グランドロン迎撃戦~植物の城に集う不死の乙女達

作者:なちゅい

●グランドロン集結
 そこは、攻性植物のゲートであり、ユグドラシルの一部と化した大阪城。
 この地には、リザレクト・ジェネシスの戦いで5つに砕かれたグランドロンが、エインヘリアルの第二王女・ハールの招聘に従って集結していた。
 ダモクレスの進化を目論む科学者、ジュモー・エレクトリシアン。
 マスタービーストの継承者を自称する乱戦忍軍、ソフィステギア。
 寓話六塔の座を虎視眈々と狙う、第七の魔女・グレーテル。
 そして、女性の地位向上に取り組む、エインヘリアルの第四王女・レリ。
 ハールを含め、グランドロンの欠片の主である彼女達の間に、信頼も友愛も存在しない。
 ただ、互いに利用し合う利害関係でもって、彼女達は攻性植物と第二王女ハールを主軸とする同盟を組むに至ったのだ。
 彼女たちの次なる作戦は、定命化の危機に瀕するドラゴンを懐柔して勢力に加える事。
 多くのデウスエクス勢力を糾合した大作戦が、今、動き出そうとしていた。

●グランドロン迎撃戦概要
「……そうだね。アイスエルフ救出戦は成功。数百名のアイスエルフと、それよりも多数のアイスエルフのコギトエルゴスムを救出する事ができたよ」
 ヘリポートで、新たな作戦の決行を聞いて集まったケルベロスに、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)が説明を行う。
 先の作戦時に得られた情報から、第二王女ハールを含む複数の勢力がグランドロンと共に大阪城に集結しようとしている事が判明した。
 攻性植物、エインヘリアル、ダモクレス、螺旋忍軍、ドリームイーターの5勢力が大阪城に揃う事になり、これだけでも、非常に危険な状況であるのは間違いない。
「ただ、これだけではないんだ」
 攻性植物と第二王女ハールは『始まりの萌芽』を限定的に再現し、ドラゴン勢力の拠点だる『城ヶ島』をユグドラシル化する事で、竜十字島のドラゴン勢力も自勢力に引き込もうとしている事が予知により判明したのだ。
 もし、定命化を克服したドラゴンまでが一つの勢力に糾合されれば、地球は最悪な事態に陥るかもしれない。
「だから、この目論見は是が非でも阻止しなければならないよ」

 敵の作戦方針は、大阪城から城ヶ島までの根の通り道に莫大なグラビティ・チェインを注ぎ込み、そのエネルギーでユグドラシルの根を成長させて導くというものだ。
「第二王女は『5つに分かれたグランドロン』を利用して、この莫大なグラビティ・チェインを注ぎ込もうとしているようだね」
 グランドロンは1つ当たり、全長200~500m程度。
 敵は5つに砕かれたそれぞれの部分を補修して使用しており、歪な形をしている。
「グランドロンを市街地に着陸させた後、全力でグラビティ・チェインを地中へと注ぎ込んでいくのだけれど、完了までの30分あまりは無防備になるようだね」
 この為、敵は護衛のデウスエクスを先に降下させ、邪魔者を掃討後にグランドロンを着陸。護衛をそのまま周囲の警備に当たらせるようだ。
「全域の市民の避難は終わっているので、市街地は無人となっているよ」
 無防備になったグランドロンの外壁に攻撃を集中すれば、外壁を破壊して内部に侵入が可能だ。
 グランドロン内部には、コア部分に有力敵と護衛、宝物庫にコギトエルゴスムを守る守備隊などが残っていると思われる。制圧、撃破を目指すなら、心して当たる必要があるだろう。

「攻性植物、エインヘリアル、ドラゴンの3種族の同盟……考えたくもない事態だね」
 ドラゴンの定命化を防ぎ、敵の一時的な同盟を崩す為にも、グランドロンを最低3つは撃破、撤退させたい。
 うまく戦えばグランドロンを撃破できるだけでなく、さらなる妖精八種族のコギトエルゴスムを脱出できる。心強い味方が増えるチャンスとも言えるだろう。
「今後の命運を大きく分ける戦いになるよ」
 ――どうか、作戦の参加を。
 リーゼリットはケルベロス達へと頭を下げ、説明を終えたのだった。


