魔法少女のコスプレイヤーたちを襲う者たち

作者:塩田多弾砲

『magical final attack! Ready……GO!』
「すっごーい! 『魔砲少女リリィズなのか』のマギモバイル・エクストラシードの音声入れてんの?」
「DVDから音声吸い出して、手元で操作できるようにしたのよー。なのかに続いて、今度はフェイカちゃんのガンバッシュのも作るつもり。でも、そっちの造形も良いわね」
「でしょー? この『魔道少女マギウス☆まりす』の要守まりすは、自信作なの! ただ、べぇー太のぬいぐるみ、良いのが無くって省略しちゃったけど……あ、あの子の持ってるぬいぐるみのべぇー太が、ちょうどよかったんだけどなあ」
 その、べぇー太を持つマギまり・『武部ほうむ』のコスの少女は、
「ねー、『ふたごはリリチュア』シリーズは魔法少女じゃないの? ほうむも好きだけど、ワタシ、あれのコスする予定だったんだけど……」
 などと、ほうむと会話してるのは、
「あれは『美陽女兵士ソーラームーン』と同じ『美少女戦士』ジャンルだから、魔法少女とはちょっと違うかなー。三年くらい前の『魔術つかいリリチュア!』は、魔法少女扱いして良いかもだけど」
 ……『カードコレクターさくや』の、ファイトドレスに身を包むレイヤー。
 他にも、種々雑多な『魔法少女』のコスチュームに身を包んだコスプレイヤーたちの姿が。
 ここは、某所の展示会場。大きく開け放たれた入り口には『魔法少女オンリーイベント』の垂れ幕が。
 パンツが見えそうで見えない軍服姿の『エアフォース・ウィッチガールズ』。
 そのキャラである富岳国空兵・藤宮芳火のレイヤーの少女が、入り口付近を歩いていると……、
「……あの豚さん、何の作品に出てきたのかな……?」
 疑問に思い近づいたら、
「!」
 触手に襲われた。
 見ると、周囲の少女たちも、全て……豚の姿をしたその怪物たちに、触手に巻き付かれ、襲われ、犯されていた。
「い、いやああっ!」
 劇中のように魔法が使えるわけではない。彼女たちは次々にオークに襲われ、その体を弄ばれていた。
「まえに、ゲームのコスプレイベントにオークが出る事件があったけど、今度もまた、コスプレのイベントしてるところに、オークがでるの」
 と、ねむ。
 彼女の言う案件は、赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)により解決してはいる。しかし今度もまた、同じような事件。
 とある郊外に位置する、大型展示場。そこは商業目的での展示会のみならず、広いために各種イベントの会場にも用いられている。当然、同人誌即売会やコスプレイベントなどもその例にもれず。
 そして今回も、魔法少女オンリー即売会の一環に行われていたコスプレスペースにて。オークが出現し狼藉を働くという事が。
 ゆえに、これを倒さねばならない。
「それで、この展示場だけど、すごく広いのね。この『晴風国際展示会場』は、海岸沿いにあって、北館と南館の二つがあるの。その南館は、真ん中を広い通路で区切って、その両側、東側Aホールと西側Bホールに分けてるの」
 その南館Aホールは同人誌即売会、Bホールはコスプレイベントを、その日に行っていたのだが。
 そこにオークが現れたというわけだ。
 南館中央通路に出入口、およびBホール西側の壁に大型出入口(自動車やトラックが入り込めるくらい広い)と人間サイズの扉がいくつか据え付けられており、出入りは容易にできる。
 しかし、なにぶん人が多い。少なくともレイヤーは100人、撮影者と見物人は、その倍近くは居る。少なくとも500人以上の人間を、どうにかして避難させなければならない。
「今回のオークは、20匹はいたの。だから、囮の人が一生懸命目を引かなきゃならないと思うの」
 そう、いつもながらオークの囮として目を引き、避難誘導しなければならない。
 特に今回は、コスプレしている者に対し、注目しているらしい。なので、囮役はコスプレした方が良いかもしれない。
 また、オークの数も多いため、囮役も多めの方が良いかもしれない……と、ねむは付け加えた。
「場所がこんなだから、隠れていきなり襲い掛かる……ってのはないとおもうの。その代わり、避難させなきゃあならない人が多いので、そっちも注意なの」
 参加者の中には男性も数多く見えたため、この依頼の参加者も男性はOK。しかし、オークが狙うのは女性であり、女性コスプレイヤー、およびそれを装う女性参加者をおそらく襲うものと思われるので、男性参加者は避難誘導及びその後の掃討になるだろう、との事。
「今回オークは、欲望の咆哮、触手溶解液、触手叩きを使うの。でもなにより、まわりの人数が多いから、囮役のひとたちはいつも以上に大変にだと思うの。それでも……やってほしいの」
 ねむにそう言われ、やらないわけにはいかない。君たちはすぐに立ち上がり、参加を表明した。


