美少女騎士に扮する女性レイヤーたちを襲う者たち

作者:塩田多弾砲

『モンスター・ナイト・ガール(MONSTER KNIGHT GIRL)』
 通称『MKG』『モナガ』。
 それは、携帯端末やPC上で楽しめるゲーム。
 舞台は、剣と魔法のファンタジー世界のとある王国。
 様々な魔力や属性を有するモンスターと、その能力を有する美少女騎士が数多く存在しており、プレイヤーは騎士団長となって(ガチャで)彼女達を召喚、騎士団を結成する。
 そして、彼女たちを指揮し、様々なミッションをクリアしていく……というのが、大まかな内容。
 騎士にはモンスターゆえの能力や属性を有しており、チーム編成の際に組み合わせる事で、様々な魔法や特殊攻撃を放つ事が可能。その組み合わせを探し出す事も魅力の一つ。
 そのゲームのオンリー即売会会場……となっている、某市内の多目的ホール内にて。コスプレ参加者が……ゲーム内登場キャラのコスプレをしていた。
「ねー、どうかな?」
「おっ、『飛竜騎士ワイーバ』じゃん。デフォルトだけど、スタンダードにワイバーンかっこかわいい!」
「そっちは……『水魔騎士スライ』? スライムだから、青色のクリア装甲がカッコいいんだよね」
「私のはどう? 『大鬼騎士オウガイア』だけど……装甲が小さくなっちゃって。やっぱり地属性ならウルフィアか、ライオネアの方が良かったかなあ」
「甘いわ! 『闇翼騎士カルド』こそ最強よ! 通常版より、イベント限定版の方がよりコウモリっぽくていいのよねー」
 と、女性コスプレイヤーたちが、ゲーム内に登場した美少女騎士たちのコスプレを見せ合っていた。
 が、
「え? ……触手?」
 ワイーバのレイヤーに、触手が。
 彼女だけでなく、カルドとオウガイアにも触手が巻き付いていた。
「何これ! 深海騎士クラーケのコスは、誰もしてないのに……あああっ!」
 スライの鎧の中に、触手が紛れ込む。
 敏感な場所をまさぐられ……美少女騎士のレイヤーたちは喘ぎ声を。
 触手は、彼女達だけでなく、周囲のレイヤーたちにも襲い掛かっていた。
 即売会、そのコスプレ広場には、モナガのキャラである騎士、それも女騎士のコスプレイヤーが多くいた。
 現れたオークどもは、その女騎士を凌辱せんと、更なる触手を伸ばしていった。
「皆さん、『モナガ』……『モンスター・ナイト・ガール』ってゲームはご存知でしょうか? それのオンリー同人誌即売会のコスプレ会場にて、オークが現れるようです」
 と、セリカ。
『モナガ』は、女性からの人気も高い。様々なマンガ家やイラストレーターがキャラデザインを担当しているのも、その人気の一端を担っている。
「場所は、ここ……市内の多目的ホールです。この一階の、大ホール。ここで即売会は行われています」
 小型の体育館か、それ以上の広さと高い天井を有するそこ……多目的ホールの第一ホール。この多目的ホール。場所的には、以前に赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)たちが戦った、洗濯機のダモクレスが出現した場所から、駅一つ分ほど離れた位置に存在している。各種イベントや展示会に用いられ、同人誌即売会の会場としてもしょっちゅう用いられているとの事だ。
 その現場は、南側の壁は一面ガラス。東側の真ん中に大き目の出入り口。そして北側の壁に小さ目の施設職員用出入り口がある。
 この第一ホールを真ん中で二つに分け、南側に机を並べて同人誌および同人グッズの即売会の会場に、北側をコスプレ用の広場として開放。写真撮影などをそこで行っていた。
 そこに、オークが出現し、いつものように……といったわけだ。
「現場は、天井がかなり高く、スペースもありますから、戦うのには困らないかと。ただ、即売会の会場ゆえに、運営、サークル参加者、一般参加者、施設職員など、多数の人間たちがひしめいています。さすがに某イベントほどの人数ではありませんが……まずは彼らの避難を優先しないとなりません」
 オークが出現したのは、大地ホール北側、コスプレスペース。なので、そこから参加者及び運営関係者たちをまず避難させる必要がある。幸いにも、コスプレスペースにはほぼ何も置かれていないため、見晴らしが良い。そして出現したオークどもも、比較的すぐに発見できることも不幸中の幸い。
 しかし、問題が一つ。
「オークから一般人を避難させなければなりませんが……何分今回は人の数が多いので、避難させるのに時間がかかります。なので、ひきつける囮役に、いつも以上に負担がかかると思われます」
 更に、今回のオークどもは、一般人……というより、
「どうも、『モナガの美少女騎士のコスプレイヤーたちを中心襲っている』ようなのです」
 なので、囮として襲われる者たちには、コスプレをした方が良いかも……と付け加えた。
「そういうわけですので、囮役を買って出る方は、コスプレする事を推奨します。とにかく……」
 こういう即売会イベントという、楽しい空間を、オークに穢させるような事はしたくない。
 オークを殲滅し、モナガ……『モンスター・ナイト・ガール』のファンを守ってほしいと、セリカは締めくくった。
「オークは、触手叩き、触手乱れ撃ち、触手締めを用います。皆さん、オークをゲーム内の雑魚モンスター同様に、全部やっつけてやってください!」


