●海の家の災難
とある海水浴場に、簡素な作りの建物が建っていた。
いわゆる海の家と呼ばれる店だ。簡素だが仮設の店舗ではないので、毎年ここで営業しているのだろう。
看板には『海ツバメ号』という名前が刻まれている。
早朝の今は客はもちろん従業員もいない。
店周囲の砂は踏み固められており、それなりに客が入っているであろうことはうかがうことができる。
そこに、クモに似た足が生えた拳大の宝石が近づいていった。
施錠された店舗の周囲を歩き、宝石は裏手にゴミ袋を見つけ出した。
しっかり密封された袋の中には、どうやら壊れたかき氷機が入っているようだった。
封を器用に破り、宝石はその袋の中に潜り込む……。
「カキゴーリー!」
やがて、袋が破れて、人間よりも大きなかき氷機がその場に姿を現した。
氷を設置するスペースが、まるで巨大な口のようになっている。
ダモクレスが吠えると、そこに巨大な氷の塊が現れた。
氷を砕き、冷気を撒き散らしながら、ダモクレスと化したかき氷機が砂浜を歩く。
行く手には、早朝から……おそらくは前夜から泊まりで海に来ていた一般人たちがいた。
●海の家を守れ
集まったケルベロスたちの前で、ウェットスーツ姿のピジョン・ブラッド(陽炎・e02542)がデウスエクスの襲来を告げた。
「どうやら、海の家にダモクレスが出るみたいなんだよ」
彼の調査でわかったのは、壊れたかき氷機がダモクレスになる事件が発生することだ。
かき氷機はゴミ袋に入れられて建物の裏側に置いてある。おそらくは処分するまでの間邪魔にならない場所に置いておいたのだろうが、それがダモクレスに狙われてしまうらしい。
「幸い、早朝だからすぐに被害はでないけど、放っておいたらお店の人や海水浴に来た人が襲われちゃうからねぇ」
その前に現場に向かい、かき氷機ダモクレスを撃破しなければならないとピジョンは言った。
ピジョンの後ろに控えていたドラゴニアンのヘリオライダーが、ダモクレスについて詳しく説明を始めた。
「敵はかき氷機型のダモクレスが1体で、配下などはおりません」
グラビティで作り出した氷を砕いて、かき氷を噴射して範囲攻撃を行うことができる。受けた者は凍りついてしまうだろう。
また、シロップを水鉄砲のように飛ばすことで攻撃することも可能だ。甘い香りを包まれると戦意が薄れ、攻撃の威力が下がってしまう。
「それから、つかまえた相手を氷を設置する開口部に押し込み、氷を削る刃で何度も切りつける攻撃も行います」
細かく刻まれ、治癒しにくい傷となるので注意が必要だ。
寄り道をしなければ、ダモクレスが海の家のそばにいるうちに到着できる。
早朝なので周囲にほとんど人はいないし、いてもダモクレスが出ればすぐ逃げるだろう。巻き込む心配はしなくていい。
ヘリオライダーが話を終えた。
「海水浴に来た人たちが襲われちゃうなんて、見過ごすわけにはいかないよねぇ。うまく片付いたら海で遊んでいけるかもしれないし、がんばろうねぇ」
ピジョンがそう言って、軽そうな笑みを見せた。
参加者 | |
---|---|
ビスマス・テルマール(なめろう鎧装騎兵・e01893) |
ピジョン・ブラッド(陽炎・e02542) |
久遠・征夫(意地と鉄火の喧嘩囃子・e07214) |
筐・恭志郎(白鞘・e19690) |
エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455) |
マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402) |
鵤・道弘(チョークブレイカー・e45254) |
●浜辺のかき氷機
早朝の浜辺にはどこか冷たい空気が漂っている気がした。
