のんびり足湯を満喫しよう

作者:八幡

●雪の降る日
 頬に感じた冷たい感触。
 斬宮・紅緒(憧憬の雪路・en0267)が自分の頬に手を当て、その正体を確かめれば、
「雪、ですね」
 白い結晶は、見るまに指の先で水滴へと変わっていってしまう。
 変わってしまった雪を名残惜しそうに見つめていた紅緒は空を見上げる。
 見上げた空からは次々と白い結晶が降りてきて、暫く見ているとなんだか空へ吸い込まれていくような錯覚を覚える。
 紅緒は暫くその感覚を楽しむように空を眺めて、
「いけませんね」
 服に雪が積もり始めていることに気が付くと、小さく笑って屋根の下……近くにあったバス停の下に入る。
 そして、だいぶ体も冷えていたようだ。
 紅緒はかじかむ手に息を当ててほぐすも、寒さでつま先の痺れるような感覚だけはどうにもなりませんねと首を傾げ……傾げた視線の先に一つの張り紙を見つけた。
「わぁ」
 その張り紙には足湯を満喫しながら美しい景色を見ようと書かれており……その張り紙を見た紅緒はぴくりと耳を動かしたのだった。

●のんびり足湯を満喫しよう
「足湯に行きませんか?」
 通りすがりのケルベロスたちにチラシを手に紅緒が声をかけると、興味を持ったらしい何人かが足を止める。
「ここは天然温泉を利用した足湯を提供していて、雪景色を見ながらそれを楽しめるようなのです」
 紅緒が嬉しそうに渡してきたチラシを見れば、そこには大体以下のようなことが書かれていた。
 美容、健康、肩こり腰痛に効果ありの温泉の湯を使用した足湯。
 雪化粧された山々を見ながら、安らぎの一時を。
 当宿自慢の特性アイスクリームも食べ放題――。
「あ、アイスクリームだけではなく、おしるこなどやケーキなどもあるようですよ」
 それだけが目的ではないのですよと視線を横にそらす紅緒は、他にもいろいろあるようだと付け加えた。
「足湯で体を温め、ゆっくり景色を楽しみながらのお茶会、とても素敵だと思いませんか?」
 説明を終えると紅緒はケルベロスたちを真直ぐに見つめて、
「もし宜しければ、一緒に参加していただけると大変嬉しく思います」
 一人で参加するのは心細いのか、紅緒は祈るように両手を胸の前で組んで、一緒の参加しようとお願いするのだった。


■リプレイ


 足元から立ち上る湯気……その湯気の元たる温泉のお湯に足を漬けてみる。
「んんー……あったかぁい」
 真っ白な足を湯につけて、しみじみとその温かさを体感するリュシエンヌ・ウルヴェーラ。
「温まる……足を浸けているだけなのに、こんなにも癒されるとは」
 そして妻たるリュシエンヌの横に腰を掛けて、ウリル・ウルヴェーラもまたしみじみと湯の暖かさに浸る。
 実際足湯に足を漬けているだけで、体の中まで癒されていくようで……外の空気の冷たさなど気にならないほどに体が暖かくなる。
 それにと、ウリルが周囲を見渡せば、白い衣装に身を包んだ山々の姿が目に入る。何とも言えない落ち着いた……荘厳ともいえる景色は心を癒してくれるようだ。
 心身ともに癒してくれる。日本の温泉は文化だなとウリルが頷いていると、横から甘い香りがしてくる。
「ルルの文化は汁粉のようだが……」
 大自然に向けていた意識と視線を横に向ければ、そこにはあったかなお汁粉を幸せそうにすするリュシエンヌの姿があった。
「うん?」
 日本の文化の極みよねと幸せそうな笑顔でお汁粉をすすっていたリュシエンヌであったが、じっと見つめてくる夫の視線に気づいて小首をかしげた。
「美味い?」
「うんっ。うりるさん、ルル幸せ」
 そんな小首をかしげる妻にウリルが問えば、リュシエンヌは再び満面の笑みを浮かべて幸せだと笑う。
 幸せそうにもぐもぐとお汁粉を食べるリュシエンヌに、ウリルもつられて笑い……自分も何か欲しくなってきたなと顎に手をやる。
「柚子アイス……」
 そういえば何か自慢のアイスクリームだと言っていたような。せっかくだから味わって置くかなと、その名を口にすれば、
「……柚子あいす? それ、とっても日本文化を感じる響きね」
 リュシエンヌのお耳がぴくぴくと動いて、キラキラとした瞳をウリルに向ける。
 甘いものに目が無いのか夫と同じものが食べたいのか、それは不明だがウリルがリュシエンヌが持つお椀の中身をちらっと確認すれば、すでにお椀の中身はかなり減っていて、
「……ルルも追加を頼む?」
「お汁粉の後にさっぱりできそうだから、ルルも食べたいな」
 夫の問いに、リュシエンヌは満面の笑みで答え、妻の答えにウリルはそう言うと思ったよと小さく笑った。

