ミッション破壊作戦~解脱の鳥

作者:坂本ピエロギ

「グラディウスの再使用が可能になりました。これよりミッション破壊作戦を行います」
 本格的な夏が近づきつつある白昼のヘリポートで、ムッカ・フェローチェ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0293)はケルベロス達へ作戦の説明を始めた。
「作戦目標はグラディウスを用いて強襲型魔空回廊を強襲し、これに損害を与える事です。もしも回廊を破壊できれば、対象となった種族との最終決戦勝率が上昇します」
 回廊はミッション地域の中枢にあり、陸路では到達する事が難しい。そこでヘリオンからの高高度降下によって強襲を行うのだ。
 今回は、ビルシャナの回廊が標的となる。
 ビルシャナは一連の大菩薩再臨の事件を起こしている種族であり、いずれ大きな動きを起こすであろう事は確実と見られている。本格的な動きを見せる前に、少しでも拠点を潰しておきたいところだ。
「グラディウスは所持者の魂の叫びの強さに応じて、爆炎と雷光、そしてスモークを発生させます。回廊を覆うバリアにこの小剣グラディウスを接触させ、グラビティと共に叫びを込める事で回廊を攻撃できるのです」
 爆炎と雷光で与えたダメージは回廊に蓄積され、修復することは不可能だ。最大でも10回程度の降下を行えば、どの回廊も確実に破壊できる計算だという。
「スモークには敵を撹乱する力があり、これが完全に晴れるまではミッション地域にいる防衛部隊をある程度まで無力化することが可能です。ただし回廊を守護するボス格の個体には、スモークは通じません。気をつけて下さい」
 ボス格の個体はミッション地域を脱出する前に必ず攻撃を仕掛けてくる。従って、撤退時の戦闘をゼロに抑える事は出来ないと思った方が良いだろう。
「ボスと接触した時は、必ずスモークが切れる前に撃破して下さい。スモークが晴れると、敵の部隊が反撃態勢を整えてしまい、領域離脱は不可能になります」
 そうなった場合は、暴走か降伏以外に助かる道はない。
 もしも敵に囚われれば、グラディウスを奪われる可能性がある。グラディウスを失えば、それだけ回廊を攻撃する手段は減るだろう。ひいては最終決戦で勝利する確率も、それだけ上がりにくくなってしまう。
 故にこの作戦ではグラディウスを持ち帰ることも決して忘れてはならないのだ。
「大菩薩再臨に加え、大阪城のデウスエクス達にも新たな動きが見られます。敵の思惑を果たさせぬよう、着実に彼らの拠点を潰していきましょう」
 ムッカはそう言って、再び小さく一礼した。
「ゴッドスピード、ケルベロス。偽りの教えを説く鳥を、どうか討ち果たして下さい」


参加者
落内・眠堂(指切り・e01178)
エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)
月隠・三日月(暁の番犬・e03347)
岡崎・真幸(花想鳥・e30330)
ゼー・フラクトゥール(篝火・e32448)
グラニテ・ジョグラール(多彩鮮やかに・e79264)
 