参加者
赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)
ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)
呂・花琳(デウスエクス飯・e04546)
コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)
シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)
ピクシー・ガリトラップ(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e41032)
翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)
ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)

■リプレイ

●私に出来る事、一つずつかなえたい
 Bホールにて。
『エアフォース・ウィッチガールズ』の富岳国空兵、藤宮芳火と、ブリテリオン王国飛行兵、リイネット(リイネ)・ビリーヴ、
 ……の、コスプレをしている二人が。
 芳火姿の赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)は、小道具の機銃を構え、
 リイネのコスの翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)もまた、同じく小道具の対装甲ライフルを構え、二人でポーズ。
「……や、やっぱりちょっと……」
「は、はずかしい、ですね……」
 などと思う二人だが、
『芳火マジかわいくない?』『リイネもいいね!』『うわー、エアユニットで飛んでるとこ見てみたい!』
 などと言われ、心地良さも感じてしまう。
 彼女たちからやや離れた場所。
『魔法少女、僕』『魔法少女なんかどうでもいいですから』『終結のロゼッタ』『放課後のペテルギウス』などの魔法少女らに混じり、ミスラ・レンブラント(シャヘルの申し子・e03773)の姿が。
「ありがとうございました。えっと……魔法少女『エンジェリック☆ミスラ』さん」
 その名を呼ばれ、ミスラは手を振った。
 これは、元は罰ゲームの企画だったが、ケルベロスの活動に並行し活躍していた。
 その結果、幸か不幸か知名度が少しずつ高まり、現在は新進気鋭の新たな魔法少女として認知されつつある。
 ……まだまだマイナーではあるが。

 そんなミスラから離れた、別の場所では。
 やはりマイナーな魔法少女のコスの少女が。
「目線お願いしまーす」「ポーズ取ってくださーい」「一枚いいですかー?」
「はーい」
 返答するノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)は、ベルト状のリボンと、ケープのようなローブ、スリット入りミニスカートという姿。
(「この間見かけた、『モンスター・ナイト・ガール』の、二次創作キャラだけど……気は引けるみたいだねー」)。
 彼女のコスプレは『淫魔騎士サキュレイン』。淫魔サキュバスの能力を持つ騎士。
 かのソシャゲのデザイナーが、自身のサークルの本に乗せた落書きの非公式キャラ。しかし、一部で妙に人気が出て、同人誌にも取り上げられている。
 これで、設定どおり『はいてない』事がばれたら、どうなるか。
 それを思うと、胸が高鳴るノノだった。

 そして、同人誌即売が行われている、Aホールでは。
「ぬわぁ……なんじゃこの人ごみは。足の踏み場もありゃせんぞ」
 と、呂・花琳(デウスエクス飯・e04546)は目を白黒。
 比較的、人の少ない場所に立つも。
「あ、見てみて。フェイカのコス!」
「ソニックスタイルか。露出度高めだなあ」
 一般参加者がそう言葉を交わすのを見かけた。
「……これで写真まで撮られるのは、な、何か……落ち着かんのぅ」
 そう呟く彼女は、フェイカ・テリアロッサ……『魔砲少女リリィズなのか』の主人公・高街なのかの親友のコスプレ姿。
(「付け焼刃だが、原作を多少調べてはみた。終盤のこの、大刀を振るうフォームを選んだが……」)
 評判は悪くはない様子。だが、それでもやはり落ち着かない彼女だった。