参加者
四乃森・沙雪(陰陽師・e00645)
新城・恭平(黒曜の魔術師・e00664)
ジョーイ・ガーシュイン(初対面以上知人未満の間柄・e00706)
神城・瑞樹(廻る辰星・e01250)
パティ・ポップ(溝鼠行進曲・e11320)
長谷川・わかな(笑顔花まる・e31807)
オニキス・ヴェルミリオン(疾鬼怒濤・e50949)
如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)

■リプレイ

●いざ、グランドロンへ
 グランドロン迎撃戦に参加したケルベロスのチーム。
 こちらのメンバーが向かったのは、一般人が避難して無人となった静岡の市街地だ。
 やってくるのは、妖精『セントール』のコギトエルゴスムを所有するマスタービーストの継承者を自称するソフィステギア以下、螺旋忍軍達である。
「戦場のうち三つが静岡県とか、試される大地じゃねーっての」
 長い銀髪を後頭部で纏めたシャドウエルフ、神城・瑞樹(廻る辰星・e01250)は静岡県在住とのこと。
 また、距離はあるが、瑞樹には浜松にも親戚がいるという。
「絶対阻止しないとな」
 普段、軽い態度の彼だが、故郷を守る為、この作戦に対する気概は強い。
「6班も集まったし、これだけしっかりすり合わせしたんだもん。絶対いけるよ!」
 元気いっぱいのお転婆少女、長谷川・わかな(笑顔花まる・e31807)が練りに練った作戦に、胸を張る。その肩には、スライム形態をとるオウガメタルのメルちゃんの姿がある。
「そうだな、思い通りに世の中は行かないことを教育してやろう」
 退魔の一族の一員、新城・恭平(黒曜の魔術師・e00664)が仲間と作戦内容を確認する。
 チームメンバーの目標は、セントールのコギトエルゴスムの回収。最低限、グランドロンの撃退だ。
「内部で、別班と行動ですね」
 年齢以上に大人びたオラトリオの女性、如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)が言うように、こちらの班はグランドロンの外壁を破壊後、別班と突入。できる限り敵陣を突破して奥を目指す。
 一歩下がった立ち位置におり、口数少なめな沙耶だが、過去の行いもあってか、こうした他人の役に立つ作戦に身を置けることが嬉しそうだ。
「見つからないにこしたこたァねェがな」
 逆立った髪もあってワイルドな見た目をしたジョーイ・ガーシュイン(初対面以上知人未満の間柄・e00706)は嘆息する。
 また、今回の作戦は制限時間が伴う。
 グランドロンの降下から30分以内に作戦を完了させねばならないこともあり、メンバー達は皆時計を所持していた。
「10、15、20、24分でアラームだったな」
 右手をワイルド化させたオウガの少女オニキス・ヴェルミリオン(疾鬼怒濤・e50949)が確認をとる。
 宝物庫探索は25分が制限。24分のアラーム後、グランドロンへ攻撃。敵の撤退を促す。
「ちゃて、今回の依頼でちけど、なんとかちて、コギト玉を全部回収ちたいでちね」
 ドブネズミのウェアライダーの少女、パティ・ポップ(溝鼠行進曲・e11320)が語る本音はみんなの総意でもある。
 皆、コギトエルゴスムをなるべく多く持てるようにと、瑞樹は邪魔にならぬ程度の大きさの鞄を、皆はアイテムポケットも用意していた。
 作戦の認識に相違ないと、陰陽師の家系に生まれ育った四乃森・沙雪(陰陽師・e00645)が仲間達へと呼びかける。
「こういう時だからこそ普段通りに、冷静に対応しましょう」
 構えるメンバー達の上空から、ゆっくりと降下してくるグランドロン。
 それに先んじて、護衛のデウスエクス……動物型の螺旋忍軍と狂月病型病魔、攻性植物が降りてくる。
 グランドロンが降りるまでの間に、邪魔な敵を減らしたいところ。
「まず、降りてきた奴らでちね」
 パティの言葉に頷く一行はまず他5班のメンバーと共に、護衛の討伐へと乗り出すのである。

