大菩薩再臨~苦行の先に

作者:中尾

●長阿含衆
 それは異様な光景であった。
 罪もない人々が捕らえられ、あらゆる苦痛を与えられている。
 ある者は空腹に喘ぎ嘔吐し、またある者は四肢が無くなるまで歩かされた。
 どこからともなくビルシャナ経文が響く中、彼らは時折り、泣き声や呻き声、心のたがが外れ獣のように叫ぶ。
 その行為を強いるのは、僧の姿をしたウグイスのビルシャナである。
 その名も長阿含衆――苦行と試練を齎す凶鳥の群れだ。
 そんな地獄に降り立ったのは美しい蒼だった。
 まるでドラゴンのような姿をしたビルシャナが、尾の鐘を鳴らす。
「何奴!」
 1羽の凶鳥が錫杖を振るうも、もう1羽がそれを制止する。
「待ちなさい、彼は――」
 糸で縫われた双眸が、乱入者へと向けられる。
「我は天聖光輪極楽焦土菩薩の使いなり」
 蒼き鳥はそう言って、己の光を1羽の凶鳥へと与える。
 みなぎる力に、僧は震えた。
「これで、新たな試練を、新たな苦行を……教えを広める為に、私は、次の場所に行かなければ……」
 そんな呟きを残して、彼は蒼き鳥と共に己の巣を後にした。

●ヘリポートにて
 皆の集合を確認し、雨宮・シズ(オラトリオのヘリオライダー・en0197) はお集まりいただきありがとうございます、とケルベロスの面々に頭を下げた。
「既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、実は先日、ドラゴン勢力の制圧地域であった一部の地域がビルシャナ菩薩の1体、天聖光輪極楽焦土菩薩によって破壊されてしまいました。聖光輪極楽焦土菩薩は、ドラゴンの制圧地域を破壊して奪ったグラビティ・チェインを利用して、ビルシャナ大菩薩を再臨させる為に、強力なビルシャナを集結させようとしているようです。この暴挙を、見逃すわけにはいきません」
 とシズは言う。
「今回、皆さんにお願いするのは、天聖光輪極楽焦土菩薩の使い1体と長阿含衆と呼ばれるビルシャナの群れのうち、力を与えられた1体の撃破です。長阿含衆は、苦難を乗り越えることこそが悟りへと至る道であると掲げ、無差別に連れ去った人たちへ試練を与え、苦しめるビルシャナです。この行為に一切の悪意は存在しない分、タチが悪いというか……。そんなビルシャナが更なる力を手に入れたとなると……考えるだけで僕は恐ろしい」
 シズの声が微かに震えるも、すぐに顔を上げいつもの様子に戻る。
「2体のビルシャナが向かう先は東京都練馬区。新たな事件を起こす前に、彼らを止めなければなりません」
 天聖光輪極楽焦土菩薩の使いが扱うグラビティは光を放ち傷を癒す『清めの光』、鋭い爪で相手を切り裂く『竜爪撃』、長い尾で敵を薙ぎ払う『テイルスイング』。
 長阿含衆の1体が扱うグラビティはビルシャナ以外には理解不能な経文を唱え、相手の心を乱す『ビルシャナ経文』。厳しい炎天下を再現し、相手に苦行を強いる『炎天下の苦行』。大寒波を再現し、相手に厳しい試練を課す『大寒波の試練』だ。
 また、長阿含衆は正面から普通に殴っても良いのだが、『長阿含衆の教義に疑問を持つような説得』ができた場合は『ケルベロスが長阿含衆を攻撃する際の命中率やダメージが上昇』し、逆に『長阿含衆を褒めて油断させるようなこと』があった場合は『長阿含衆がケルベロスを攻撃する時に、命中率が減少』するだろう。
「ドラゴン勢力のグラビティ・チェインを奪ったビルシャナ2体の撃破、かなりの強敵かと思いますが、どうかよろしくお願いします」
 シズはそう言って再びケルベロス達に頭を下げたのだった。


