●暗躍する指揮官
まるで工場のような、機械に覆われた空間に、長い4本の腕を生やした女がいた。
この場に戦歴の長いケルベロスがいれば、彼女の名がわかったかもしれない。
ダモクレス6大指揮官の、最後の1人。ジュモー・エレクトリシアン。
「ケルベロスの戦闘力は、急激に進化しています。私たちダモクレスも進化しなければ、いずれ滅びるでしょう」
語りかけている相手もまた、ケルベロスにとって知った相手だった。『攻勢機巧』日輪と『防勢機巧』月輪が、合わせて数体。
先日行われた戦争で逃亡に成功した者たちだ。
「多くの犠牲を払って得た宝瓶宮グランドロンの力……私たちの進化に役立たせてもらいましょう」
そう告げるジュモーの手には、宝石……コギトエルゴスムが乗っていた。
●襲撃するダモクレス
とある地方都市の郊外にある工場を、ダモクレスが襲った。
巨大な機械の上や下を材料が流れていく。その流れを追っていくと、材料が徐々に製品へと変わっていく様を確かめることができるだろう。
もっとも、襲撃者にとってはそんな流れなどどうでもいいようだった。
壁を破壊して5体の巨大な腕型ダモクレス……2体の日輪と3体の月輪が姿を見せる。そして、その力を従業員と建物に余すところなく振るった。
姿はかつてリザレクト・ジェネシスでケルベロスと戦ったときからいくらか変化していたが、襲われる一般人たちにとってはそんなことは関係ない。
放たれる炎と氷は雷をともない、激流となって人々を飲み込む。
やがて、無人となった工場の残骸からダモクレスたちは資材を運び出していった。
●ヘリオライダーの依頼
「宝瓶宮グランドロンにつながる事件が多発している中ではありますが、リザレクト・ジェネシスで残った敵の残党が起こす事件を予知しました」
くだんの戦争で敗戦後に撤退し、行方をくらましていたダモクレスの『日輪』と『月輪』の量産型が工場を襲撃し、資材を根こそぎ強奪していくというのだ。
もちろん居合わせた従業員は皆殺しにされる。
「敵の目的は工場の資材と考えられるため、従業員にはすでに避難するように手配しています」
ケルベロスたちは工場へと駆けつけ、襲撃してくる敵を撃退して欲しいと芹架は言った。
襲撃を受けるのは従業員十数人程度のあまり大きくない工場だ。家電の部品を作る下請け業者らしい。
「以前現れた時に比べて全体的に褐色にくすんだ色合いとなっており、金属の滑らかな質感ではなく生物的な雰囲気を持っているようです」
なんらかの改造が施されている可能性がある……が、少なくとも現段階で戦闘能力を大きく変化させるものではなさそうだ。
「工場には2体の日輪と3体の月輪、計5体が出現します」
日輪は炎を用いて範囲攻撃や、範囲回復を行ってくる。いずれも対象を炎上させるが、敵にとっては攻撃力を上げる効果となる。
また、雷を伴った炎の爆発を起こして、近接攻撃もできる。これに焼かれた傷は治りにくくなるので注意が必要だ。
月輪も氷による範囲攻撃を行い、氷結させてくる。氷の壁を作って防御力を高めることもできるようだ。
また、巨大な手で帯電させてつかむことで、対象を麻痺させる攻撃もできる。
「敵は逃亡することはありませんので、戦闘に集中することができるでしょう」
ただ、5体もの数がいるのは厄介なので注意して欲しいと芹架は言った。
「ダモクレスはリザレクト・ジェネシスで失った戦力を補充しようとしているのでしょうが、それを見過ごすわけにはいきません」
日輪と月輪を倒して欲しいと芹架は言った。
参加者 | |
---|---|
二藤・樹(不動の仕事人・e03613) |
タクティ・ハーロット(重喰尽晶龍・e06699) |
イリス・フルーリア(銀天の剣・e09423) |
四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129) |
ヒメ・シェナンドアー(白刃・e12330) |
筐・恭志郎(白鞘・e19690) |