●護衛達を蹴散らして
 ケルベロス達の前に現れるは、多数の護衛達。
 大型の犬を思わせる姿をした動物型の螺旋忍軍、アブランカ・ククリ、アブランカ・オダマキ、アブランカ・カメリアの群れ。
 そして、神造デウスエクスモドキである狂月病型病魔の集団。それらは大まかに4種いるようだ。
 さらに、攻性植物からも援軍として、蠢く植物が多数組み込まれていたようだった。
 グランドロン降下までの間、こちらのケルベロスのチームは交戦へと当たる。
 冥刀「魅剣働衡」を抜いたジョーイは手近な螺旋忍軍の犬目掛け、緩やかな弧を描いて切りかかり、動きを封じようとしていく。
 大きな口を開けてくらいついてくる獣ども。
 さらに、横からは、攻性植物が蔓触手を伸ばして攻撃してくる。
 そいつらをジョーイと共に、瑞樹が食い止めようとした。
「こんなところで、誰も脱落させるわけにはいかないからな」
 これはいわば、前哨戦だ。苦戦などしてはいられない。
 少し距離を置き、手にする鳥かごの中の満月らしき物体を煌めかせる病魔。そして、4本足の獣に跨る女獣人が鞭をしならせ打ち付けてくる。
 瑞樹は素早く呼び寄せた御業によって、鳥かごを持つ病魔の体を鷲掴みにしていく。
「背中は任せて!」
 前線で盾となるメンバーをメインに、わかなはメルちゃんに粒子を放つよう頼み、仲間達の感覚を研ぎ澄ます。
 今回、わかなはヒールグラビティのみ用意してきており、完全に仲間達の回復支援に当たる心づもりだ。
 とにかく、降り立ってくる護衛の数は多い。
「凍れる時よ、来たれ」
 恭平は精霊魔法を操って、周囲に氷河期の精霊を呼び寄せる。
 それらが軽く吹き付ける息吹は全てを凍らせる風となり、敵陣を凍らせていく。
 仲間達と攻撃対象を合わせるように、沙耶も詠唱を始める。
 目の前の翼を生やした病魔は、発生した虚無球体によって消し飛んでいく。
「喰らうでちゅ!」
 敵の不意を突き、パティが大きな犬型螺旋忍軍の後頭部を殴りつけて脳震盪を起こせば、オニキスはドラゴニックハンマーを砲撃形態とし、竜砲弾を放って動物型の螺旋忍軍を吹き飛ばす。
 見た目は幼いが、オニキスはこの中の誰よりも齢を重ねている。
 また、戦闘民族ゆえか、オニキスはこの戦いでも徐々に血を湧き立たせ、楽しんでいる様子。
 例え前哨戦の雑魚であれ、軽んじることなく、彼女は全力で叩きのめしに当たっていく。
 沙雪も両手に2本の斬霊刀『神霊剣・天』、『神霊剣・空』を手にし、幻惑をもたらす桜吹雪を舞わせて敵陣を切り崩そうとしていた。
 グランドロンの降下まではもう間もなく。
 メンバー達はさらに攻撃の手を強め、道を切り開いていく。

