植生のアウトパーキング

作者:宮内ゆう

 廃ビルの駐車場に足を踏み入れた若者たちはあたりを見回した。
 自分たちのグループがいつもの場所でたむろしていたら、別のグループに因縁をつけられた。
 良くある話だ。それもいつも通り返り討ちにしてやったのだが、ひとりに逃げられてしまったのだ。
「ここに逃げたと思ったんだがな……」
 逃げた若者を探すべく奥へ歩いていくと、突然なにもないはずの地面に足を取られた。ぼろりと崩れた地面が、まるで引きずり込もうとするかのように足に絡まっていく。
「なんだこれ、抜けねえ!」
「お、おいあれ……!」
 若者のひとりが指をさす。
 その先には人のようなものがいた。人型をしているが緑がかった身体に蔦のような手足、まともな人間ではないのは明らかだ。
 蔦のような腕がみるみるハエトリグサのような刺々しい形に変わっていくが、命の危機を感じながらも若者たちはその場を動くことができない。
 彼らが最期に見たのは、眼前迫って大きく開くハエトリグサと、人型の笑った顔だった。
 
 近年急激に発展した若者の街、茨木県かすみがうら市。
 この街では、若者のグループ同士の抗争事件が多発している。
「ただの抗争ならば、私たちケルベロス関わる必要はないのですが……」
 デウスエクスが関わっている以上そうはいかないと、ヘリオライダーのセリカ・リュミエールは頭を振った。
「おそらく、あれはデウスエクスである攻性植物の果実を体内に取り込むことで異形化した人でしょう」
 駐車場にいた人型のことだ。
「幸い、予知のおかげで相手の居場所はわかっています」
 ことの顛末は、ふたつのグループの抗争にある。
 追い詰められたグループの若者を追ってきた、もう片方のグループが攻性植物に遭遇したということだ。あるいは誘いこまれたのかもしれない。
 細かいことはともかく、攻性植物は駐車場にいるということ。抗争など気にせず最初から敵の元へ行けばいい。
 仮に途中で若者たちが来ようとも、ケルベロスと攻性植物が戦っているのを見れば逃げる。
「駐車場は広く、廃ビルですから車などもありません」
 周囲を気にせず、気兼ねなく、思い切り戦って構わないということだ。
「今回の攻性植物のグラビティですが、予知で確認できたものは2つですね」
 身体の一部をハエトリグサ状にする捕食形態。身体の一部と地面を一体化させる埋葬形態。
「もうひとつ、自分の身を護るものもあるでしょうね」
 攻性植物には収穫形態もある。
 その3つのグラビティを駆使して戦うと考えられる。
「それでは、よろしくお願いします」
 話も済み、頭を下げたセリカにケルベロスたちは送り出されることとなった。
「行って倒しゃいい、と。分かりやすくて助かるな」
 集まったケルベロスたちのひとりであるアーヴィン・シュナイドが他の仲間を見遣る。
「頼りにしてるぜ」
 デウスエクスが世界の生物を滅ぼそうとしているのなら、それに抗い戦うのがケルベロスの使命。
 その決意を胸に、ケルベロスたちは戦いに赴くのだった。


参加者
ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)
雨月・シエラ(ファントムペイン・e00749)
早川・夏輝(お気楽トルーパー・e01092)
シャイナ・ユングラウ(ウェアライダーの刀剣士・e01619)
ハチ・ファーヴニル(暁の獅子・e01897)
エリヤ・シャルトリュー(ディスティラリーマウザー・e01913)
カタルーニャ・バーミーズ(黒い尻尾の魔法剣士・e02722)
ディートヘルム・ベルネット(銀色の魔物・e04532)

