」
百戦錬磨の格の違いを見せてやらねばと、雑賀・真也(英雄を演じる無銘の偽者・e36613)が悠然と構えれば。
「向こうの事情がどうであれ、俺達はケルベロスとして止めるまでだ!」
攻め来る敵に全力投球と、計都もやる気を見せる。
そこで、メンバー達が何かに気づく。
市街地のあちこちで高く、派手に打ち上げられる信号弾。
他チームからの敵出現の合図。かつ、敵をおびき寄せる手段でもある。
直後、市街地に響いてくる多数の足音。エインヘリアルの部隊で間違いない。
チームメンバー達は地下へと隠れ、その接近を待つのである。
●
指揮官である狂紅のツグハは、かなり驕り高ぶった男らしい。
ケルベロスを軽く見ていた彼は、全軍の半数余りを八王子市街地に潜伏するケルベロス達の討伐を配下に命じたらしい。
八王子の市街地廃墟に隠れたケルベロス達を探し出し、殺害するのがツグハの命令と思われる。
この近辺が怪しそうと踏んだ督戦兵は自らの斧を置き、大儀そうに瓦礫に座って。
「俺ぁここで待ってるからよ」
上司命令とあらば、一般兵達も多少嫌な顔をしつつ、この近辺でケルベロスの捜索へと当たる。
さて、こちらのチームメンバー達は2人1組でバディを組み、敵の釣り出しへと動く。
とある店の中に倒れる棚に隠れ、隠密気流で自身を包むケルベロスが2人。
「計都さん、調子はどうっすか?」
佐久弥が自身のペアに尋ねると、計都はぼちぼちっすと返す。
「随分とまぁ、敵の方が多い戦場っすが、まぁ、お互い無事に仕事はたして帰りましょうっす」
その後は沈黙し、状況を見守っていた2人。
接近してくる一般兵を確認すれば、過去の修行でゲリラ戦法は慣れっこと計都は意欲を燃やし、レプリカントのような見た目へと変身する。
「エリートさん達に見せてやろうじゃないか、篠さん。ケルベロスの戦い方ってやつを!」
地の利は自分達にあると、計都は先んじて「レイヴンシューター」で弾丸を6発同時に浴びせかける。
「な、なんだ!?」
さらに、佐久弥もまた、オウガメタル「体現装悟」で具現化した黒太陽からその兵士へと絶望の黒光を放射していく。
「ぐ、おのれ……」
2人に気づいた一般兵は剣を振り上げ、襲い掛かってくる。
しかし、彼らは予め手前の地面に細工をしていて。
「おあああああっ!!」
一般兵は足を取られ、落とし穴へと落ちてしまう。
そこに、先程の店の裏手側を通り、鬼人、シアライラのバディも駆けつけて。
シアライラが涼しげな表情で告げ、運命の女神アトロポスの名を冠したタロットから、氷結の槍騎兵を呼び出す。
「焦りは破滅を生みますよ? ご覚悟のほどを」
特攻していく槍騎兵が氷結の一撃を一般兵に見舞い、その体を凍りつかせていく。
穴はエインヘリアルからすれば、腰ほどの深さ。
敵は剣を振るって応戦してくるが、さらに鬼人が精神集中によって爆発を巻き起こし、その剣すらも亀裂を入れて封じてしまう。
「見せてやる……地球人の力を!!」
下半身が封じられて思ったように攻撃できぬ兵士目がけ、計都が竜鎚「機巧廻転鎚【荒徹】」をその脳天から叩きつける。
衝撃によって走る氷に身を包み、その一般兵は果ててしまう。
メンバー達は、次なる落とし穴ポイントを目指し、その場から去っていくのだった。
●
程なくして、その場に駆け付けた蒼玉騎士団小隊メンバーは、変わり果てた同僚の姿に恐怖する。
「「う、うあああっ……」」
「俺が行くまでもたせろっての」
督戦兵はまるで関心無さげに耳をほじり、さらにケルベロスを探すよう指示を出す。
そんな上司に辟易としながらも、一般兵達はなおも地下を走り回るのである。
こちらは、ルフ、沙耶ペア。
ルフが他のバディと同様、手頃な床にいくつかの小さな穴を開けていた。
「落とし穴とか、子供の頃を思い出すっすね~……」
あとは、通りかかる一般兵を釣り出すだけ。
身を隠していると、お誂え向きにこちらに現れる一般兵が1人。
「では、私からいきましょう」
別の穴に身を隠していた沙耶がその一般兵目がけ、雷杖「Selene」を突き出して雷を迸らせる。
