夜半でも冷えなくなってきたのは、春が過ぎ去っていく証左だろうか。
仄かに暖かな温度の風を感じながら、アルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の白烏・e39784)は藍色の夜の道を歩んでいる。
自然の色濃い街路は、並木がさらさらと揺れて耳にも快く、見目にも美しい。
それは一見只の綺麗な通り道。
けれど、アルシエルは先刻からそこに交じる違和感に気づいていた。
初夏の空気に潜む、どこか不気味な熱気と皮膚が粟立つ感覚。
短い時間だけ、視線を左右に遣ってから。すぐにそれが背後にいると察知して振り向く。
そこに一人の人影があった。
「──随分、悠々としているじゃない」
いつしか無人になっていた道の中央。
自身の姿を隠そうともせず、言葉と共に真っ直ぐに歩んでくるのは──目につく眩い焔、魅力的な程の容姿、タールの翼。
──シャイターン。
アルシエルは柔和だった表情を微かに変えて目を細ませる。
「……君は」
「こっちはどうやって復讐してやるか、それだけを考えてきたのに。いい気なものね」
彼女は声音に深い怒りを表す。
それは炎の赤色にも色濃く滲む、鋭利な殺意。
まあいいわ、と。彼女は焔を強く燃え上がらせた。
「それも今日まで。殺して、灼いて、全て奪い尽くしてあげる」
「アルシエル・レラジェさんが、デウスエクスに襲撃されることが分かりました」
イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達に説明を始めていた。
予知された未来まで、それほど時間は残されていないという。
アルシエルに連絡は繋がらず、アルシエル自身も既に現場の道にいることが判っている。
おそらく、敵と一対一で戦いが始まってしまうところまでは覆すことは出来ないだろう。
「それでもこれから急行し、戦いに加勢することは出来ます」
合流までは、時間のラグはある程度生まれてしまうだろう。それでも戦いを五分に持ち込むことは可能だ。
「ですから、皆さんの助力をお願いします」
現場は市街にある並木道。
敵が人払いをしているためだろう、周囲にひとけは無い。一般人については心配は要らないだろうと言った。
「アルシエルさんを狙った敵ですが、シャイターンのようです」
今の所敵について判っていることは少ない。
ただ、アルシエルには強い敵意を抱いており、放っておけばアルシエルの命が危険なことには違いない。
「だからこそ猶予はありません。ヘリオンで到着後、戦闘に入ることに注力して下さい」
現場へ入ればアルシエルを発見すること自体は難しくないはずだ。
「仲間のために、敵を撃破するために……さあ、行きましょう」
参加者 | |
---|---|
天崎・祇音(霹靂神・e00948) |
イッパイアッテナ・ルドルフ(ドワーフの鎧装騎兵・e10770) |
ルベウス・アルマンド(紅い宝石の魔術師・e27820) |
安海・藤子(終端の夢・e36211) |
アリア・フェリアート(歌撃大公・e38419) |
アルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の白烏・e39784) |
天神・希季(希望と災厄の大剣使い・e41715) |
ラグエル・アポリュオン(慈悲深き霧氷の狂刃・e79547) |
●炎熱
緩やかな風に、何処かから熱気が漂ってくる。
それは静寂の夜闇の中にある、敵の気配。その発生源を目指し、天崎・祇音(霹靂神・e00948)は無人の道を駆けていた。
深緋の瞳を細めて溜息をつくのは──そこでたった一人で戦う仲間を思うが故。
