●陰謀
「さあ、これでコギトエルゴスムから復活したりんね♪」
少年とも少女ともつかぬ甲高い声が響き渡る。
声の主は、第七の魔女・グレーテル、儀式の成功に目を細めると、牛の被り物を脱ぎ捨てた。
「蘇生に加えて拠点の迷宮化まで、かたじけない。この恩に報いぬ余ではないよ」
在りし日の姿を取り戻した者はタイタニアと呼ばれる妖精八種族のひとり。その姿を上機嫌に見つめるグレーテルの肌の色つやはやたらよく見える。
「そりゃ当然りん♪ せっかく遊興とルーンの妖精をゲットしたんだから、ばりばり役に立って貰うりん♪ キミりん達は、ボクりん達魔女と相性バッチリりん♪」
数秒の沈黙の後、タイタニアのひとりは口を開く。
「……ならばまずは、同胞を戻すため、グラビティ・チェインの獲得に赴くかな」
「そうりんね、手伝うりん♪ そろそろボクりんも牛脱いで、本気出しちゃうりん♪」
牛を脱いで剥き出しとなったグレーテルの肩に寒風があたる。なんだか寒い気がするりん。『タイタニア応援団長♪』とでも墨書きしたたすきを用意して置けば良かったかも知れない。
●星の綺麗な夜
「あれがオリオン座、真ん中にみっつの星が並んでいるから簡単に見つけられるよね」
その右上に行ったところに輝くのは牡牛座の一等星アルデバラン、そして左下にひときわ強く輝くのはおおいぬ座のシリウスであると、少年は誰もいない窓に向かって語りかけている。
「シリウスは美しいよね。僕もダイヤモンドと呼ぶに相応しいと思うよ」
「キミは……? すごい。本当の妖精さんなの?!」
身体の内から現れた青い幻影が窓に映り直後、実体と変わる。
直後、背中の羽根が広げられて、その幻青色の深さに目を奪われて、少年は歓喜する。
「——たばあっ!!」
だが、胸に激痛が走る。喉の奥からこみ上げてくる血の塊に喉を詰まらせながら、少年はパジャマのボタンが千切れ飛ぶ程に胸を掻き毟り血を吐き出しながらのたうち回る。
それは少年が妖精と信じたタイタニアが、その姿を現す溜に凄まじい勢いでグラビティ・チェインを奪った副作用。
「赤に変わるにはまだ早い——」
タイタニアは今にも死にそうな少年にヒールを掛けると、星空を映したような羽根を広げて飛び去った。
●ヘリポートにて
「リザレクト・ジェネシスの戦いの後、行方不明になっていた『宝瓶宮グランドロン』に繋がる予知があったから、気になる者はよく聞いて欲しい」
ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)はいつものように落ち着いた口調で話を始める。
「純真な少年少女のグラビティ・チェインを奪って妖精型デウスエクスが、実体化する事件が起こり始めた」
このデウスエクス歯妖精8種族の1種と推断できる。
目の前にいない妖精をいると信じて、何も見えていないのに、語りかけるような、少年少女の夢の中にコギトエルゴスムが埋め込まれており、充分な力が溜まった段階で、デウスエクスが実体化するという仕組みと想像される。
「夢の中にコギトエルゴスムを埋め込むという手口から連想できるのは、ドリームイーターが一枚絡んでいるかも知れないってことだよね」
今回、予知した事件では少年は塗炭の苦しみを味わうけれど、ヒールを掛けてフォローをしている点は突起できる。出現する妖精型デウスエクスに、被害者を殺傷する意図が無いようにも受け取れるからだ。
「動きの傾向を鑑みれば、妖精を信じる純真な少年少女でなければ、妖精型デウスエクスの復活には利用できないとはほぼ確実だ。これを前提にターゲットとされた子どもに会って、『妖精を嫌いになったり、妖精に興味を失う』ように仕向ければ、妖精の復活は出来なくなると予想できる。帰結として、子どもの夢の中からコギトエルゴスムが排出されるはずだ」
今回の依頼は、この子どもの夢の中にあるコギトエルゴスムの確保であると、ケンジは確りと告げる。
