静寂よ、ここに

作者:つじ

●狐の探し物
「さてさて、あるとするならこの辺りだと思うのですが……」
 陰と陽、二つの巡りを鑑みれば、自ずとその場は絞られる。そんな独特の見方を以てこの岩場を選んだその螺旋忍者は、従えていたオークプラント達をけしかける。
 怪しげな岩をどけさせて、目星をつけたいくつかの地点をその蔓で、根で、掘り進ませたりと色々趣向を凝らしているようだが……状況は芳しくないのか、不機嫌そうに、狐のそれによく似た耳を揺らしている。
「見立て違いか、いや、しかし」
 可能性があるのなら、と呟いて、その螺旋忍者――『口取』は、薄布の下の唇を歪ませた。
 その可能性の先を思えば、試す価値はあるのだと。
 
●襲撃
「皆さん、どうか聞いてください!」
 声音も高らかに、白鳥沢・慧斗(暁のヘリオライダー・en0250)がケルベロス達に呼び掛ける。今回の舞台となるのは竜十字島、以前ドラゴン・ウォーの戦場となったその場所である。
「戦いの終わったはずのその島で、螺旋忍軍が暗躍していることが分かりました! どうやら何か……それもかなり重要を探しているようなのです!」
 目的とされているそれが何なのか、答えは今のところ出ていない。だが捜索に当たっている螺旋忍者は、どれもオーク型の攻性植物、オークプラントを配下として連れている事から、大阪城の攻性植物、ドラゴンの残党との関連も疑われる。
「そこで皆さんには、この螺旋忍軍の撃破をお願いしたいのです!」
 このチームが向かう先には、『口取』と呼ばれる螺旋忍軍が捜索を行っている。特定の陰陽術――口で唱える『呪』が重要な役割を狙うような、そんな術を好んで狙う傾向からついた名である、とヘリオライダーは語る。
 戦い方としては術の使用がメインで、オーソドックスな発火の術や、五行の水気を基にした結界の形成などを行ってくる。
「厄介なのは、これらの術が広範囲に及ぶという事でしょうか。特にオークプラントとの戦闘中は、何かしら影響があるかも知れません!」
 水は木を活かし、木は火を活かすという。いかにも陰陽術に精通していそうな敵の事だ、何か仕掛けてくるかも知れない。
 他にも、ケルベロスの放つグラビティに合わせて、妨害するような術を出してくることも考えられる。頻度は低いだろうが、一応気を付けておいた方が良いだろう。

 また、口取は配下として10体ほどのオークプラントを従えている。こちらは口取の命令に忠実に従うようですが、愚鈍であり、戦闘能力自体は大した事がないようです。
「実の所、この螺旋忍軍自体も直接戦闘に向いたタイプではないようなのですが……特に今回はケルベロスとの戦闘までは考えていなかったようで、隙あらばオークプレントに足止めさせ、逃走を図ろうとしてきます。注意してください!」
 しかし、この螺旋忍軍は何を探しているのか。どうしたってそれは気になる所。もしかしたら、それを予測できれば彼等に先んじて、それを得る事もできるかもしれない。
「……とはいえ、それも今回の任務を無事に終えてからです! 皆さん、お任せしましたよーッ!!」
 説明はここまで、と資料を閉じて、ヘリオライダーは一同をヘリオンへと誘導した。


参加者
ティアン・バ(焔の褥・e00040)
狗上・士浪(天狼・e01564)
奏真・一十(無風徒行・e03433)
ルース・ボルドウィン(クラスファイブ・e03829)
レスター・ヴェルナッザ(凪ぐ銀濤・e11206)
塩谷・翔子(放浪ドクター・e25598)
日御碕・鼎(楔石・e29369)
月井・未明(彼誰時・e30287)