ヘリオンから降りたケルベロスたちは、現場である海の家へと砂の上を走っていく。
この静かな空間をもうすぐダモクレスが騒がせるはずなのだ。
「またこういうダモクレスかー! 早めに片付けて海を楽しませてもらおうか」
ピジョン・ブラッド(陽炎・e02542)が大きく息を吐いた。
「こういうのが来るとすっかり夏な感じがしますねぇ。だからこそこういう場所で何かあって、誰かのトラウマになる前にサッサとカタを付けていきますか」
涼しげな着物姿のドラゴニアン、久遠・征夫(意地と鉄火の喧嘩囃子・e07214)が青年の言葉に頷く。
前方に海の家が見えてきた。
「海の家、懐かしいなぁ。実は去年、こんな感じのとこでバイトしたので親近感」
筐・恭志郎(白鞘・e19690)が涼しげな造りの建物を見て言った。
「かき氷機だって、長年此処で皆を楽しませてくれていた筈。被害は出しません、絶対に」
「カキ氷機も、ほんとは人を傷つけたりしたくないはずだよね……止めてあげないと」
続けて言った言葉に、マヒナ・マオリ(カミサマガタリ・e26402)が同意する。
「かき氷と言えば夏の風物詩ですが、かき氷をつくる壊れたソレが、ダモクレスになるなんて」
ビスマス・テルマール(なめろう鎧装騎兵・e01893)の声は少し悲しげだった。
「良くある事とは言えと……やるせないですね」
なめろうをはじめ文化を大切にする想いを師から受け継いだ少女にとっては、かき氷もまた文化の1つなのかもしれない。
「うん。本来の仕事は、美味しいカキ氷を作ることなんだから」
マヒナが頷く。
海の家の裏手に回ろうとしたケルベロスたちは、そこから気配を感じ取った。シャリシャリという涼しげな音も聞こえてきている。
建物の角を曲がると、姿が見えた。つい今しがた出現したばかりのようだ。
「夢の無限かき氷製造機……! 人を襲っちゃうダモくんじゃなきゃお持ち帰りしたかったなぁ……」
エヴァリーナ・ノーチェ(泡にはならない人魚姫・e20455)が心から残念そうに言いつつ、ロッドとアンクを構えた。
「氷作って自分で削んのか。デウスエクスじゃなけりゃこの時期重宝しそうなのによ。人を襲うんじゃぶっ壊すしかねぇわな」
鵤・道弘(チョークブレイカー・e45254)がスーツで包んだ筋肉に力を込める。
他のケルベロスたちも、すばやくそれぞれの得物を構えている。
そして、戦いは始まった。
●吹き荒れる氷の風
身構えたケルベロスたちに、カキ氷機が容赦ない冷風を吹き付けてきた。
微細な氷の塊がケルベロスたちの前衛へと飛んでくる。
「ナメビスくん、みんなを守ってください!」
ビスマスはボクスドラゴンのナメビスくんへと指示した。
赤い箱に入っているナメビスくんは素早く恭志郎の前に飛び出して彼を守る。
「助かります、ナメビスくん」
穏やかに恭志郎はサーヴァントに微笑む。
「そんじゃ、次はこっちの番だな。反撃と行こうか!」
暑苦しい大きな声を張り上げた道弘だったが、ヴァイスドライバーを構えて放つ一撃は冷たいものだった。
吹き付けられる氷霧すらも退ける冷気をまとった杭を手に、道弘は力強く砂浜を突進していく。
ビスマスは回り込むように移動を始めた。
「私は後ろをふさぎます!」
「頼むよ、ビスマス。ワタシは右側に回る」
少女の呼びかけにマヒナが応じた。
他のケルベロスたちも、武器を構えたまままずは敵を囲むように動いている。
そして、後方へと走りながら、ビスマスはイカの気を海から集めていた。
敵の背後をとったときには、すでにイカをモチーフにした全身鎧を身にまとっている。
「スクイッド……オールレンジリフレクトッ! 貴方の動きは大体検討付いているんです……その動きを潰させて貰いますよっ!」