「本当、身内が頻繁に狙われるのぅ……」
「妖精さんが絡む事件多いよね、これもそのひとつなのかなー?」
天神・希季(希望と災厄の大剣使い・e41715)も少し小首を傾げて声を零す。
「それともただのアルっち狙いの独断専行ー?」
「さあ、ね。何か素直じゃないことやって反感でも買ったのかしらね?」
安海・藤子(終端の夢・e36211)は言いながら、面相の下に笑みを浮かべてみせる。
戯れにそんな事を呟くのも、彼が無事だという確信があるが故。
だからこそ、今遣るべきことは判っている。
──素直じゃない可愛いあの子を助けなきゃ、ね。
「急ぎましょ」
「うむ」
応える祇音も同じ。袖を縛り紐で纏めて気合を込めて──戦いの時に備えていた。
その刻はすぐに訪れる。夜道の中に、焔の赤色が見え始めていた。
炎が弾けて、強烈な熱気が夜を照らす。
アルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の白烏・e39784)は眼前のシャイターン──トウカの初撃を受け止めて、下がっていた。
「一度俺に負けたことがあるヤツがわざわざ復讐に、ね……」
端正な顔を、痛みに微かに顰めつつ。
それでも声音に退くところは無い。
「勝てると思ってるのか? 今度は完膚なきまでに消してやるよ」
言いながら、体に氷気を巡らせて焔を吹き飛ばしてみせる。
そのまま、扱いの得意でない焔を敢えて放ち、不意を突いて敵の足元を灼いた。
トウカは頬をぴくりと動かしながら、一層の殺意を顕す。
「あの時とは違うわ。死ぬのは、そっちよ」
根深い忿怒を見せながら、頭上から炎を落としてきた。
肌が焦げる程の熱波。まだまだと、アルシエルは耐え抜いてみせるが──声音は強がりでもあった。
敵の強さは理解している。持ちこたえられる時間がもう、長くないことも。
トウカは更に炎を投げつけ、全身を熱で蝕んできた。
アルシエルは朦朧とよろめく。すぐに自己治癒するが、トウカは既に勝ちを確信したか、喜色を浮かべていた。
「復讐ももうすぐ完遂よ。全てを奪ってあげるわ」
そのままアルシエルを焼き尽くそうとする──が。
「悪いが、させぬよ」
静やかな声音とともに、雷光が閃いた。
それは疾駆してきた祇音。オウガメタルに雷を纏い、肉迫しながらトウカを容赦なく殴りつけていた。
「さあ、ザラキも」
下がったトウカへと接近していく影は──イッパイアッテナ・ルドルフ(ドワーフの鎧装騎兵・e10770)が奔らせる相箱のザラキ。飛び込むように敵の足元に噛み付いて、さらに大きく後退させてゆく。
仲間の姿にアルシエルがはっとすると、アリア・フェリアート(歌撃大公・e38419)もくるりと宙から舞い降りるように。ビハインドのジークと共に風を切って降り立っていた。
「──余が来たぞ!」
勇壮な立ち居を見せると、幻想台本「Theatro tria milia」を開いて一幕を諳んじる。
『貴方に与えましょう。女神の恩寵を、その清らかなる加護を、その全てを』
流麗な声音で聴かせるそれは歌劇「女神の加護」。
そっと手を伸ばし、加護を現実のものとしてその場に顕して。アルシエルを治癒しながら護りを与えていく。
その頃には希季も駆けつけてきていた。
「来たよーアルっち、無事かな、無事だよね!」
「皆……」
助けに来てくれたのか、と。アルシエルは顔に少しだけ、ほっとした色を浮かべていた。
ラグエル・アポリュオン(慈悲深き霧氷の狂刃・e79547)はそこへ駆け寄って、氷気を集中。治癒のオーラに変えてアルシエルへ施している。
「大丈夫かい?」
「……ああ」
短く、そうとだけ応えるアルシエル。