 と、花琳からさほど離れていない場所で。
「……なぜ皆、わしを避けるのだ?」
 コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)は、やや疑問を感じていた。
『うわー、よりにもよってあれか』『チャレンジャーだねー』『つーか、そういう趣味?』みたいな事を、ひそひそと言われている。
 とある店で服を選ぶ時、『地底帝国の悪の博士』と、適当に頼んだところ……血で汚れた白衣のコスチュームを渡された。
 ……この時、彼は知らなかった。『少しは調べておけばよかった』と、後で後悔する事を。

●かわした約束忘れないよ、目を閉じ確かめる
 Aホール内、別の場所では……、
「うわー、完成度髙いですね」
「でしょ? ……『食べるかい?』」
 劇中のセリフを真似て、スティック状の菓子・ポロッキーを差し出すは、『魔道少女マギウス☆まりす』に登場する、柘榴・杏(ざくろ・あんず)……のコス姿の、ピクシー・ガリトラップ(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e41032)。
 赤い服に槍使いで、ポニーテールの髪形の彼女は、劇中のそれと実に良く似ていた。
「ちょっと見させてね……うわ、杏とさやこの百合本か。……こっちは、マリさんとまりすと、さやこの3P? 一冊ずつ下さい」
 と、ピクシーはブースに並び、マギまりの薄い本を購入していた。

「その、あの、わた、私、こういうのはよくわからないんですけども……」
 そんなシフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)に構わず、カメコたちは写真を撮る。
「写真はBホール内でお願いしますー!」と言われ、カメコは去った。
 シフカは、『魔道少女マギウス☆まりす外伝 マギウス☆おりえ』の主人公、水国織江のコス姿。実際その姿は良く似合っているが……本人は恥ずかしくて仕方が無い。
 いたたまれずAホールから出て、中央出入口にて一息。
「正直、裸より恥ずかしいんですが……」
 できれば脱ぎたい。そう思っていた矢先、
「……!?」
 オークが、出現した。

 Aホール内に出現したオークの元へ、花琳とピクシーがそれぞれ向かっていった。
 そして、コクマが避難誘導を。
 Bホールでも、同じように水咲とノノが囮になり、いちごとミスラが避難誘導をする手筈に。
 中央口では、シフカが囮に。
 ……のはずだが、コクマは避難する者たちが妙に、自分に『近づかない』ように思えてならなかった。
「落ち着いて、慌てずいくのだ!」
 と、声をかけるも、
「蛆湧が助ける?」「罠にかかるみたいだよなあ」「それより今は早く逃げろ!」
 そして、Bホールでも同様に、
「早く、こっちですっ」
 いちごが、避難誘導をしていた。
 数が多いが、なぜか皆、集団行動は得手とばかりに妙に従ってくれている。
 しかし、
「あれ? ミスラさんは?」
 彼女の姿が見当たらない。会場が広いので、おそらく見えないところで誘導してるのだろう。そう判断したいちごは、目前の事態に集中した。

「や、やめろ……やめてぇっ!」
 そのミスラは、男子トイレにて。
「どーせレイヤーはエロ女ばっかだろー」「そんなコスしてんのが悪い!」「っていうか、我慢できないんだな!」
 いわゆる、キモオタ連中に囲まれ……襲われていた。
 避難誘導の混乱に乗じ、彼らはミスラを会場の男子トイレ内に誘い込み……囲み、襲い掛かったのだ。
 男子トイレの個室の、便器に座らされたミスラは、服の隙間から手を差し入れられ……、
「うっは、柔らけー」「おっ、摘まんだここ固くなってる?」「感じてんだろ、やっぱエロいわこいつ」
 両胸をきつく、力任せに揉まれていた。
「あっ……あんっ……んむぅっ!」
「おら、咥えろ……うわ、気持ちいい……」
 前のめりにされ、口の中に臭う『それ』を突っ込まれる。
 やがて……服をずらされ、足を広げられ、自分の大事な場所に『それ』があてがわれた。
「ここ、一番乗りー♪」
「ぷはっ……お、お願い。せめてゴムを……ひああああっ!」
 懇願は無視され……『それ』がミスラの中に、下の口に突っ込まれた。
 壁に手を付かされ、片足を高く上げさせられ、まるで犬が小便をするかのような格好で……強引に抜き差しされる。
「あっ、あっ、あっ……ああああっ!」
「くっ、き、気持ち良すぎ……くうううっ!」
 痛みとともに絶頂し、中に放出されたのをミスラは感じ取った。
「……も、やめて……んむぅっ!」
 その懇願も無視され、
「だーめ、次は俺ね」
「俺はお尻が良いなあ」
「やっぱ口だろ」
「胸で挟むのオナシャス!」
 キモオタ連中は輪姦を続けんと……自分たちのそそり立ったモノを、改めてミスラに咥えさせ、手に握らせた。

