黄金オーク、『キング・ミダス』を倒せ!

作者:塩田多弾砲

 その日。
 シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)は、神社の境内を歩いていた。
 深夜のこの時間。快楽主義者たる彼女は、全裸……に近い姿で、散歩していた途中。
「……って、誰?」
 同じく境内に、そいつの姿が。
 オーク。既にゲートは破壊され、新たに存在も、出現もしないはずのデウスエクス。
 おそらくは、わずかな生き残りの一匹だろう。
 しかしオークといえば、だらしなく太った身体に、豚のような顔をしているものだが。
 目前のそいつは、筋肉質の身体つきと、野豚や猪を連想させる……猛々しい顔を有していた。口元には猪よろしく、上向きに生えた一対の牙。
 全身を覆う茶褐色の短毛も、野生の猪のような鋭く、ごわついているそれ。短いシャツと長ズボンを着用し、首元には黄金の首飾り。
 その黄金と、同じ色の瞳が……シフカをねめつけた。
『見つけたぜ。……いいオンナだ。ご無沙汰しているオレの、慰みもんになってもらおうか』
 言いつつオークは……背中の金色の触手をうねらせ始めた。
「慰みもの? 悪いけどお断り……はうっ!」
 言うより早く、触手の素早い一撃がシフカの首と、両手首足首に巻き付く。
「……え?」
 触手が『巻き付いた』だけで……、愛撫もしていないのに、
「……な、何……これ……」
 シフカの身体に、強烈な『快感』が走った。そればかりか、触手が触れて巻きついた場所が、少しづつだが、……金色に染まり、固まっていく。
『聞かれたからには、答えてやろう。お前は、「黄金」になりつつあるのさ』
 と、オークは彼女に近づき、指で彼女の身体を、その口元や首筋、胸元やお腹を、撫でる。
「ひゃあっ! ……あっ、くうっ……」
『オレの触手に触れられた肉体は、その場所から「黄金」と化していき……同時に「快感」が走り始める。で、全身が完全に黄金と化したら……お前は考える事すらできなくなるほど、快感に満たされる。当然、動く事もできん。『生きてるだけでイケる黄金像』になれるわけだ。今はゆっくり焦らしプレイだが……なんだったら、すぐにでも全身黄金にしてやっても良いんだぜ?』
 にたり……と、そのオークは笑った。
『……ああ、心配はいらん。オレが死ぬか望みさえすれば、元の肉体に戻れる。流石にオレのナニも、金塊には入れられねえからな』
「……へ、へイドレク!」
 このままではまずいと、ビハインドを呼ぶが、
『取り込み中だ、消えな』
 逞しい拳が、ただの一発で……ビハインド・へイドレクを殴り飛ばした。
『……なあ姉ちゃん、お前も結構……スキモノなんだろ? オレのもんになったら……もっと気持ちよく、してやんぜ?』
 そいつに逆らう気持ちも、闘志も、シフカから失われつつあった。

「ギリシャ神話に出てくる王、『ミダス』をご存知ですか?」
 セリカが言うその神話は、『触れたものを黄金にする能力』を得た王の話。
 王は食物や水、自身の家族や臣下なども黄金にしてしまい、己の愚かさを悔い改め、元に戻る……というもの。
「今回、そのミダス王のようなオークが出現しました。それがシフカさんを襲っています!」
 オークという種族自体は、すでにゲートが破壊されたため、新たに出現する事は出来ない。が、ゲート破壊前に地球に残っているオークの残党や個体が一掃されたわけではない。
 その残った一匹、それも特殊能力を持った一体が、シフカを襲ったのだ。
「皆さん、すぐに彼女を助けに向かってください!」
 このオーク……コードネーム『キング・ミダス』は、ミダス王のように『触手を相手に巻き付け、黄金化させる』能力を有す。そして、その際に『黄金化した箇所から、強烈な快感を与える』事ができる。
 この『黄金化』は、自身の任意、または死亡で解除が可能。しかし触手のスピードは素早く、なおかつ『黄金化』自体も、自身の意図で早くも遅くもできる様子。
「シフカさんには、自分の力を見せつけるためにわざとゆっくり黄金にしてるようですが、その気になれば、一瞬で全身を黄金化させる事も可能のようです」
 加えて、そいつの身体能力もかなり高い。触手を用いずとも、格闘技のパワーとスピードはかなりのもの。ビハインドを軽く払っただけで、戦闘不能にしてしまったくらいだ。
 降魔拳士のクラッシャーとして、相対すべきだろうとセリカは言った。
 そして、今回は男性参加も可能だが……気を付けてほしい、とも。
「『快感』は、男女関係ありません。むしろ相手は『快感』をも武器として用い、男性を黄金像化して無力化した後に……そのまま破壊するかもしれないです」
 あるいは、男女関係なく、慰み者にするかもしれない……と、付け加えるセリカ。
「攻略するなら、相手のスピードに気を付けて、距離を取ったり、こちらの人数の多さを利用したチームワークで相対するなど、工夫が必要でしょう。……かなり、厄介な敵です」
 しかし、厄介ではない敵、簡単に倒せる敵など存在はしない。ケルベロスの名を持つ者なら、デウスエクスと戦い倒さねばならない。
「皆さん、シフカさんを助けたいなら、急いでお願いします! このままでは……彼女は確実に黄金像にされ、再起不能になるでしょう!」
 セリカの切羽詰まった言葉に、君たちの心にも『危機感』が走り……それは行動となって君たちを駆り立てた。