 リュシエンヌが空になったお椀を覗いて満足そうな笑みを浮かべていると、そのお椀に白くてふわふわしたものが落ちてくる。
 その白いものは、最初の一つに続いて次々とお椀の中に落ちてきて、
「あ……うりるさん、降って来た?」
 リュシエンヌが空を見上げれば、空一面から羽のような雪がふわふわと舞い降りて来ていた。
「ん? ああ、本当だ」
 そんな妻に倣うようにウリルもまた空を見上げ……そっとリュシエンヌの肩に手をまわして抱き寄せる。
「……日本の冬って、綺麗ね」
 抱き寄せられたリュシエンヌはウリルの肩に甘えるように頭を寄せる。
 そんな妻から伝わってくる暖かさにウリルは笑みを浮かべる……春になれば春になれば日本へ来て一年になる。それまでもう少し、冬を一緒に満喫しようと。
 そして、抱かれた肩と頬から伝わる夫の暖かさにリュシエンヌは目をつむる。夫と過ごす季節はどれも特別でこの冬ももちろん。節目を数える春も待ち遠しくて――今を、未来を楽しみにしようと微笑んだ。


 はらはらと降り注ぐ雪の中。
 ざっくざっくと雪を踏みしめて歩く二つの人影。
 一つは雪の中をずんずん進む、白く染まる世界に合っても輝きを失わない金色の髪と、黒い肌を持つ少年。
 もう一つは、その少年の後について進む、青く長い髪と優し気な風貌の青年。
「うん、これくらい歩き回れば大丈夫!」
 積極的に雪の中を歩き回っていた少年、ジェミ・ニアは満足した様子で息を吐き、
「結構歩き回りましシタ」
 吐く息も白いジェミの様子を眺めて優し気な青年、エトヴァ・ヒンメルブラウエは目を細める。
 ジェミとエトヴァは何故歩き回っているのか? それは、程よい疲れにじんわり来る足湯を堪能するためなのだ。そのために結構な時間二人は歩き回っていた。
 エトヴァが自分たちが歩いた道のりを確認してみれば、すでに半分くらいは雪に埋まっていて、その足跡を確認できない……本当に結構歩きましたねとエトヴァが目を細めていると、
「エトヴァ、こっちこっち!」
 すでに足湯の場所まで移動していたジェミが大きく手を振っていて、
「すぐに行きマス」
 その両手に握られていた二人分のアイスクリームに微笑みを深めた。

