天の川の夜に

■リプレイ

●夏夜
　橙の灯が幽玄に揺れて、宵を朧に照らす。
　祭りの道は無人だけれど、どこか愉しい雰囲気。けれどその遠くに巨躯の姿が見えたから──白銀狼は呆れ声を零した。
「風情も風流もあったモンじゃねえな」
　全く、と息をつくランドルフ・シュマイザー（白銀のスマイルキーパー・e14490）。拳を打ち鳴らし戦意を顕にする。
「ま、誰も傷つけさせずに速攻で始末して。祭りの続きといくぜ！」
「……そうだね。せっかくのタナバタのお祭りだもん」
　皆で楽しみたいよね、と。
　マヒナ・マオリ（カミサマガタリ・e26402）は呟きながら、声は憂鬱でもあった。
（「その『皆』の中にまだ、エインヘリアルを入れてあげられないのは残念だけど……」）
　──エインヘリアルはどうしていつも……皆純粋に楽しみたいだけなのに。
　遭えば争いなるのが、少し哀しい。
　けれどマヒナの心と裏腹に、その罪人は蹂躙こそが楽しみだというように。足を踏み鳴らし、悠々と歩んできていた。
　だから瀬戸口・灰（忘れじの・e04992）は迷わずに、その面前に立ちはだかる。
「楽しみを独り占めは良くないぜ」
「……何だ、お前ら？」
　巨躯は止まってねめつける。
「邪魔しに来たのか？　今日は楽しめる日なんだろ」
「そうだよ。お祭りは楽しい催し……だけど」
　キミみたいな暴れん坊さんは場違いだよ、と。
　月夜の涼風のような声が空から降りてくる。月岡・ユア（幽世ノ双月・e33389）。柔い黒翼で夜気を泳いで、すらりと銀刃を抜いていた。
「此処には沢山のお願い事も結ばれてるんだ。それを踏みにじられるわけにはいかない」
　だから楽しいコトしたいなら相手になってあげるよ、と。
　挑発的に、されど静かに笑みを浮かべて刀身を向ける。
「ボクと一緒に遊ぼうか」
「そういうことだ。その剣で遊びたいんだろう？」
　灰も誘うよう、黒鉄の粒子を舞わせて仲間を強化し宣戦とした。
　罪人は剣を握り走ってくる。
「面白え、切り捨ててやるよ」
「やるなら、覚悟しとけよ？　余所見してる暇なんかないぜ！」
　羽のように優しい声音が、精悍な凛々しさを帯びた。
　ラウル・フェルディナンド（缺星・e01243）。美しき髪を靡かせ、艶めく細剣で一刀。満天の星下に咲くような、煌めく花舞いを伴った剣撃で巨体を刻む。
　そこへ降るのは彗星の煌めき。
　高く空へ跳んでいたステラ・フラグメント（天の光・e44779）。眩い光を湛えながら、星のマントを棚引かせ──。
「さあ、やってやろうぜ、ユア！」
「──うん」
　肯くユアが剣線で三日月を象ると、そこへ耀く蹴撃を重ねていた。
　罪人は反撃に氷波を放つ。が、それが深色の靄に阻まれた。
　ラグエル・アポリュオン（慈悲深き霧氷の狂刃・e79547）が喰霊刀から生む、殺戮衝動。腰に佩いたその刃を僅かにだけ抜くことで、深い狂気の一端を漂わせていた。
　濃密な揺らぎは氷波すら凍らせる。
　だけでなく、仲間を癒やし破魔の力も与えていた。
（「これくらいにしないと」）
　狂気に喰われる前に、刃を納める。これである程度の負傷は癒せたから──。
「あとは、ワタシが癒やすね」
　マヒナが海辺に香るような風で皆の傷を浚っていた。
　傍で怯えていたシャーマンズゴーストのアロアロのことも励まして、回復を手伝って貰えば態勢はほぼ十全。
　香月・渚（群青聖女・e35380）も翼で羽ばたき空へ飛び出していた。
「さぁ行くよドラちゃん。サポートは任せたからね！」
　ぱりっと雷光を煌めかせた箱竜は、その光で残った傷も癒やしきる。それを背にして、渚自身は敵へ滑空した。
「この飛び蹴りでも、食らえー！」
　速度のままに脚を突き出すと一撃。苛烈な打力で巨体を吹っ飛ばす。
　ランドルフはそこへ追い縋っていた。
「『祭り』のなんたるかを教えてやろう。テメエを『血祭り』ってヤツにしてだがな！」
　放つのは獰猛な蹴撃。顔面を打って血を吐き出させる。
　灰も跳び上がり宙へ。鮮やかな光を蹴り落として巨体を穿けば──。
「次、頼むぜ」
「了解」
　答えるラグエルが手を軽く払う。瞬間、氷の花が咲き乱れて罪人を閉じ込めると……渚が真っ直ぐに飛翔。
「逃げられないからね！」
　拳を握り、見せる表情は笑顔。戦いに邁進するよう、容赦なき拳で巨躯の腹を貫いた。