神無月・佐祐理(機械鎧の半身・e35450) |
新城・瑠璃音(相反協奏曲・e44613) |
●工場を守る番犬たち
ダモクレスによる襲撃が行われる工場にいるのは8人のケルベロスだけだった。
「生物的な色合いの強い日輪月輪……妖精種族のコギトエルゴスムが影響しているのだろうか……果たしてどんな力を秘めているやら……」
愛用の日本刀『千鬼』に手をかけたまま、もうすぐ現れるはずの敵について四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)は思いをはせていた。
彼女の言葉を聞き、別の1人が口を開く。
「ナマモノ解禁って、いよいよダモクレスもなりふり構わなくなってきた感じ? まぁ、答えてくれるわけないだろうけど」
青いジャージ姿をした二藤・樹(不動の仕事人・e03613)は、一見すると工場の作業員に見えるかもしれないが、彼もまたれっきとしたケルベロスの一員だ。
「……資材が必要、となった時に『とりあえず略奪』って思考は何なんでしょうね。慎重に強化を重ねようとする割に、やる事が雑なんですから」
筐・恭志郎(白鞘・e19690)は中性的な眉根に、少ししわを寄せた。
「当然、させる訳もないですけど」
青年の言葉に仲間たちが頷いた。
「資材を奪うだなんて、それは許されませんよ」
神無月・佐祐理(機械鎧の半身・e35450)が言った。
「ダモクレスの進化というのも気になりますが。私も機械部分を持つ身体ですしそっちの意味でも気になりますね……」
「進化ってのは、やっぱりコギト玉が関わってそうなんだぜ? だったら、回収しなくちゃなだぜ」
ミミックを連れたタクティ・ハーロット(重喰尽晶龍・e06699)が言った。
「そうですね……コギトエルゴスムの悪用は怖いですし、ここはしっかりと叩きましょう!」
青年の言葉に、佐祐理も改めて力を入れ直した。
壁にひびが入ったのはその時だ。
「ダモクレスの変異も気になるけど、まずは眼前の処理をしなければね」
ヒメ・シェナンドアー(白刃・e12330)が赤い瞳を砕かれた壁に向ける。
「リザレクト・ジェネシスから数ヶ月経ちましたが、ダモクレス勢力もいよいよ活動再開と言ったところでしょうか」
桜の花を髪に咲かせたイリス・フルーリア(銀天の剣・e09423)が言った。
「ですけど、好きなようにはさせませんよ!」
視線の先で、5体のダモクレスが炎と氷を撒き散らしながら飛び込んでくる。
他のケルベロスたちも、すでにそれぞれの武器を構えていた。
「皆さんの労働の成果、勝手に持っていくことは許しません」
デルフィニウムを髪に咲かせた新城・瑠璃音(相反協奏曲・e44613)の、凛とした声が工場内に響く。
それが、戦いの始まりを告げる合図となった。
●襲来するダモクレス
日輪と月輪がケルベロスたちへと襲いかかってくる。
だが、ケルベロスの動きはデウスエクスの速度を上回った。
千里は妖刀“千鬼”を抜いて、近づいてくる日輪のうち1体へ刃を向ける。
「逃げようなんて無駄……絶対に殺す」
敵は量産型とはいえ、ケルベロスたちよりはいくらか格上らしい。後衛から狙う千里や樹はともかく、他の者は確実に当たるとは言いがたい。
刃に乗せた重力エネルギーを、刀に似た形で日輪へと飛ばす。
反発するエネルギーは鏡のようにすべてを反射しながらダモクレスへと迫っていく。
そして千鬼流の壱の型は、吸い寄せられるようにして敵の巨体を断った。
ディフェンダーらしいその敵は守りを固めて威力を減じてくるが、反重力で吹き飛ばされるのは防げない。
敵が派手に吹っ飛んだ隙を逃さず、樹が千里の動きに連携して爆破スイッチを押した。
前衛に出てこようとしていた日輪たちをまとめて足止めする。
出足をくじいた敵の姿を千里は確かめた。本来の茶色とは異なる、緋の色を宿した瞳で、彼女はダモクレスたちを観察する。
聞いていた通り、褐色をした姿はどこか生物的なものを感じさせた。