 足元を流れる温泉。
 その間近に設置された長椅子に、ジェミとエトヴァは腰を掛ける。
「ふー……足元からしみるー」
 そしてさっそく足湯に足を入れて、疲れが流れ出る―とほっこりしているジェミ。
 そのジェミの様子に笑みを浮かべながら、初体験である足湯に足先から徐々に湯に浸すエトヴァ。
「……これハ……温かイ……ぽかぽかして参りまシタ」
 足をすべて浸すころには温泉の暖かさが足から伝わり、体中がぽかぽかしてくる。
 ジェミと共に下準備として歩き回っていたおかげか、足の疲れが足元から抜けて行くような何とも言えない心地よさがあり、さらに冷えた足先に伝わる熱に新しい力を与えられているようで、体中が元気になっていくような気がした。
「山が真っ白で、眩しさが目に染みるー……」
「……ああ、良い眺めですネ」
 そして目の前に広がる真っ白な山々。静寂に包まれてただ白く染まる世界はどこか神聖で、どこか懐かしくもある。
 足湯に浸かって疲れを流し、絵に描いたような山々を眺めながらジェミとエトヴァは肩の力を抜いて、ゆっくりとアイスクリームを頬張る。
 アイスが美味しいーと色々と染み渡り餅のように蕩ける意識の中、ジェミがエトヴァを見やれば、エトヴァもまた景色を眺めて肩の力を抜いているようだ。
 そんなエトヴァの姿に満足したのか、足が温まったせいかジェミはかっくんかっくんと舟を漕ぎだして……ジェミの様子に気づいたエトヴァが寄り添って、ジェミの頭を受け止める。

 エトヴァは肩から伝わるジェミの暖かさに目を細めながらも、ジェミが口にくわえた匙と手に持ったアイスをそうっと抜き取る。
 ジェミもまたエトヴァから伝わる温もりが心地よいのか、良い夢でも見ているのか口元を緩ませて幸せそうな笑みを浮かべている。
 そんなジェミの寝顔を優しく見守りながら、エトヴァは再びアイスを口の中に運んで……熱に溶けてゆくアイスの甘さを味わうのだった。


 空から落ちた来る白い結晶。
 ふわふわと落ちてくる雪たちは羽のようにも見えて……それらを眺めながら、玉榮・陣内はまったりと足湯に浸かる。
 足から伝わる温泉の暖かさは体全体に伝わってとても心地よく。ついつい気が緩んでしまいそうだ。
「夏、俺ん家に顔出さなかっただろ」
 だからだろうか、それとなく、本当にそれとなく陣内はその話を切り出すことができた。
 陣内が話しかけた相手……正面で足をぶらぶらさせて湯をかき回していた、比嘉・アガサは陣内の言葉を聞いてピクリと耳を動かすも、何も言わずにパシャパシャとお湯をかき回す。
 しばらくの間空を見ていた陣内は、視線を正面に向けると、何も言わないアガサに向き合う。

 8月の盆行事に姿を見せなかったアガサを、陣内の両親が心配していたのだ。
 陣内の両親は毎年、アガサの両親と……陣内の姉を迎える支度をしていて……そのことを知っているアガサは陣内の視線から逃げるように、うつむき気味に横を向く。
 そんなアガサの態度に陣内は小さく息を吐く。
 アガサの態度の理由は分かっている。
 盆行事の直前にあった事件……血にまみれた青い羽根と、それとよく似た何者かに出会ったあの事件。
「あれは、凪じゃない。凪じゃなかったんだよ、アギー」
 自分の掌を見つめれば、その手にはべっとりと赤いものがこびりついている気がして、別のものになってしまったかのような錯覚を覚える自分の手のひらの感触を確かめるように陣内はその手を握りしめる。
 それはあの時に染まったものではない。
 けれど、同じ顔、同じ声を持つものを相手に、再びこの手を朱色に染めることもできず。ただ絶望に立ち竦んだあの日。陣内の代わりに手を染めたのは、アガサであり、愛しき恋人であり、頼もしい仲間たちだった。
 手のひらを見つめて黙ってしまった陣内にアガサは口を開く。
「おじさんとおばさんの顔を見るのが辛かったんだ」
 あの時この手で討ったもの……その姿を思い出してしまうからか、あるいはその親への罪悪感からか。
 いずれにしても、あの事件がきっかけだったとアガサは頷いた。
「あれはただの死神だ」
「うん。あれはお姉ちゃんじゃなくてただの死神だった。頭の中ではちゃんと理解してるんだよ」
 実際に討ったものはただの死神に過ぎない。それは十分に理解している。けれどもとアガサは続ける。
「でも、感情が追いつかなくてさ……」
 優しい歌声を覚えている。優しく良い香りを覚えている。ふんわりと柔らかく包み込んでくれた感触を今でも忘れられない。
 それはいつかきっと空色の翼をもつ天使の姿をおぼろげにしか思い出せなくなっても残り続ける記憶だろう。
 だからこそ、それを討ったという記憶が感情を揺らすのだろうか。