■リプレイ

●一
 6月下旬、晴天。
 ビルシャナの魔空回廊『善育教会』を目指し、安来の空をヘリオンが飛んで行く。
 かつて子供を善人に育てるため、子育てに悩む親を助けるため設けられた教会。そこは今やクルーエルティの跋扈する処刑場に作り変えられて久しい。
 親を洗脳し、子供を殺害させ、また新たなクルーエルティを生んで――そんな惨劇の連鎖に終止符を打つ戦いに、ケルベロス達は臨もうとしていた。
「降下ポイントまであと少し、か……」
 エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)は緊張した面持ちで、グラディウスに目を落とす。今まで多くの戦いに参加してきた彼だが、ミッション破壊作戦の参加は今日が初めてだった。
「魂の叫びか……ははっ、いいね。言いたい事なら沢山あるんだ」
 乾いた笑顔を浮かべ、エリオットは己の過去を振り返る。
 体を奪われ、クルーエルティと化した恩師。炎に包まれ灰となった故郷。それは彼の心に刻まれた、色褪せない光景だ。そんな彼に、月隠・三日月(暁の番犬・e03347)は静かに声をかける。
「エリオット殿、今日は微力ながら助太刀させてもらう」
「ありがとう三日月、心強いよ」
 旅団仲間の心遣いに、笑顔で返すエリオット。その傍ではグラニテ・ジョグラール(多彩鮮やかに・e79264)が、近づいてくる教会を窓越しに眺めていた。
「んー……思ってた感じと、ちょっと違う、なー」
 晴れ渡る青空の下、清澄な空気に覆われた荘厳な建物――。
 そんな『教会』のイメージと、いまグラニテが眺める善育教会は何かが違っていた。よく手入れされた綺麗な施設なのに、人影のない教会が与える印象は、何故か冷たい。
「心がざわざわする。嫌な感じ、だー……」
 小さな不安を押し殺すように、グラディウスをそっと握るグラニテ。一方、落内・眠堂(指切り・e01178)とロストーク・ヴィスナー(庇翼・e02023)は、降下前の打ち合わせを終えたところだった。
「ロストークも、ミッション破壊作戦は今回が初だったな。分からない事はないか?」
「大丈夫。脱出経路もちゃんと頭に叩き込んだ」
 そう言ってロストークは席を立ち、降下ポイント到着のブザーが鳴り響くなかをハッチへ移動していく。
「……激しい戦いになりそうだね」
「容易でない相手なのは間違いないのぅ」
 ロストークの呟きに、ゼー・フラクトゥール(篝火・e32448)が返した。
「クルーエルティはビルシャナの最も強力な回廊を護る敵じゃ。間違っても油断出来ぬ」
「だな。ま、俺の縄張りにちょっかい出す奴は、誰だろうが潰すだけだ」
 岡崎・真幸(花想鳥・e30330)が、ハッチから回廊を見下ろして言う。中四国を自分の『縄張り』と認識する真幸にとって、クルーエルティは排除の対象でしかない。
 ハッチが完全に開放されると同時、真幸と仲間達は次々に降下を開始した。
「では、また地上で!」
「老骨に鞭打ち、ちと頑張るかのぅ」
「よろしく、だー! 勝って帰るぞー!」
 三日月、ゼー、グラニテ――彼らに続かんとするロストークが、戦友を振り返る。
「行こうか、リョーシャ」
「……ああ、そうだな。エリオット・シャルトリュー、降下開始する!」
 エリオットは燃え盛る足でヘリオンを蹴って、大空へと飛び出した。