■リプレイ

●口取
 日御碕・鼎(楔石・e29369)は瞑目し、思い返す。その手の隙間を零れ落ちていったものと、その手でつかまえられなかったもの。そして、今この手にあるものを。
 薄く目を開いて、彼は敵達の前へと姿を晒した。日御碕の青い瞳が、その男へと向けられる。
「覚えていますか、口取」
 口取、それが鼎の相対する男の名だ。二人の、視線が絡む。同じように口元を覆った格好の二人だが、口取のそれは薄く、透けて見える口の端が、ゆるく弧を描いた。
「……おや? おやおやおや、申し訳ありませんが覚えておりませんな。どちら様で?」
 薄められたその目は、まるでせせら笑うように。
「……」
 相手にせず、鼎は符を指先で摘まむ。そう、相手だってわかっているはずだ、『口は禍』、けれどそれに対するスタンスは、各々違うものらしい。
「失礼、気分を害されましたか? しかしそう顔を隠されては私も中々……」
 ぱちりと指を鳴らして、口取は周囲のオークプラント達に注意を促す。作業中止、戦闘態勢。
「何も言ってはいただけませんか。それとも、もしや、誰かに言葉を取られたとか?」
 その薄笑いを遮るように、雷の壁が、金属粒子の光が、彼我の間を覆っていく。
「調子に、乗るなよ」
「こんな所で鉢合わせとは。ツイてないねぇ……でも、良い機会さ」
 月井・未明(彼誰時・e30287)、そして塩谷・翔子(放浪ドクター・e25598)が言いつつ、迎え撃つ準備を始める。そして、切り込んだレスター・ヴェルナッザ(凪ぐ銀濤・e11206)が、銀に輝く地獄の炎を纏わせ、その巨大な剣をオークプラントに向けて振り下ろした。
「おお、こわいこわい。その人数で私達を仕留められるとお思いで?」
「つべこべうるさい野郎だな」
 後方の口取を、レスターが睨む。敵の狙いは探索であり、この遭遇は望むものではないはず。邂逅からこちらは、互いの出方を窺うような、そんな時間だ。人数から、一目散に逃げを打つほどの状況でないと見て取った口取は、様子見も兼ねて印を切り、水の結界を張り巡らせる。
「とりあえず、彼等と遊んでいてください」
 地獄の炎に抗するための結界は、それと共に別の効果も発揮する。水生木、薄く透明な壁が広がり行くのに合わせて、包まれたオークプラントが活性化、瑞々しい艶をその身に宿らせ、蔓が急激に伸びていく。
「シャアアァアッ!」
「水を得た何とかって奴かねぇ……シロ!」
 急速に繁茂し、迫る蔦の波を氷結輪で薙ぎ払い、翔子は自らのボクスドラゴンに呼び掛ける。白蛇型のそれがブレスを放ち、回り込んでくる蔦を焼いて対抗、自らの身を盾に蔦を防いでいた鼎も、焼けた蔦を起点に拘束を脱する。
「なるほど、そういうやり口、か」
「ああ、注意してくれ」
 オークプラントとの連携に頷く未明に、鼎は敵を逃がさぬように目を光らせながらそう告げた。
 敵は、本腰を入れてこちらを倒しには来ていない。言うなれば『保留』の選択だが、今はそれで良い。恐らく初手で逃げを打たれるのが、ケルベロス達の目的からすると、一番厄介だろうから。
「それが判断ミスだって、教えてやるよ」
 敵の選んだ『保留』は十分狙いの範囲内だ。隠密気流を解いて、飛び出した狗上・士浪(天狼・e01564)が砲撃モードの豪竜砲を撃ち放つ。
「!?」
 口取からは突然現れたように見えただろうか、盾となるオークプラントの後ろへ飛び退く彼に、さらなる追撃が迫る。
「おや、まだ隠れていましたか、気付きませんでしたよ」
「隠行にしてやられたってか。アンタ本当に忍者か?」
 ルース・ボルドウィン(クラスファイブ・e03829)によるバスタービーム、その銃口からひらりと身を躱して見せるが、そう。忍者として後れを取ったのは事実だろう。
「もう逃がしませんよ」
「オークプラントを使う、か。お前もドラゴンに連なる者なら――」
 奏真・一十(無風徒行・e03433)が黒光を天より降らせ、ティアン・バ(焔の褥・e00040)の放つ光輪が群れ成す植物を薙ぎ払っていく。
「囲まれてしまいましたね。これはこれは、厄介なこと」
 敵を包囲するように配置したケルベロス達に、口取は言葉とは真逆の表情で微笑んだ。