「あれが妖精族のコギトエルゴスムによるものなのかどうか……確かめなければな」
観察する千里の視界が、炎にさえぎられた。
日輪たちが河のように激しい炎を放ってきたのだ。
タクティは襲い来る炎からイリスをかばった。ミミックもヒメをかばっている。
「行動原理が分かりやすいというか何というか……つーかこれはどちらかと言うと能力実験とかそっちの方ぽいかな……だぜ?」
千里と同様、タクティも日輪と月輪の変化にはコギトエルゴスムが関わっていると考えていたが、しかし見たところどこかに宝石がついている様子はない。
「倒してから調べてみるしかないかなだぜ。けどまずは、その暑苦しい炎をどうにかさせてもらうんだぜ」
ハンマーやリングを仕込んだガントレットの中で、拳を固めて日輪へと接近する。
そうしながら、彼は今攻撃してきた1体へオーラを放ち、炎を結晶化させた。
「叩き割らせてもらうんだぜ!」
ガントレットを叩きつけると、炎にひびが入った。すぐに結晶化は解けたが、そのときにはすでに、打撃役らしい敵が放つ炎の勢いは弱まっている。
かばわれたヒメやイリスが、タクティの後ろから飛び出した。
「足の止まった敵を狙うわ」
「はい。こちらも合わせます。灼き尽くせ、龍の焔!」
攻撃してきた敵ではなく、ディフェンダーらしい相手を狙う。ヒメが空の魔力を帯びた刀を振るい、イリスが竜の幻影に炎を吐かせた。
1体だけ後衛に位置する月輪が氷壁を作り出して日輪を守らせている。
中衛にいる他の月輪たちが雷を帯びた指先を伸ばしてくる間に、他の3人は支援の技を使っていた。
「……生物っぽい雰囲気……とか言われると、嫌な予感しかしないんですけど。まずはその進化も、戦力増強の資材も、止めないとですね」
恭志郎の攻性植物が、産み出した黄金の果実の輝きを反射して虹色に光る。
「身に纏う力を破る刃となれ」
瑠璃音がうちに潜む殺意を仲間たちに感染させ、佐祐理はゾディアックソードで星座の結界を描き出した。
「なんかエッグいことになってるナマモノ部分がどう来るかと思ったけど、変な動きはしてないね。もっと、見た目にわかりやすい変化があればいいのに」
「今のところ、雷の力を使っているということくらいしか目立った変化はありませんね」
佐祐理は樹の呟きを聞き、応えた。
ただ、それも個体差としてありえる範囲だろうが。
(「変化がないとすれば、妖精の意思はすべてダモクレスに取られてしまっているのでしょうか」)
心の中で呟く。それは佐祐理にとってはあまり考えたくない状況だ。
(「私が、ダモクレスに意思を全部取られる、というのは正直考えたくないですが。レプリカントの人格『サリー』が暴走したら、解ったモンじゃないですね……」)
身震いをしつつ、佐祐理はギターの弦を弾く。
追憶にとらわれずに前へと進む、その思いを込めた曲。その調べは心持たぬはずの敵の戦意すらくじいていた。
ケルベロスの攻撃はダモクレスを縛っていたが、多数の敵はなかなか縛り切れない。
月輪が氷の激流を後衛へと放ってくる。
素早く移動した恭志郎が瑠璃音をかばう。
衝撃を受け止めた青年は声を上げなかった。ただ、歯を噛み締めて耐えるだけだ。
「助かりました。ありがとうございます」
瑠璃音は彼の背後から礼を言った。
「気にしないでください。回復役に倒れられたら、俺たちのほうが困りますから」
柔らかく笑う彼の体は月輪の攻撃で凍りついている。
「すぐに回復しますから、待っていてください」
「頼みます」
再び前進する彼だけでなく、瑠璃音はタクティやミミックの様子も確かめる。彼らも日輪の攻撃で炎に包まれているようだ。
聖なる歌声を響かせる。
「死ぬことのなき亡国の姫、出会う者に祝福を謡う。やがては別れになると知っていても」
それは不死なる姫の歌。
幾多の別れを経験し、それでも死すべき宿命の者たちを祝福し続けた姫の歌。
不屈の歌が仲間たちに力を与え、氷や炎を消し飛ばしていく。
回復の技を使い分けて、瑠璃音は仲間たちを支援し続ける。
●ダモクレスを打ち倒せ!