参加者
赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)
クオン・テンペスト(黒炎天使・e00165)
六道・蘭華(双霊秘詩の奉剣士・e02423)
瀬戸・玲子(ヤンデレメイド・e02756)
ロージー・フラッグ(ラディアントハート・e25051)
翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)
リーア・レオノーラ(紫銀の戦棍法師・e61699)
ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)

■リプレイ

●モンスター騎士のいる会場
「きゃーっ! なにこれなにこれ!」
「再現度半端ないわね!」
「エモいわ! イケてるわ! かわいいわっ!」
 会場、そのコスプレスペースにて。赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)は囲まれていた。
「ええっ? あ、あの……『甘くみてると、苦い目みるよ?』」
 と、エモいなどと周囲から言われているいちごは、おろおろしつつ決め台詞。
『モンスター・ナイト・ガール』。いちごはあまり知らなかったが、この騎士キャラは良くTVのCMに流れているので、見覚えがあった。
 調べてみたところ、騎士たちには五段階の『レア度』が存在。
 それぞれ『ノーマル(N)』、『レア(R)』『スーパーレア(SR)』『スーパースペシャルレア(SSR)』『ウルトラレア(UR)』。
 上位である程、強力な能力を有している。
 また、同じキャラでも、限定イベントなどの特別な衣装のものが存在。それらは言うまでもなく、通常版よりレア度が高く、強力であるとの事。
 いちごが仮装しているのは『果憐騎士プリムベリー(R)』。
 果実・植物系モンスターの騎士で、武器は『果憐植剣ベリーキャリバー』。
 服や鎧の露出度が低めで、なおかつ体型が似ていたので、このプリムベリーとやらのコスチュームを着てみたが……、
「写真いいですか?」「目線こっちに下さーい!」「いやー、ほんとかわいい」
 似合いすぎて、人気が出てしまった。
 携帯端末のみならず、本格的なカメラを下げた者たちに言われ、あれこれポージングしつつ、写真に撮られる始末。
(「似合っているのは、大変喜ばしいですが……」)
(「目立ちすぎは、ちょっと複雑な気分だねー」)
(「ええ、全くです」)
 などと、彼女に仕えるメイド三人組は、コスプレしつつこそっと会話。
「グラキアさーん、目線お願いします」
 と、翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)に声が、
「え? あ、私ですね。……『クールに燃えて、ご奉仕します』」
 水咲は『献氷騎士グラキア』。献身の氷精霊・グラキエースの騎士。通常はSR、普通のメイド服に近いコスだが、水咲が今着ているのは、イベント限定『クリスタル・クリア』Ver(SSR)。へそやお腹、太腿など、クリアパーツを多用したデザインのコスチューム。
『凍結冬剣アイスライサー』『防完氷盾フロステクター』も、しっかり再現。
「シルクリーパーさん、ポーズいいですか?」
「はーい、『死を以て、奉仕するデスし』」
 瀬戸・玲子(ヤンデレメイド・e02756)、本職のメイドは、騎士のメイドを演じていた。
 献身と死の妖精・シルキーの騎士『奉死騎士シルクリーパー(SR)』。ゴシックメイド風で、手にはメイス『奉死打棍シルクラブ』。
 そして、
「……『光と闇、双方の翼を有する私と知っての事か……?』」
『光闇騎士ブライトダーク(UR)』神族と魔族のハーフである魔法剣士。
『暗輝魔剣ライトシェード』を有する、ゲーム中最強クラスのキャラ。胸も大き目で、髪も白黒に染まっている。
 それに扮するは、六道・蘭華(双霊秘詩の奉剣士・e02423)。そのなりきった様と、彼女自身の整った顔立ちは、他のレイヤーたちから羨む声が聞こえてくるほど。
 主人より従者が目立ってしまう。この場合良いのか悪いのか、悩む彼女だった。