「現場には急いで向かうから、タイタニアが実体化する前には到着できる。猶予は長くないけれど、少しぐらい会話するぐらいの時間はあるだろうから、上手いこと対応してね」
上手いこと行かなければ、タイタニアは実体化する。
復活したばかりのタイタニアはもやしのように脆いので、戦わずに逃げようとする。
「当然、デウスエクスとして復活した以上は、コギトエルゴスムの確保は出来ない。諸君ほどの力があれば、復活したタイタニアをへし折るぐらい造作もないことだろうから、どのように扱うかは任せるよ」
但し戦わずに会話をするなら、猶予は1分程度。
撃破以外の方法で、逃亡を阻むことは、恐らく無理だろう。
「子どもの夢を壊す——と言うのを言葉のイメージのままにネガティブに捉える必要はないと思うよ。『妖精よりも興味を抱いたものに関心をむけたくなる』と考えれば、悪いことをしている気分にはならないよね」
言ってケンジは、コピー用紙を巻いて作った円柱形状の上面と側面を示した。
「例えばこの円柱だけど、上から見れば円の形、横から見れば長方形だよね。一つの考えに拘り過ぎたら本質を見失うこともあるから気をつけて」
そう言ってから、ケンジは時計をみると、出発の時が来たと告げた。
参加者 | |
---|---|
アイラノレ・ビスッチカ(飛行船乗りの蒸気医師・e00770) |
ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544) |
綾小路・鼓太郎(見習い神官・e03749) |
ティユ・キューブ(虹星・e21021) |
オニキス・ヴェルミリオン(疾鬼怒濤・e50949) |
フレデリ・アルフォンス(ウィッチドクターで甲冑騎士・e69627) |
●夢は壊さない
ガチャッ。
少年の部屋のドアが勢いよく開け放たれた。
暗い部屋の中で窓際に立っていた少年は跳び上がるほどに驚き、ベッドの上で勢いよく尻餅をついた。
「こんばんは、初めまして」
灯りがつくとベッドの上で仰向けに倒れている少年が見えたので、アイラノレ・ビスッチカ(飛行船乗りの蒸気医師・e00770)は、礼儀正しく挨拶をする。
コミュニケーションの基本はまず挨拶から。
しかしいるはずのない妖精に星の話をするのに夢中だった少年にしてみれば、母親に良くない一人遊びの現場を押さえられた時と同じような状況だ。しかも6人もいる。
「……誰なのっ! 僕をどうするつもりなの?」
心臓をバクバクさせたまま、ベッドに仰向けになった少年の視界に、薄型ボディスーツ——Avatarを纏った、ティユ・キューブ(虹星・e21021)の身体が映る。
よく見れば線維型演算回路で作られたスーツが身体の凹凸を詳細にあらわしているような気がして、少年は恐怖とは違うドキドキした気持ちが胸の中に沸き起こってくるのを感じた。それは年頃の男の子が普通に抱いてしまう女体への興味。少年の眼差しに好奇の色が滲むのに気がついて、ティユはさりげなく後ろに一歩引いて、ローアングルを攻めんとする視線を躱すうように腕を組んだ。
「こういう服。珍しく見えるのかな?」
剃刀の如き鋭い一言に、再び跳び上がるほど驚く少年。
「ご、ごめんなさい。ごめんなさい!」
色々やましい感情を抱いていたのか少年はベッドの上で土下座する。そんな素直な態度にティユは目を細めて優しく頭を撫でてあげる。
「もうすぐ誕生日って聞いたよ。——これはプレゼントだよ」
そう告げてティユは書籍の入った包みを少年に渡すのであった。
「あ、ありがとう、お姉さん!!」
少年が装備品のデザインに目を向けたのは偶々だが、一工夫すれば戦いや説得の場において、服装で意図を伝えたり、雰囲気を補強するツールになり得る。
まだ打てる手はたくさんあると、アイラノレは刹那に思いを巡らせながら、嬉しそうに包みから取り出した本のページを繰る少年の前に出た。
