肉を美味い出汁にくぐらせる依頼

作者:星垣えん

●それはいけない、と鳥は思った
 夕刻の町。
 まばらに人が通る静かな路地に、溶けこむように店があった。
 明るい木造り。二階建て。ともすれば店とも思えないような質素な構え。
 だがその中は通りの様相とは対照的に、人の活気で満ちていた。
 いや活気というよりは、食欲と言うべきか。
「肉……うま……」
「しっとりした脂が喉を通ってく……!」
 柔らかな肉を噛みしめ、顔を綻ばせる客たち。
 彼らが囲む卓の上にあるものは――しゃぶしゃぶだった。
 薄く色づいて透き通る出汁に二、三枚の肉をくぐらせてかっ食らう。たったそれだけの行為だが、たったそれだけで食事客たちの表情は幸福に蕩けている。
「さすが、さすが和牛……っ!!」
「これが食べ放題だもんな……食わねば! 食わねば!」
 肉、肉、肉。
 卓上の皿には白菜や葱、椎茸だって添えてあるというのに箸が伸びるのは肉ばかり。
 だが無理からぬことだった。
 なにせ食べ放題だからだ。美しくサシの入った和牛を食べ放題。いくらしゃぶしゃぶしゃぶしゃぶしようが、財布が破壊されることはない!
 約束された繁盛である。店が賑わうのもそりゃ必然なのである。
 だがしかし、だからこそ招く災難もあるわけでして――。
「許さん! お高い和牛の食べ放題なんかで人心を惑わしおってからに!」
 がらっ、と戸を開けて普通に全裸のビルシャナが入ってきた。
 不埒な店は許さない。そんなことをほざいて鳥さんは羽毛をまき散らし、盛大な営業妨害を始めるのだった。

●しゃぶしゃぶ食いに行こうぜ
「大変な戦争がありましたから、ビルシャナが空気を読んでくれました!」
「食べ放題か。悪くねぇな」
 仕事だと言われてヘリポートにやってきた猟犬たちを待っていたのは、笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)とアベル・ヴィリバルト(根無しの噺・e36140)による緊張感ゼロの御依頼だった。
 混乱する頭で必死に考える猟犬一同。
 そして導き出した結論は以下の2行だった。
 しゃぶしゃぶ店を鳥さんが襲撃する。
 ひゃっはー! しゃぶしゃぶが食べ放題だー!
「ビルシャナは信者さん連れてませんので、安心してボコボコにしてきて下さい! そしたらおいしい牛さんを食べ放題ですよ! しゃぶしゃぶですよ!」
「こんなところに長居はしてられねぇ。さっさと行こうじゃねぇか」
 鳥の説明もそこそこにしゃぶしゃぶの話をしてしまうねむの横で、アベルの据わった眼光がぎらりと光った。どうぞ上にスクロールしてほしい。これからしゃぶしゃぶを食べに行く本気の男の姿がそこにあるから。
「それじゃあみんな出発ですよ! 脂の入ったおいしい和牛さんがみんなを待ってます! たくさん食べてきちゃいましょー!」
 とことこ、と笑顔で歩いてくねむの後ろについてく猟犬一同。
 なんだかすでに、お腹が空いてきました。


参加者
和郁・ゆりあ(揺すり花・e01455)
モモ・ライジング(神薙桃竜・e01721)
セレネテアル・アノン(綿毛のような柔らか拳士・e12642)
エレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)
クラリス・レミントン(夜守の花時計・e35454)
アベル・ヴィリバルト(根無しの噺・e36140)
陽月・空(陽はまた昇る・e45009)
犬飼・志保(拳華嬢闘・e61383)

■リプレイ

●始まったな! エピローグが!
 ここまでのあらすじ!
 店の前に二足歩行の鳥がいたので猟犬たちは善意で片付けておいた!
 めでたし!