 そして、そこからそう離れてない場所では。
「……に、似合ってるんだな」
「かわいいでござるな!」
 そんなカメラ小僧たちの賛辞へ、
「ありがとう! あ、写真撮るなら並んでくださいね?」
 ロージー・フラッグ(ラディアントハート・e25051)がポージング。
 素早さ・幸運で、危険な一撃を放つ白兎モンスター『ヴォーパル・ホワイト・ラビット』の騎士で、手には『人参剛槍キャランサー』。
 それが、ロージー扮する『白兎騎士ラビティア(N)』。
 そんなロージーの隣りでは、やや嫉妬的にムズかしい表情しているクオン・テンペスト(黒炎天使・e00165)が。
「オークにロージーはやらんが、お前らにもやらん。つーかあんまり近づくな」
(「いやあ、コスプレ姿はかわいいな」)
「……言葉と本音、反対じゃないかなー」
 と、ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)が思わずつぶやく。
 彼女の視線の先には、やはり騎士姿のケルベロス……リーア・レオノーラ(紫銀の戦棍法師・e61699)の姿があった。
 リーアが扮しているのは、『聖槍騎士クリューサ(SR)』……の、ビキニVer(SSR)。聖獣人クリュサイオルの力を有し、『聖獣槍ゴッドライデント』『聖獣盾タイタックラー』で武装している、という設定。
「……ううっ、せめてもう少し恥ずかしくないのを選べば……」
 などとつぶやいている様子だが、その両胸の大きさと形と揺れに、男どもはもちろん、女子たちも釘付けに。
 それらの視線を受けつつ、
(「オーク、とっとと来ないかしら……」)
 討伐依頼よりも、ある意味大変だと、身を以て感じる彼女だった。