ラグエルはそれに何か言いたげにするけれど──そこへ藤子が合流してきていた。
「で、まだヘタレてないわよね、色男」
「……当たり前だ」
アルシエルは安堵した顔だけは隠して……色男っつーのは余計だが、と、口調は素のままで返した。元より、藤子や祇音が居れば猫を被っても仕方がない。
藤子はそんな様子にふふ、と笑みを見せて。ラグエルが少々羨ましげに見ているのを横目にしつつ──面を外して、星屑の煌めきを撒いて防護を整えていく。
イッパイアッテナもオーラでアルシエルを癒しきり、敵へ向き直った。
「遅くなりましたが、ここからは私達が助力します」
「……仲間ってわけね」
視線の先で口を開くトウカは、戦意は変わらず、焔を強く燃え上がらせていた。
真紅の瞳にその焔を映して、ルベウス・アルマンド(紅い宝石の魔術師・e27820)はそっと呟く。
「綺麗な赤だわ」
濁りのない鮮烈な熱量を感じての、それは本音だ。
ただ、その瞳を伏せる。
「でも、ごめんなさい、ね。同胞を襲う者を捨て置くわけにはいかないの」
だから──ここで消えてもらうわ。
胸の石が、光を帯びる。
刹那、紅色の粒子が宙に広がった。きらりきらりと風に流れると、その煌めきが仲間の意識を澄み渡らせて知覚を強化する。
それを活かすよう、藤子がオルトロスのクロスに斬撃を見舞わせると──アリアも隙を作らずジークを飛来させ、金縛りで敵を蝕んだ。
その機に希季は地獄の翼を駆って高々と飛ぶ。
速度と力の全てを攻撃だけに集中して、一撃。強烈な蹴りで敵の体を吹き飛ばした。
●宿縁
風に火の粉が明滅し、流されて消えていく。
燻るような匂いを揺蕩わせながら、トウカは膝をついていた。ただ、それでも赫怒の感情は尚健在だ。
「……数が増えようと関係ないわ。最期には灰にしてあげるから」
「ずいぶん、怒ってるんだね?」
希季があっけらかんと尋ねると、トウカは立ち上がった。
「私は全て奪い殺してきた。だからこそ……敗戦の屈辱を忘れることはないわ」
「戦って負けた、か」
そっと呟くのはラグエルだった。
金の瞳に鋭い眼光を湛えて、浮かべるのは敵に劣らぬ強い忿怒。
「それだけの理由で──うちの弟に、何をしてくれてるのかな?」
刹那、空気が軋む程の音を上げて手に氷の針を作り出している。
言葉と裏腹に、もう問答する気もそこにはない。アルシエルを襲ったという事実があるのなら──。
「容赦は期待しないでもらおうか」
言って攻撃するだけ。瞬間、放った針をトウカに突き刺し、ウイルスの如く凍気を巡らせて躰を蝕んでいく。
微かに歯噛みながら、トウカも反撃の手を伸ばす。
「あなたたちにはこの生き恥が理解できないだけ。私がどれほど苦渋を味わったか……」
「だとしても、やることは変わらないよ」
そこへ、希季が槌を構えている。
何があっても友達が襲われているなら、救わない道理はない。あまり会話したことはないけれど──それでも助けたいと思う気持ちに変わりはない。
だから躊躇わず。至近から砲撃を放って足元を撃ち抜く。
「しーちゃん、いける?」
「うむ、よくやったぞ」
希季に優しい声をかけて、祇音は手を翳して指輪を輝かす。
直後、ばちりと空間を瞬かせて生み出すのは雷の固まり。眩い刃にしたそれを握り込み、傍らの箱竜、レイジと共に駆けながら振り向いた。
「合わせるぞ、アルシエル殿」
「ああ、了解」
と、祇音には些か素直な声を返しながら。アルシエルは跳躍する祇音に続くよう、棘状に燦めく翼を輝かせて飛翔。そのまま氷の霊力を放って敵を縛り付けていく。
祇音はレイジに霊焔を放たせて傷を刻みながら、自身もタイミングを合わせて。流線を描いて一閃、痛烈な斬撃を喰らわせた。