 護衛の数は数え切れぬほどおり、戦線を切り開くだけでも骨だ。 流水の如き動きで冥刀「魅剣働衡」を操るジョーイは次々に、邪魔な敵を切り裂いていく。
「さすが、グランドロンの護衛なだけあるな」
 そうは言うものの、瑞樹は軽い口調のまま。
 余裕さえ感じさせる態度で彼は全身にオーラを纏い、音速の拳を叩きつけて敵を吹き飛ばす。
 これまで、交戦してきた敵も少なくはなく、メンバー達もある程度対策はできている。
 面倒なのは、病魔どもの叫びに催眠効果が含まれることがあったことか。
 わかなは仲間が惑わされるのを見過ごさず、雷杖『秋桜』を振る。
 そこから秋桜の花びらが舞い散り、桃色の霧を展開して仲間達を正気に戻していく。
 特に回復役となる自身もそうだが、盾となるメンバーが惑わされるのは避けたいところだ。
 ともあれ、敵が好き勝手攻撃してくる状況は避けたい。
 獣型の螺旋忍軍や狂月病の病魔どもは動きが素早い者も多く、すぐさま自分達の進路を塞いできてしまう。
「滅びの光よ、照らせ」
 そいつらへと、恭平はオウガメタルによって惑星レギオンレイドを照らす黒太陽を具現化する。
 それは敵群に絶望の黒光を照射していき、デウスエクスどもの動きを制していく。
 動きが鈍れば、目の前の敵を倒すのみ。
 沙耶は『魔法のステッキ(遠距離狙撃型)』から相手の時間を凍結する弾丸を飛ばし、惨殺ナイフの刃を煌めかせたパティが敵へとトラウマを見せつけていく。
 メンバーによっては、自身の決め技を惜しげなく使って。
 竜の呪いを受けた自身の血を、オニキスは『混沌の水』に混ぜ込んで。
「雪げぬこの血の呪い、汝にも分けてやろう。祟れ、捕喰竜呪!」
 彼女はそれを弾丸のように発して、竜の呪いへと侵す。
 それは病魔とて例外でなく、苦しみ悶えて霧散させてしまう。
 沙雪はというと、刀印を結んで九字を唱えていた。
 同時に彼は刀印を結んだ手で、彼は印を四縦五横に切る。
「鬼魔駆逐、破邪、建御雷! 臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
 そうして、指先に力を集めて光の刀身を作り出し、沙雪は目の前の螺旋忍軍の獣を切り伏せてしまう。
 戦っているうちに、降下してくるグランドロン。
 砂埃を上げ、重たい音を立ててそれは地面へと着地した。
「ちゅー、ここから、はぢめるでち」
 パティが言うように、ここからが本番。
 メンバー達はこの場を陽動班に任せ、グランドロン内部への突入をはかるのである。

●グランドロンへ突入を!
 ともかく、内部に突入せねばとメンバー達は護衛との戦いを止め、降り立ったグランドロンへと進軍していく。
 こうしている間にも、地中へとグラビティ・チェインを流し込んでいるはずだ。30分以内に全て決着をつけ、敵を撤退へと追い込みたいところ。
 まずは、その外壁へと、突入に当たるチームメンバー総出でグラビティを繰り出す。
「ちゅー、ここでちかなー?」
 パティは直感で外壁のもろい部分を見定め、オーラを纏わせた拳を打ち込んでいく。
 沙耶も攻撃を重ねるべく詠唱を始め、虚無魔法を行使する。
 手前へと放たれたのは、触れたもの全てを消滅させる不可視の虚無球体。
 ただ、グランドロンはグラビティに少なからず耐性があるのか、その一撃を受けてもそう簡単には穴が開かない。
 他チームメンバーが攻撃を加え続ける間、こちらもまた全力で外壁破壊へと乗り出す。
 オニキスは先ほどの戦いから興奮冷めさらぬのか、力任せに壁を殴りつけていく。
 目の前に立ち塞がるのが例え単なる壁であっても、オニキスは全力で一撃を叩きこんでいった。
「いっくよー!」
 攻撃グラビティを持たないわかなは、カラフルな爆発を起こして他班を含む前線の仲間達の力を高めていく。
「冷たき炎よ」
 その間も、ネクロオーブを手にした恭平が外壁目掛け、熱を持たぬ水晶の炎で切り込み、壁を傷つける。
 しかしながら、思いの外、頑丈なグランドロンの壁。
 支援によって力を高める沙雪は破壊力へと変えたグラビティ・チェインを神霊剣へと纏わせ、そびえ立つ壁目掛けて切りかかっていく。
 威力重視でメンバー達がグラビティを叩きこむと、ようやく壁に亀裂が走っていった。
 そこを目掛け、ジョーイは冥刀「魅剣働衡」で破壊力に特化した渾身の一撃を見舞っていく。
「これなら……どうだ」
 オーラを纏わせた拳を瑞樹が打ち込むと、ついに外壁の一部が砂煙を上げて崩れ落ちる。
 内部へと続く道ができたことで、各チーム突入の準備を整えていく。
 皆が手早く準備を進める中、ジョーイはアリアドネの糸を発動させ、侵入口の破壊した壁へと引っ掛けるように結んで。
「……っと、こんな感じでいいか? めったに使わねェから、間違ってたら勘弁な?」
 先に謝るジョーイに対してメンバー達は気にすることもなく、内部を目指して突入しようとしたが……。
 目の前のグランドロンが大きく振動し始める。
 その大きな建築物はどうやら地中へのグラビティ・チェイン供給を止め、浮上の為の準備を進めていたようだった。