●言葉の裏表
 口取の包囲に成功したとは言え、ケルベロス達の目下の相手は立ち塞がるオークプラントだ。触手のような蔦を無数に蠢かせ、それらは全体を緑で包まんと繁茂する。
「うちの雑草より伸びが良いねぇ、鬱陶しい!」
 蛇の群れのようなそれを金づちで叩き伏せながら、翔子が敵の攻撃を引き付ける。同様に、鼎は迫る蔦を引き寄せた上で、跳躍。その後を追って、蔦が一斉に上へと伸びる。そこを。
「だが、草刈りのがよっぽど楽だな」
 丁度良いとばかりにレスターが刃を叩き込む。前衛に襲い掛かるこの蔦は、放っておけばティアンの所にも流れ込むわけで――踏み込む一歩は強く、重い。レスターは逆向きの滝のようになった蔦の束を、斬り、そして絡みつくものを、剛腕でまとめて千切り飛ばした。
「……ほう?」
 そして、気付く。断面の伸びが先程より遅い。
「なるほど、それでは――つまらぬものを見せてやろう」
 絶巓連鋒。一十の生み出したのは地より湧き出ずる針の山。オークプラントらの足元に生じた無数のそれは、蠢く蔦を縫い留め、苛む。
 金属製の針に貫かれた蔦は、それ以上伸びる事を許されないように、その場でのたうつ。狙い通り、というように一十は笑みを浮かべた。
「金剋木、このような形でどうだろう?」
「――五行は何も、お前ばかりが扱えるものという訳ではない」
 そう、五行に従って連携をしてくるのなら、こちらもそれを利用してやれば良い。太い枝の上へと逃れ、追手もなくなったそこで、鼎は式に働きかけ、不可視の腕で口取を狙う。投擲した符でそれを相殺しながら、口取の側はまた口の端を吊り上げた。
「これはお見事。その通り、呑み込みの早い方もいらっしゃる」
 口取が称賛するようにぱん、と手を打つ。素晴らしい、そう口にして、別の印を切った。
「いやあ、とても恐ろしい――ですので!」
 狐火の術。木生火、炎はレスターと一十の前のオークプラントに燃え移り、火剋金、激しさを増した炎は金属製の針の山を武器を、その赤い舌で蝕む。
「チッ……!」
「これは――サキミ、任せて良いか?」
 不機嫌に鼻を鳴らすような仕草を見せて、ボクスドラゴンが水のブレスを放つ。炎上しながら突っ込んでくるオークプラントを押し返すように消火して、水生木、また成長を始める蔦から逃れるように、二人は後退した。
「ふふ、興が乗ってきました。皆さんが無様を晒して倒れるまで、相手をして差し上げましょう」
「それはありがてぇな」
「余裕なくす瞬間が楽しみだぜ、ホントによ」
 毒吐くルースのバスタービームの命中した個体を、士浪が旋刃脚で仕留める。未だ数多く残っているオークプラント達に、彼等は矛先を向けた。