「罪の意識に苛まれるべきは、俺だった。すまなかった」
 陣内は手を降ろして、真直ぐにアガサと向き合い言葉を紡ぎ、
「何で陣が謝るの? 悪いのは死神でしょ? もう、調子狂うからそういう湿っぽいのは無しにしようよ」
 急に誤りだした陣内に小首をかしげたアガサは、調子狂うからやめてと陣内の足をゲシゲシと蹴る。
 蹴りながらもアガサは、こうやって蹴ったり叩いたりしても……何があっても陣内が自分を見捨てたりしないって信じているから、そこに甘えているのだろうなと考え、
「甘えたいときに暴力に出る癖は直せよ」
「ニヤニヤしてんじゃないよ!」
 まるでその考えを読んだかのようにニヒルに笑う陣内の足……すねの部分をゲシゲシと蹴る。
 本当はお兄ちゃんって呼ぶべきなんだろうけど、呼んであげないのだ。なんか悔しいし。このまま対等で居たいし。
「俺はいいけどさ、お前がそれで安心できるんなら」
 そんなアガサの心の内をも見透かしたように、蹴られながらも陣内がニヤリと笑って見せると、
「だから、ニヤニヤするなってば!」
 尻尾を膨らませたアガサは猛烈な勢いで陣内の足を蹴り始めたのだった。


「これはまた出会いの予感をビンビン感じるイベントだな」
 足湯をまったりと楽しみつつ呟いたエイジ・アルトラングレーの言葉に、斬宮・紅緒はそうですねと笑みを浮かべる。
 出会いは求めればどこにでもあるものだ。この場も求めさえすればそういう場にもなるだろう。
 あちこちでまったりと足湯を楽しんでいるケルベロスたちを微笑ましく見守りつつ、その様子を楽しんでいる様子のエイジに紅緒が頷いていると、
「紅緒ちゃんはお誕生日おめでとうにゃ!」
 紅緒の横に腰を下ろしつつ、深月・雨音が祝いの言葉を口にした。
 それから足湯に足を漬けて……ゆっくりとその足を振れば、暖かい湯の抵抗が心地よく。のほほ~んと雨音の思考と表情が蕩けて行く。気持ちいいにゃ~と零す雨音に本当ですねと紅緒が返せば、
「紅緒ちゃんの尻尾ももふもふにゃ。手入れをしてあげるにゃ」
 その特大尻尾がゆらゆらと揺れていることに気づいた雨音は、尻尾を手入れしてあげるにゃと提案してくる。
 雨音の提案に紅緒は少し考えるが……よろしくお願いしますと微笑み、それを聞いた雨音はうきうきと自分の手入れ道具を取り出してきた。
「こんなにいい尻尾があると、毛繕いは怠けちゃいけないにゃ」
 それから再び紅緒の横に腰を掛けて、雨音はゆっくりと紅緒の尻尾をブラッシングしたりケアしたりして行く。
「雨音も毎日尻尾の手入れをしてるからこんな毛艶になるのにゃ」
 ついでに自慢のレッサーパンダの尻尾を得意げにフリフリすれば、紅緒はついつい触りたくなってしまいますねと感心した様に目を丸める。
「えへへ、終わったにゃ」
 そんな紅緒の反応に気を良くしたのか雨音は手入れの終わった紅緒の尻尾をしばらくもふもふして堪能し、
「とってきてやったぞ」
「ありがとにゃ! あ、あとケーキのこれとこれもお願いにゃ」
 その間にエイジに頼んでいたらしいアイスを受け取りついでに追加を頼んだりする。エイジはへいへいと雨音の注文を受けて……注文の品を取りに行くついでにあちこちで目の保養を楽しんでいるようだ。
「一緒に食べようにゃ」
 それから雨音は紅緒にアイスの一本を差し出して……アイスクリームをぺろぺろしつつ、恋バナならぬ尻尾バナを咲かせるのだった。