参加者
フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)
相馬・泰地(マッスル拳士・e00550)
紫藤・大輔(機甲武術師範代・e03653)
伊・捌号(行九・e18390)
田津原・マリア(ドラゴニアンのウィッチドクター・e40514)
 

■リプレイ

●出撃
 暗闇の中、雑居ビルが立ち並ぶ大通りをヘリオンが行く。
「ドラゴンの制圧地域を利用したビルシャナの一斉活動か……いずれにしろ放っておくわけにはいかねえ。何とか食い止めれる範囲は食い止めていくぞ」
 もうすぐ東京都練馬区近隣。目標が近い。場の緊張を解すように相馬・泰地(マッスル拳士・e00550)が言う。
 彼は格闘技用トランクスを穿く半裸の格闘家風のスタイルだった。
 この先、敵味方交えば戦場は凍える程寒くなるだろう、そんなこと百も承知だ。
 それ以上に、この鍛え上げた筋肉には自信があった。それだけ筋肉は心強いものだ。
 泰地は、己の力こぶに必勝を誓う。
 そんな中、傷が通る左眼。漆黒の双眼が敵の姿を捉えた。
「ビルシャナの姿を確認した」
 ヘリオンから顔を出した紫藤・大輔(機甲武術師範代・e03653)が遥か遠くにある2つの影を指す。
「見つけたっすよ……クソ鳥ども」
 伊・捌号(行九・e18390)は己の因縁を前にして、すぅ、と息を吸う。
 その後ろでは、ボクスドラゴンのエイトが小さく鳴いた。
「出撃まであと……」
 タイミングを計っていた大輔が、皆に合図を送る。
「さて、参りましょうー」
 戦闘前とは思えぬ、おっとりとした声。穏やかな笑みを浮かべるのはフラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)だ。
 風圧ではだけぬように戦装束を抑え、ヘリオンから飛び降りる。
「ほな、お先っ!」
 翼で飛び立ち、コンクリートの路上にエアシューズで華麗に着地したのは田津原・マリア(ドラゴニアンのウィッチドクター・e40514)だ。
 藍色の一房を肩に払い、帽子をくいっと整える。
 ケルベロス達5人はビルシャナの行く手に立ち塞がった。
「よしっ、敵も味方も全て揃ったな!」
 素足で着地した泰地は腕を鳴らし、己の手のひらへと拳を当てる。
 その姿に、街頭に照らされ伸びる2つの影が立ち止まった。