■リプレイ

●陰の植物
 件の廃ビルに到着したケルベロスたちは、あたりを見回した。
 今のところは静かなもので、騒ぎが起きている気配はない。どこか遠くの方ではなんか争ってるような音が聞こえる気もするが。
 そのまま、駐車場の位置を確認してそちらへ向かう。
「予定通りであります」
 シャイナ・ユングラウ(ウェアライダーの刀剣士・e01619)が言うと、皆一様にうなずいた。
「下らぬ抗争に興じる方なぞ常であれば放置でありますが、今回ばかりは見過ごせぬでありますね」
 敵はデウスエクスというのだから仕方ない。加えてこの近辺の環境変化に抗争の激化から、一般人の攻性植物化。何かが起きていると思わない方がおかしい。
「ところで、それは何でありますか?」
「え、あっ」
 不意にシャイナが早川・夏輝(お気楽トルーパー・e01092)が抱え込んでいた包みを示して尋ねた。すると、なんか慌てて隠した、というかしまった。
「これは何でもないから! それよりも気を引き締めて戦いに臨まなきゃね!」
「……?」
 それ以上の詮索はなかったのでちょっと安心。
 包みの中はいろいろ心配があって用意していたパラシュートだったりする。でも心配はすべて杞憂であって拍子抜けしたとかちょっと言えない。
 駐車場は1階部分を利用しているが、屋外だった。壁がなく、ある程度光が差し込んでくるため、見えないほど暗いわけではない。
「人の気配はないな」
 先頭に立って駐車場に踏み込んだディートヘルム・ベルネット(銀色の魔物・e04532)が正面を見据えた。すでに狼の獣人へと姿を変え、いつでも戦える。
「……人間のは、な」
 正面奥、柱の陰に人型が立ち尽くしていた。
 だが、その姿形や色からして人間には程遠い。じっと佇んでいる様子はむしろ人のそれではなく――。
「観葉植物ってか? なら黙って突っ立ってりゃいいものを」
 敵意を全く隠そうとしないカタルーニャ・バーミーズ(黒い尻尾の魔法剣士・e02722)に攻性植物の男がゆっくりと振り向く。
「……いや、ハエトリグサなんざ別に綺麗でもねーか」
「いえ、毒々しい見た目に反して意外と綺麗な花が咲くんですよ」
 頭の紫の花を指でそっと撫でながらエリヤ・シャルトリュー(ディスティラリーマウザー・e01913)が言った。
「え、そうなの?」
「白くて可愛らしいんです。まとめて咲くと賑やかな感じで」
「へぇ……」
「といっても、あの方はそんな様子ではなさそうですが」
 改めて攻性植物の男に目をやる。ゆらりゆらりと佇んで、ただただ不気味だ。
「……仮に花が咲いても不気味だね。そもそも咲くのかもわからない」
 雨月・シエラ(ファントムペイン・e00749)が武器を構えて男に向き直る。
「ところで……動く様子がないんだけれども、こっちから攻めて構わないのかな」
 こちらの存在には気づいているので警戒はしているようだが、最初の位置からほとんど動く様子を見せない。
「ナワバリみたいなのがあるのかもしんねーっスね」
 剣を携え、ハチ・ファーヴニル(暁の獅子・e01897)が踏み込んだ。ぴくりと男が反応する。
「ビンゴ! 相手の懐に飛び込んで戦う、これも修行っス! いざ尋常に勝負っス……って、え?」
 言った瞬間にハチの真横をすり抜けて飛んできたミミックが男に直撃した。すこーん、とかいい音立ててる。
 振り向くとラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)がピッチングポーズのまま固まっていた。
「……ふう」
 そして、投げ切ったという清々しい汗をそっと拭いた。でも顔は眠そう。
「いやなに投げてんスか!?」
「大丈夫、餌……じゃなくてサーヴァントの攻撃だし」
「餌! 餌っつったっス今! あ、でもちゃんと戦ってる、えらいっス!」
 箱から出した武器で攻性植物の応戦を始めるリリさん。主から命令も受けているのだ。
 ――適当にしておいて。
「そんな指示でもちゃんと戦うっスか! ミミックの鑑っス!」
「前も思ったんだが……健気な奴だよな」
 頑張って戦うリリをみて、アーヴィン・シュナイド(地球人のブレイズキャリバー・en0016)はぽつりとつぶやいたのだった。