●膝を抱えて、部屋の片隅、いつも不安で震えてた
「くっ、や、やめ……て……あああっ!」
 Aホール。花琳は……前後からオークに襲われ、両胸を露わにされていた。
 フェイカの姿でオークに立ち向かうも、後方から来たオークにはがいじめにされ、その状態で……半脱ぎの状態にさせられ、体中を触手で愛撫されている。
 そのまま、両足を抱えられ、触手が前後の穴へと埋められた。
「ひああああっ! ……あっ、あっ、あっ……」
 その様子を、カメラ小僧たちは……逃げずに、撮影を続けている。
 その近くでは、ピクシーが。
「た、助けて……」
「今助けるよ!……み、見ないで、ね」
 オークに人質を取られ、言いなりになっていた。
 触手で一般参加者の青年を縛り、『いう通りにしないとこいつを殺す』と迫るオーク。それに従い、ピクシーは自身のショーツを命令のままに脱ぎ捨て、スカートをめくり、『そこ』を見せつけていた。
「……あ、杏たんのあそこ……ツルツル、だ……」
「み、見ないでって言った、のに……あんっ!」
 杏……の姿のピクシーも、花琳同様に前後から……触手を挿入された。
「あひっ! あっ、あっ、あっ……」
 激しく触手が動き、抜き差しされ……、
 避難せず、その様子を凝視し、撮影しているカメコたちは、ほぼ全員が前かがみ、もしくは前を屹立させていた。
「「……! ああああっ!」」
 びくびくしつつ、二人は、絶頂する様子を周囲に見せつけていた。

 同じような事は、Bホールでも。
「ひ、はっ……は、やく、逃げて……くだ、ぁ、ぁあああっ……!」
 両胸を剥き出しにされ、パンツも剥ぎ取られ、触手に胸とお尻と前のあそこを愛撫され……カメコに撮影されながらびくびくしている水咲。
 ノノもまた……。
「やぁ……撮らないでぇ……」
「すげー! はいてない!」「キター!」「うわ、最初からこのつもり?エロいわ」
 下着をはいていない自分の姿、そして触手の愛撫で弄られ、反応する様子を撮影されていた。撮影者たちの中には、以前のモナガの時のカメコの姿も。
「み、見ないで……こんなとこ、撮らないでぇ……」
「見られてる……撮られちゃってるぅ……」
 嬉しそうに、オークの触手を咥え込む様子も……彼らは余すことなく撮影していく。
「「ああっ!」」
 その事を頭の片隅で考えるたび、快感が更に増していき……、
「「あっ、あっ、あっ……あああああっ!!」」
 水咲とノノは、見られ、撮られながら……絶頂した。

「くっ……や、やっぱり……こんな格好、恥ずかしい……」
 正面出入口側にて。シフカは羞恥で、調子が出ずにいた。
 ビハインド・へイドレクに、一般参加者たちを襲うオークから庇わせているが……、自身は派手にすっころび、オークの注意を引き、触手に手足を絡めとられていた。
 そのまま、溶解液を浴び……服が溶け落ちる。
 全裸を晒したシフカだったが、
「……戦闘準備完了……では、行きましょうか」
 逆に羞恥が消えたかのように、鎖を両腕に巻き付け、立ち上がった。