「私はケルベロスのアイラノレといいます。以後お見知りおきを、お名前をお聞きしても?」
「七星——と書いて『ななせ』だよ」
六畳の部屋に人類社会の英雄的存在であるケルベロスが6人も訪ねて来ている。しかも誕生日のプレゼントまでもらった。今少年の心は舞い上がっていて、幸せの絶頂にあった。
そして当然だが、この時点で他の人には見えない妖精の存在を信じてひとりでおしゃべりしていたことなど、すっかり忘れ果てている。しかしそれだけでは、コギトエルゴスムが排出される様子は無かった。
「そうそう、星、お好きなんですか? 実は私もなんですよ」
大人が相手なら、事実を告げてコギトエルゴスムの排出のための協力を仰ぐ手もあっただろう。しかし夢を壊してしまうという漠然とした不安を誰もが抱いていたため、本当の理由を告げぬまま、説得は開始された。
「お姉さんもなんだ——」
幸い、少年が今の幸運すぎる状況に疑問を抱くことは無かった。
単純に自分が好きな星を好きと言われれば悪い気はしなかったし、想像上の妖精との一人遊びを咎めに来たわけでもなく、単に星の話をしたいと言ってくれるのだから、少年は疑うことなく信じた。
「私、飛行船に乗っているのですが、船から見る星がとても綺麗で――」
「すごいや。お姉さんの船はヒンデンブルグ号みたいに大きいの?」
「詳しいですね。ですけど、そこまでは大きくないですよ。それにガスの安全性にも配慮していますから」
そう言って、アイラノレは窓を開け放ち、夜の風景を背に掌上に映し出すのは愛船の立体画像。実物のスケール感までは再現できないけれど、昔の客船とは違って高高度にも滞留できる仕様を聞いて、成層圏に何日も留まることが出来るなんて素晴らしいことだと、少年は瞳を輝かせる。
「そうなのです。技術は進歩し続けていますから、七星さんが宇宙に行ける日も近いかも知れません」
成層圏プラットフォームのある高度20kmから一挙に宇宙と呼ばれる100km超へ。宇宙へと話を膨らませるのは、綾小路・鼓太郎(見習い神官・e03749)である。
「宇宙は良いですね、未知の浪漫に溢れています」
鼓太郎の関心は星では無く宇宙工学的なこと、地球の大気の外側を飛行するためのお約束ごとである。
因みに高度50km〜80kmあたりまでは上昇するほどに気温は下がるが、そこから先、高度800kmぐらいまでは温度が上昇すると言われる。この熱はこの高度にある酸素や窒素の分子や原子に宇宙線が衝突して生じるとされている。
「宇宙線を観察できる霧箱と言う物を御存知ですか?」
鼓太郎の問いかけに、少年は自信に満ちた頷きを返す。本棚に目をやれば何十年も前に発行されたとおぼしき子ども向けの物語の全集やカラー図鑑が並ぶ。それらには宇宙の他にも、昆虫や恐竜、鳥、植物などジャンルが分けられてる。
「それなら話は早いですね。その霧箱を一緒に作ってみませんか?」
「えっ? 本当に、やりたい」
今すぐにと表情を期待に顔を上気させる少年だったが、鼓太郎は明日になってからにしようと告げる。
宇宙工学においては温度や宇宙線など過酷な宇宙の環境で生き残る手立てが重要になる。
この分野においては充分な考察と我慢も必要なのかも知れない。
「そう言うことだ、工作はまたの機会に。今日はちょっと遅い時間だけど七星の好きな星を、近くで見たくないか?……もし、高い所が苦手でなければだが」
ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544)の提案に少年はそれまでのやりとりを忘れたかのように食いついてくる。
「落ち着け。寒い夜だぞ。まずは暖かくしないとな。それにご両親にも断らなければ——」
「それなら問題無いです。さっき聞いておきました」
「やけに手回しがいいのだな」
