大阪都市圏防衛戦~交錯する思惑

作者:Oh-No


「いいか、ここから先は危険な場所だ。君たちはコギトエルゴスムから復活したばかりなんだ。くれぐれも無理はしないで欲しい。……大丈夫さ、恐ろしいケルベロスたちが襲ってこようと、わたしたちが君たちを守ってみせる」
 隊を先導する、リーダーらしきエインヘリアルの女性騎士が、アイスエルフたちに声を掛けている。周囲の他のエインヘリアルたちも安心させるように、力強く頷いた。
 アイスエルフたちは全員が女性だ。あえて女性ばかりなのは、女性の自立に肩入れする第四王女レリの意向だろう。
「……ねえ、どうする? 彼女たちが嘘を吐いているとは思わないけど、でもエインヘリアルの戦いに巻き込まれたくはないわ」
「……アタシも御免だね。ま、今のところはおとなしく従っておくさ。なにしろ本調子じゃない」
「……出来る範囲で、本気も見せておきましょう。氷と制圧を司るわたしたちの力を甘く見てもらっては困りますもの」
 アイスエルフたちは、エインヘリアルの耳に入らないようにこっそりとささやきあっている。
 総勢16人のチームは周囲の建物や道の先に隠れる敵を警戒して視界を確保しながら、それぞれの思惑を乗せて進むのだった。


「リザレクト・ジェネシスの戦いの後、『宝瓶宮グランドロン』が行方不明になってしまっただろう? その所在に繋がる情報が大阪城周辺から来たんだ」
 ユカリ・クリスティ(ヴァルキュリアのヘリオライダー・en0176)は、集まった皆の前でそう切り出した。
「大阪城周辺は、竹の攻性植物によって厳しく警戒されていた。その中にエインヘリアルの騎士と『妖精8種族であるアイスエルフ』と思われる女性の姿が確認されたんだ。これはつまり、第四王女がアイスエルフを自分の騎士団に組み込むと同時に、攻性植物との同盟を強化する事で、リザレクト・ジェネシスで消耗した第二王女の勢力を盛り返そうとしてる……、ってことなんだろう」
 敵はレリ配下の白百合騎士団のエインヘリアル8体、アイスエルフ8体の混成軍だ。彼女たちは大阪城周辺の緩衝地帯に侵攻し、哨戒活動を行っている。緩衝地帯は市街地だから、建物などを利用して気づかれずに距離を詰める、もしくは待ち伏せするなど出来れば、奇襲が可能となるだろう。
 アイスエルフたちは強くはない。けれど、ケルベロスたちが仕掛けたなら身を護るために反撃はしてくるはずだ。エインヘリアルの騎士たちはそんなアイスエルフたちを守りながら戦う。
「明らかにエインヘリアルたちのほうが脅威だろうけれど、アイスエルフたちもただ守られているだけではないってことさ。――もし、アイスエルフたちを説得したいのなら、エインヘリアルたち全員を排除した後にする必要があるだろうね。その際にこちらを信用してくれるかどうかは、戦い方にも依るところが大きいだろう。なにせ、エインヘリアルの騎士たちは、少なくともその場ではアイスエルフたちを守ろうとするのだから」
 なお、アイスエルフたちを撃破するかどうかは、現場のケルベロスに任されている。撤退させても問題はない。
「エインヘリアルの騎士たちは、あくまで善意で行動しているのだろう。そうでもなければ献身的に守りはしないよ。ただし、アイスエルフたちがどう思うかは違う話さ。なにせ、自分たちを滅ぼした相手なんだ。その辺りに、つけ入る隙があるかもしれない。……なんにせよ、放っておけないことは確かさ。よろしく頼むよ」


参加者
シルク・アディエスト(巡る命・e00636)
立花・恵(翠の流星・e01060)
鳥羽・雅貴(ノラ・e01795)
相馬・竜人(エッシャーの多爾袞・e01889)
プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)
瀬入・右院(夕照の騎士・e34690)
長久・千翠(泥中より空を望む者・e50574)
リリベル・ホワイトレイン(堕落天・e66820)

