Vストこそ至高なりッ!

作者:ゆうきつかさ

●神奈川県某所
「いいか、お前ら! 俺達の目的は、ただひとーつ! この海に来ている奴等の水着をすべてVストに変える事だ! そのためならば、手段を選ぶなッ! 何故なら俺達がやっているのは、正しい事ッ! だから何も迷う必要はない。いわば、これは脱皮ッ! 新たなステージに駆け上がるために必要な事なのだ!」
 神奈川県某所の浜辺にやってきたビルシャナはVストリング姿で、同じような恰好をした信者達を前にして、自らの教義を語っていた。
 信者達は何かに取り憑かれた様子で、ビルシャナの教義を聞きながら、それが正しいことであると思い込んでいた。

●セリカからの依頼
「リーナ・エスタ(シェルブリット・e00649)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
 ビルシャナが襲撃するのは、神奈川県某所にある浜辺。
 ここには沢山の一般人がいるものの、Vストリング姿で泳いでいるのは、皆無と言っていいレベルであった。
「今回の目的は、悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事です。ただし、ビルシャナ化した人間は、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やしています。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまうため、注意をしておきましょう。ここでビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカがケルベロス達に対して、今回の資料を配っていく。
 資料にはVストリング姿のビルシャナと、信者達のイメージイラストが添付されていたものの、気持ち悪い以外の感想が浮かばないほどアレだった。
「また信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。ただし、信者達はVストリングを着せるためであれば手段を選ばないので注意してください。とにかく、ビルシャナを倒せば問題が無いので、皆さんよろしくおねがいします」
 そう言ってセリカがケルベロス達に対して、深々と頭を下げるのであった。


参加者
リーナ・エスタ(シェルブリット・e00649)
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
除・神月(猛拳・e16846)
フォルティ・レオナール(桃色キツネ・e29345)

■リプレイ

●神奈川県某所
「どこを見ても、Vストばかりですねぇ」
 ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)は仲間達と共に、神奈川県某所にある浜辺にやってきた。
 ビルシャナが自らの教義を広めるため、浜辺を荒らしまわっているせいか、老若男女関係なく、皆Vストリング姿であった。
 それは本能的に鳥肌が立ってしまうほど不気味な光景で、直視する事が出来ないほどのモノだった。
 それとは対照的に、被害者であるはずの一般人達は……まんざらでもない様子。
 おそらく、Vストリング姿になった事で、禁断の扉が開かれてしまい、新たなステージに旅立ってしまったのだろう。
 その事が本能的に分かってしまうほど、一般人達はヘブンスマイル。
 皆イイ笑顔を浮かべながら、ポージングを繰り出していた。
「おのれ、ビルシャナ! Vストとは至高の水着! ナイスバディだけが許された選ばれた者の証! それを誰にでも見境なく着せようなど、Vストに対して不敬にも程があるよね。やはり退治するしかない!」
 それを目の当たりにしたリーナ・エスタ(シェルブリット・e00649)が激しい怒りを覚え、拳をギュッと握り締めた。
 それ以上に、ビルシャナのVストリング姿なんて見たくはない。
 ただでさえ、視覚テロと化した浜辺を、これ以上汚す訳にはいかない、という気持ちが強まった。
「今時Vストなんて普通過ぎんだよナー。もっと過激じゃねート」
 そんな中、除・神月(猛拳・e16846)がコート姿で、仲間達に合流した。
「なんだと、貴様ァ! Vストを馬鹿にするなんて、信じられん! これは俺達にとって、聖衣のようなモノ。それを普通だと!? ふざけるなッ! これは普通の水着とは違う特別なモノなんだ! それを理解しようとせず、普通扱いするとは……。本当に何も分かっていないようだなッ! ならば、教えてやろう。Vストが普通の水着とは異なるモノだという事を……!」
 その言葉に腹を立てたビルシャナ達がVストリング姿で、ケルベロス達の前に現れた。
 ビルシャナ達はVストリングを着るため、トレーニングを欠かさなかったのか、全く違和感がないものの、気持ち悪さが必要以上に際立っていた。
「まあ、いつもの、変質者的なビルシャナと、それに乗せられた憐れ(?)な信者だねぇ。なんでこう、ビルシャナへの開眼は変態的な物が多いんだろ? まあ、考えても無駄かも知れないけど……」
 そう言ってフォルティ・レオナール(桃色キツネ・e29345)が、何かを悟った様子で深い溜息を漏らすのであった。