「どう、まだいけるかい?」
「無理はするなよ」
 翔子の生み出す翠雨、そして未明のサーヴァントである梅太郎の癒しの力が、盾役を買って出ていた鼎の負傷を和らげる。
「……感謝する」
「アタシらだってアンタに倒れて欲しくはないんだよ、慎重にね」
 それに頷きながらも、鼎は口取に向き直る。ケルベロスとしての役目が優先であるとしても、そこには個人的な執着も、混ざる。
「ここで、終わらせる」
 決意を言葉に。新たな符を手に、彼はまた敵へと向かう。レスターやティアン等がオークプラント達に挑む傍ら、牽制も含めて口取を狙い続けているのが鼎と、そしてルースである。
 照準を合わせ、ルースがフロストレーザーを放ったそこに。
「土剋水、と言うほどでもありませんがね」
 クナイと共に放たれた符がルースの眼前に突き刺さり、瞬時に形成された土壁が光線を阻む。
 舌打ちしながら狙撃地点を変えに走るルースに代わって、レスターがその土壁の際、オークプラント達の掘り起こしていた場所へ、敵の一体を蹴り落とす。
「墓穴に墓標か? 準備の良い事だな」
「ゴミ捨て場かも。どちらにせよ気が利くな」
 敵の足元を薙ぎ払うようにして、ティアンも目の前の一体をそこに落とす。
「いえいえ、『種蒔き』ご苦労様でした」
 口取が印を切る。水の結界。先程同様オークプラントを成長させ、地面ごと覆い尽くす腹のようだが。
「!!」
 生じた直後の水面に雷撃を流され、術が半ばで解除される。視線の先には、親指を下に向けるルースの姿が。意趣返しか。
 その間に、穴に落ちたオークプラントは。
「剣山――と見ても良いんだが、さすがにあれは活けたくないな」
 一十の再度生み出した針の山に、逃れる場もなく串刺しにされ、力尽きた。

 余裕のあった頭数も、今ではほとんど残っていない。最後のそれらを生かすべく、口取は炎の術を試みる。
「性懲りもなく炎か。ならば――」
 入水小町。ティアンのグラビティにより、急速に海位が上がったように、一体が海原に包まれる。炎の術を注視し、咄嗟に土壁の上に飛び乗ってそれから逃れ、口取が嘲笑を浮かべる。
「ああ、彼等に水をやってくれたのですか? ありがたい話です」
 が、彼の期待したようなことは起こらず、水底に引きずり込まれようにもがいたオークプラント達が、次々と絶命していく。
「幻影だ。何を慌ててる?」
「くっ――そんな、馬鹿な!?」
 怯んだような仕草を見せ――口取は、攻めるでもなく守るでもなくあらぬ方向へと跳んだ。そこにはせり立った崖があり、その壁面には、いつの間にやら階段状にクナイが突き立てられていた。
「逃げる気か!?」
 どこからどこまでが演技だったのか、一行の虚を突くように動いた口取だが、それを予期したような雷撃が、その動きを食い止めた。
 その間に、ルースが壁面にバスタービームを叩き込み、支えを失わせることで口取を地へと引き戻した。
「油断も隙も――ってか? 忍者らしいこともやれるじゃねぇか」
「――ああ、残念」
「分かってるよ。『全員倒すまで』ってあれも、嘘なんだろ? お前はずっと、逃げるタイミングを探ってる」
 飽くまで抑えた声で、先程の雷撃の主である未明が言う。
「ご名答。何故わかったのか伺っても?」
「おれは薬屋なんでね」
 言葉も沈黙も、どちらの大切さも知る故に。そして詳しく語る気がないのは、敵が時間稼ぎを試みている事を悟っているため。
 苦い感覚に未明は表情を曇らせる。そう、得てして、嘘吐きは嘘に敏感なものだ。嘘吐きが二人いるなら、当然、互いに。
「ははは、これは参りましたね! とんだ嘘吐きが混じっていたもので――」
「っさいよアンタ!」
 それ以上は言わせまいと、翔子の投擲した氷結輪が、口取の口元を氷で貼り付け、無理やり言葉の続きを遮る。
「おお、静かになっちまったな、もっと喋って良いんだぜ?」
 続けて飛び掛かった士浪が抜き手の形で拳を振るう。収束した瘴気を込めた一撃は、口取の身体を深く抉った。喰い千切る獣の牙のような一撃は、神経毒のように瘴気を回らせる。
「抉り込まれる気分ってのはどんなモンだ?」
「――あァ、存外気分が良いものですよ」
 口元の氷を引き剥がし、軽口を返して口取が飛ぶ。
「では、こちらもどうだろう?」
「遠慮しておきます」
 一十の放つジグザグスラッシュで切り傷を、巡る瘴気を増長されながらも、敵は包囲の一部を突くようにして抜け出した。
 とはいえ、今さら逃がすはずもない。後を追おうとしたケルベロス達は、しかしそこで互いに視線を交わして、自然と足を止めた。走り去ろうとするその背中を、睨む。
 ――行け。お前がけりをつけるといい。抜かるな。打ちかましてやれ。
 それは、沈黙でしかなかったけれど。