■リプレイ


「ここから先は生活圏も近くなるんでね、立ち入りは避けてもらおうか」
 鳥羽・雅貴(ノラ・e01795)たちは身を潜めていた建物の影から歩み出て、エインヘリアルたちの前に姿を現した。彼我の距離は数十メートルといったところ。雅貴たちを視認してエインヘリアルの足が止まった。
「ケルベロスッ……!」
 エインヘリアルの女性騎士は憎々しげに言葉を漏らしてから、指笛を鳴らした。先行していたのだろう女性騎士の合図を受けて、残るエインヘリアルとアイスエルフが姿を見せる。
 女性騎士たちはアイスエルフを庇うように、前列へと出て武器に手をかけた。
「お互い今は敵同士だが、卑怯な手は好きじゃない。正々堂々戦おうぜ」
 そんな騎士たちに、ホルスターの銃把に手のひらを当てて、立花・恵(翠の流星・e01060)が言う。恵たちの堂々とした姿に、騎士たちは罠があるとでも判断したか、距離を保ったままこちらの様子を伺っているようだ。
 これ幸いとケルベロスたちは言葉を繋ぐ。
「アイスエルフの皆さん。私たちはあなた方と話をするために来ました。ですから、私たちはあなた方を狙いません」
「ああ、こちらの因縁に巻き込みたくはない。出来れば護りを固めていて欲しい」
 シルク・アディエスト(巡る命・e00636)と雅貴が放った言葉は、アイスエルフたちを動揺させるだけの効果はあったようだ。
「騙されるなッ! 彼奴等の甘言に乗せられて、定命化してしまった種族がどれほどいることか……!」
 女性騎士はケルベロスたちの言葉を打ち消すように声を張り上げ、ゾディアックソードを引き抜いた。また、別の騎士は大斧を振り上げる。
「アイスエルフ諸君、援護を頼む!」
 そして一声後背に声を掛けると、一息に距離を詰めてくる。
 対して、瀬入・右院(夕照の騎士・e34690)が光翼を煌めかせながら前へ出て、三日月が如き鎌で斬撃を受け止めた。
「俺たちがそんなに憎いですか?」
「それとも、俺らに喋られると困るのかい? ははあ、さてはテメエら、自分に都合のいいことだけ教えてるだろ」
 距離を詰めるエインヘリアルたちの眼前を、相馬・竜人(エッシャーの多爾袞・e01889)が放った黄焔が薙ぐ。
「我ら騎士を愚弄するかッ」
 その焔を踏み越えた騎士が、掲げた大斧を振り下ろした。
 重い刃は竜人を狙うが、リリベル・ホワイトレイン(堕落天・e66820)の相棒シロハが己の身を割り込ませて、刃の軌道をそらす。
「シロハ、いい仕事した!」
 いいざま放った混沌の波で、リリベルは迫りくる騎士たちを押し返した。
「凍らせてあげる」
 重ねて、プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)が呼び出した冷たき精霊が敵軍を氷に閉ざす。
 その間にも、敵後方のアイスエルフからは冷気を纏った技の数々が飛んできていた。嵐の如きそれらの中に、長久・千翠(泥中より空を望む者・e50574)は拳を鳴らし躍り込む。
 混戦になろうとも、狙うべきはエインヘリアルの首のみ。
「なに、ちぃっとばかり不利かもしれんが、その分いつも以上に発奮すればいいんだろ?」
 間隙を縫った足刀で、騎士の側頭を蹴り飛ばした千翠は豪快に笑う。