●セイギの使者
「……そこまでだ!」
 次の瞬間、リーナが海の家の屋根に立ち、ピンクのVストリング姿でポーズを決めた。
「……あれ? どうして、みんな前屈みになっているの?」
 その途端、フォルティが違和感を覚え、ビルシャナ達の股間に視線を落とした。
「な、なんでもない! だから、気にするな! これは、その……アレだ! 大人の事情……そう大人の事情ッ! 主に、男としての事情だ! だから気にするなッ! そのうち鎮まるッ! それまで待て!」
 ビルシャナ達は、リーナが不意打ち的なアングルで陣取った事によって、股間が敏感に反応してしまったらしく、立っている事が出来ないほど、危機的状況に陥っていた。
「ならば聞くが、わたしのVストと、鳥のVスト……どっちがいい」
 リーナが思わせぶりな態度で、チラッとVストリングをズラした。
「そ、それは……その……ううっ! ……うくっ!」
 信者達が激しく動揺した様子で、一斉にクイッと腰を引いた。
 この様子では、既に我慢の限界なのだろう。
 本音を言えば、リーナ一択。
 それ以外の答えが存在しないと言わんばかりに前屈み。
 しかし、その事を口にすれば、ビルシャナの怒りを買って、それこそ血祭、病院送り。
 血溜まりの中に沈んで、グッタリするのが、オチである。
 それ故に、言えない。
 みんな……無言で、前屈みッ!
「その割には、みんな興奮しているようだけど……。ひょっとして、何かイケナイ事を考え過ぎたせいで、我慢が出来なくなっちゃった? それならスッキリした方がイイと思うけど……。ねぇ、私とする?」
 フォルティが思わせぶりな態度で、ゆっくりと服を脱ぎ始めた。
 それに気づいたビルシャナ達が、両目をカッと見開いたまま、フォルティをガン見した。
「な、何をするんだ、何を! まったく意味が分からんなッ! 一体、何を言いたいのか、意味不明だ! だから俺達にもわかるように説明してくれないか? その……手足腰取り分かりやすく……!」
 ビルシャナがスケベ根性丸出しで、信者達を押しのけ、フォルティに迫った。
「だったら、俺達も! 馬鹿な俺達にもわかりやすく、身体を使って教えてくれ……!」
 だが、信者達も負けてはいない。
 『このチャンスを逃すまい!』と言わんばかりの勢いで、ビルシャナよりも前に出ようとしていた。
「そこまで言うなら、私も相手をしてあげますよ? さぁ、どこからでもかかってきなさい!」
 そんな中、ミスラがビルシャナ達を挑発するようにして、その場で服を脱ぎ捨て、ピンクのハイレグTバックレオタードに着替え始めた。
 しかも、それは薄地で肌に張り付き、局部が丸見えのスケベ仕様ッ!
 着衣プレイ用の為、股布はオープンクロッチで、着たまま挿入が出来る構造のため、Vスト以上に煽情的デザインをしていた。
 以前の経験から、ビルシャナ達に対して、倫理的な説得は無意味という結論に至っているため、ミスラ的にはこれが最善の手段。
 不本意ながらオーク依頼で培った経験とテクニックを活かす事で、信者達の骨抜きにして懐柔し、無力化する方法でもあった。
「マ、マジか……」
 これにはビルシャナも驚き、フォルティとミスラを交互に見た。
 まわりにいた信者達も、同じように二人を交互に見た後、どちらにオネガイするのか、悩んでいるようだった。
「おいおイ、どうしタ? まさカ、この期に及んで日和ってるのカ? 何も隠してねーシ、動けば尻とか見せちゃいけねートコとかも丸見えだしヨ。かかって来い、童貞ヤロー共! 一皮剥いてやんゼ♪」
 神月がケルベロスコートを脱ぎ捨て、躊躇う事なく紐水着姿になると、拳法家の如く片足を上げた。
「……と言うか、ビルシャナに気を使う必要なんてないでしょ? 誘っているのは、私達なんだし……」
 フォルティも傍にいた信者に擦り寄り、意味ありげに顔色を窺った。
「まあ、確かにそうだが……」
 角刈りの男性信者が、困った様子でビルシャナを二度見。
 まわりにいた信者達も、最初の一歩を踏み出す事が出来ず、戸惑いムード。
「ほラ、こっちの準備は出来てるゼー♪」
 そんな空気を察した神月がミスラに尻を向けさせ、信者達に見えるようにして、オープンクロッチを中身ごと拡げた。
「あんっ……もっと見て……」
 ミスラも興奮した様子で、恥ずかしそうに頬を染めた。
「も、もう限界だ! ビルシャナ様……いや、こんなクズ鳥の相手なんか馬鹿らしいッ! 俺達だけで楽しもう!」
 その途端、信者の心が欲望に染まり、フォルティを連れて海の家にむかって歩き出した。
「だったら、俺も……!」
「俺も!」
「俺もッ!」
 まわりにいた信者達も、『新しい教祖の誕生だァ!』と言わんばかりの勢いで、フォルティの後をついていった。
 ここから先は、お楽しみ。
 ビルシャナと一緒にいたのでは、体験できないような事が待っていた。
「マ、マジか……」
 ビルシャナが唖然とした様子で、ダラダラと汗を流した。
 まさか信者達に裏切られるとは夢にも思っていなかったため、嫌な汗が止まらなくなっていた。
「どーだヨ、服とか関係なく気持ちいいだロ?」
 その間に、神月が勝ち誇った様子で信者に跨ると、両手と口を使って他の信者達を天国に導いた。
 ミスラも夢中で腰を振り、一滴残さず搾り取る勢いで、信者と身体を密着させた。
「うぐぐ……! お前らだけは……絶対に許さん!」
 それを目の当たりにしたビルシャナが、殺気立った様子で吠えるのだった。