●捕食
 やる気がないだけなのか、そこまで植物っぽくなっているのか。それはわからないが、攻性植物の男は自身の近くまで相手がやってくると攻撃を開始した。
 それこそ、その場から動かず餌を待ちかまえ、捕食するハエトリグサのごとく。
「こちらは挨拶代わりで餞別であります。存分にお受け取りください」
 すばやく距離を詰めたシャイナの至近距離からの一撃なのだが、いともたやすく避けられてしまった。
「このクソ葉っぱ野郎様、人様の攻撃をいっちょまえにクソ回避しやがるでありますか」
 見切られると困るので織り交ぜるとはいえ、スピードを活かした戦いが得意な彼女にとって、力任せの攻撃は当たりづらい。
「まずは確実に当てていくところから、かしらね」
 そう言って早撃ちで男に攻撃を当てていく夏輝ではあるが、やはりまだまだ手ごたえが薄い。じっくりと戦う必要があるように感じた。
「喰らいやがれ!」
 後方から一気に踏み込んだディートヘルムが鉄塊剣を振り下ろした。反撃を喰らう前に素早く距離を取る。敵の注意も前中衛に向いているので安心ではあるが、こちらも少し不満げ。
「ちっ、どうにも当たりが浅いな」
「……まだ戦いは始まったばかりさ。敵も万全、少しずつ崩していこう」
 跳び蹴りを放って男の足止めをしてきたシエラが言う。
「違いねぇ。よし、フォローは任せろ!」
 普段は攻めていくタイプのディートヘルムだが、仲間の動きや自分の特性から立ち回りを判断した。
「……まぁ、なかなかに前のめりだからね、このメンツ」
 つまり、こちらが崩される前に一気に攻め切りたいとシエラは思っているようだ。
 刺々しいハエトリグサの形態。それは相手を捕まえるなど生易しいものではない。掴んだところから毒を流し込んで弱らせ、そのまま噛み砕いてしまわん勢いがある。
 下から掬い上げるような一撃に対応しきれず、葉の間にリリが挟み込まれる。
「リリが捕まった! 離せこのハエ取り野郎!」
 すかさず仲間のピンチにカタルーニャが憤り、舞い踊るように斬撃を加えていく。立て続けに入れ替わる属性に男もたじろぐが、手放すには一歩及ばない。
「食べられても美味しくないからきっと吐き出される、はず」
「全然心配してねえ!?」
 主のはずのラトゥーニはへーぜんとしている。なんなんだろう、この関係。
「味方の危機にも飛び込んでいく、これもまた……」
 真っ直ぐ、敵を狙ってハチが雷を帯びた突きを放つ。
「修行っス!!!」
 バチン、と弾かれてリリが落ちてきた。
「ほら、吐き出した」
「助けたんっスけどねええ!?」
 言うと代わりにリリがぴょこんとお辞儀した。礼儀正しい。
「いやいや、礼には及ばねっス。それより……」
「ああ、言いたいことはわかる」
 ハチとカタルーニャが顔を見合わせた。
「さっきから師匠がめちゃくちゃこっちみてるっス……」
「下手したら手出ししてくるよな、あれ……」
 サポートに回っているグラムの方を見る。腕組して仁王立ち。こわい。
「それにしても、少々おいたが過ぎるようですね」
 エリヤの言葉と共に、ハエトリグサの腕が燃え上がる。
「悪い事をする植物は焼き払っちゃいましょうか」
 にこりとエリヤが笑顔を見せる一方で。
「お、おおおぉぉぉぉ!!!」
 いままで沈黙を貫いていた攻性植物の男が叫び声をあげた。