工場内での戦いは続き、やがて仲間を守ったミミックが月輪に捕まれて崩れ落ちた。
「お疲れ様なんだぜ、ミミック!」
タクティがサーヴァントに声をかけた。
その時にはディフェンダーの日輪ももう倒れる寸前だった。
「あの日輪を片付けるわ。そうすればこちらが有利になる」
ヒメは緋石と碧玉を宿した機動魔刀を両手に構え直す。
「そうね。回復はさせない」
炎を放とうとする日輪の先手を取って、千里が後方から一気に接近した。
黒の少女が振り上げているのは、巨大なナノナノぬいぐるみ型のハンマーだ。にらみつける表情に変わったナノナノが日輪を打ち、氷河期の氷で包んだ。
動きに合わせて、ヒメもすでに攻撃に入っていた。
「この剣は阻めない――」
言葉と共に、両手の機動魔刀が十字を描いた。
護りを貫き徹す斬撃が、氷の中にいる炎を割く。そして、十字の軌跡はダモクレスの巨体を四方へと散らした。
1体を倒したケルベロスたちは、次いで後衛で回復に回っている月輪を狙う。
タクティや恭志郎が瑠璃音の支援を受けながら前衛や中衛の攻撃をしのぎ、その間に千里や樹、ヒメやイリスや佐祐理が遠距離攻撃で追い詰めていく。
「しっかしこう、どうせならきっちりペアにすればいいのに。いやしたらしたで、とんでもない合体攻撃してきそうだけど」
樹は腕に装着したハンディパソコンで爆破を設定しながらぼやいた。
観察は続けているが、生体部分がなにか特別なことを仕掛けてくる様子はない。
「けど、なんもないはずはないよな。もうね、いかにもロクでもないこと企んでる感がひしひしと」
戦闘のこの場で発動するものではないとすれば……。
「平成の最後くらいはゆっくりしたいんだけどね」
呟きながらも、樹は敵を狙い続けている。
「束縛せよ、魔呪の邪光!」
イリスの放った石化の光が月輪を貫いた。
集中攻撃を受けている敵はもう瀕死だ。距離を取って回復しようとしている。
だから、樹は逃げる先へとグラビティで作り出したものを蹴りだした。
「足元にお気をつけてください、っと」
月輪の足元でスイッチが入る音がした。樹が飛ばした、見えざる地雷の起動音だ。
大きな爆発の中を下方から浴びて……それでも月輪は立っていた。
だが、別に立っていたって構わない。
「よろしく」
たまたま目があった佐祐理へ片手をあげる。
「Das Adlerauge!!」
間髪入れずに彼女の黒瞳から放たれたレーザーは、動きの止まった月輪を過たず貫き、打ち倒した。
残る敵は3体。クラッシャーの日輪と、ジャマーの月輪が2体。
クラッシャーは、せめてケルベロスを1人でも倒そうというのか猛然と攻撃をして来たが、タクティや恭志郎が守りを固めてしのいでいる。
恭志郎は、眼前で炸裂した炎と雷から腕で身をかばう。
衝撃を受け、青年を包んでいた花弁のように舞う白い光が、わずかに輝きを増した。
「少々つらくなってきたけど、もう誰も倒させませんよ。この手が届くうちは――」
体を覆う光とは違う、陽炎に似た揺らぎが手に宿る。
日輪へ一歩踏み込むと、敵は攻撃を警戒して身構えるが、それは攻撃の技ではない。
自分自身に手のひらを押し当てる。仄かな暖かみが体の中へと染み透った。熱が焼かれた体を修復していく。
「恭志郎さん、私からも命を譲ります」
喰霊刀を通じて瑠璃音も魂のエネルギーを送ってくれた。
「助かります」
応じた恭志郎の目の前で、日輪が再び攻撃態勢に入ろうとしていた……が、その寸前、青年は斜め前へと1歩踏み込んだ。
青年の背後から、千里のナノナニックハンマーから放たれた竜砲弾が回避しようのないタイミングで日輪へと襲いかかった。