ビームでできた剣先を備えたイカ型ビットがかき氷機の周囲を飛び回り、撹乱する。
次いで構えたビスマス結晶のビーム砲を、彼女はダモクレスではなくビットへと向けていた。
放った光がビームソードビットに反射し、また次のビットへ。反射を繰り返して威力を増した光は、確実にかき氷機を貫いていた。
ビットに囲まれて足が止まった敵に、他のケルベロスたちも攻撃をしかけていく。
とはいえ、まだ攻撃がすべて当たるわけではない。
「敵の攻撃はディフェンダーで受け止めるから、攻撃頼んだっ!」
ピジョンは頭1つ分は自分よりも大きいダモクレスの前に迷わず立った。
「果てしない海、遥かな蒼穹! ここに立つのはただ一人!!」
しかけた技は幻術だ。
砂浜が陸と続く場所でなくいずこかに存在する無人の島だと感じさせる。
そこに立っているのは、ピジョンと敵のみだと感じさせることで、攻撃を彼に集中させる技だ。
ダモクレスがピジョンに向かって突っ込んでくる。
その足元に征夫が飛び込んでいく。
「さー、狩らせてもらいますよっ!」
砂浜に手をついた彼の足が、一閃してダモクレスの足を刈る。さらに、ドラゴニアンの尻尾もダモクレスの足を薙いだ。
足を攻撃されて、また動きが鈍ったところにマヒナがエクトプラズムを集めた霊弾を飛ばして攻撃する。
かき氷機は攻撃を受けながらも、ピジョンを狙って次なる攻撃をしかける態勢に移っていた。
エヴァリーナはそれよりも早く回復に回った。砂の上に魔法円が浮かび上がる。
「星の雫を纏いて生命を歌う、風と光に舞う薄羽、小さき友よ。水面に落ちる花弁の様に祝福のキスを降らして……」
妖精を思わせる光が宙を舞い、それが傷ついた仲間たちを紗幕となって包んでいく。
「アロアロも回復してあげて!」
マヒナの指示で、怯えていたシャーマンズゴーストも仲間たちを回復した。
ピジョンが敵に捕らえられ、体を削り取られるが、小妖精たちの光は幾度も細かく切りつける刃を和らげていた。
「分解しがいがありそうな奴だな。とりあえず外側からはがしてくから、中身は頼むぜ!」
激しく回転する道弘の杭がダモクレスの装甲をはぎ取る。
「ええ。なるべく早めに片付けましょう!」
応じた恭志郎は、志心に空の魔力をまとわせて、巨大かき氷機を断つ。
だが、敵はまだ倒れる気配を見せなかった。
●冷たい機械を打ち砕け
戦いは長い時間続いた。
敵の攻撃を自分に集中させたピジョンは、続く戦いの中でかなりの傷を負っていた。
シロップが水鉄砲を超える高圧で飛んでくる。
征夫は素早くその射線上に割り込んだ。
甘い香りが周囲に立ち上る。美味しそうなシロップだが、その衝撃はけして甘くない。
「悪いな。大丈夫か、征夫?」
「ああ、このくらい大したことねぇよ。心配すんな」
ただ、普段より言葉が荒くなっていることは征夫自身にもわかっている。
狙われているピジョンが倒れずにすんでいるのは、彼やナメビスくんがかばっているおかげだ。もちろん、エヴァリーナをはじめとする仲間たちの支援も大きかったが。
「そろそろ片付けなきゃいけませんね。征君やピジョンさん、ナメビスくんたちが無事なうちに」
恭志郎がそう言いながら、惚れ惚れするような動きからしかけた攻撃で敵を凍りつかせる。
彼の動きを起点に、ビスマスやマヒナの攻撃も後方からダモクレスを貫く。
「頼むぜ恭さん。……まだまだ、倒れやしないけどな!」
友人が切り込んでいく姿を見ながら、征夫は大きな声を発して気合を入れ直す。
かき氷機はさらに氷の粒を吹き付けて攻撃してきたが、まだまだケルベロスたちはそれに耐えて見せた。
「あんたも腑抜けてられねぇよな、ピジョン! 負けるなよ!」