●二
 眼下に広がるのは、回廊を覆うバリアのドーム。
 そこへ三日月は一番槍でグラディウスを掲げ、隼のように突っ込んでいく。
「エリオット殿の故郷を滅ぼしたビルシャナよ……」
 バリアを揺さぶる衝撃と共に、教会からクルーエルティ達が飛び出してきた。
 恐らくは回廊の防衛部隊だろう。三日月は彼らを一瞥し、魂の叫びを込める。
「これ以上の被害を防ぐため、そしてエリオット殿のため。この地域は我々が解放する!」
 爆発の炎が、教会の真上に咲いた。次いで降り注ぐ雷光に屠られていくクルーエルティの真上から、ゼーが光剣をバリアへ突き刺す。
「親子の絆を断つとはのぅ……我が子を手に掛ける者の苦しみを汝は知らぬのであろう。善きも悪きも、洗脳して教えるものではなかろう――疾く去るが良い!」
 ゼーの老いた声は静かな、しかし揺るがぬ叫びとなって爆炎を生んだ。回廊の周囲が炎で包まれ屍を増やすクルーエルティ達。真幸はそれを見下ろし、あの一人ひとりが子育てに悩む親だったという事実に顔をしかめる。
「俺には親子の情はあまり分からん。だが、絶大な信頼に押し潰されそうになる気持ちも、裏切られる辛さも知ってる」
 どこにでもいたであろう、子育てに悩んだ親達。今は地球に害を為すビルシャナへと変貌してしまった者達。同情する気はない。ただ葬るのみだ。
「お前らは絶対に許さん。この場で残さず、確実に潰してやる」
 真幸が生み出す爆炎は一切の容赦なく、ビルシャナの群れを蹂躙していく。
 そこへ新たに、眠堂が降下してきた。
「ひとの道を決めるのはそのひと自身であって、お前じゃねえだろうに」
 雑兵には目もくれず、眠堂は回廊の中枢を見据えた。教義を歪め、この教会を殺戮の場へと変えたクルーエルティの首魁を。
「親まで唆して子を傷つけさせるなんざ、お前の信仰は歪んでる。そんな教義のためにこの地を、この場所を踏み荒らすってんなら――俺は全霊を尽くしてお前を止める」
 怒りと決意に応じるように、グラディウスから雷光が放たれた。
 雷は攻撃を試みようとしたビルシャナを消し炭に変え、回廊へと降り注いでいく。そこへグラニテが5本目のグラディウスを握りしめた。
「正しい、間違い、善い、悪い……教わらなきゃ分からないことは、いっぱいある。わたしにだってそれは、いっぱいある……けどなー」
 けどな、とグラニテは続ける。
 自分で確かめて初めてわかることだって、沢山あるはずだ。地球に来てグラニテが自分の肌で感じた世界は、どれも素晴らしい宝物だと。
 そして、それはきっと他者から教わるだけでは得られなかっただろうと。
「なのに反抗したら殺される、なんて……ぜったい間違ってるぞー! そんな教えは悪だってことくらい、わたしにだって、わかるんだー!!」
 爆炎と雷光が回廊に叩きこまれ、一帯をうっすらとスモークが覆い始めた。
 煙幕の切れ間からは、クルーエルティ達の断末魔が折り重なって聞こえる。ロストークはグラディウスをバリアに突き刺し、一切の容赦なく叫びを込め始めた。
「子供と親は別個体。反抗くらいするだろうさ、親子とはいえ別の人間なんだから」
 脳裏に描くのは、歳の離れた下のきょうだい達。彼らを育て、見守ってきたロストークにとって、クルーエルティの教義はまるで取り合うに値しないものだ。
 友の恩師を乗っ取り、親に子殺しを唆す、そんな害鳥を放置する訳にはいかない。
「自我どころか命まで奪おうなんて、寝言は地獄で言ってくれ」
 剣から迸る炎と雷を浴び、スモークに覆われ始めた回廊。
 それを睨みつけ、最後に降下して来たエリオットがゆっくりと口を開く。
「何が善人だ、何が良い子だ……」
 体と精神を縛り付け、死の恐怖で黙らせ、親子の関係を壊す行為を是とする、ビルシャナの教義にエリオットは底知れぬ怒りを覚える。
「それで子どもが善人になったとしても、自我の無い死人と大層変わらないだろう。お前達には教育と支配の区別もつかないのか、鳥どもめ」
 エリオットはグラディウスを叩きつけ、ありったけの叫びを込める。
 何が善で何が悪か、その物差しを他者に預ける者が善人になれる訳がない。
 お前達のふざけた教義を、よりによって――。
「よりによって、じいさんの声で言うな!!」
 エリオットの爆炎が回廊を包み込み、巨大な火柱が吹きあがる。
 次いで轟くのは、空気を揺さぶる程の破壊音。
 眠堂はバリアを突き抜けて着地すると、すぐに回廊の方角に目を凝らす。
「……どうだ?」
「ふむ……」
 竜の翼を広げたゼーが、ゆっくりと告げる。
「成功じゃの」
 微かに晴れるスモークの先、回廊は確かに壊され、機能を完全に失っていた。
 一回での破壊成功という大戦果に喜びの空気が流れる中、ロストークはエリオットの背をぽんと叩く。
「おめでとう、リョーシャ」
「ありがとうローシャ。……けど、まだ終わってない」
 自分へ言い聞かせるように呟くエリオットに、真幸が頷く。
「だな。帰るまでが任務だ、急ぎ撤退と行くかね」
 そう言って翼を広げる真幸を先頭に、ケルベロスは離脱を開始した。