●ビルシャナの怒り
「……仕方がありませんね」
 ミスラが覚悟を決めた様子で、憐れみの賛歌(キリエ・エレイソン)を歌い、救いを求める者、救われぬ者達に向けた祈りの言葉を紡ぐと、祝福を込めた力の加護を与えた。
「まだお楽しみの最中だけど、邪魔をされても困るしなぁ。ちょっと遊んであげるね♪」
 そんな中、フォルティが白濁液をドレスのように身に纏った状態のまま海の家から飛び出し、旋刃脚でビルシャナの股を蹴って大人しくさせた。
「うぐ……ぐお……」
 そのため、ビルシャナは反撃する事さえ出来ず、股間を押さえたまま両目をパチクリさせた。
「おいおい、まだオネンネするには早すぎるゼ!」
 続いて神月がビルシャナの懐に潜り込むようにして、抉り込むようにして降魔真拳を叩き込んだ。
 それに合わせて、フォルティがビルシャナに馬乗りすると、ブチブチと音を立てて羽毛を毟り始めた。
「……成敗ッ!」
 次の瞬間、リーナが勢いよく飛び上がり、まるで蹴りを放つようにして、ビルシャナの顔を踏みつけた。
「うぐ……俺は……ただ、Vストを……ぐはっ!」
 その一撃を喰らったビルシャナが血反吐を吐き、崩れ落ちるようにして息絶えた。
「はー、終わったねー」
 フォルティがホッとした様子で、その場にぺたんと座り込んだ。
 信者達はバケツ一杯分の量を出したので、スッキリしているかと思いきや、まだまだヤル気満々な様子。
「つーカ、あれだけヤッても、またイケるのカ」
 神月が、まんざらでもない様子で、そばにいた信者の肩を抱き寄せた。
 どうやら、色々なモノが溜まっていたらしく、一度や二度では満足する事が出来なくなっていたようである。
「これは……仕方がありませんね。このままだと妊娠しちゃうかもしれませんが……。遠慮せずに、ナカでも、お尻でも出してもらいましょうか」
 そのため、ミスラも断る事が出来ぬまま、仲間達と一緒に海の家に入っていった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年8月23日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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