●花炎
 叫びと共に前に出ていた者たちの地面が沈み込む。
「こいつは……!」
 アーヴィンが忌々しげに振り払おうとするが、まるで意志を持ったかのように地面が足元に絡みついてくる。そしてそのたびに頭が重くなるような感覚に襲われる。
「アーヴィン!」
 ヴィランが分身の術でサポートすると、ビスマスも砲を構えた。
「援護します! なめろうスプラッシュ・クラッシュランチャー…発射!」
「なめろうって何……いやじゃない、助かった!」
 なめろうな一撃の援護を受けてアーヴィンはその場から抜け出した、が嫌な予感が頭をよぎる。
「ここに逃げたと思ったんだがな……」
「このタイミングかよ……!!」
 人の声が聞こえて思わず舌打ちをした。予知にあった若者たちが来たのだろう。
 もし巻き込まれるようなことがあるならもちろん守るつもりだが、満足に動けない仲間がいる中では不安もある。
「おいコラ、てめええらぁぁ!!」
「うおっ!?」
 振り返りざまにカタルーニャが吠えた。
「取り込み中なんだよ、とっとと失せろ!!」
「なッ……!?」
「おい見ろ」
「ば、化け物……逃げろ!」
 その勢いと、実際に立ちすくむ攻性植物の男を見て気圧されたのか、若者たちはすぐに踵を返して逃げていった。
「っとぉ!」
「!?」
 若者への対応で、わずかな隙を見せてしまったせいか、男が腕を振り下ろしてきた。それでも傷一つなかったのは、目の前に飛び出して来てくれた者がいたからだ。
「ハチ! お前、あたしの代わりに!」
「平気っス……べ、別にターニャのためじゃないっスからね!」
「そんなことは聞いてねえ!」
 そんなやり取りをじっと見ていたのがラトゥーニ。何か思いついたらしい。そんな彼女にも男の攻撃の手が伸びる。
「あ。あぶない、かも」
 だが、振り下ろされた腕は彼女まで届かず、眼前に突き出されたリリに直撃した状態で止まっていた。
「あ、庇ってくれた……」
「思いっきり盾にしてません?」
「庇ってくれた」
 きゅんと胸元で手を握るラトゥーニ。エリヤに言われても無理やり押し通す。
 リリはそのままぽいと投げ捨て、再度戦闘開始。
「箱、がんばれがんばれ」
「せめて名前で呼んであげましょう……!」
 ちょっと遠いけどちゃんと届くので、レゾナンスグリードで敵を捕縛しつつ、リリへのダメージを少しでも減らそうとしてあげるエリヤのやさしさ。
 再度男が攻撃に出ようとしたところでシエラが鉄塊剣を振り下ろした。
 一見すると何の変哲もないただの振り下ろしによる攻撃。男はいとも簡単に避けてみせる。
「――ある筈のものが、無い。無い筈のものが、ある。キミにも分かるかな」
 だが、それこそが狙いであるかのようにシエラは笑った。すると、瞬く間に男の身体が焦げ始めた。
 それは高温故に透過した見えない炎。熱を帯び、燃え盛るその炎は、剣先よりも長く纏われていたのだ。
「おおおおぉぉぉぉぉ!!」
 男が叫ぶ。荒ぶるように身体を振りたくり、大きく地面を踏み抜いた。
「ああ。まとめて俺らを飲み込もうってかぁ!?」
 またも崩れた地面がケルベロスたちを飲み込もうとする。この鬱陶しい攻撃に、さすがにディートヘルムも苛立った。
「植物のくせに人様を食らおうなんざ、生意気なヤツだぜ!」
 ブラックスター。
 奏でられた曲が仲間たちの態勢を整える。十分に動けるようになったところで、シャイナが跳んだ。
「感謝であります。そして、すでに勝ちも見切ったであります」
 攻性植物が一気に攻めたてているこの状況、一見すると敵が有利に見えるのだが、実際は逆。敵の方が苦しいから一か八かで一気に勝負を決めようとしているのだ。
 ならば、今こそが攻め時。
 突如舞い始めた桜吹雪に男は戸惑いを見せる。
「敗北へようこそお客様」
「!!」
 殺気を感じ、男が一歩下がる。同時に薄桜色に染まる視界を切り裂いて、剣閃が走った。
 下がっていたために、当たったもののダメージは浅い。男がにやりと笑う。
「誰が、私がとどめを刺すと言ったでありますか?」
 それににやりと笑って返す。戦慄したのは男の方だ。
 シャイナがスカートを翻すと同時に桜色に染まっていた視界が開ける。かくして、男の真後ろにいたのは、夏輝。
「チェックメイト、かしらね?」
「ごゆるりとお休みくださいませ。善き悪夢を」
 もはや動きようがない。いつの間にここまで距離を詰めていたのか。
「これで決めるわ! BMセレクト……パターン・ジョーカー!」
 音を立てて夏輝にエネルギーが集まっていくのが見える。
「これがあたしの、切り札よ!」
 背中に押し付けられた砲身が火を噴いた。
 揺るがすような砲撃が幾度も響いたのち、攻性植物の男は焦げ落ちて動かなくなった。