 負傷は重く、玉砕を試みるような意思は、ここにはない。ただ逃れるために、口取は跳ぶ。追ってくる者はいない――いや、前方に待ち受ける者が一人。
 あの術者だ、と悟って口取が口元を歪ませる。対する鼎は、静かにそれを迎え撃った。
「欲しがった技だ。食らうと好い」
「は! その程度のものはとうに頂いていますよ!」
 放つのは共に、狐を描く印章。それは源流を同じとする技。日御碕の扱う術。
「狐火よ、ここに」
 炎が赤く燃え盛り、口取の手の上で玉と化す。解き放たれたそれは、いくつもの房を生じさせるようにして、鼎を呑み込んだ。

 ――聞食せと畏み畏みも白す。

 盛る赤の内側で、小さく呪が詠まれる。
 失ったものはもう取り戻せない。けれど、さらに失う事態を防ぐために。これ以上、奪わせないために。奪われてなどいないと、証明するために。
「『とうに頂いた』、と? 表面を、なぞった程度で――」
 驚愕に、口取の目が見開かれる。鼎が纏うのは青の焔。彼の瞳と同じ色のそれは、赤を斬り裂き、食い潰すように燃え上がる。
 御―狐火―。輝く青は瞬く間に燃え広がり、灰すら呑み込む青の炎が、口取に喰らい付いた。
「――大きな口を、叩くな」
 結果は、もはや見るまでもない。望みもしなかった因縁が、ようやく千切れいく音を聞いて、鼎はそっと目を瞑った。

●戻りし静寂
「……終わりました」
 口調の戻った鼎が、感謝を込めて仲間達にそう告げる。
 労いの声が返る頃には、赤の炎も青の炎も、水の結界も消え失せて、残るのは愛煙家組が燻らせ始めた紫煙のみ。
「では、早速だが何があるのか探してみようか!」
「おー、俺も一服したら行くわ」
 ルースの余りやる気の見られない返事にも構わず、一十は周辺の調査を開始した。
「地中に捜しものとは……タイムカプセル? 埋蔵金? はたまた……」
「地殻にあるもの、なのでしょうか」
 これを楽しみにしていたと言わんばかりの一十と、それに続く鼎の様子を見つつ、喫煙者達は特有の間で話し始める。
「実際なんだ、隠し扉でもあるのか?」
「わざわざ頭数揃えて探しに出てるからね、敵さんにとっちゃあ重要なものになるんだろうけど……」
 レスターと翔子の交わす言葉を何とはなしに聞きながら、こちらも探索に入っていたティアンが眉根を寄せる。
「折角ゲートまで壊したというのに、まだ何かあるのかこの島は……」
「ああ、おれもまた戻ってくることになるとは思わなかった」
 曰く付きの場所ってことになるのかな、と未明が呟く。あまり感情を表に出すタイプではないが、ティアンがどこかピリピリしているのは未明にも伝わっている。
「万一ドラゴンどもの利になることならば……」
「何にせよ、先にこっちが取っちまえれば話は早いんだけどな」
 どうやらこの場所は空振り……のように思える。斬り上げる準備をしながら、士浪は首を傾げた。
 『何か』も『どこか』も分からないが、後日、その辺に当たりをつけて探索するなら、あるいは……?
 いくらか謎を残しつつも、勝利を収めたケルベロス達は、無事帰還の途に着いた。

作者:つじ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年8月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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