 同じ頃。
 ミスラは、乱れた姿で男子トイレから出てきた。
 トイレ内では、
「こ、腰が……」「た、体力持たない……」「し、搾り取られた……」
 逆にダウンしたキモオタ連中が。
「……まったく、普段運動しない連中に、体力負けするとでも思ってたのか」
 呟き、ミスラは……駆け出した。
 が、その服は乱れ、外も、内側も……白い白濁液で汚れていた。

●あなたがいてくれるから、私は笑顔でいます、元気です
 カメコ連中や一部一般参加者たちは、囮になったケルベロスたちに夢中になり……避難は完了せず。
 しかし、邪魔にならない程度に人は減っていたため、避難誘導をしていたいちごとコクマは、それぞれBホールとAホールに戻り、そこから逆転。シフカとミスラも戻り、結果、オークたちは掃討された。
「あ、あの……いちごさん……」
 Bホールにて、いちごは触手に固く拘束されたままの水咲を助けようとしたが、
「ま、丸見え……ひゃっ!」
 パンツをはぎとられた水咲の、大事な場所を見てしまい……動揺し転んでしまった。
 その拍子に、彼女の胸に顔を。
「……ちゅっ」
「きゃっ!」
 そのままいちごは、無意識のうちに……彼女の胸を揉み、先端を口に含み、舌で転がし始めた。
「百合キターっ!」「おっぱい星人芳火たん、リイネたんと百合エロ!」「しかもリアルで! 何これ最高かよ!」
 その様子を、周囲のカメコらは撮影しつづけていた。
「あ、あの……」
 その近くでは、再びコスさせられたシフカが、真っ赤になりつつ写真を撮られていた。

 そして、Aホールでは。
 一般参加者たちが、花琳にたかっていた。
「んむうっ! んっ、んっ、んっ……」
 花琳の前の花びら、後ろの菊、口、豊かな両胸の谷間、両手。そそり立った六人の肉の棒が、それらに収まっていた。
(「だめ……もう、気持ちよくて……何も……考え……あっ……あああっ!」)
 大量の白濁液が、花琳に降り注がれた。
 それが終わると、別の数人が花琳へと群がる。花琳はそのまま、考えるのを止めた。

「……わしは、こんなキャラの服を着ていたのか……」
 事後、Aホール内の会場内ブースで。委託販売されていた同人ゲームを見たコクマは、自分が何のコスプレをしていたのかに、ようやく気付いた。
 そのゲームタイトルは、「蛆湧博士の魔法少女惨殺日記」。
 そのプレイヤーキャラ、『イヴィル・蛆湧』。コクマのコスプレはそれだった。
 同ゲームは、R18G・拷問殺人リョナのジャンルで有名なサークルが出した、『地下に潜む悪の科学者が、魔法少女をいかに拷問し惨殺するか』という内容。
 四肢切断など肉体破壊・改造をはじめとした、魔法少女をとにかくひどい目に遭わせ、殺すというそのゲームに、コクマは引いていた。
 同時に、先刻から妙に引かれていた理由も理解。
『今後、コスプレの元ネタを調べずに、適当に済ませるのはやめておこう』と、誓った彼だった。

「えー、しょうがないなあ」
 人気のない場所にて、ピクシーは。
『お願いします』と、数名の杏ファンの土下座を受けていた。
「……『心配すんなよ、ひとりえっちは、寂しいもんな。いいよ、一緒にシテやるよ……』」
 と、マギまり劇中の、杏のセリフをもじったピクシーは……、先刻にオークに囚われていた青年へと跪き、お願いを……『筆おろし』をし始めた。
 そこからそう離れていない、別の場所でも。
「もっともっと、塗り替えて……あんっ」
 ノノがカメコたちとともに、交わりながら撮影されていた。
「あっ……私のえっちなとこ……あんっ……ちゃんと撮ってね……あああっ!」
 いつも以上に、快感がノノを貫き、彼女を絶頂させた。

 と、なんやかやあって、このイベントは無事終了。
 しかし、白濁液まみれで戦っていたミスラの姿は、同人作家たちの目に留まり、彼または彼女の創作意欲を触発。
 知名度が(違った意味で)高まり、次回の即売会にて『エンジェリック☆ミスラ』の薄い本が大量に出る事は、この時誰も知る由もなかった。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年3月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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