参加者
彼岸花・深未(サキュバスの鹵獲術士・e01205)
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)
シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)
神宮・翼(聖翼光震・e15906)
雁・藍奈(ハートビートスタンピード・e31002)
アンヴァル・ニアークティック(バケツがガジェット・e46173)
ルストール・シブル(機動防壁という名の変態・e48021)

■リプレイ

●黄金の魔人
 ヘリオンから、現場へ降下する七人の影。
 そのうちの一人、ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)は。
 直前まで行っていた『快感責めに耐えるための特訓』を提案した、知人にして、今回同行している仲間の事を思い起こしていた。
「ここはヘリオンの中! みんな見ているから!」と、提案した彼女……神宮・翼(聖翼光震・e15906)を押さえたロディだが、
「これから特訓するの?」と、空気を読まないアホの子こと、雁・藍奈(ハートビートスタンピード・e31002)はそれに巻き込まれ、嬌声を。
「よくわからんが、戦闘に役立つなら付き合うのじゃ」と、ルストール・シブル(機動防壁という名の変態・e48021)も参加。
 その数刻後。
 現場の神社上空にて。飛び出したロディら四人と、他の三人……、
 アンヴァル・ニアークティック(バケツがガジェット・e46173)と、彼岸花・深未(サキュバスの鹵獲術士・e01205)、そして、ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)。
 彼女らもまた、現場へと落下。
 そして、更に数刻後。
 地面に降り立った、七人の眼差しの先には……、
 オーク『キング・ミダス』の虜になりつつある、シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)の姿があった。

『どうした。敵わねえと悟って、覚悟を決めたか?』
 両手足と首根っこを触手で巻き付かれ、その触れた部分から徐々に『黄金』と化しているシフカは……、
「……も」
『も?』
「もっと……焦らして、欲しい……」
 熱っぽく、発情したように……言ってみた。
『……なるほど、焦らしプレイをお望み……ってわけか』
 目前のオーク、『キング・ミダス』は、
『……なら、それに応えてやらねえとな』
 意地悪く嘲笑しつつ、いきなり彼女の手足全てを黄金化。途端に強烈な『快感』が。
「! うあああっ! ……あっ、あっ……あひぃっ!」
 続き、頭部以外の全身を黄金化。更なる強烈な快感が、シフカを狂わせる。
「ああっ? ああああっ! だめっ! いくっ! イッちゃう!」
 しかし、絶頂に至る寸前に……、
「……え?」
 快感が、止んだ。触手の虜にされたまま、絶頂する直前に黄金化が解除。再び最初の状態……触手が巻き付き、じわじわ黄金化し始めの状態に戻されていた。
『イク寸前で快感を止められて、どんな気分だ?』
 ミダスのその言葉に、シフカは返答できない。
(「どうして……あと少しで、イケたのに……」)
 それより、快感を消された事への怒りと、イカせてほしい願望とが、シフカの中に生じていた。
『……時間稼ぎのつもりだろうが、無駄はやめな。誰もお前を助ける奴はいねえ』
 見透かされている。それを知ったシフカだったが、
「いいや、いるわ! ここにね!」
 翼のバスターライフル、その威嚇射撃が。
「オレもだ! 『スターゲイザー』を食らえ!」
 そして、エアシューズ『オーバーライド』の蹴りを放つロディが、ミダスを襲った。
『……ちっ! お仲間か……!』
 シフカとミダスの間へと、ロディが割り込むように入り込む。
 それに対しオークは、シフカを放り出して後退した。
『ふん。まあいい、とっととぶちのめして……』
 ミダスが身構えるが、
「そうは、いかないですっ!」
『殲剣の理』の歌が、ミダスの怒りを買った。
『そっちか! この野郎!』
 そのまま、深未はミダスを誘い出し、神社境内の林の中へと誘う。
 そして、
「シフカさん、大丈夫!?」
「助けに来ました」
 ミスラとアンヴァル、
「ブタさん退治に、レッツゴーだよっ」
「うむ、あとはまかせるのじゃ!」
 藍奈とルストールが駆けつけてくるのを、シフカは見た。