●捌号の声
「ほぅ、ケルベロスですか」
 長阿含衆が呟く。
 天聖光輪極楽焦土菩薩の使いはケルベロスを前に何も言わず、ただチリンと尾の鐘を鳴らす。
「我々の行く手を塞ぐと言うのですか? いいでしょう。貴方がたも私にとっては苦行を課すべき対象。そして、その先にある悟りに――」
「ピーチクパーチクうっせーっす」
 捌号が一喝する。
「まず自分たちが悠々自適のくせして他人に押し付けるのがちゃんちゃらおかしいっすよね。その頭から足までバーべーキューしてお手本見せてほしいっすよ。それとももう悟りの道とやらに至ってるんすか? 悠々自適な生活や無理矢理他人にやらされた試練で至れるなんざ随分と安っぽいんすね悟りの道とやらは」
「なっ、貴女が我々の何を知っていると言うのですか」
「知ってるっすよ、だって――」
 そこまで言って、口をつぐむ。
 長阿含衆という名を聞いて思い出すのは、彼らに連れ去られ過ごした地獄のような日々。
 両親から貰った名前は忘れさせられ、記号のような名を与えられた。
 物のように扱われる毎日。意味のない苦行を繰り返され、気付けば髪の色は抜け落ちてくすみ、右目の視界はぼやけるようになり、感情の起伏は薄くなった。
 ――それなのに、当の彼らは。
 捌号の心情を察して、マリアが横に立つ。
 マリアはよく言ったと捌号にアイコンタクトを送る。
「苦痛を与えたとしてもそれは、望まぬ人にとって単なる苦しみではないのか? そして、苦痛を与え、死んでしまったら悟りに至らないのでは?」
「悟りを開けず死んじまったら無駄死になるだけだよな? 手段のために目的ないがしろにしてねえか?」
 大輔が前に出て泰地がそれに続く。
「無駄死に? いえ、修行が全うできなかったことは残念ですが、彼らは厳しい苦行の末に、次の輪廻の為の素晴らしい徳を得たのです。無駄死にではありません」
 信者の死を無駄死にではないと語る長阿含衆に、医者であるマリアの表情が曇る。
「人の肉体や心を壊す苦行や試練を無理矢理与えるなんて単なる災害と変わらへんやん! 苦行や試練は望む道を行くとき、ありのままに与えられるものを乗り越えてこそ、その経験を肉体や心の糧とする事が出来るんです。希望と隣り合わせに苦行や試練はあるべきなんです。それを乗り越えられない苦行や試練なんていうのに希望もなく無理やり直面させて、糧を得るべき肉体や心を損なわせることは本末転倒! 受け止められないものを無理矢理与えて、一番に大切にするべき肉体や心を再起不能な方向へ折るアンタらのやり方ドクターとして許せませんし認めません!」
 続けざまに一喝され、長阿含衆は困惑した。
 普段は同じ価値観のビルシャナと生活を共にし、人々に試練を与える日々。それに疑問を抱くことなどなかった。誰も面と向かって異を唱えるものなどいなかった。
 それが、今は4人同時に、否定されている。そして――。
「苦行の果てに悟りに至る教義ー、分かりやすいですわねぇー。普段では知らない自分をー、見えたり知れたりするものですからー」
 5人目にも否定される、そう思っていたのに。
 フラッタラーの言葉に息を飲む。
「ですが苦行をしたから偉いというのでもー、特別というのでもなしー。生きるという苦行を捨ててまでー、行うべき試練なのでしょうかー?」
「生きるという苦行?」
「ええ、生とはそのものが苦行。それとも生きるよりも素晴らしい苦行をしたとー、人々を惑わせるのがー、真の目的でしょうかー?」
「まさか、我々が人を惑わせるなどと!」
 そこへ、長阿含衆の動揺を感じた使いが動いた。

