美味しい美味しいかき氷! ~ミーミアの誕生日~

作者:白鳥美鳥

●美味しい美味しいかき氷!
「みんな、いつも暑い中お疲れ様なの!」
 ミーミア・リーン(笑顔のお菓子伝道師・en0094)は、満面の笑顔で語りかける。
「実はね、ミーミアのお誕生会をする事になったの! 今年も暑い夏……猛暑なの。こんな時は……かき氷、かき氷なのよ! かき氷で猛暑を吹っ飛ばすの!」
 何故か、胸を張るミーミア。
「という訳で、かき氷パーティーをやるの! みんなに美味しいかき氷を作って貰って、美味しく食べて暑さに打ち勝つのよ!」

 謎の理論になってきた。しかし、ミーミアは続ける。
「要は美味しいかき氷を作って食べましょう、という事なの! かき氷と一口で言っても色々あるの。色々なシロップとか、アイスクリームとか、果物とか! ジュースで氷を作るのも素敵なの! かき氷に必要な物は一通り用意しておくの。後、素敵な器も沢山あるのよ! だけど、どうしてもこれだけは! っていうのがあったら、持って来て欲しいの。そして、みんなで美味しいかき氷を美味しく楽しく食べましょうなの! みんなと一緒にかき氷を作れる事を楽しみにしてるの! お待ちしております、なの!」


■リプレイ

●美味しい美味しいかき氷! ~ミーミアの誕生日~
「みんな、今日はかき氷パーティーに来てくれてありがとうなの! 素敵な一日になると良いの!」
 ミーミア・リーン(笑顔のお菓子伝道師・en0094)は、にっこりと微笑む。今日が素敵な一日になる事を願って。

 姉弟の様に仲良くかき氷作りに励むのは、アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)と、スバル・ヒイラギ(忍冬・e03219)。
「うわあ、材料すごい色々あるじゃん! これなら何種類でも作れそうだね!」
 色々なかき氷の材料を見て、スバルははしゃぐ。スバルはかき氷をいくらでも食べても頭痛をしない体質なので、何種類でも……本人曰く無限に食べる事が出来るので、わくわくが止まらない。何せ、かき氷はスバルの大好物。かき氷の一気食いが特技だったりもするのだ。
 そんなスバルの一押しの材料は……。
「じゃーん! タピオカー!!」
「タピオカ? 楽しみね」
「うん、楽しみにしてて! 何て言っても、もちもちとシャリシャリ! そして和洋中意外と何でも合う! おススメ!!」
 タピオカ……無限の可能性を秘めた食材の様だ。
 そんなタピオカを使ったかき氷作りを始めるスバルの横で、アリシスフェイルも自らのかき氷作りに励む。
 アリシスフェイルが作るかき氷は、ふわふわの口当たりの優しいもの。ふわふわの氷に濃縮されたイチゴのシロップをかけ、凍らせてスライスしたイチゴの果肉をのせたイチゴ尽くしの一品だ。
「アリシスのイチゴスペシャル美味そう!」
 わくわくした表情のスバルに、アリシスフェイルは微笑む。
「勿論スバルも食べて食べて。私もスバルがつくったカキ氷食べたいのだわ」
「じゃあ、交換ー!」
 スバルとアリシスフェイルは、お互いのかき氷を交換し合う。
「んー、イチゴの味が濃い!」
「タピオカ入れると、全然違う触感があって面白いのね」
 お互いの作ったかき氷を美味しく食べて、自身のかき氷も食べて。
 頭がキーン、として手がちょっと止まってしまうアリシスフェイル。直ぐ傍には頭痛がしない体質のスバルが美味しそうにかき氷を頬張っている。アリシスフェイルにとって、頭が痛くならないところもスバルの羨ましいところの一つで思わずジト目で見てしまうけれど、その楽しそうな姿を見ると一緒に嬉しくなってしまって。
 そんな微笑ましい時間を過ごしたのだった。