●灰塵
 燃えた男にラトゥーニが歩み寄っていく。
 人が異形化して攻性植物となった今回の事件、彼女にも思うところがあるのだろう。
「草って日の光が必要だったような? 地下でも育つのなら、新種?」
 全然関係ないこと言い出してた。
 地下ではないが日光が当たらないのは事実。
「芽がでるとはおもえない、けど」
「いやちょっと何燃やそうとしてるの」
「草だし火に弱い、かと思って」
「折角鎮火したのに!」
 慌てて夏輝が止める。大事にならなくてこれ幸い。
「全く危ないね……流石に部屋に飾る観葉植物には向いてないかな」
「そっちもさも当然に持って帰ろうとしないの!」
 注意されてしまったので、シエラもおとなしく男から手を離した。
「……」
「……」
「……今回の事件、桃だと思って食べたら攻性植物だった、とかないよね」
 ごまかした。
「そ、そんな話なら間抜けとしか言いようがないですけど……」
 思わず吹き出しそうになりながらエリヤが言う。
「でも、原因は気になるところです。やはり、果実を誰かが配っているとか?」
「そもそも自分で取り込んだのか、むりやり取り込ませられたのか。分かっていたのか騙されたのか、そのあたりも不明であります」
 シャイナも事件の経緯を知るため、周囲を調べてみたがこれといった手掛かりはないようだ。
 一斉に暴れはじめた攻性植物の人間。
 普通に考えれば、この事件の裏で糸を引いている黒幕がいるのだが、事件の解決のためにはそこまでたどり着かねばならないだろう。
「チッ、こんなちまちまやってないで直接かかって来いってんだ!」
 人型に戻ったディートヘルムが忌々しげに舌打ちをしながら拳を打ち付ける。
 こんな卑怯なやり口で被害を広げるのは許しがたい。今すぐにでも叩きのめしてやりたいところだが、如何せんこれ以上の情報はここでは得られないようだ。
「人の身で攻性植物の実を体内に取り込んだ末路がこれっスか……やっぱり自分は、デウスエクスを許せんっス」
 わなわなと拳を握るハチ。そんな姿を見かねてか、カタルーニャが声をかけた。
「ここで出来ることはもうないな……ほら、ボケっとしないで帰るぞ」
「ああ、そうっスね。ところでさっきの怒鳴り声はなかなか真に迫ってたっスがやっぱり怖かったから……」
 パァン!
 良い音がして平手打ちが炸裂した。ハチの天地がひっくり返った。
「うるさい、叩くぞ!」
 もう叩いてる。
「……尊敬される兄弟子まではまだまだ遠そうだな」
「っスね……」
 ぶっ倒れてる横で師匠が腕を組んで頷いていた。
 攻性植物の男は倒すことができた。各地の騒動も同じように収まるだろう。それでも事件はまだ始まったばかりだと思わずにはいられない。
 これからの戦いに想いを馳せながら、ケルベロスたちは帰路につくのだった。

作者:宮内ゆう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年9月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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