「ぐああっ!」
叫び、周囲を見回す敵へ、今度はルフが氷結の螺旋を浴びせかけていく。
先程の仲間の死もあるのだろうが、いきり立つ一般兵は重力を宿す一撃をと剣を振るってくる。
同僚の死に様を思い出したその兵士はジャンプして落とし穴を回避し、曲がり角の向こうに逃げたケルベロスを追うのだが……。
「おああああっ!!」
そこにもまた落とし穴があり、見事に引っかかってしまう。
「まんまとつられたッスね! あとはこっちのものッスよ!」
正面からやってきた花火が嬉しそうに、仲間の後方の天井を破壊することで敵が追って来れないよう通路を塞いでしまう。
そして、穴にハマった敵には、真也が仲間へと「俺に任せろ」とハンドサインをする。
夫婦双剣「干将」と「莫耶」を両手に持ち、真也は霊体のみを斬る衝撃波を放って一般兵を苦しめる。
だが、敵も死に物狂いだ。
真也目がけて星座のオーラを浴びせかけてくるものの、すぐさま沙耶が得意の占いで導きの星を召喚し、彼に癒しをもたらす。
過去、間接的にだが、沙耶は多くの人の命を奪った過去を持ち、その贖罪の為に戦場へ立ち続ける沙耶。
人の為にならんという気持ちは、人一倍強い。
その間に、ルフが一般兵に向けて一言。
「……まっ、落ちた君は慢心しすぎてたって、勉強になるね?」
彼は口寄せの術式を彫った銀弾を敵の胸部へと撃ち込む。
すると、周囲に現れた白く大きな大蛇が一般兵へと噛みつき、仕留めてしまったのだった。
●
「雑魚相手に何てザマだ!」
2人目も死体となっていた上、ケルベロスが消えていることに、督戦兵が血管を浮かび上がらせて。
「足止めもできんのか、愚図どもがよ……!」
散々、部下を罵った督戦兵がさらに怒鳴り散らす。
「俺直々に首を跳ねてやるから、早く奴らを捕らえてこい!」
「「「…………はっ」」」
ただ、一般兵もこれでは士気が下がろうというもの。
探している振りだけし、ケルベロスの捜索にはひどく消極的になってしまう。
折角、作った落とし穴も、これでは彼らには効きそうにない。
「そろそろいくっす」
これ以上の分断は難しいと判断したルフの呼びかけに、皆同意する。
無為に時間を過ごすくらいなら攻め込むべきだと、合流したケルベロス達は固まって捜索のフリをする3人の一般兵の元へと向かう。
「なっ!」
「くるぞ!」
後方、ルフのリボルバー銃による制圧射撃の援護を受けつつ、鬼人が日本刀を手に刃に雷に霊力を纏わせて突撃し、前方に立つ1体の体を痺れさせる。
続き、真也が剣で応戦しようとしていた敵を精神集中で起爆し、相手の武器に亀裂を入れていく。
前線メンバー達が接敵していく中、沙耶がケルベロスチェイン「The Watch chain of Mad Hatter」を操って魔方陣を描き、仲間達の守りを固める。
後方支援を受ける前線では計都のライドキャリバー、こがらす丸が炎を纏って突撃していた。
竜鎚「機巧廻転鎚【荒徹】」から砲弾を発し、相手の足止めに当たる計都。
それでも、切りかかってくる一般兵。
抑えにはシアライラの箱竜シグナスが当たってくれ、相手の刃を受け止めながらもブレスを吐きかけ反撃する。
また、身構える佐久弥も敵の刃を受け止めつつ、布陣の異なる敵なら各個撃破をと、鉄塊剣「餓者髑髏」を使って大器晩成撃を叩き込み、攻め来る敵へとダメージを与えていく。
シアライラは傷を負う佐久弥を全力で支えようとする。
だが、グラビティの編成にやや難があったらしく、シアライラはスターサンクチュアリを重ねて対応していた。
相手の士気が低いこともあり、ケルベロス達は序盤から優勢に立ち回る。
花火が手前の敵を流星の蹴りを叩き込めば、足を鈍らせた敵はぐったりとうな垂れてしまう。
後方の一般兵が守護星座を描いて回復させようとするが、ケルベロスの勢いが勝って。
「黒光の暗黒螺旋剣よ。その力をもって、敵を亡き者にせよ」
異世界から呼び出した弓に黒い螺旋剣を番え、彼はその剣を細くさせながら弓を引く。
「黒光の暗黒螺旋剣(フラガラッハ)!」