鼓太郎の言葉に、ディークスは、ほうと感心したように息を漏らす。ならば暖かい飲み物でも用意しようと台所に向かう。2月の寒い夜だ。およそ10歳の男の子には、お茶が良いのか、それともココアのようなものが良いのか思案する。
●星空の下で
星空を見るためにやって来たのは、少年の自宅近くの標高50メートルほどの山。
山全体が神社の境内になっていて、頂上付近には社がある。そこには御神木であるクスの巨木が枝を広げている。
少年の方を見れば妖精のことなど気にも留めていないようが、未だ体内からコギトエルゴスムは排出される気配はない。
「さぁ着いたぞ。こんな時間に来るのは初めてだろう?」
「うん、部屋の窓からしか見たことなかったから」
時間は夜23時を回ったころ。フレデリ・アルフォンス(ウィッチドクターで甲冑騎士・e69627)は、指を握る少年の手の暖かさを感じながら冬の星座についての話題を振った。
「双子座は有名な冬の星座だよね。ほらあそこ、同じくらいの星が2つならんでいるよね」
次の瞬間、指先に微かな余韻を残して離れた、小さな手が北の空を指し示す。二つ並ぶ星は日本でも様々な呼び名がつけられているそうだ。
「本当によく知っているんだな。感心するぜ」
「僕もプラネタリウムに住んでいる身だよ。キミの星の話はとても興味深い」
少年の気持ちを盛り上げるように、フレデリは褒め言葉を重ね、ティユが自らの持つ知識を交えて、さらに話を膨らませて行く。少年はますます勢いづいて、図鑑や本に記されていたであろう知識や、憧れから来る想像、そして未来の夢までをも喋り続けた。
「宇宙もいつか行きたいと思っているしね……戻る、みたいな感覚もあるのだけれど」
「戻る、どういうこと?」
知識はかき集めたが、まだ集めただけで、整理はできていないとティユは常々思っていた。
「それはね——」
漠然とした星の世界への思いを、かき集めた莫大な知識からティユは導き出そうと試みる。
果たして複雑な話が一段落するタイミングに合わせて、ディークスは暖かいミルクティーを差し出す。
一服ついた少年の表情が落ち着きを取り戻すのをみて、オニキス・ヴェルミリオン(疾鬼怒濤・e50949)は決意を固めて前に出る。
「吾だ、オニキスだ。久しぶりに遊びに来たぞ。なんだ汝、吾を忘れたのか?」
「え? えっと……オニキス?」
本当は初めて会うのだから、記憶がある筈は無い。
しかし少年は自分が忘れていると思い込んで、自分が覚えていないのが悪いと思って、頭を抱えるようにしながら必死に思い出そうとしている。
「相変わらず、愛想が無いな。前世からの幼なじみだろう。プラブータでの約束、忘れたとはいわせぬぞ?」
ちょっと気の毒な気持ちになってきたが、ここでやめるわけには行かない。近所の顔見知りで幼なじみという設定を貫き通すオニキス。それが作り話だとは疑わない少年は記憶が混乱して、現実と夢、虚構の境界が入り交じってわけが分からなくなって来る。
「ご、ごめんなさい。全然思い出せ……フワッ——ハーックション!!」
「ん、花粉症なのか? まったくしょうがない奴だな」
くしゃみを繰り返しながらしゃがみ込む少年の背中をオニキスがさすり始めるが、なかなか落ち着かない。
どうも様子がおかしいと誰もが思い始めた瞬間、少年の口から人差し指の先ほどの大きさの何かが、勢いよく吐き出されて、石畳の上で澄んだ高い音を立てながら跳ねた。
直後、少年の呼吸は落ち着いた。
「災難だったな。大丈夫か?」
少年に異常が無いことを確認した、オニキスとティユが安堵の表情を見せる一方、ディークスは少年が吐き出した物を拾い上げる。そしてコギトエルゴスムであることを確認した。
「上手くいったようだな」
「そのようですね」
直後、そのコギトエルゴスムをのぞき込むようにして、鼓太郎とアイラノレ、フレデリが表情を穏やかにして頷き合った。