●飛び立つグランドロンを見上げて
 突然、動き出すグランドロンは、静岡の地から飛び立とうとする。

「気づかれたか……」
 状況を見た恭平はひと足早く、作戦に見切りをつける。
 このまま静岡を飛び立つグラントロンは、大阪に向かって動き出すのだろう。
「チッ、俺達の考えァ、筒抜けだったようだな」
 ジョーイが察するところ、諜報力に長ける螺旋忍軍は大軍をもって攻めて来たように見せかけ、撤退されるといった計略を見抜いていたのだろう。
 こちらの準備が万全にできていることを察し、危機を感じ取ったからこそ、撤退へと早々に踏み切ったのだのだろう。
 これだけ丹念な準備をしたにもかかわらず、それを存分に生かすことができず、わかなはかなり悔しがる。
「相手の裏を、さらにかかなきゃダメだったかな?」
 螺旋忍軍の諜報能力の上を行く為、さらなる工夫が必要だったかとメンバー達は語り合う。
 離陸しようとするグランドロン。
「野郎、逃がさないぞ!」
 強引にでも、コギトエルゴスムを頂いていこうとオニキスやパティが中へと突入しようとするが、沙雪や沙耶が仲間を慮って制する。
「オニキス嬢、パティ嬢、気持ちはわかりますが、落ち着きましょう」
「そうですね。空に飛び立つと、敵に囲まれて脱出できなくなりそうです」
 仮に敵に捕らえられてしまえば、逆に他のケルベロス達の足を引っ張ってしまいかねない。
「……そうだな」
 オニキスも仲間達に諭され、やむなく突入を諦める。パティもまた、コギトエルゴスムの奪取を断念していたようだ。
 鳴り響く時計のアラーム。
 不要となったその合図の中、ケルベロス達はグランドロンへと攻撃を開始する。
「束縛の鎖よ」
 恭平が素早く全方位に黒い鎖を伸ばし、地中注入部分と思しき部分目掛けて重点的に貫かんとしていく。
 沙耶もまた本気で破壊すべく、虚無球体を飛ばす。
 わかなは周囲へとオウガ粒子を飛ばして仲間達の感覚を研ぎ澄ますと、2本の神霊剣を構える沙雪は離れ行くグランドロン目掛けて衝撃波を放っていく。
 他チームメンバーも次々に遠距離グラビティを飛ばす中、瑞樹、パティはオーラの弾丸でその破壊を目指す。
 砲撃形態としたドラゴニックハンマーから、オニキスが砲弾を叩きこみ、グランドロンをだいぶ傷めつけはした。
 だが、残念ながらグランドロンはそのまま静岡の地から西に向かって飛び去ってしまった。
 また、この場には残された護衛のデウスエクス達の姿もある。
「ったく、クッソ面倒くせェなァ……」
 ジョーイは悪態づきながら刀に手をかける。
 ケルベロス達はそのまま、それらの掃討へと当たっていくのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年5月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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