音速を超えるその剣は相手を追尾してその心臓を穿つと、血を吐き出した一般兵は卒倒していった。
「ひっ……」
ケルベロスの力に恐怖も感じる一般兵達。
ルフが残る2体の足を制圧射撃で止めれば、その片方へと花火がエクスカリバールを握りしめて。
「作戦は絶対に止めるッス!」
鎧ごと切り裂いた花火の一撃に、その一般兵は白目を向いて倒れていく。
そして、もう1体にも、鬼人が攻め込んでいて。
「さすがに、一兵卒では情報を持っていないだろうからな……」
鬼人は躊躇なく相手の急所目がけて刀で弧を描き、確実に仕留めてみせたのだった。
●
「おう、ようやく……はぁ?」
最後まで、瓦礫に座ったままケルベロス討伐の報を待っていた督戦兵。
だが、彼の元にやってきたのは、ケルベロスのチーム。
さすがに頭の悪そうな督戦兵でも、その状況を察したらしい。
「クソが、しくじりやがって!」
斧を拾った敵は退路を探して、右往左往する。
ここにきてまで、督戦兵は自らが戦う選択肢はないようだ。
「本当にエリートなのか……?」
そんな背を向けて逃げようとする見苦しさを見せる敵へと顔を顰める真也がサイコフォースで起爆し、ダメージを与えると同時に斧の刃を鈍らせる。
「まさに、蛇に睨まれた蛙っすね」
ルフは再び銀の弾丸を撃ち込み、命中させた場所から白銀の大蛇が督戦兵へと食らいかかる。
相手が逃げの態勢であれば、沙耶も迸る雷を放って相手の体を撃ち抜いていく。
「ぐおおっ!」
その身を痺れさせた敵目掛け、計都が凍結光線を浴びせ、凍った場所を鬼人が確実に刃で切り広げる。
「俺は、俺がこんなところで……!」
エリートとは思えぬ往生際の悪さを感じさせる敵。
「エインヘリアル、死した人の魂の行く先だというのなら……」
そいつへ、佐久弥が鉄塊剣を振り上げて。
「また、魂へ還ると良いっす」
「ぐ、ちくしょおおおおおぉぉ……!」
重い刃を叩きつけ、相手を地に伏してしまったのだった。
●
ケルベロス一行はその後、もう1小隊を相手取る。
討伐の方法は同様で、2人4組に再度別れたメンバー達は最初の小隊交戦時に使わなかった穴へと仕掛け、一般兵を誘い出して2人を撃破。
残る3人を倒し、またも逃げようとする督戦兵を追う展開となって。
「……刀の極意。その名、無拍子」
鬼人が「越後守国儔」を抜き、無駄のない動きで督戦兵に切りかかる。
「なんで俺が、こんな奴ら、に……」
その背に深い切り傷を浴びた督戦兵は大きく目を見開き、膝を折って前のめりに崩れ落ちていった。
丁度、2つ目の小隊を討伐したメンバー達。
信号弾の発射から32分が経過し、ルフは遠方のエインヘリアルが慌てて撤退し始める姿を確認する。
「お疲れ様ッス」
作戦終了と判断し、仲間達を労う花火。
さすがに、敵2小隊の撃破後だ。
消耗は激しく、無理に追撃を行おうとするものはいない。
「ここまでか。しかし、エインヘリアルがここまで大きく動くとは」
真也は黄金の鎧を纏う英雄神の話をする。
それはあまりに危険な相手で、作戦に関わっていたならば正直ヤバいと彼は肝を冷やしていた。
ともあれ、作戦を成功に導いたケルベロス一行。
佐久弥は今身に着けている手袋、懐中時計、ブーツ、ランプといった装飾品に目を向ける。
それらは全て、同じ人から貰った大切な品々。
懐のリボンを手に、佐久弥は彼女の元に帰ろうと考える。
鬼人もまた婚約者に貰ったロザリオに手を当て、無事に終わったことを祈って。
「すまないが、少しだけ磨羯宮の様子を見に行こうと思っている」
鬼人は行くようだが、後は希望の者だけで。
できるだけ、敵の拠点についての情報を集めるべく、彼は数人の仲間と共に駆け出していったのだった。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2019年9月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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