道弘の発した気迫がピジョンの体に活を入れ、体にまとわりつく氷を吹き飛ばしてくれた。
「戦うのは苦手なんだけどねえ。もう少しがんばらなきゃいけないみたいだね」
赫ノ目から現れた不可視の盾を構えて、ピジョンはしっかりと砂浜を踏みしめた。
「ピジョンがやられる前に、ワタシがダモクレスをやっつけるよ。海にピッタリの技でね!」
マヒナが元気な声を出した。
「頭上には注意してね?」
彼女の言葉と共に、無数のココナッツがダモクレスの上空に出現した。
当たると痛そうな固いココナッツが降り注ぐ。それは幻影だったが、確かな衝撃をともなって幾度もぶつかった。
大きなダメージを受けているのはケルベロスだけではない。ダモクレスもまた弱っていると判断して、皆は敵を弱らせるのではなく倒すための技を選んで仕掛けていた。
「クロガ、ルイ、出番ですよ。引き裂いてやってください!」
ビスマスが両手に構えたロッドを、黒と白の針鼠の姿へと戻した。
飛びかかるファミリアたちはダモクレスへ突撃し、その体を引き裂いていく。
残り少ない敵の体力を、ケルベロスたちは削り取っていった。
恭志郎はあまり攻撃を受けていなかったが、さすがに無傷というわけにはいかない。死に物狂いでしかけてきた敵の反撃のシロップが、彼の体をとらえた。
けれど、恭志郎は衝撃をともなった水流を受けても言葉を発しなかった。
ディフェンダーではない彼の体力は一撃で危険なほど削られたが、それでも声を押し殺して耐える。
「恭志郎くん、お願い!」
エヴァリーナの振るうライトニングロッドから電気が飛び、恭志郎の体を走り抜ける。
だが、その刺激は彼の身体能力を強化するものだ。
「任せてください。――俺だって、」
その踏み込みは雷鳴の力を借りて雷速よりもなお速く。
刃の代わりに振り抜いた鎚が空気を引き裂く音が、砂を踏みつける足音と共に響く。
早朝の冷たい空気は、より清浄な気配をまとっていた。
「カ……キ……ゴーリ……」
装甲に打撃痕はない。ただ、実体を持たない不可視の衝撃は、ダモクレスの内部構造を確実に粉砕していた。
崩れ落ちたかき氷機の外装が砂浜に落ち、そして破壊された機械が次いでこぼれる。
ダモクレスは沈黙し、もはや動くことはなかった。
●気分は南国?
太陽は少しずつ高いところへと登っていった。
周辺のヒールや、自分たちの手当てを終えた後で、ケルベロスたちは砂浜に集まっている。
だんだんと空気も暖かくなり、海で遊ぶにはよい気温となっていた。
「海の家から網を借りてきましたよー!」
そう言って、ビスマスが作り始めたのはさんが焼き。
アジをしっかりたたいた郷土料理のなめろうを、貝殻に挟んで焼きはじめる。
「ビール飲む人いるー?」
ジョッキ片手に海の家からやってきたのはピジョンだった。
もちろん未成年には渡さない。もっとも今回のメンバーで未成年はビスマスだけだが。
網にはさらに海の家で調達してきた海鮮も乗っている。
「さんが焼きに海鮮網焼き……なんて贅沢。あ、冷たいお茶を買ってきたので、お酒がダメな人はどうぞ」
ペットボトルのお茶を見せながら恭志郎が言う。
エヴァリーナやマヒナは酒が苦手なのかそちらに手を伸ばしていた。
「ここからが本番だよね! 私も食材持って来たんだ~」
元気な声と共にエヴァリーナがどんと置いたのは、どうやって持ってきたのか3mもある本マグロだった。重量にして400kgはあるだろう。
なめろうを作り足す材料にも、そのまま食べるのにも、十分な食べごたえがある。
「なかなか豪快だなあ。どれ、臨時メニューを用意しておくか」
大きく口を開けて笑い、道弘がブラックボーズに愛用のチョークでメニューを書き込む。