 雨音と尻尾談義に花を咲かせる紅緒の横。
 いつの間にか腰を掛けていた、マリオン・フォーレは、何故かがっくりと項垂れているチロ・リンデンバウムの頭をごりごりと撫でていた。
「……ワシはもう駄目じゃ……人間社会に馴染み過ぎて、かつての切れ味を失ってしまった……」
 マリオンにごりごりされながらもがっくりと項垂れるチロは何か不穏なことを言っている。
 そんなチロの様子に、今日は縛られていないし、何か悪いことをした様子でもなさそうですが……と紅緒は小首をかしげるが、どうやらことはチロの尊厳にかかわることのようだ。

 出発ぎりぎりまで「お誕生日おめでとうとお祝いする以外に、出来そうなことが無い……」と頭を抱えていたらしいチロ。
「そもそもそれがお誕生日会の正しい姿だからな?」
 なんて当たり前のツッコミを入れるマリオンだが、チロとしてはそれでは満足が出来ないのだ。
 山のてっぺんから雪玉となって転がってくるとか、料理の一つとして運ばれてくるだとか、そんな度肝を抜いてやらないと……否、それ以上の斜め上の何かをしてやらないとチロは満足できないのだ。
「お祝いの名のもとに面白いことやって、笑いを取らなきゃいけない祭りじゃねーぞ? ……で、その手に持っているものは何なのさ」
「これか? これは農薬を極力使わず、コンパニオンプランツと木酢液で育てた完熟いちごを丁寧に乾燥させたものでな」
 とは言え一応何かは用意したらしい。ため息交じりに確認するマリオンに、チロは力なく笑いながら答える。
 そのまま食べても美味しいが、ソフトクリームに乗せると、乾燥いちごのサクサクっぷりとアイスのミルク感がベストマッチの逸品になるんじゃよと。
「……お前……結構良いプレゼント持っとるやんけ……それで何が不満なの? 相手の度肝を抜かなきゃ死ぬ病気なの?」
 実際なかなか素晴らしいチョイスであるチロのプレゼントにマリオンは閉口するものの、
「自称美貌の機動戦士のトリオンにゃ、分からんのじゃ」
 そんなマリオンをチロが鼻で笑って……二人は取っ組み合いの喧嘩を始めたのだった。

 どうやらそんなことがあったらしいなどと、紅緒は知りもしないが、
「……という訳で紅緒さん、お誕生日おめでとうございます」
「プレゼントはこれじゃ。女子力高めの紅緒ちゃんにお似合いじゃと思うての」
 どこか疲れた様子のマリオンと、何故か悔しそうに普通に素敵なプレゼントを渡してくるチロの様子に、何かを察したのか紅緒は「わぁ!」と努めて明るくそのプレゼントを受け取る。
 それから早速プレゼントを開けてみた紅緒は、今度は本当に嬉しそうに尻尾を揺らして、おすすめの通りにアイスにのせて食べてみる。
 アイスにのせた感想苺のサクサク感と得も言われぬ甘味と酸味は本当に素晴らしく……紅緒はきらきらと目を輝かせながら、チロ様も一緒にと代えのスプーンでアイスをあーんして、
「冷えは女性の大敵ですからね……ゆっくり温まって、美貌と健康を保ちましょうね」
 そんなチロたちの様子を見ながら、マリオンは目を細めたのだった。

作者:八幡 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年3月4日
難度:易しい
参加:10人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 2
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