 あえてエインヘリアルたちに正面から仕掛けたケルベロスたちだったが、彼我の戦力差は如何ともし難いものがある。
 せめてもの慰みは、アイスエルフたちの攻撃が緩慢なことか。とはいえ、積み重なれば脅威な上、癒やしの力を受ける騎士たちをなかなか倒しきれないのも厄介だ。
 しかし、この状況は覚悟の上。ここで折れるようなら、最初からこんな作戦を選ぶわけがない。
「頑張って、シロハ! ここが踏ん張りどころだよ!」
 リリベルは相棒に向かって一心に祈る。柔らかな光が傷口を包んで、その傷を力強く癒やした。シロハ自身も清浄の翼を前衛に展開した。
 シロハが傷を癒やしている間、優美な4枚の大盾を従えたシルクが前に突出する。至近距離まで近づいた騎士に、シルクは2枚の大盾を突き出した。描かれた眼の意匠に魔力が集中し、光線となって騎士を灼く。
 この状況下で前衛が崩壊したら、長くは持たない。だから、敵の目を多少なりとも余裕のあるこちらに惹きつけようと奮闘する。
 その甲斐あってか、騎士たちの注意を一身に引きつけることに成功したようだ。
「この、裏切り者のシャドウエルフ風情が」
 怨嗟の声を絞り出す騎士たちに、今度は右院が切り込んで的を絞らせない。鋭く伸ばした両の手刀に冥府深層の冷気を纏わせて、右院はヴァルキュリアらしく踊り狂う。
「俺のことも裏切り者と呼びますか。それは仕方のないことだが」

 騎士たちの間に飛び込んだ竜人は、腕を畳み込んで体を捻り、その太い竜尾を振り回して騎士たちを薙ぎ払う。
「生き方を決めるのは、後ろの連中自身だろ。こっちの言い分も聞かせた上で敵になって欲しいんでね。……テメエらに用は無いんだよ」
 竜人はまるで陣を固めていた騎士たちに打ち込まれた楔のようだ。薙ぎ払われて強制的に散らされたあと、孤立した騎士を千翠は狙う。千翠を苛む呪いが敵を繋ぎ止める鎖へ変容し、おどろおどろしい妖気を棚引かせて絡みつく。
「絡め捕れ。焦がし尽くせ」
 そして、その手足を枷で以て封じた。この絶好のチャンスをプランは見逃さない。
「ちょっと力を借りようかな」
 そうつぶやいて、タロットカードを媒介に呼び出したるは荒れ狂う殺戮機械。ともすれば暴走しようとするそれを、放つのではなく身に憑依させ、ただ一点へと向け振るった。プランの腕を覆う金属フレームが騎士鎧を貫いて、死を知らぬエインヘリアルに終わりをもたらす。
 それからプランは、機械を憑依させたままアイスエルフたちへと向き直り、よく響く声で言い放つ。
「レリ王女を頼っても良い事ないよ? ハール王女の都合の良いように使い潰されるだけだよ」
 アイスエルフたちの反応は、戸惑いだった。
「あんな言葉に耳を貸すな! 王女殿下が諸君を案じておられることに偽りはない!」
「虚言を弄するケルベロスどもめ、卑劣な真似を! 殿下のために、ここで斬る!」
 むしろプランの言葉は、エインヘリアルたちをひどく激高させるという形で効果を現した。恵には、少なくとも彼女ら自身は善意で動いているのだろうと思える。
(「うーん、難しいよな。全部が全部、平和におさまるわけじゃないってのは分かってるんだけどさ」)
 彼女たちには譲れないものがあり、こちらにも譲れないものがある。それはアタリマエのことで、これ以上考えても袋小路だ。
「悪いけど、俺達も守るために戦ってんだ!」
 恵はもやもやする思考を振り払うように叫び、強く一歩を踏み出した。闘気が籠もったステップを重ねるたび、身体が飛躍的に加速していく。すれ違う刹那、恵は銃口を騎士鎧の継ぎ目へと押し当てて、すかさずトリガーを引き絞った。撃ち出された弾丸が鎧の中で炸裂するころには、すでに遠く離れている。
「……くっ」
 騎士は、恵の背中を追って首を回した。その首筋に音もなく影刃が突き刺さる。
「――オヤスミ」
 ささやくような雅貴の言葉に導かれるように、騎士は膝を付き、路面に身を投げだした。その身体はすでに屍である。
 ――これでようやく2人を倒した。少しは楽になるだろうか。