●守護者
　よろける罪人は、苦痛の嗤いを零す。
「やってくれるじゃねぇか。これが祭りかよ……？」
「本当のタナバタはね」
　と、マヒナは小さく伝える。
「子供たちが星に親しむ最初のきっかけでもあるし……皆がこの日ばかりは晴れて欲しい、自分の願いを空に届けたい、って願う大事なお祭りなの」
　だから皆の願いを守るためにここにいるんだと、真摯に言った。
　ステラも短冊を仰ぐ。
「人の願いが、想いがこんなに集まって、ロマンがあると思わないか？　君にはわからないかもしれないけれど、人の想いって強いんだぜ」
「……馬鹿らしい、な」
　罪人はあくまで首を振る。
「なら、分かり合えないね」
　ラグエルは言って星を見た。
　引き裂かれて年に一度しか会えない織姫と彦星。
　幼い頃に引き裂かれてようやく再会した自分と弟。
　同じとは言えないけど、引き裂かれる痛みは知っているからこそ、再会の日を血濡れた日にはしたくないから。
「年に一度だけのお祭りを邪魔させるわけにはいかない」
「うん。せっかくの楽しい七夕を、荒れさせはしないよ！」
　前向きに迷いなく。
　大空に昇った渚は燃える脚で日輪を描き、剛速で降下していた。
「これで、その身を焼き尽くしてあげるよ！」
　灼熱の速度は避けるに叶わず、巨体は烈火の打撃に膝をつく。
　焦って自己治癒に走るが、そこへふわりと死の匂い。
「回復してる間なんて与えないよぉ♪」
　虚空から翔け降りるユア。強く振るう拳は、痛みを返しはしないけれど。敵の骨は強く抉り、加護の一端を砕いた。
　そこへステラが翳すのは杖型のガジェット。
「さあ、俺のガジェットくん。バージョンアップした力を見せてくれよ──その真髄をあいつに味あわせてあげようぜ！」
　洗練された見目のそれは、折れるように変形すると先端同士が咬み合わさって駆動。高速で輪転するドリルとなって敵の護りを破砕する。
「が……っ！」
「まだまだ終わりじゃないぜ？」
　──眠るのは、月燈す花の彩に溺れてからにしな。
　ラウルが放つ『杳窕の月』は、燦めく軌跡を描く月彩の弾丸。着弾でミモザを溢れ咲かせると、その美しさが心を惹きつけ巨体を押し留めた。
　罪人は惑いつつも刺突を放つ。が、夜朱が防御すると、灰が即座にその体に触れていた。
「すぐに癒やすから、待ってな」
　すると優しい温度と共に種が芽吹く。
　毒を糧として傷を癒やす『廻花』。苦しみを取り払って再生を齎した花弁は、はらりと散って輪廻の中に消えていった。
　マヒナも宵空から治癒の力を降ろし夜朱を治療。ステラの翼猫、ノッテも羽で撫ぜれば体力に憂いはない。
　それを確認すると、マヒナは攻勢に移った。
　ゆるり、ゆらり。可憐に、揺蕩うように踊るのは『陽気なフラ』。戦意を挫いてしまうほどの楽しい舞いが、敵の刃を鈍磨させていく。
　その背後からユアの双子妹、ユエが澄んだ唄で心を縫い止めれば──ユアもまた『月魄ノ夢』を合わせた。
　──この月の腕で眠らせてあげる。
　調和する聲は美しく。月を煌やかせて罪人の生命力を虚無に攫っていく。
「ステラ」
「ああ！」
　応えたステラが『Burlone meteora』──星の舞乱れる蹴撃を打てば、渚も高速で翔び痛烈な前蹴り。
「最後は、お願いするね！」
「任せろ」
　吹っ飛ぶ敵へ、ランドルフは銃を向けた。
「テメエなんざ祭りの余興にもなりゃしねえからな。これ以上天の川も汚させねえ──三途の川でも渡ってな」
　──喰らって爆ぜろッ！
　バレットエクスプロージョン。爆ぜた弾丸は欠片も残さず、巨躯を夜空に散らせた。