●Evil Alchemist
 深未が『ブラックインヴェイジョン』を、ミダスへと放つが。
 ミダスはそれらの攻撃をかわし、
『嬢ちゃん、オレを誘い出すのはいいが……それは、オレに一人で襲われるって事を、理解してんだろうな?』
「ひっ……!」
 深未を、追い詰めてしまった。
『逃げ場はないぜ?』
 迫るミダスへ、
「このまま、ただでは黄金像になりませんよ!……ふぅーっ!」
『ペトリブレス』を、深未は放つ。灰色の息がミダスに吹きかけられ……、
 触手の一本が、それを払った。
『……なるほど、石化の息か。だが……』
 石化できたのは、一本の触手の、先端のあたりのみ。ミダスはその部分を切断し、脇に捨てた。
「ひゃああっ! あ、足を……」
 そのまま、深未の両足に触手が巻きつく。
『……ん? ……嬢ちゃん、おまえ、男か!?』
「そ、そうです! 残念、でしたね」
 ミダスに得意げになった深未だが、
『……何が残念だ? オレは……男を食うのも嫌いじゃねえぜ』
 ミダスは、深未の手足を触手で拘束し、服を引きちぎった。
 そのまま体中を指で撫でられ、手足とともに黄金化されていく深未。
「ふえぇ……身体が……熱く……」
『ほう、女の格好してるわりに、ココは立派じゃねえか』と、下着を下ろされ、勃ったそれを握られ擦られ、喘いでしまう。
 徐々に身体が黄金に変化し……そのたびに、快感が増す深未。
「え? ああああああっ!」
 そして……お尻の中心に、ミダス自身を突き入れられた。
 黄金化とともに、凶悪で強烈な快感が、深未をかき回し……、
「……こんな……姿で……黄金に……恥ずか……し……ぁっ……あああああああっっ!」
 迸りを受けつつ、裸で、お尻を突き出した姿で、
 深未は黄金像となり、快感の前に屈した。