「く、ここまでか……! 諸君、逃げろッ! ケルベロスたちは――」
「やめてよね、私たちが悪役みたいじゃない」
 最後に残った騎士が残した言葉に、プランは頬を膨らませた。騎士の世界観からすれば、自分たちが悪役なのは理解できても、面白くはない。
「……ほんと死ぬかと思った。もう2度とやりたくない」
 シロハが最後まで立っていたのは、奇跡のようなものだ。ボロボロの相棒にお疲れと声を掛け、リリベルはシロハを抱きしめる。
 ……実際のところ、薄氷を踏むような勝利だった。エインヘリアルの女性騎士たちは最期まで勇敢だったし、あくまで騎士としての本分を貫き通した。
 薄氷が割れなかったのは、ケルベロスたちがアイスエルフを敵だと見なさず、一度たりとも刃を向けなかったおかげだろう。それがなければ、アイスエルフたちの刃が鈍ることもなく、戦力差を覆すことは出来なかったはずだ。
 誰しもが、このままへたり込みたい気分だった。けれど、それはしばらくお預け。
 なにしろ、これからタフな交渉が始まるのだから。


「……さて、これで少しくらいは話が出来るかな?」
 どうにかなったと長い息を吐いて、恵は銃をトリガーガードに引っ掛けた指先で回しながらホルスターに収めた。
 最後のエインヘリアルが倒れた時点で、アイスエルフたちも攻撃の手を止めていた。もっとも、手にした得物は油断なく構えられたままだ。
「怪我した娘が入れば癒やすけど……、いないよね?」
 恐る恐る声を掛けたリリベルに無言のまま視線が向けられて、リリベルは内心でビクついた。ケルベロスから全く攻撃を受けなかったアイスエルフは、全員が無傷と言っていい。どうみても満身創痍なのはケルベロスたちの方である。
 とくに最前線で倍する相手の攻撃を受け続けたシルクを始めとするディフェンダーは消耗が激しい。シルクは流れる血を拭い、アイスエルフに向き直って口を開く。
「最初に宣言しましたとおり、あなた方アイスエルフと刃を交える気はありません。武器を収めていただけませんか。暗殺と諜報を司っていたシャドウエルフが末裔からの言、あえて奇襲を避けた意味と併せて、かつての同胞として多少なりとも信じて頂けると幸いですね」
「……いいだろう。こちらだってエインヘリアルに殉じたいわけじゃないしな」
「それで? 不利な状況に甘んじてまで、わたしたちに伝えたいことがあるのでしょう?」
 アイスエルフたちは、ここでようやく氷結輪の切先を地面に向けた。
「なに、こっちの話も聞いてほしいってだけさ。できるだけ主観は排するつもりだが、信じるも信じないもあんたら次第だ。これからどうするのかもな」
 汗で湿った髪をかき上げながら、竜人が言う。
「まずはオレたちケルベロスだが、一言で言えば地球を護る為の存在だ。害意のない物を滅ぼしはしないし、叶うなら敵対もしたくない」
「ああ、特にエインヘリアルに完全に従っているとも思えないあんた達みたいな相手とはな」
 刀を収めた雅貴が何時になく真摯な雰囲気で語り、恵がそのあとを引き取って補足する。
 雅貴は、かつての同胞が望まぬ戦いを強いられる姿は見たくないと願っていた。なによりも、彼女たちが滅ぼされる痛みを知るのなら、その痛みを他者へと向けてほしくはないと、強く願っていた。
(「俺はこの星の一員となった事に後悔はない。願わくは、彼女たちもいつかそう思ってくれたらいいのだが」)
 そのためにも、未来へ繋がる選択肢を示さなければならない。
 続けて、口を開いたのは千翠だ。
「むしろ話ができる相手なら、手を差し伸べたいって奴がほとんどだ。俺たち『オウガ』はチェインの枯渇を解消するために地球で暴れたことがあんだけど」
 これが決断の助けになるならと、千翠は己の経験を語り始めた。