●願い
　景観をヒールすれば、祭りはすぐに再開されていた。
　ラウルも燈・シズネと共に散策。綺羅星が鏤められた空の下へ歩み出している。
　色彩溢れる七夕飾りに連なる灯籠。せせらぎのような笹の葉音。宙に揺らぐ星の川。
「楽しいな！」
「うん。いい雰囲気だね」
　賑やかに、ゆっくりと過ぎるひとときを二人で心地好く感じながら。その内に笹を見つけて星色の短冊に願いを綴ることにした。
　ラウルが託した想いは“いつかシズネとまあるい月を見上げられるように”。
　狂月病を患うシズネは、星が霞むほどの満月の光を瞳に映すことができない。それでも、一緒に満月の色を眺めたいから。
　その短冊を覗いたシズネは「オレもおめぇと満月が見てみたいなあ」と零して。
「でも、そんな眩しい夜が過ごせるのもおめぇと一緒なら夢じゃないような気がするんだ」
「必ず、叶えてみせるよ」
　応える声には強い信念があった。
　と、ラウルがふと隣を見ればその短冊には──“おこさまらんちがたべたい”。
（「まさか今日の夕飯のリクエスト……！？」）
　その予想は遠からず。
　シズネは、素直に伝えれば優しいラウルが叶えてくれると知っていた。けれど子供っぽくて恥ずかしかったから、こうして願いを託したのだ。
　ラウルはそれを想像して微笑む。
　するとシズネは照れ隠しにぷくぷくと頬を膨らませた。
「もーれつに食べたくなっちまったんだから、仕方ないだろぉ」
　なんて──言いながらも、次第ににやけてスキップ気分。何故ならば。
「シズネのかわいいお願いはきっと叶うよ」
　ラウルがそう言ってくれるから。
　今夜はきっととびきりのごちそうだと、シズネは足取り軽く歩んでいく。
　──今夜は豪華で彩り豊かな「大人様ランチ」にしないとね。
　ラウルはそう決めると、柔く笑んで歩み出す。

　灰は屋台の並びを眺めながら、ゆったり歩んでいた。
「賑やかになってきたな」
　時間と共に人々も増える。活気を感じながら、灰は頭の上にも声をかけた。
「楽しんでいこうな」
　にゃご、と応える夜朱は──既にいい匂いに誘われている。
　灰はよし、と頷いて店へ。作りたての焼きそばや唐揚げを買った。
　ソースの香りや芳ばしい衣に舌鼓を打つと、夜朱もまたもぐもぐと食欲旺盛。全て平らげ満足げだ。
　その後は、笹に揺れる短冊を仰いで楽しむ。
「沢山あるな」
　色とりどりの願い事。
　風に揺れる想いの数々。
（「俺も子どもの頃は毎年毎年、短冊を書いたものだが」）
　今の子どもも、あの時の自分とそう変わらない願い事をしているんだろうか？
　懐かしい思いに駆られながら短冊の下を通り抜けていく。
「どんな願いが書いてあるのやら、だな」
　見上げると“将来はサッカー選手に”、“おこづかいをあげて”、“好きな人と仲良く”なんて、可愛らしい文字が垣間見えた。
　だから灰は微笑みながら、歩んでいく。
「全部、叶えばいいな」