 リーアの願いは、すぐにかなった。
 人込みの奥の方から、オークの姿が現れたのだ。

●モンスター騎士の悩み
 すぐにケルベロス達は、事前に打ち合わせしていた通りに動き出した。
「お願いします!」
 と、メイドたちは、蘭華と水咲が離れ、玲子がいちごとともに残ると、
「皆さん、ケルベロスです! すぐに避難してください!」
 いちごが、周囲へと言い放った。
「こっちだよー、慌てないで!」
 ノノも、避難誘導に加わっていた。彼女たち3人が、避難誘導組。
 そして、残り5人は。
『囮』となるべく、オークの気を引くために立ち向かっていった。
「きゃあーっ!」
 ワイーバやスライ、一般人のレイヤーへとオークが触手を伸ばすと。
「そ、そこまで。ここから先は、この聖槍騎士が相手です」
 クリューサ姿のリーアが、くるっと回って(その拍子に両胸がたゆんと揺れ)、決めポーズ。
 ……両胸を寄せて上げ、巨乳を強調するようなポーズに、
「……ううっ、ゲームの再現とはいえ、恥ずかしすぎます!」
 思わず本音が漏れてしまった。
 続き、
 まるで五色の戦士たちがごとく、派手な爆発めいた変身が。
 ダイナマイトモードを発動させたロージーの、派手めに変身した姿が、そこにあった。
「ケルベロスですっ! オークども、覚悟っ!」
 オークが顔を向けると、
「こちらを向きましたね、さあ、来なさいっ!」
 と、ロージーが『ビシ!』……という音が聞こえそうなほどに、決めポーズ。
 続き、プリンセスモードを発動させるは、水咲。
「……冷気は全てを凍らせ止める。動くは私の献身のみ! それが私、グラキア!」
 剣と盾、アイスライサーとフロステクターを構えるグラキアの姿を見せつけた。
 さらに、蘭華は。
「……下賤な怪物共よ、われら騎士団を喰らおうとはいい度胸!」
 MKGのPVやプレイ動画などで、ブライトダークがどんなキャラかを学んでいた。
「歯向かうならば、このブライトダーク……容赦なし! ライトシェードよ、光と闇の混迷を切り裂け!」
 キャラを彷彿とさせる話し方と立ち振る舞いを再現しつつ、オークへと言葉を投げつける。
「我が両の翼は、久遠を奏でし双送曲(ツイン・レクイエム)。光と闇、聖と邪、創世より続きし白(ヴァイス)と黒(シュヴァルツ)のグランギニョルを、お前たちごときが止められるか!」
 意味はわからんが、凄味を以てその言葉を叩き付けるブライトダーク……の、蘭華。
 その言葉に、オークはあっけにとられ、
「あのレイヤーさんたち、本物みたいじゃあない?」
「モナガ、実写化されるとしたら、あんな感じ?」
「グラキアたん、マジ似てる! ぺろぺろしたーい♪」
「きゃーっ、ブライトダーク様素敵! 抱いて!」
 逃げてる途中だというのに、レイヤーたち、とくに女性は、そんな風に瞳をハートにしつつうっとり。
 しかし、いつもの通り……オークの触手が伸びてくると、
「あ、ちょ、ちょっと……そこまで……ああんっ、いやんっ!」
 まずはリーアに絡み、続き、
「ふああっ! あっ……あんんっ!」
 ロージーに。
 いやらしい触手は、伸びて手足を拘束し、まずはリーアの、クリューサのコスチュームの隙間に入り込んだ。そのまま、蠢き始める。
 それに続き、ラビティア姿のロージーにも。
「……やぁ……で、でも……」
 嫌じゃ、ないかな。実を言うとね。……などと、頭の中で考えがよぎっていた。
 触手の先端が、両胸に入り込み、下の方もお尻から入り込み……まずはモミモミともみほぐす。
 続いて、両胸の感じやすい部分、そして下の敏感な場所へと……触手が探り当てると、
「放しやがれ、くそ豚どもがっ!」
 クオンがかけつけ、ゾディアックソードで触手に切り付けた。