「あいつら、話を聞くために敵対していた奴を開放したり、殺さないようわざわざ耐久戦を挑んだりするし、挙句には攻性植物に滅ぼされようとしたところを星を越えて助けに行ったりしたからな」
 信じられないだろ、とばかりに千翠は肩をすくめてみせる。
「まあ、物好きな連中だよ、ケルベロスってやつは。ただ俺たちはそれに助けられた。なら今度は、俺たちの番だろ。無理強いする気はないけどよ」
「それはオウガだけの話ではありません。我等ヴァルキュリアはザイフリート王子と共に行動した結果、地球側へ付くことを選びました。そんな俺たちから見て、王族たちは皆、自分の野心や主義を最優先して大局を見ていないように思えた。レリ王女も同様に、女性第一主義故にあなた方のうち男である者を信用しておられない」
 エインヘリアルの元を脱したという意味で、ヴァルキュリアは先達だ。実感の籠もった右院の言葉はそれだけ重いだろう。
 ここまでの話で、敵意が無いことは十分に伝わったのだろう。アイスエルフたちの空気は明らかに柔らかくなっている。けれど、最大の問題は尚も残っていた。
「そうね、ケルベロスたちがいろんな種族を受け入れてきたってことはわかったわ。男たちの問題もその通り、まだ解放されてもいない。でも何よりの問題として、定命化を当たり前のように受け入れている、貴方がたの存在は信じ難いものよ」
 そう、デウスエクスにとっては『死』こそが問題である。
「俺は生まれつき死ぬタイプの生きモンだからよ、不死を捨てる重大さは分かんねえ。だから今理解してもらおうとは思ってねえよ」
「定命化は不老不死を捨てるってことだし、簡単に地球を愛せなんて言葉も言えない。まずはあんた達自身で世界を見てほしい」
 それは竜人や恵たちにもわかっていた。この場で容易に片付く問題ではないとも。だから、定命化を受け入れろだなどと言えるはずもないのだ。
「そして見聞を重ねた上で合流すると決断されたなら、私たちはみなさんを快く迎え入れることでしょう。……勿論、現状維持を望まれるのもご自由です。ただ、その際は刃を向け合うことになるでしょうが」
 敢えて最悪の事態を上げてまで、シルクは彼女たちの決断を尊重すると伝える。
 そんなシルクに、気風の良いアイスエルフは笑いかけた。
「なに、そう怖い顔をしなさんな。アタシはあんたらに着いてくと決めたよ」
「……あなた、本当によく考えた? そんな簡単に頷けることじゃないわよ」
「じゃあ、このまま帰るってのかい? エインヘリアルは全滅しました、でも私たちは無傷でピンピンしてますって」
「それは……、そうだけど」
 そして不安そうな仲間には声を掛け、フォローしている。
「一緒に来てくれるってなら歓迎するよ。私たちの仲間になってくれるってなら、もっと嬉しいんだけどね」
 話がまとまったと見えたところで、プランは明るい調子で声を掛けた。
「おう、アタシら8人ともついていくから、よろしく頼むぜ。仲間になれるかはわからないけどな」
「あ、決まった? なら早く帰ろうよ。結構な大所帯で目立つしね」
 リリベルはそっけない様子でそう言うが、説得が成功してホッとした雰囲気を醸し出していた。
「ええ、捕捉される前に離れましょう。そちらのお嬢さんもいいかしら?」
「俺は男っ! 男だからね!」
「あら、ごめんなさい。可愛らしいからてっきり……」
 さすがに再度戦闘に突入したら、次は耐えきれない。
 アイスエルフたちとうまく話をつけた一行は、拠点に戻るため緩衝地帯を足早に駆け抜けて行ったのだった。

作者:Oh-No 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年3月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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