●ビルシャナをぶっ飛ばせ!
 向けられたテイルスイングをケルベロス達はギリギリで避ける。
 さっきまで居た場所のアスファルトが砂埃と共に捲れていた。
「話してる最中になにすんねん!」
 マリアが非難の声をあげる。
「そう、人々を惑わしているのはケルベロス! 我々ではないのです……!」
「そう来ると思ったっすよ」
 まるで自分に言い聞かせるように言う長阿含衆に、捌号が応える。
 捌号が紙兵を放つと、紙兵は霊力の光を帯び、ケルベロス達を守護する。
「気功循環術……!」
 敵の攻撃に備え、泰地はフンッと、筋肉を魅せるポーズをとる。
 するとオーラが己の体内に巡回し筋肉が盛り上がり光輝いた。
 そこへ、エイトの属性インストールが重なる。
 戦闘に入ったら、長阿含衆を先に倒すと皆で決めていた。
「そんなに苦行が好きなら与えたる!」
 マリアが動く。パイルバンカーに凍気を纏わせ、長阿含衆へと穿つ。
「くっ!」
 翼を交差し防御の体制を取るも、その双翼は凍りつく。
 氷を砕いた瞬間、流星の煌めきを込めた大輔の蹴りが炸裂する。
 体勢を崩す長阿含衆。そこへ。
「現世業苦ヲ彩リ見セyOフト、獄卒ノ戒メ結目一ツ二モ足リヱン」
 ぞわっ。
 突如、異様な気配に文字通り鳥肌が立つ。
「なっ!?」
 本能的に寒気の先に目を向ければ、そこにはフラッタリーの姿があった。
 額のサークレットが展開し、額の弾痕から地獄の炎が顔を覗かせる。常時閉じられていた金色の瞳が開眼し、その表情は、いつもの穏やかなものではなく、狂気そのもの。
 歪んだ笑みは妖しき悪鬼を思わせる。
 その瞳が捉えるのは、敵から漏れ出るグラビティ・チェインの切れ端。自らの獄炎を縄として編み、具現化した切れ端と世界へと拘束する。
「!!!!」
 使いが硬化した爪を大輔へと振りあげる。
 それを、龍の模様が刻まれた日本刀で受け止める。ギチギチと互いの力と力がぶつかり合い、使いが更に力を込める。
「ぐっ」
 大輔は押される形でアスファルトは凹み、その勢いで体が吹っ飛ぶ。
 大輔が空中で体勢を直し、着地すると同時に泰地が己のオーラで大輔を包み込む。
 温かな光は彼の傷をみるみる癒していった。
「なかなかやるようですが、苦行とは、こうして課すのです」
 そう言うと長阿含衆はその場で大寒波を再現し、冷気を呼び込む。
 白くなる視界。突然の吹雪に、体が震える。マリアは思わず、カーディガンの前を閉じた。
「彼方に居られます我が神よ」
 捌号は両腕を組み、己の神へと祈りを捧げる。その姿は、神に仕えるシスターそのもの。
「聖なる聖なる聖なるかな。届きたまえや、我が祈り」
 まるで、この場が教会にでもなったかのような神聖な空気が辺りを包む。
 純粋なる信仰が光を呼び込みケルベロス達へと加護を与える。
 ケルベロス達は上手く味方の回復を行いながら、攻撃を繰り出していった。
 説得の甲斐あってか、攻撃の効きも良い気がする。
 フラッタリーは霊力を放射し、長阿含衆を捕縛する。
 どうにか抜けだそうともがく長阿含衆にマリアのスターゲイザーが炸裂する。
「今のいままで、苦行を与え続けてきたんや、自分だけ苦難を避けるなんて許さへんで」
 飛び散る羽。呻く長阿含衆。
「おいおい、なんだそのザマは。不健康で筋肉が足りてないんじゃないか? そんなんじゃ試練を乗り越えられないだろ」
 泰地は回復の必要性がないと判断し、鍛え上げた筋肉で神速の突きを繰り出す。
 胸を強く強打した長阿含衆。一瞬呼吸が止まりかけるも。
「かはっ!」
 使いの清めの光で再び立ち上がる。
 立ち上がる相手にフラッタリーが呪詛を纏わせた斬撃を放つ。
 が、使いが前に出てその攻撃を身代わりする。
 だが、同時に大輔の繰り出した月光斬は防げず、急所を切り裂く。
「あああああ!!!!!」
 閉じた両目を切り裂かれ、長阿含衆は苦悶する。
「これが、いままでお前らに虐げられてきた人々の痛みだ」
 叫ぶビルシャナに、マリアが突っ込む。
「これで終いや」
 撃ち込まれた鉄の杭。その中心から長阿含衆は凍り付く。
 その姿を映すは黒色の瞳。
 ヒビが入り砕けていくその姿を、捌号は静かに見つめていた。
「これであとはお前だけだぜ。天聖光輪極楽焦土菩薩の使いさんよ?」
 大輔の言葉に使いは無言でその長い尾を振るう。
「おおっ!?」
「痛っ!」
 尾が勢い余り地面を抉り、その礫が飛んでくる。大輔が身をかわし、マリアが腕をさする。
 凄まじい早さで薙ぐ尾。その先の鐘が捌号の頭に掠り、ぐおんと音がする。
 歪む視界。滲む血。
「ぐっ!」
 だが、過去の苦行で受けた痛みに比べれば、どうってことはない。
「大丈夫っすよ」
 側にいたエイトにそう声をかけ、己含めた前衛にヒールを施す。
「ふんっ!」
 泰地は己の筋肉を活用し、戦場を美しく舞い踊る。
「捕Mァエタァ」
 花びらのオーラが舞う中、鬼が舌なめずりをし、ニタリ、と笑った。
「絡マRi地ニ堕チiヨ」
 使いはフラッタリーの指先から伸びる獄炎の縄に絡まり、そのまま地面に叩きつけられる。
「はぁあああああああ!」
 今だ。隙を見つけた大輔が闘気を練り上げ、極限まで高めたそれを両腕に収束させる。
「いまこそ見せよう……覇者の拳を! 機甲拳、奥義! 超絶! 覇王紅蓮拳!!」
 超絶威力の正拳突き。あまりの威力とスピードに周囲の空気との摩擦で炎が出現する。
 縄で拘束されたまま吹っ飛ぶ使いに、泰地のフローレスフラワーズで傷を癒した捌号が黒色の魔力弾を撃ち出す。
 それが纏うは地獄のような悪夢。
 夢を払うように頭を振るう使いの視界に、青色の薔薇の花吹雪が横切る。
 これは夢か、幻か? その花吹雪の出所はマリアだ。
 彼女は華麗な剣戟で敵を翻弄し、切り裂いた。
 幻影を振り払い、目の前に居たのは。
 漆黒の長い髪を肩に流し、はだけた戦装束からは白い絹のような肌が見える。
 美しき女性の姿に使いは息を飲む。
 まるで、時間が遅くなったようだった。
 赤く艶めかしい唇が、ゆっくりと動く。
「呪Soヲ其ノ身Ni刻mェ」
 ギラギラと輝く捕食者の瞳。
 衝撃を受ける、体。
 気がつけば、体は斬撃で血を流し、ドス黒い呪いを孕んでいた。
「ぁ……」
 膝をつく使い。
 そして彼が最後に見たのは、円を描き振るわれた日本刀の光。
 それは月の光に似ていた。
 大輔が目を伏せ己の刀を拭う。使いはそのまま、跡形もなく崩れ去った。