●三
 炎とスモークに包まれた善育教会の施設を7人はひたすらに駆ける。
 散発的な抵抗を沈黙させつつ走ること数分、ミッション地域の外まではあと少し。
 しかし、そこへ――。
「皆、気をつけろ。前方に敵の気配がする」
 囁くような声で真幸が言うと同時、炎の柱が行く手を遮った。
『ふふふ……ははははは……』
 哄笑をあげながら炎の向こうから現れたのは、1体のビルシャナだ。
 眼鏡をかけたヒクイドリの頭部。聖職者の衣服に身を包み、その手には燃え盛る長い鎖。圧倒的なオーラ。クルーエルティの首魁に間違いない。
『随分と信徒を殺してくれたねケルベロス。教育熱心な者達だったのに、誠に悲しいよ』
「皆、気合を入れて行くぞ」
 眠堂が小型祭壇から紙兵をばら撒き、戦闘開始の合図と成した。
 保護の力を帯びたエリオットが、真幸が、エアシューズと惨殺ナイフを構える。
『やれやれ、聞き分けのない子達だ。きつい躾を覚悟しなさい』
 言い終えるや、クルーエルティの手から鎖が放たれた。ロストークは蛇のように地を這う鎖からエリオットを庇い、体を締め上げる鎖にも構わず白手袋で槍斧を握る。
「謡え、詠え、慈悲なき凍れる冬のうた」
「チビ。回復は任せた」
 ロストークの槍斧がルーンの力で氷霧を纏い、撃ち出された。併せて真幸『Ithaqua』の召喚する異世界の神が、氷の息吹でクルーエルティを包み込む。
「白銅炎の地獄鳥よ、我が敵を射抜け」
 ぞっとするほど冷たい声で、エリオットが足を鳴らす。
 白銅と黒の炎を纏う鳥が具現化し、ヒクイドリのビルシャナに狙いを定める。
「燃やし尽くせ。もう一言だって、奴にじいさんの声を喋らせるな」
『ははははは……! 駄々は良くない、ケルベロス』
「隙あり、だぞー!」
 鳥の炎を浴びたクルーエルティの足が鈍る。グラニテは掌から氷柱を生やし、槍と成して突き刺した。派手に破ける衣服。しかし敵の哄笑はまるで止む気配がない。
「リィーンリィーン、癒し手を支援するのじゃ」
「刃燃え尽きようと、この怨み――」
 ゼーの発射する轟竜砲に合わせて、三日月が憎悪の炎で鍛えた刀を振るう。嵐の如き猛攻に足を止めながらも、ヒクイドリの攻撃は衰えない。全身から放射する懲罰の炎で、周囲の施設もろとも前衛を包んでいく。
『ははははは……ははははははは……』
「――!」
 火にまかれた瞬間、エリオットは血が逆流するのを自覚した。
 この炎が。
 この炎が、かつて自分の故郷を――。
「おおおおおおおっ!!」
 エリオットは獄炎でエアシューズを覆い、跳んだ。
 紅蓮の尾を引いた蹴りが、流星となってクルーエルティの足を砕く。ゼーはロストークと共に追撃のスターゲイザーを浴びせながら、把握した情報を仲間へ伝えた。
「ふむ、敵はスナイパーかのぅ。鎖といい炎といい、狙いが恐ろしく正確じゃ」
「直撃を浴びると厄介だな……」
 ゼーの言葉に、眠堂は『煉』の暖かな熱でロストークを照らしながら呟く。ケルベロス側の回復役は眠堂ひとりのみ。他の仲間が回復に回れば、それだけ攻撃は減り、時間切れのリスクも上がってしまう。
「長引かせると面倒だ。速攻で片付けるぞ」
「了解だ。下らん説法を聞いてる程、暇でもないしな」
 真幸の惨殺ナイフが、クルーエルティを切り裂いた。瞬く間に凍りつくジグザグの傷口めがけチェーンソー剣を振るうグラニテ。聖職者の衣服が派手に切られて炎中を舞う。
「好機! これでどうだ!」