 そして座敷!
「……まだかな」
「く~、焦らされますね~!」
 体を曲げて顎を卓に乗せ、肉を待ちわびる陽月・空(陽はまた昇る・e45009)とセレネテアル・アノン(綿毛のような柔らか拳士・e12642)。
 店員さんに注文を通して数十秒の時点である。
 性急に過ぎる。
「別に逃げるわけじゃねぇんだ。気長にな」
「そうそう。アベルの言うとおりだよ」
 ゆったり優雅に待機するアベル・ヴィリバルト(根無しの噺・e36140)に、背筋ピンとして座するクラリス・レミントン(夜守の花時計・e35454)が頷く。
「食べ放題は、必ず来る!」
「目を輝かせて言うことじゃないわよ」
 きゅぴーん、と言ってのけたクラリスにサラッとツッコむモモ・ライジング(神薙桃竜・e01721)。
 が、彼女の表情も綻んでいる。
「食べ放題に来たんだからしっかり食べさせてもらわないとね。正直、今月ピンチだったからアベルさんには感謝しないと」
「……? 俺に何を感謝するんだ?」
 はて、と真顔でモモを見つめ返すアベル。
「だってアベルさんが調査したから鳥を見つけたわけじゃない?」
「と……り……?」
「アベルがもう鳥のことを忘れてる!」
「あんなにきょとんとしてる人見たことないのパオ!」
 ゆーっくり傾いてくアベルの顔に、クラリスとエレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)は軽く戦慄した。
 つい数分前に逝った鳥さんが忘却の彼方だった。
 あんなに激しい戦いを……したのに!(行間で)
「まあ正直、ゆりあもあまり覚えてないのよね」
「私も戦いの記憶は朧げです。どんな鳥でしたっけ?」
 和郁・ゆりあ(揺すり花・e01455)と犬飼・志保(拳華嬢闘・e61383)が、顔を見合わせてむーっと記憶をたどる。
 だが一向に思い出せない。夢喰いばりにモザイクがかってる気がする。
 しかし思い出せぬならば仕方ない。
 セレネテアルは卓をばんと叩き、上体を起こした。
「今は次の戦いに集中しましょう~!」
「ん、そうだね。しゃぶしゃぶ食べ放題……楽しみ」
「……そうね! 今は考える時じゃないわ!」
「和牛のしゃぶしゃぶですからね」
 ぬるーっと起き上がった空に続き、ゆりあと志保も思考を切り上げて気合を入れる。
 こうして鳥さんは晴れて皆の記憶から消滅しました。