●夢の続き
アイラノレはディークスから預かったコギトエルゴスムを丁寧にしまい込んだ。
これで目標は達成したと言えたが、少年を放置して帰ろうとする者はいない。
「全く仲睦まじいことですね。さて、これから、どうしましょうか?」
そしてオニキスと少年の方を見遣った。本当の幼なじみのようだと、本当に楽しそうに目を細めた。
「あの少年、ちょっと素直だけど、ちょっとませて来てるようだったし、どうなるのかな?」
プラネタリウムを用意しようとも考えていたけれど、こんなに綺麗な本物の星空が見えるのだから必要なさそうだと、ティユは肩をすくめる。そして少年とオニキス、2人の頭上に、星の輝きで天の川を描いた。
「おお、川のようだ。これはなんという星の輝きだ?」
「西洋では女神の母乳が流れたという神話もあって、ミルキーウェイって言うんだよ。それに七夕のお話で織女星と牽牛星の間を隔てて会えなくしているとか、いろいろあるんだよ」
「汝とても詳しいのだな! すごいぞ!」
図鑑の星の知識と童話のあらすじを組み合わせて語るだけでも、そこには語り手である少年の意思が反映される。オニキスはそれに率直に感心し、そんな様子にティユは目を細める。
切っ掛けは内なる妖精の存在を打ち消すための作り話であったが、それが真実か否かなど、最早どうでも良いことで、事実も記憶も無いけれど、そう言うことがあったのだろうと善意的に受け止める少年も、過去の記憶の中に少年が居たことにしているオニキスも本当の友人と再会したかのように見えた。
凍てつくような寒い冬の夜。
星を隔てる本物の天の川のもと、ディークスの淹れてくれたミルクティーの温かさが身体の芯に染みる。
「だいぶ遅くなりましたし、そろそろ帰りましょうか? 続きはまた明日で……」
鼓太郎の呼びかけに、ふと時計を見ると、午前1時まであと10分ほどになっていた。
少年も朝には小学校に行かなければならない。
6時には起きて、7時過ぎには家を出るというスケジュール、これ以上起きているのは相当に不味い。
「少し遅くなりすぎましたが、仕事の報告が終わりましたら、また来ますので、今度は霧箱をつくりましょう」
「うん、約束だよ——学校おわったら、一緒に作ろう!」
相変わらずオニキスと仲よさそうに、並んで階段を降りてゆく姿を見送りながら、デークスは持ってきた水筒やらカップやらを片付けながら穏やかに微笑む。
「……さ、終わった」
その声にフレデリは緩く頷き、もう一度遥かに永遠に続くが如き星空を見上げた。
「俺らも報告に帰ろうか」
「そうだな……」
ケルベロスの仕事は、仕事の成果を報告するまで終わらない。
確保したコギトエルゴスムが、今後どのように扱われるのかは、知らない。
しかし、もし壊されれば元に戻すことの出来ない、少年の純な心を損なうこと無く、依頼された使命を全う出来たのは素晴らしい成果であった。
破局へ連なる連鎖は断ち切られ、喪失が積み重ねられることも無かったのも大きい。
「やれることはやったよね。あとはどうしようか」
家に帰ってひと眠りしたら、少年との約束を果たすために、またここに戻ってくる者もいるのだと気がついて、ティオはなるようになるさと、気楽に考えることにした。
地上に灯りは殆ど無く、空には繊細な淡い帯を掛けたような天の川が輝いている。
そして、数え切れないほどの、それら一つ一つの輝き全てに、個別の世界が存在する。
作者:ほむらもやし |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2019年2月25日
難度:普通
参加:6人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 0
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