●デンジャー・オブ・ゴールド
 翼は、作戦を立てていた。
 すでに、皆にメタリックバーストなどで強化し、エンチャントを付与。迎撃態勢を整え、あとは迫る相手を弱体化させ、皆で一斉攻撃。
 しかし……、
「え?」
 翼らの方へ突進してきたミダスは、触手を用い……跳躍した。
『次はお前らだ!』
「だったら! 狙い撃つわっ!」
 空中のミダスを、翼のバスターライフル『エルフショット』が狙撃。
 地面に転がったミダスへ、
「いっくのーっ!」
 先刻、翼の『特訓』で恥ずかしい目に遭った藍那と、
「わしもいくぞ!」
 ルストールが、組み付かんと突進した。
 身構えたミダスへ、ルストールと藍奈は拳を繰り出し、蹴りを放つ。が、オークは素早く力強く、それらを弾き、捌いた。
「ええいっ! やあっ!」
 藍奈の攻撃、螺旋掌、ヴァルキュリアブラストと続き、
「隙あり! 今じゃっ!」
 隙を見て、ルストールが組み付こうとした。
『お前もな!』
 が、ミダスのパンチがルストールの顔と腹へ決まり、
「ぐっ!」
『オラ、休んでる暇はねえぞ!』
 腰を落とし、肘打ちを。負傷し、流血したルストールは、
「……わしへの攻撃に対する代金、支払ってもらうぞ!」
 ミダスに組み付いた。
『ぐっ! ……てめえ!』
 動きを止めたそこへ、
「ヴァルキュリャァァァァーッ!フル回転!!キィィィィィック!!!」
 藍奈が『ヴァルキュリア回転フルキック』を放った。筋肉質のミダスの身体に、蹴りが決まり、
『うげえっ!』
 ミダスもダメージ。しかし、
 キックを放った足に、触手が巻き付いた。
「え? ひゃああっ! しゅ、しゅごい~!」
 途端に、片足が黄金化する藍奈。
「……ぬううっ!」
 ルストールの腕にもまた、黄金化が。腕のみならず、胴体部も黄金化が進み、快感が襲う。
『後で可愛がってやる、その邪魔な服は剥ぎ取ってやるぜ』
 ルストールは服をちぎられて蹴り飛ばされ、後方に転がり。
 藍奈も、
「らめぇ……ま、負けちゃう……」
 気持ちいいに負けちゃって、それしか考えらんなくなっちゃうよぉ……、
 片足を触手で高く上げさせられた体勢で、快感を叩きこまれる。
『蹴りをくれた礼だ、お前の身体、剥き出しにしてやる』
 と、ミダスは彼女の服を掴み、引きちぎった。
『おうおう、威勢がいいわりに、ここはもう濡れ濡れじゃねえか……ぐえっ!』
「そちらも、精力満タンな分、油断しまくってるわね」
 ミスラの呪怨新月……喰霊刀二刀流で切り付けられ、ミダスの身体に刀傷が刻まれた。
『ふん、いいだろう。お楽しみは後だ!』
 藍奈をほぼ黄金化し、行動不能にさせた後に。
 ミダスは腰を落とし、
『次はお前だ、サキュバス!』
 新たな獲物へ、向かっていった。

●金色の決戦
「MAX! ぶちかます!」
 翼へと向かうミダスへ、ロディはアームドフォート『モビルディフェンサー』を砲撃モードへ変形させ、
「『マキシマグナム』! 受けてみろ!」
 全力全開の一撃を放った。
『ぬうっ!?』
 それはミダスに命中し、苦痛の呻き声をあげさせた。が、
「……え? くっ……ああっ」
 ロディは自分の足首に、足元から長く伸びた触手が、固く巻き付いているのを知った。そして、彼にも快感が。
「ロディくん! こうなったら……あたしのビートで!」
 翼が、高らかに声を上げ、歌い始めた。
「キュンキュン、響かせてあげる♪」
『Vivid☆Beat☆Vibration(ビビット・ビート・バイブレーション)』。魔性の歌声を、翼は正義の心とともに放つ。
『……くっ、やかましいぜ!』
 しかし、翼の歌は中断させられた。
「……ああああっ!」
 翼の足下にも、触手が長く伸び、足首に巻き付いたのだ。
 片足が一瞬で黄金化し、その快感で歌えない。
「んっ……はぁん! ……ロディくん、ロディくぅん……」
 淫らに呆けた顔になった翼の前に、
『ほれ、お前の彼女が呼んでるぜ』
「つ、翼……ああっ!」
 同じくロディが、見せつけられるように突き出された。
 既に両腕も黄金化し、弾丸も放てない。
『仲間を全員片付けてから、お前ら二人で楽しむとしよう。待っていな』
 ミダスはロディと翼の手足を黄金化し、動けなくしてからその場を離れた。