焔の一端が雷に吹き飛ばされ、呻くトウカ。
それでもアルシエルを狙おうと炎を撃ち出してくるが──そこにはイッパイアッテナが滑り込んでいる。
「通しはしませんよ」
身のすくむような熱気に、少しも怯むこと無く。
決して命は奪わせないと決意を秘めて。
イッパイアッテナは自らを盾にして紅炎を全く後ろへ通さなかった。身は焼けるようだったけれど、アルシエルや皆が真っ向から敵と戦う、その助力を少しでもしたいと思ったから。
無論傷は浅くない、けれど。
「──さ、仕事の時間だ」
直後には藤子が掌を翳して術力を集中している。
瞬間、濃密な陽炎に空間が歪む。大地から抽出した魔力を治癒の力に転化し、淡い光の固まりへと変化させていた。
前衛の全体を覆ったそれは、優しく包むような心地で傷を治癒していく。同時にラグエルも癒やしの雨を皆へ注いで、体力を万全としていた。
イッパイアッテナが敵へ蹴りを返せば──アリアも舞台上を歩むように勇壮に、淀みなく。大仰なまでの仕草で刃を携えている。
「さあ、今ひとたび剣戟を演じよう。悪辣なる妖精の徒よ」
ひらりと廻り、敵の懐へ飛び込むと一閃。斬撃を叩き込んで傷を刻みつけていた。
トウカは焔を撒いて振り払おうとする、が。一歩後ろへ跳んだアリアはそれを悠々と避けてみせる。
「滾る焔の凶猛よ。烈火の如き暴虐よ。正義の刃は屈しはせぬぞ」
言うが早いか、返す刀で連閃。体を抉るように負傷を深めさせていった。
呼応するように、ジークもまたポルターガイストを発揮し礫を撃ち当てていく。ふらついたトウカは炎を浴びて自己治癒と強化を兼ねる、が。
「残念だけれど、無駄なことよ」
ルベウスは一層、煌々とした輝きを夜闇に瞬かせる。
胸に埋まった宝石状の魔術回路は記憶装置を兼ねたものだ。
そこに眠る魔女の記憶──その膨大な知識は精神すら汚染してしまう代物。けれどそれ故に、顕現する力もまた常識を逸したものとなる。
刹那、ルベウスは黄金の巨大槍の如き魔法生物を創り出していた。
──『ルイン・アッサル』。物理法則すら無視した軌道と速度で翔んだそれは、獰猛に敵へ食らいついて。逃げようと思う時間すら与えず、腹を深々と貫いていく。
●決着
煙を燻らせながら、トウカは憎しみの声音に苦痛を混じらせる。
「こんな、所で……」
「……言ったろ、負けやしないって」
アルシエルが見下ろして言うと、トウカは鋭い瞳で首を振った。
「まだよ、これで終わりじゃないわ」
焔を湛えて、やり返そうと立ち上がる、が。
「こっちこそ、まだまだこの程度じゃないよー!」
希季が七色の光を収束する。『創世七重奏 - 天衣無縫【神威】』──四神と帝釈天、冥王の力を借り、混合属性の輝きを溜め込んでいた。
放つのは身の丈を超える銃魔剣からの、虹色の極太ビーム。敵の全身を包み込み、タールの翼を欠片も残さず消し飛ばした。
「今だよー、ルベっち!」
「──ええ」
目を向けられて応えたルベウスは、魔力を宿した流体を飛ばし、強烈な打突を与える。
吹き飛んだトウカは、それでも残る力を絞るように炎の滝を落としてきた──けれどその暴嵐の中でも、アリアの声音は朗々と響く。
「我らに与え給え、全ての不浄を清める加護を」
透明なヴェールが舞い降りて、傷が拭い払われていく。
時を同じくイッパイアッテナはグラビティを込めた刃を地に突き立て、『龍穴』の次元を繋げることで大地の力を呼び覚まし、一帯を癒やしの場へと変遷。
「あと、少しです」
「ああ」
頷く藤子も剣を振るって夜天の耀きを顕現し、皆を治癒しきっていた。
「これでまだまだ動けるだろ?」
「──無論じゃ!」
祇音は四肢を獣化させながら霊力を以て大質量の雷を己に宿す。『覇狼・風迅雷塵撃』。稲妻そのものの如き加速で、雷ごと斬撃を叩き込み敵の腕を切り飛ばす。