「短冊、か」
　風に靡く葉を見上げて呟く。
　笹の下にやってきたのはランドルフ。願い事を結ぶつもりだった。
　故に文字を書いた短冊も二枚、既にその手に握っている。
「実現すりゃいいな」
　言って、その一枚を括り付けた。
　書かれているのは『世界が笑顔で溢れますように』。それは願い事というのに相応しい、遠大な想いだ。
　ただ、もう一枚の方は暫し眺めて、躊躇った後にポケットに戻す。
（「コッチは……自力で叶えてやるさ！」）
　そう思い直して、歩み出した。
　何故なら、それは決して何かに願う事ではないと思ったから。
　自分の心で。自分の手で。
　形にしてみせると誓ってランドルフは星夜を去っていく。
　ポケットで小さく揺れる一枚。
　上部が隠れているそれは『ノをずっと笑顔に出来ますように』と。その一部分だけが覗いていた。

　静かな川べりを、マヒナと朱桜院・梢子は散歩していた。
　涼しくて穏やかな空間。
　故に食も進むのか否か、梢子はたこ焼きにじゃがバター、他にも大量に買い込んだ食べ物をもぐもぐと食べ続けていた。
　それから、ふとからかい混じりに聞く。
「せっかくの七夕だっていうのに、あなたの彦星様と一緒じゃなくてよかったの？」
「あーうん、もちろんコイビトと一緒に……でもよかったんだけど。たまにはショーコとヨースケを連れ出してあげたかったし」
　マヒナは言って二人を見る。
　すると梢子はビハインドと少し見合って。ありがとね？　と笑みを返した。
　星空を、マヒナは仰ぐ。
「オリヒメとヒコボシって恋人じゃなくて夫婦なんだよね。一緒に居られるのが楽しすぎて仕事しなくなっちゃったから引き離されちゃって、７月７日だけ会えるっていう……」
「一番広く知られてるのはその話でしょうね」
　梢子も頷き、空の川を見た。
「ただ、もともと日本ではお盆と連続した行事だったのよ。天の川はいわゆる三途の川で、対岸は彼岸。織女と牽牛は死に別れた夫婦でもある……って考え方もあるわね」
「死に別れた夫婦……」
「七夕はお盆の時期だから、あの世とこの世の境目が曖昧になって再会できるってこと」
　もしそうなら、逢う時はどんな気持ちなのだろうか。
　マヒナが想像していると、梢子は視線を戻す。
「……まあ、あなたは年に一度と言わず会えるんだから、彼のことは大事にしなさいな」
　飾らない、優しい梢子の言葉。
　だからマヒナも微笑んで、うんと頷いた。
　同じ空を今、彼は見ているだろうか。
　思いながら、マヒナはまた歩んでいく。

　渚はドラちゃんと一緒に通りを進んでいた。
「わぁ、七夕飾り、綺麗だね」
　大きな吹き流しが宵の風にそよぐ。
　七夕踊をする浴衣の人々は愉しげな顔で──。
　そして何より屋台には美味が揃っていた。
　だから渚はりんご飴を二つ購入。ドラちゃんと共に甘味を楽しみつつ、笹が飾られた一角に辿り着いた。
「願い事、かぁ」
　短冊を手にとって、何か書いてみようと筆を執る。それなりに浮かぶことはあるけれど、さらさらと書いて結んだのは──。
「とりあえず平和に過ごしたい、かな？」
　ドラちゃんが同意を示すように鳴くと、渚は微笑んだ。
　そうなればいいなと思いながら。
　またゆっくりと歩み出し、次の食べ物を買いに向かった。