 クレーエ・スクラーヴェ(白く穢れる宵闇の・e11631)が、妻の深緋・ルティエ(紅月を継ぎし銀狼・e10812)と作ろうとしているのは……。
「白くまならぬ、白にゃんかき氷大作戦!!」
「なるほど、にゃんかき氷……いいね、楽しそう!」
 猫が大好きなクレーエらしい発想のかき氷だ。
「にゃんかき氷?」
 いつの間にか、ミーミアも混ざっている。
「そう、白にゃんだけとは言わず、色んなにゃん氷を作ってみるのも楽しいかなって。フルーツやチョコで顔を作ったり、シロップとかココアとか黒蜜で色をつけてみたり」
「素敵なの! ミーミアも、にゃんかき氷、作りたいの!」
「ええ、一緒に作りましょう」
「えへへ、頑張るの!」
 クレーエのにゃんかき氷の話に興味津々のミーミアに、ルティエも誘ってくれる。
 そのルティエが作るかき氷は、きな粉と黒蜜で茶色に縞模様のにゃんこかき氷。中には白玉入りだ。……中々の出来。
「クレーエ、見てー! ハルっぽいのできたよ!」
「わ、凄い!」
 クレーエに、尻尾をぱたぱたさせて完成したかき氷を見せるルティエ。それにクレーエも嬉しそうに返す。
 クレーエも2つのかき氷を完成させていた。どちらもプレゼント用だ。
 ミーミアには和風ベースで彼女のウイングキャットのシフォンっぽいにゃんかき氷。
 奥様のルティエには苺ベースで紅蓮っぽいにゃんかき氷。
「わー、可愛いの! シフォンそっくりなの!」
「わ! 紅蓮みたい!! クレーエすごい! ありがとうね」
 大喜びのミーミアと、同じく嬉しそうに尻尾をゆらりと揺らすルティエ。二人の表情に、クレーエも嬉しくなった。
「ではでは、ミーミアもクレーエちゃんとルティエちゃんに、にゃんかき氷のプレゼントなのよ!」
 ミーミアのにゃんかき氷。クレーエには、彼の青い瞳を元にしたシロップに猫の耳を彼のイメージである白のバニラアイスにしたもの。ルティエには、イチゴを使ったシロップをかけて、同じく彼女の耳と同じ、バニラアイスの猫耳付き。猫耳アイスはお揃いのもので。
「良かったら食べて欲しいの!」
 半分押し付けるかの如く、クレーエとルティエに渡すミーミアに、二人は微笑んだのだった。

「ミーミアさん、お誕生日おめでとうございます」
 お祝いの言葉と共に、かき氷をミーミアにプレゼントしてくれたのは、ガートルード・コロネーション(コロネじゃないもん・e45615)。
 そのかき氷は、ガートルードがミーミアをイメージして作ったもので、メロンソーダで氷を作ってかき氷にして、カラフルなラムネを散らしてお菓子らしさを出して、仕上げに白いカーネーションのエディブルフラワーでカチューシャみたいに飾り付けという豪勢な代物だった。
「うわあ……! 凄い綺麗なの! ありがとうなの、ガートルードちゃん!」
 早速、かき氷を戴くミーミア。
「何だかシュワシュワってして、甘くて、でもちょっとすっぱくて……すっごく美味しいの!」
「そうですか、良かった」
 満面の笑みのミーミアにガートルードも嬉しそうに微笑む。
 ガートルードは、以前、一緒に戦ったバレンタインの時に起きた初恋のドリームイーターの時の事を話す。
「……覚えておられないかもしれませんが、あなたの言葉で……救われた気がします」
 その優しい感謝の言葉に、ミーミアはにっこりと微笑む。
「そんな風に言ってくれると嬉しいの。ミーミアは、ガートルードちゃんに『大好き』な人が出来たら嬉しいのよ。……もしかして、見つかったの!?」
 ミーミアが目をキラキラとさせて聞いてきて、思わずガートルードはくすりと笑みを零す。
「まあ、残念ながら『大好き』と言い切れる方には、まだ出会えてないんですが。それとも……出会えてても、まだ気づいてないのか。ふふ、自分でもわかりませんが」
「そうなの? ガートルードちゃんに『大好き』な人が出来る日を、ミーミア、願ってるの!」
 そう言って、ミーミアは微笑んでから、急に難しそうな顔になる。
「……うーんと、じゃあ、その想いも込めて……んんー、ちょっとお礼のかき氷を考えるから待って欲しいの」
 どうやら、難しい顔をしたのはかき氷の構想らしい。
 そして、ガートルードにお返しにと渡されたのは、桃のジュースの氷を使い、淡いピンク色のシロップに、彼女の髪の色に合わせたピンク色のラズベリーアイスクリームを添えたかき氷だった。