●苦行の末に
「何故、私は……皆に……悟り……」
 崩れかけの長阿含衆が途切れ途切れに言葉を絞り出す。
「まだ残って居たっすか、しぶとい野郎っすね」
 捌号は側に寄り、もう長くはないであろう長阿含衆を見下ろす。
 彼らに苦行をさせられていた、あの頃。
 拠点が襲撃を受けた際、その混乱に乗じて逃走した。
 その時、感じたのだ。この世界の何処かに自分の存在を救ってくれた神様が居ると。
「お前らの存在を我が神はきっと認めねーっす。だから、ここで死んでおけっす。いつか一羽残らず地獄送りっす」
「…………」
 長阿含衆は最期に嘴を薄く開くも、音を出さずにそのまま砂と化し、夜風に消えていった。
「お疲れ。あの刀捌き、並みの筋肉ではできないな。ナイス筋肉!」
「ああ、お前もいい筋肉だったぜ」
 泰地が親指を立て、大輔が先の戦いを思い出し笑む。
 フラッタリーはサークレットで煉獄を封じ、乱れた姿を整える。
 振り向けば、いつも通りのおっとりとした彼女がそこに居た。
「もう、夜も遅い時間ですわねぇー」
「早く帰って、明日の準備やらへんと」
「そうっすね、まだまだやることが山ほどあるし」
 皆の様子を見てまわっていたマリアがそう言うと、捌号が迎いを呼ぶ。
 そんなケルベロス達を美しい三日月が照らす。
 街は静まり、いつも通りの夜に戻っていた。

作者:中尾 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年7月14日
難度:普通
参加:5人
結果:成功!
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