●とりあえず肉をしゃぶしゃぶするしかない
 熱く煮え立つ黄金色の出汁。
 肉という銃弾を箸に装填した空とモモは、じーっとその出汁を見据えていた。
「高級なお肉は一枚一枚が正義……」
「けれど食べ放題では話は別」
「お肉をまとめてしゃぶしゃぶしても……」
「何の問題もないわね!」
 わーい、とまとめた和牛肉をためらいなく出汁に突っこむ空&モモ。
 しゃぶしゃぶしゃぶ……と往復させ、肉が色づいたところでそれぞれポン酢と醤油ダレにつけて口に運ぶ。重なった柔らかな肉がほろっと千切れ、牛肉らしい濃厚な旨味がじわっと舌の上にひろがってゆく。
 モモも空も、しばし喋るのも忘れて噛みしめていた。
「……美味っ。和牛って、こんなに美味しいのね」
「個人的にしゃぶしゃぶは豚派だったけど……牛もやっぱりこれはこれで良い。今度はおろしを混ぜてみよう」
「あ、私もポン酢試してみようかしら」
 しゃぶん、と牛肉を出汁につけながら空いた手でタレを弄る空とモモ。
 という圧倒的食べっぷりの傍ら、クラリスや志保はしゃんとした様子でマナーよくお肉をしゃぶしゃぶしていた。もぐもぐしていた。
「ん~美味しい……どうして日本には美味しいものがこんなにも沢山あるんだろうね」
「本当ですね……タレに付けなくても、ここまで美味しいとは……」
「え? タレにつけないで食べてるの?」
 恍惚に浸っていたクラリスが急に現実に引き戻され、隣の志保に視線を移す。確かに志保の手元の受け皿には何も入っていない。まっさらだ。
「タレがなくてもいけますよ。和牛本来の味が楽しめます。ほら、ソラマルもお食べ」
「そのまま……なるほど私もやってみよう」
 すぐさま箸で肉を取るクラリス。志保から食べごろの肉を貰って狂喜乱舞するソラマル(ウイングキャット)の尻尾をぺちぺち上腕らへんに受けながら、しゃぶしゃぶ。
 桜色の肉をはむっと頬張ると、脂から旨味が溶けて普通に美味い。
「ほんとだ美味しい……」
「ですよね。まあタレをつければ美味しいのも確かなので、私はポン酢いただきます」
 ポン酢に肉をつけて、ぺろっと口に運ぶ志保。重厚な肉に酸味が合わさり、さっぱりとした味わいである。つまりはいくらでもいける味であり、志保の箸はやはり肉に伸びるのだった。
 一方、エレコの手元には白菜やら葱やらが乗った野菜の大皿があった。
 正確には指示を受けたトピアリウス(テレビウム)が大皿を頭の上に乗せて、エレコの隣で待機していた。
「我輩もおにくはだいすきなのパオ! でも最近は健康がブームなのパオ。ちゃんとバランスを考えて、まずは白菜を入れるパオ!」
 偏食はよくない、とエレコは白菜を出汁に入れようとした。
 だがしかし! その手をゆりあが止める!
「ゆりあちゃん? どうしたのパ――」
「へたっぴ……もといへたっぱお」
「ぱお!?」
 耳慣れぬ言葉にぱおってしまうエレコ。
「な、何がへたなのパオ? 野菜も食べたほうがいいと思うパオよ?」
「甘いわ! しゃぶしゃぶっていうのは……こうするものなのよ!」
「ぱおお!?」
 鍋の出汁にじゃぶーんと大量の肉をぶっこむゆりあ。箸で掴み切れぬほどの量だったので何枚か鍋の中で遊泳を始める始末。
「何してるのパオ!? そんな……お肉入れすぎパオ……!」
「いい? 肉を食べるときは、肉を食べる……肉を食べにきたのよ! ゆりあたちは!」
「ぱ、ぱお……!」
 がしっと肩を掴まれ、ゆさゆさされるエレコ。
「解放するのよ……欲望を! 肉、肉、肉を! とにかく! 食らうの! 肉を!」
「お、おにく……」
「そうよ! はいこれ!」
「ぱおんぐ!?」
 問答無用で肉を口に入れられ、動転するエレコ。
 しかし噛む。肉をもぐもぐと食べる。
 美味しい。
「肉。ぱお。肉。ぱお……」
「どう? 肉は?」
 ごくんと飲みこんだエレコが、ゆりあの顔を見上げた。
 尋常じゃなくキラキラした瞳だった。
「美味しいパオ! 高級なのパオ! カロリーは美味しいのパオ!」
「そうよぱおちゃん! 肉! 肉なのよ!」
「おにくを食べるべきなのパオ! トッピー! じゃんじゃんおにく持ってきてなのパオ!」
「へいトッピー! ぱおちゃんが肉をご所望よ!」
 急にテンションマシマシになり、トピアリウスを呼びこむ&ゆりあ。鍋に入れたそうに野菜を見ていたトピアリウスは名残惜しそうに大皿を置き、顔画面に『おにく』と表示させて店員捜索の旅に出る。
 てけてけ去ってくトッピーを横で見届たアベルは、むぐっと肉を食った。
「はしゃいでるな。ま、これだけ旨い肉だ。気持ちはわかる」
「タベルさん、もう大皿1枚カラにしてますしね~!」
「お前さんもな」
「仕方ありません。お肉が美味しいのがいけないんですっ!」
 しゃぶしゃぶした肉を箸で持ったまま、キリッと言い放つセレネテアル。ちなみに食べ放題というシステムに甘えまくってとっくに牛肉を追加している。アベルも。
「……にしてもしゃぶしゃぶって不思議だよな。こんな数回出汁に通すだけなのに最高に旨いんだからよ」
「そうですよね~。お肉にすぐ火が入るのもグッドです~!」
 肉を数枚ほど出汁の中に投じるや、米の盛られた茶碗を取るセレネテアル。
 米の山の頂にはしゃぶしゃぶした肉(ゴマダレ)が乗っけられており、彼女はそれを食べるや幸せそうに頬を押さえた。
「んま~い♪ 流石高級和牛! 脂たっぷりなのにあっさりでいくらでも行けそうです~! あ、もうさっきのお肉が食べごろですね~」
「お前さん変わった食べ方してんな……だが効率って面じゃ良い、のか……?」
 頬杖つきながらアベルが感心した顔を見せると、セレネテアルは新しい肉をご飯に乗っけつつ胸を張った。
「こうしておけば常にお肉が食べられますっ! タレとお肉の旨味もご飯に吸わせてそっちも美味しくなって一石二鳥ですよ~!」
「なるほどな……1回俺も試してみようかね」
 食の道を往くに躊躇なし。
 アベルはご飯を頼み、セレネテアルさんの肉無限殺法を試行した。
 おかげで肉の消費ペースはマジぱねぇことになったぜ!