「油断大敵……」
千里の呟きが後方から聞こえて、恭志郎の視界の端で日輪が砕け散っていった。
残るは2体。
月輪たちは氷壁を作り出して守りを固めようとするが、瑠璃音の殺戮衝動が感染しているケルベロスたちは、それをたやすく打ち砕く。
見る間に敵の体力は削れていった。
「もうおしまいなんだぜ!」
仮面の形をしたタクティのオウガメタルが鋼の鬼へと変化し、敵の装甲を打ち砕いた。
淡い燐光を着物の裾からこぼしながら死角から接近したヒメの斬撃と、佐祐理の目から放ったレーザーが装甲の傷をさらに広げた。
イリスは翼を広げて、刀を空へ掲げた。
「光よ、彼の敵を縛り断ち斬る刃と為せ! 」
全天より光が集まる。彼女の銀髪が、集まる光を受けて輝いて見えた。
「銀天剣・零の斬!!」
煌々と輝く刀を一閃すると、時間を停止するその光の力で月輪の動きが止まる。
止まる時間は数秒。その間に翼から溢れた光が無数の刃となって、敵を切り刻んだ。
そして、残る敵は1体だけとなった。
8人のケルベロスが集中攻撃をかける。
千里の妖刀が、タクティのガントレットが、ヒメの二刀流が流れるように月輪を襲う。
月輪がまた氷壁を作り出すが、イリスの吠える拳と樹のグラビティを乗せた爆発がそれを砕いている。
恭志郎が星型のオーラを蹴り込むと同時に佐祐理のほうへと足先で押しやり、そこにまた星型のオーラが飛んで装甲を大きく破った。
「時すらも凍る鏃よ」
瑠璃音の刀から矢のように放った弾丸は砕けた装甲の隙間から月輪の内部に入り込み、敵を氷をまとった敵を内側から氷の塊へと変えていた。
●コギトエルゴスム
「……とりあえずは片付いたね」
だるそうに樹が言った。
「壊れた場所はヒールしておかなくてはね」
ヒメが周囲を見回す。
なるべく工場に被害を与えないように考えていた者もいたが、それでもだいぶ壊れてしまっているようだ。
「そうですね。残骸から拠点の情報が得られないか調べておきたいところですが、直しておきませんと作業員の方が困りますし」
瑠璃音が頷く。
「情報収集は任せます。ケガしてる方も一緒に手当てしますから来てくださいね」
言って、佐祐理は損傷個所へ剣を向けた。
「私はヒールを準備していないので、お手伝いをするくらいしかできませんが」
「手伝いだけでも助かりますよ。できれば、狙っていた資材に傾向がないか調べておきたいですね」
イリスへ告げて、恭志郎も修復に加わる。
仲間たちがヒールしている間に、タクティと千里は敵の残骸を確かめていた。
「ええと……お、あったみたいだぜ」
ダモクレスの残骸の中には、予想通りコギトエルゴスムがあった。
「……回収しても変化はないか。時間をおけばなにかあるかもしれないが……」
残骸の様子を千里が確かめていた。
この場ですぐにわかるほどの情報はなさそうだ。ただ、時間をかけて、後で改めて調査したり検討したりすればなにか得られるかもしれない。
今わかるのは、ダモクレスの目的がけして資材だけではないということ。
宝瓶宮グランドロンを巡る事件は、まだ終わらないようだった。
作者:青葉桂都 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2019年3月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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