 イッパイアッテナ・ルドルフ(ドワーフの鎧装騎兵・e10770)が作っているかき氷は、色んな果実をぎゅっと封じた氷を薄く広く削って爽やかな色と風味を出したもの。そして、その上にシンプルに練乳かけたフルーツ一杯のかき氷だ。その傍では、彼の相棒であるミミックの相箱のザラキが楽しそうにしている。
「……美味しそうなの」
 じっと見ているのは、小さなお菓子大好きオラトリオ。
「ミーミアさん、お誕生日おめでとうございます! ミーミアさんは色んな甘味に興味があるのですね」
「ありがとうなの、イッパイアッテナちゃん! そうなの。ミーミアは世界中のありとあらゆるお菓子に興味があるし、食べたいし、作ってみたいの!」
 目を輝かせるミーミア。頭の中はお菓子で支配されているらしい。
「ミーミアさんの作るかき氷を食べてみたいです。このかき氷と交換で如何でしょうか?」
「本当なの!? ありがとうなの! イッパイアッテナちゃんはどんなかき氷が良いの?」
「ミーミアさんのお任せでお願いします」
「分かったの、頑張るの!」
 イッパイアッテナの提案に大喜びのミーミアは、お礼のかき氷を考え始める。
「んーと、イッパイアッテナちゃんはドワーフさんで……ザラキちゃんはキラキラしてて……そうなの!」
 何か思いついたらしい。そして作ったのは、オレンジジュースを凍らせた氷をベースに、その味を邪魔しないオレンジ等の爽やかなフルーツソース。そこに水晶に似せた色々な味の氷を飾ったかき氷。
「綺麗ですね、美味しそうです」
「イッパイアッテナちゃんも素敵なかき氷、ありがとうなの!」
 イッパイアッテナに拍手を送られて、照れながらミーミアは感謝の言葉を伝えたのだった。

「ミーミアさんはお誕生日おめでとうございますー。とりあえず、できるまでの間、こちらでもどうぞ」
 ミリア・シェルテッド(ドリアッドのウィッチドクター・e00892)は、何故かカリカリタイプのキャットフードを渡してくれた。
「えっと、これはシフォンに? ありがとうなの、ミリアちゃん!」
 ミーミアはキャットフードはウイングキャットのシフォンに貰ったと思っているが、ミリアはミーミアに渡したのだ。何故か彼女の中で、ミーミアが猫と一体化している模様だ。
 そんなミリアが作るかき氷は……味噌を溶かして凍らせた、具が後乗せの、かき氷。
「ミーミアさんが夏バテしないよう、梅肉ご飯です! あとお味噌汁代わりにかき氷をどうぞ」
 炊き立ての梅肉ご飯と、先程の味噌仕立てのかき氷をプレゼントしてくれた。
「ミーミアの体調まで気遣ってくれてありがとうなの! ……そして、凄く斬新なかき氷なの……あ、でも、かき氷が甘いとは限らないし……色々とありがとうなの!」
「おかずもかき氷っぽくしようかと思ったんですが、トンカツにしても焼き魚にしても、氷の要素が入ってこれないんですよね……」
「???」
 付け足されたおかずという名のかき氷の構想にミーミアは首をかしげつつ、お礼のかき氷に取り掛かる。
「ミリアちゃんは猫ちゃんが好きで……甘さは控えめの方が良いの? 後は、クレーエちゃんのにゃんかき氷を参考に……」
 出来上がったかき氷は紅白の梅の形の白玉付きのみぞれのかき氷。猫耳はバニラアイスだ。
「お礼なの、どうぞなの!」
「……猫さん! ありがとうございます!」
 猫好きのミリアには喜んで貰えて良かったのだが、今後、ミーミアがミリアに猫と混同されないか、その心配が残った。

「みんな、素敵なかき氷をありがとうなの! 色々あって、とっても素敵だったの! ミーミアもこれから色々作るから、リクエストどうぞなのよ!」
 ミーミアの呼びかけに、スバルがばっと身を乗り出す。
「色々食べたい! と言うか是非いただきます!」
「スバルちゃんが喜びそうなもの、色々作るの! みんなも、食べていって欲しいの!」
 こうして、楽しいかき氷パーティーは続いていく。猛暑に涼を添えて――。

作者:白鳥美鳥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年8月20日
難度:易しい
参加:7人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 0
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