●野菜を食いつつしゃぶしゃぶするしかない
 変わらず湯気を立てる鍋たち。
 その汁の水面をアベルの操るおたまがスーッと滑ってゆくのを、空は肉をむっぐむっぐ食いながら見つめていた。
「これだけ脂のノリが良いと灰汁とかも結構でるね……こういうのきっちりと取れたりする人って凄い」
「楽しく食うためには多少の手間も必要だからな」
「アベルさんがいてよかった」
 きらっきらした目線をアベルに注ぐ空。
 嘘偽りない言葉だった。だっておかげで空は特に何もせずとも美味い野菜を食えるのだ。肉に意識全振りして食いまくることができるのだ。
 一方、灰汁取りを終えたアベルはぱくっと白菜を食っていた。
「せっかくだから野菜も食わねぇとな。合間に挟めば肉も引き立つし、もちろん野菜も旨くなる」
 しゃっきりした食感と染みこんだ出汁は、和牛の脂の味が残る口にはうってつけ。胃に収めた頃にはすっきりと舌がリセットされる。
 モモと志保も、胃に染み入るような優しい味わいに舌鼓を打つばかりだ。
「出汁が野菜の味を更に引きたてているわね。箸が全然止まらないわ」
「ええ。こうやって白菜と葱と肉とまとめて一緒にして食べると……すべてが調和してます」
「志保さんは一緒に食べてるのね。確かにそれも美味そう……よし私も」
「椎茸はナシがおすすめです。一緒に食べるには食感が強いですから」
「そうだな。椎茸はどけたほうがよさそうだ」
 アベルがふっつーにモモと志保の会話に忍びこんできた。そして当然のように白菜と葱を肉で巻き巻きして頬張っていた。アンテナ感度が良すぎる。
「お肉が良いと続けて幾らでも食べられますが、こういうお店って野菜も質が良いですからね~。つい手を出しちゃうんですよね~!」
「お肉のうま味を吸ったお野菜……良いよね」
 おまけにセレネテアルと空も言及するまでもなく野菜と肉をまとめてもぐもぐしていた。
 食欲と食い意地と好奇心がカンストしてる奴が多すぎだった。
「皆さん気に入ってもらえて何よりです」
「まあ鍋なんだしセオリーと言えばセオリーだけどね」
 ふふっと笑い、返す刀もとい箸で牛しゃぶをかっさらって食べる志保&モモ。
 野菜が美味いのは確かだが、野菜も肉あっての野菜である。決して肉を食わなくていいわけではないということだ。
 クラリスは黙々と肉を出汁に泳がせながら、申し訳なさそうに野菜をチラ見する。
「ごめんねお野菜たち、貴方達に罪はないんだけど……今日ばかりはとことん脇役でいて貰うね……」
 いつかまた別の機会に逢えたら――とか心中で唱え、和牛をむぐっと口にぶっこむクラリス。あまりの罪悪感に桃色の瞳には涙すら滲むほどだった。
 だがしかし! 1秒後には涙とか消えていた!
「ん~! やっぱりお肉美味しいー! 存在感はしっかりあるのに蕩けるようなの! このお肉がある地球を守る為なら、私何羽でもビルシャナ倒すよ……!」
「そうねクラリスさん! そのときが来たらゆりあも協力するわ!」
「我輩も駆けつけてボッコボコにするのパオ!」
「ありがとう! もしものときはよろしくね!」
 牛肉で口をいっぱいにして振り向いたゆりあとエレコに、クラリスがきゅっと拳を握って応じる。そのときには是非とも鳥さんのディテールまで記憶してやってほしいものである。