 ジェット噴射で突撃した三日月がパイルバンカーを射出した。薄くなったガードを突き破られたクルーエルティが、千切れ飛ぶ衣服に混じって真っ赤な血反吐をぶちまける。
『ははは……はっはっは……はは……』
「クルーエルティ。お前はもう終わりだ」
『終わらんとも。私には、世界中を私の教えで満たす使命がある』
 エリオットの投げる言葉に、ヒクイドリのビルシャナは笑って返す。
『死んだ信徒と子供達は本当に残念だった。だが彼らも今頃は仲良く幸せに笑っているよ。地獄で一緒に炎で焼かれながら、永久にね。ははははははははははは!』
「お前は――!」
『ほら、そこだ』
 反撃の炎鎖が鎌首をもたげエリオットの顔面へ飛ぶ。
 蛇の如き鋭敏な動きで。針の穴を通すような精緻な狙いで。
「――!」
 やられる、そう思った瞬間だった。
「約束しただろう。過去に引きずられたら、現在に引き戻すって」
 目の前に、親友の背中があった。
 ロストークが鎖に絡め捕られ、その場に倒れ込む。
「ありがとう……ローシャ」
「よし皆、急ごうぜ。スモークが晴れて来た」
 木製の起爆スイッチを手に、眠堂がブレイブマインを起爆した。残された時間は少ない。天鵞絨のような煙が前衛を包むと同時、ケルベロスは一斉に攻撃に出た。
「さて、煩いお喋りもここまでだ」
「わたしが歩んできた世界。すごくきれいだったから、きみにも見せてあげたいんだー。ちょっとだけ寒いかも、だけどなー?」
 惨殺ナイフで血襖斬りを振るう真幸。鎖で応戦するクルーエルティの身体が、グラニテの月白絵具で描いた『月白の時』に包まれて真っ白に凍りつく。
「エリオット殿、とどめを」
 三日月のスターゲイザーとゼーの轟竜砲が、クルーエルティを縫い留めた。
 己が魂を燎原の火に変えて、エリオットが跳ぶ。
「燃え尽きろ!!」
『はははは……はは、は――』
 薙ぎ払われる紅蓮の蹴り。ぴたりと止む哄笑。
 炎鎖と共に千切れたヒクイドリの首が、灰となって消えた。

●四
「皆、揃ってるな?」
 ミッション地域を抜けて振り返る真幸に、グラニテと三日月が頷いた。
「大丈夫、だー。ロストークも目が覚めたぞー」
「グラディウスも問題ない。全て回収した」
「万々歳だぜ。これで安来に平和が戻るといいが……」
 二人の言葉に胸を撫で下ろし、眠堂は回廊の方角を振り返る。クルーエルティの教会は既になく、瓦礫と化した焼け跡が残るのみ。僅かに生存したであろう防衛部隊も遠からず掃討される事だろう。
「お疲れ様、リョーシャ」
「ありがとうローシャ、皆。……本当に」
 エリオットは焼け落ちた教会の跡に背を向けて、仲間達と一緒に歩き出す。
 ビルシャナに踏み躙られた安来の街も、歪められた教会も、いつか再び新しい姿で生まれ変わる事を祈りながら。
 灰の中から、どうか再び新たな芽が吹くように。
 その日が1日でも早く訪れるようにと――。
 安来の解放を果たしたケルベロス達は、こうして帰還の途に就くのだった。

作者:坂本ピエロギ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年6月29日
難度:普通
参加:7人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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