　巫山・幽子に食べ物を買ってあげて、自分も一つ。
　クレープを手に、ノチユ・エテルニタは幽子と川沿いのベンチに座った。
「……この前は、ありがと」
　目を見て感謝を言える勇気もないけれど、それは伝えたくて。もったいないばかりだなと思っていると、幽子は言葉に頷き微笑んだ。
「私も楽しかったです……」
　だからまたご一緒できれば、と。
　その後、天の川の下で二人は短冊を書いた。隣の願いは判らなかったけれど──ノチユは『貴女の願いが叶うといい』と、それだけ一筆したためた。

　七夕の短冊は、願い事を書くのだと聞いたことを思い出す。
「多くの人が想いを持っているんだね」
　それを実感するように、ラグエルは笹を眺めていた。
　そうして折角だから、自分も書いてみようとペンを握る。
　すると迷うことなく手は動いた。
　願いは一つ。
「仲良くは無理でももう少し弟と距離を縮めたい……かな」
　空に届いて叶うのなら、これ以上のことは無いから。その顔を脳裏に過ぎらせて、そんな日が来てほしいと思った。
「少し、歩こうかな」
　それから祭りを楽しむ。時に賑やかで、時に趣深い、そんな景色を眺めつつ。
　薄氷の彩の髪を夜風に揺らし、屋台に寄って杏飴を買ってみる。
　甘酸っぱくて、美味しい。
「祭りもいいものだね」
　また機会があれば訪れたい──そんな心で歩みを再開した。

　月歌姫と怪盗が、宵の道を歩みゆく。
　手には星のように燦めく苺飴と、月のように丸い団子。祭りの美味を愉しみながら、二人は笹の下に辿り着いていた。
「あ、願い事！　俺たちも書いてみようぜ！」
「うん！　何か書こうか」
　ステラが瞳を輝かせれば、ユアも短冊を手に取る。手持ち無沙汰な黒猫にも、ステラは一枚差し出してあげた。
「ノッテも書くかい？　ぺたん、と」
「ははっ、肉球スタンプ可愛いね？」
　ユアはそれを結んであげた後、ユエとステラ、ノッテの顔を見つめて。自分の願いをそっと綴った。
　それは“皆が、いつまでも幸せでいられますように”。
　大切な人達には幸せでいてほしいと素直に思うから。
　──特に、ステラには。
　ユアは静かに隣を見る。
（「いつか僕は彼の傍からいなくなる」）
　そんな未来がやってきても、ステラが幸せでいられる事を心から願いたい。
　できるならそれまで、僕も彼の傍で笑って幸せを作ってあげられますように、と。
　ユアが見つめるステラも、丁度書き終わっていた。
　恥ずかしくて、ユアには見せられないけれど。それは“君がずっと心から笑っていられますように”。
　数々の苦難が降りかかる彼女、笑顔を浮かべる彼女。
　そんな彼女がずっと、ずっと、心から笑っていられるように。
　できることなら彼女の片割れとずっと一緒にいられるようにと、そんな願い。
（「その横に俺も一緒にいられたら、なんてな」）
　少し笑みを零しながら、それは偽らざる思い。
　いつか終わりが来るとしても。
　──君も、俺も、幸せでいられますように。
　それを結ぶと、ユアと視線が合って微笑んだ。
　願いについて多くは話さない。けれど、心の奥では互いを思いやっている。
　星はそれを、見ていたろうか。
　風に短冊が揺れると、二つの願いが揺れて、触れ合って。空と祭りの淡い光に、ほんのりと輝いていた。

作者：崎田航輝	重傷：なし 死亡：なし 暴走：なし
種類： 公開：2019年7月10日 難度：普通 参加：8人 結果：成功！
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