「ハワイアンなめろうも用意してきていますから、書いておいてください。さんが焼きが焼けるまで、遠慮なく食べてくださいね!」
イキイキとした調子のビスマスが、クーラーボックスを開ける。
海の家のテーブルに、ハワイの材料で作ったなめろうが並ぶ。さらにはバケットやクラッカーを添える。
ピジョンの音頭で乾杯の声が上がった。
「ハワイアンなめろう? バナナが入ってて、おいしいのかな?」
ジョッキ片手に、最初にハワイアンなめろうへと手を伸ばしたのもピジョンだった。
皆が見守る中で、一口食べる。
「……う、うまいっ! 果物の甘さとマグロの味が絶妙なバランスで調和しているっ!!」
細い目を大きく見開いて、ピジョンが絶賛する。
「以前にもビスマスさんにご馳走になりましたけど、美味しいですよね! ハワイアンもえるなんて……なめろうって奥が深いんだなぁ」
恭志郎の言葉に、同じく以前にも食べたことがあるマヒナが頷いた。
「ワタシも前に食べさせてもらったよ。おいしいよね、本当に」
「私も~。ハワイアンなめろうとかかき氷、楽しみにしてたんだ~」
エヴァリーナがバゲット一本まるまるハワイアンなめろうで埋めつくし、一気に完食してみせた。
「ハワイアンなめろうオノ(おいしい)! アロアロも、もらってきたら?」
ピジョンのそばで、マヒナも笑みを浮かべる。
主に声をかけられて、シャーマンズゴーストもおずおずと……いや、一口食べたとたんに激しい勢いで争奪戦に加わる。
「食べ物はあるみたいなので、私はサングリアとカットフルーツの盛り合わせを用意してきましたよ」
元通りの穏やかな口調に戻った征夫が仲間たちに言う。
「キンキンに冷やして飲んだり食べても良し、アルコール飛ばしてかき氷に掛けたり乗せても良しですよっと」
「かき氷か……サングリアをかけるのもおいしそうだね」
「あ、私サングリアのかき氷も食べる! この際、海の家の料理も10周は食べちゃうよ!」
微笑む恭志郎の横を駆け抜け、エヴァリーナがカットフルーツにま手を出した。
大きなマグロも順調に消費されていっている。
「ハワイアンは夏の季節にピッタリですよね。さんが焼きもそろそろ焼けましたよ!」
ビスマスの言葉に、エヴァリーナをはじめとする仲間たちが一気に群がる。
「焼おにぎりも欲しいところだな。網が空いたならちょっと借りるぞ」
網にこっそりおにぎりを並べるのは道弘だ。
楽しい時間が過ぎていく。
ただ、マヒナは時折、少し表情を曇らせていた。楽しい時間を過ごすほどに、過去の戦いの嫌な記憶がよみがえっているのだ。
「……どうかしたか?」
「ううん、だいじょうぶ。泳ぎたくなってきた。海を見にいこう!」
ピジョンに問いかけられて首を横に振り、マヒナは海へと駆け出していく。
かき氷を食べている恭志郎の視界を横切り、彼女は海へと飛び込む。
「征君のサングリアもいいけど、やっぱり俺はシンプルな蜜が好みかな」
マヒナを見送りながら、恭志郎は呟いた。
あのダモクレスになったかき氷機も、こんなにおいしいかき氷を作っていたのだろうか。
「先代かき氷機も、楽しい夏の思い出と眠れますように」
ダモクレスが消えたあたりに視線を巡らせ、彼は心の中で祈る。
きっと、この海では、たくさんの思い出が作られていたのだろう。ケルベロスたちもまた1つ、海の思い出を増やしていた。
作者:青葉桂都 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2019年8月1日
難度:普通
参加:7人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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