●シメェ!
 祭りの後の静けさ。
 あらかた肉を堪能したあとの座敷は、半端なくまったりした空気だった。
「ソラマル、あんまり食べすぎちゃダメよ? 太ったら私と一緒に飛べなくなるよ?」
「あと野菜も食べておきなさい」
「食べた分は運動しないとダメだよ?」
 と肉をかっ食らうソラマルに注意する志保も、卓上に箸を置いてすっかり休止モードである。同じくソラマルを観賞してるモモやクラリスも摘まんでる程度で、本格的に和牛と戦っている素振りはない。
 エレコとゆりあに至っては、座敷の片隅にぐったりと座りこんでいた。
「ふ~、もう食べられないのパオ……」
「最近ダイエット頑張ったから張りきっちゃったわね……ゆりあも大満足よ」
 ふふふ、とやりきった感じで小刻みに肩を揺らす2人。
 勝利。このしゃぶしゃぶ食べ放題という戦いは完全勝利だった。
 だがしかし!(本日3回目)
 今日の敵は肉と野菜だけではなかった!
「それじゃうどんも来たし、シメといくか」
「うどーん! 待ってたー!」
「和牛や野菜の旨味が詰まった出汁にうどん……! 絶対美味しいやつね」
 アベルがうどんの乗った皿を持ち出すと、クラリスとモモが万歳でもしようかという勢いで身を乗り出した。
 がばっと起き上がるゆりあ。
「うどん!? ここにきてうどん!?」
「えっ、えっ。美味しそうなのパオ……でも食べられないのパオ……」
 辛うじて体を起こしたエレコの視線の先では、肉と野菜をさんざんしゃぶしゃぶした出汁に細めのうどんがぶちこまれている。
 満腹の2人をよそに、仲間たちはつるつると啜った。
「はー美味しいー」
「やっぱり鍋にはシメがねぇとな」
「あー、お腹いっぱいなのに、何で鍋シメって食べられるんだろう」
 出汁の絡んだ麺を飲みこみ、ほうっと熱い息を吐くクラリス、アベル、モモ。
「最近は少し気温が下がっているから、温かいのズルズルーって出来るの楽しい」
「旨味が凝縮されててお箸が止まりませんね~! 早速おかわりいきましょう~!」
 空も黙々としかし恐るべき勢いでうどんを吸いこみ、セレネテアルも豪快に1杯を飲み干して2杯目に手をつけている。
 そして志保は、小鉢に残しておいたしゃぶしゃぶの肉や野菜を盛りつけ、とても満足そうに頷いていた。
「志保さん、それはいったい?」
「肉うどん風にしようと思って、具を残しておいたんです。立派な一品になりましたね」
「肉うどん……そんな手があったなんて不覚です~」
 ふあああ、と項垂れて畳に手をつくセレネテアル。
 とゆー様子を見せられても腹一杯で動けないエレコとゆりあである。
「おなかぽんぽんなのパオ……食べすぎたのパオ……もうおにくはこりごりなのパオ~!」
「また、また肉うどんをたべにこよう。ぱおちゃん」
 鳥どもを倒して、とゆりあは微笑んでエレコに肩ポンした。
 きっと次こそはペースを考える。2人は固く決意したという。

 うん。プライベートで来れば鳥さん倒す必要もないのでは?

作者:星垣えん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年6月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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