倒れ込んだトウカへ歩み寄るのはラグエル。トドメは弟に譲るつもりではあるが──。
「弟を『可愛がってくれた』分は、返さないとね」
本当は全てを切り刻んでやりたいくらい腹立たしいけれど。湧き上がる感情を抑えて一太刀、袈裟に刃を奮ってトウカの半身を切り裂いた。
アルシエルはそこへ、夜が明けたと思わせる程の光を顕現していた。
XIX【Sonne】──カードに描かれた太陽の化身を召喚し、その熱量で世界を輝かす力。
「これで終わりだ。陽の下に、沈め」
その明るさに、目が眩む暇すらなく。トウカは炎よりも熱い光に飲まれるように消滅していった。
夜の暗さと静けさが戻る。
祇音は扇子をバッと開き、高笑いを響かせていた。
「かっかっかっ……! これにて一件落着じゃな!」
「うむ、これにて、閉幕だな」
アリアはスカートの裾をつまんで劇を終えるよう、お辞儀を一つしている。
火の粉の残滓すら完全に消えてなくなると、ルベウスは振り返った。
「……無事ね?」
「ああ」
アルシエルは頷きを返す。それを確認すれば、イッパイアッテナは周囲を見回した。
「何よりです。では荒れた部分だけ直しておきましょうか」
「ええ、そうね」
応える藤子は仮面姿に戻って。ヒールをかけて道々を修復し始める。
アルシエルも片付けをしながら──ふと皆へ口を開いた。
「……ありがとうな」
まだ素直にはなれないけれど、そんなふうに礼だけは言いたかったから。
藤子は頷きつつ、気になっていたように尋ねる。
「それにしても、あそこまで執心されるって何したのさ? よほどの事がなければあそこまで恨まれなさそうだけど?」
「戦って勝っただけだよ。人を悪人みたいに言うなよな」
また少々ツンとした口調で返すと──藤子はそうね、と笑みを返した。素直じゃない可愛い子、とそう思いながら……背伸びして頭を撫でる。
「ま、無事でよかったわ」
「……今度は子供扱いか?」
アルシエルが呆れたように零すと、藤子はこっちのほうが大人だもの、と返したりする。
そんな様子を、ラグエルはまたも羨ましそうに見ていた。
藤子はふとそちらに視線をやる。
「アルシエルに構いたいの?」
「えっ? いや……、別に──」
ラグエルは取り繕おうとするが、全くその通りだから誤魔化しきれなかった。
ならばいっその事、とアルシエルに話しかけようとする。
「無事で良かったよ。私にも何か、出来ることがあれば……」
「……とにかく、そろそろ帰るから」
アルシエルはあくまで素っ気なく、避けるように歩み出す。兄とは聞いてはいるが、記憶にないからその好意も受け入れようがないのだった。
ラグエルはしょんぼりするしかなかったけれど──景観は元の美しさを取り戻し、平和が保たれたのは事実だった。
希季は明るい声で皆を労う。
「皆、お疲れ様だー!」
「じゃ、帰るとしましょ」
藤子が歩み出せば皆も頷く。
ルベウスは人知れず、闇纏いの力でいなくなっていた。アリアは疲れてジークに抱きかかえられながら、皆と同道する。
そしてアルシエルが歩を進めれば、ラグエルも少々距離をはかりつつ後に続いた。
気温は暖かい。けれど決して暑くはなくて──心地の良い初夏の風が頬を撫でていた。
作者:崎田航輝 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2019年5月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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