「……さすがはミダス。乱す事にかけては一級品ですね」
 そう言うアンヴァルと、その前に立つミスラを見つけ、ミダスは、
『……なるほど、どうやら後ろのそいつが、回復の要か』
 見透かしたように、言い放った。
「……くっ」
 バレている。ならば……攻撃あるのみ!
 レゾナンスグリードを放とうとしたミスラだったが、
「えっ!?」
 ミダスはほぼ黄金化したルストールを、触手でつかみ、投げつけたのだ。
 それをかわすアンヴァルとミスラ。しかし、
「あああっ!」
 その隙に、アンヴィルは一瞬で距離を詰められ、
 オークに『手』で直に触られていた。
『お前……清楚そうだが、結構スキモノだろ? 僅かに掠られただけで……もう顔が上気して、淫らになってるぜ』
「そ、そんな、事……」
 が、それは図星。わずかな快感が、彼女を淫らに変容させてしまっている。
『欲しがってるのに、無理するな。……それにしても、最近の若いやつらは、一般教養が無くて困るな。ミダスだから『乱す』? ギリシャ神話も知らねえのか? 『リア王』はリア充の王とか思ってそうだな。どうせ『マクベス』も『あれはいいものだ』とかいう陶器狂いと勘違い……ぐえっ!』
 ミダスの最後の呻きは、ミスラに後ろから刀で突きさされたため。
「……随分、教養があるわね……ああっ!」
 が、彼女にも既に触手が。黄金化し、ミスラはそのまま倒れた。
『……まあいい。さて、これで全員……』
「でもないぞ!」
 ルストールが、再びミダスに組み付いた。
『な、なにっ!』
「驚いているようじゃな! くふふ、生憎とわしは、ワイルドブリンガーじゃ!」
 彼女は、黄金化された手足をワイルド化することで解除し、『復元』できたのだった。
『くそっ、だったら何度でも……』
 しかし、ミダスは、
 膝をついた。
『なっ……?』
「……ダメージ、かなり蓄積してるようね」
 混乱しているところに、復活したシフカが。その両腕には、鎖が巻きついている。
「戦闘準備完了……では、行きましょうか」
『だ、ダメージ……だと……?』
「くふふ、先刻わしが言ったじゃろ? 『わしへの攻撃に対する代金、支払ってもらうぞ』とな」
『コントラタック・アプソルプシオン・システム』、通称『C・A・S(シーエーエス)』。
 組み付いた時に、ルストールは自身の体液を介してナノマシンを敵体内に送り込んでいたのだ。敵体内を食い破りダメージ、自身に戻す事で体力回復。それを受けたミダスは、思った以上にダメージを受けていた。
「ルストールさん、下がって下さい。止めは……私が」
 恐怖の表情を浮かべるミダスへ、シフカは、
「……鎖陣渦巻き、闇は去り……」
 両手の鎖を躍らせ、大量の鎖を……放った。
「後に残るは骸のみ……と」
 鎖は、ミダスを覆い尽くし、ドームを作る。内部から聞こえてくるのは、オークの悲鳴。
「……これぞ、殺技弐式『鎖陣・ドRoお巳』(サツギニシキ サジン・ドロオミ」
 悲鳴は、断末魔と化し、鎖がほどけたその後には。
 命無き黄金像と化した、キング・ミダスの姿があった。
「……っ!」
 それを、廃命白刃『Bluと願グ』で横薙ぎし、切断するシフカ。
 両断された黄金像の顔が、シフカを悔し気に睨み返していた。

●ゴールデン・エクスタシー・エクスペリメンス
 ミダスを倒した事で、全員の黄金化が解除され、回復。これで事件は解決……、
 していなかった。
「みんな、色々大変でしょ だから……い・い・よ・ね?」
 反論は許さずとばかりに、翼はがっしとロディを捕まえ、神社本殿の縁側に押し倒す。
「あ、アフターケアなんて、いらな……んむぅ!」
 ロディはそのまま、唇を奪われ、愛撫を受ける。
 ケアなどと称すが、要は『えっちな気分になっちゃったから、この流れでしましょう』という事に他ならない。
「あたしもー! ロディくう~ん……気持ちよく、してあ・げ・る♪」
 と、藍奈も加わり、ロディは二人がかりで襲われ、
「あの、私も……」
 ミスラも加わり三人に。
「あら、それじゃ……最初、いっときます?」
 翼が提案。そのままロディは、
「あ、ちょ、待って……あああっ!」
 上からミスラに、騎乗された。
「ううっ……自己嫌悪、です」
 アンヴァルは、感じてしまった自分を恥じ、がっくり。
「ま、まあ、気にするな。終わった事じゃし、な?」
「そ、そうです……」
 ルストールと深未が声をかけるが、
「でも……気持ち、良かったです……」と、深未は思い出し赤面。
 そして、シフカは。拾い上げた黄金のブレスレットをこっそりしまい込み、
「皆さん。助けていただき、今日はありがとうございました。あの、それで、ですね……」
 翼に、懇願するように。
「……『特訓』されたようですが。私もそれを、お願いしたいです。ヤれなかったのが悔しいので」
「あははっ、シフカさんも好きですねー。いいですよ、ロディくんと一緒に……しましょ?」
「ええっ! そ、そんな……んむぅっ!」
 そのまま、四人同時に相手する事になったロディ。
 ある意味、ミダスの黄金化以上の快感を与えられ、天国と地獄を味あわされる彼だった。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年8月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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