●騎士ちゃんは語りたい
 ロージー、そしてリーアを拘束していた触手が切断され、解放される二人。が、ロージーの方には、触手がまだしっかりと巻きついたまま。
「待ってろ、今ほどいてやる……」
 と、クオンは素手でその触手をほどこうとするが……固く巻き付き、なかなかほどけない。
 胸元に入り込んだ触手を取ろうと、手を突っ込むと、
「あっ、ああんっ!」
「あ、す、すまん!」
 くにゅっ……と、ロージーの胸を揉んでしまった。
 お尻の方を先に……と思い直し、同じくとりかかるが、
 むにゅむにゅっ……と、これまた同じ結果に。
「ひゃうんっ! あんっ!」
 感じるロージーに、クオンは慌てるが、
 その感にオークは、リーアを再び襲い、そして……蘭華と水咲にも触手を伸ばし、その手首に巻き付かせた。
「くっ……汚らわしき混沌の力に、この私が……」
「み、みんなの無事の為なら、私は……」
 と、焦るが……、オークは更に引っ張り、さらに……別のオークどもも触手を伸ばす。
「あっ、あっ、だ、だめ……ひああっ!」
 リーアは自力で触手をほどくも、別のオークどもから襲われる。
「は、離せ!……ああんっ」
 蘭華の身体も、オークの触手が這い回り、
「だ、だめ! ……やあっ」
 水咲の服の下にも、触手が潜り込んできた。
 触手が、更に奥へと進もうとした、その時。
「おまたせっ!」
 避難誘導を完了させた、三人が駆けつけてきた。

「メイドなだけに、冥土の土産ですっ! 『そのまま逝っていいデスし!』」
 シルクリーパー……の姿の玲子は、コスプレ用小道具のメイス、シルクラブを脇に置き、自前の武器……リボルバー銃を抜くと、制圧射撃。
 弾丸がオークの卑猥でいやらしい触手を撃ち抜き、ついでに何匹かの頭蓋をも撃ち抜き、引導を渡すと同時に……、
「ありがとう、助かりました!」
「こ、こちらも大丈夫です!」
 蘭華と水咲を、救い出した。
 リーア、そしてロージー及びクオンに迫っていたオークどもには、
「寒いねー、あっためてあげよー!」
 ノノが熾炎業炎砲を放ち、火だるまに。おののく周囲のオークに対し、
「あれ? 熱かった? なら冷やしてあげよー」
 と、今度は別のオークへ、氷結華。炎と氷の攻撃の前に、オークはほぼ全滅。
 が、
『ほぼ』であって、『全て』ではない。
 瀕死のオークが、素早く触手を伸ばした攻撃にまでは……ノノは対処できなかった。
「? えっ!?」
 伸びた触手が、彼女の、ノノの上半身の着衣を……引き裂き、破いたのだ。
 着衣を取られ、ノノの平坦な胸が露わに。そして、気付いた。
 避難したはずのカメラ小僧、および一般参加者たちにより、露わになった平らな胸を、撮影された事を。
 ノノは、すべきことをした。
 オークを禁縄禁縛呪で縛り上げ、止めを刺し。
「見るな! 撮るなぁっ!」
 腕で隠しつつ、涙目で抗議したのだ。
「ノノさん、わかりすぎます。その気持ち」
 と、クリューサ……に扮したリーアが、小道具ではない自前の武器、ゲシュタルトグレイブ『月桂樹の槍』とバックラー『アザレアの盾』とともに立ち、
「今回はわたし、かーなーり、怒っていますよー!」
 と、己が怒りの一撃を、まだ生きているオークに食らわせたのだった。
 かくして、全てのオークが掃討されるのに、そう時間はかからなかった。

●騎士娘レビュアーズ
「いちごお嬢様、それに二人も、大丈夫ですか?」
 水咲の問いに、
「は、はい。そちらは……?」
 同じく、心配そうに問ういちご。
「私も大丈夫。蘭華さんは?」
「平気です。お嬢様と、二人に何事もなくてよかった」
 いちごはもちろん、メイド三人もさしたる被害はなさげ。
「良かったですね。あとはヒールして……」
 と言いかけたいちごだが、
「よく、ありませーん!」
 羞恥により真っ赤になった、リーアの姿が。
「……ううっ、ほんとに消してくれた?」
 ノノも、カメラ小僧の青年たちにカメラを見せてもらっていた。
「…………」
 リーアは、ノノの後ろから、そのカメラの画像をチェックしていたが、
「……!!」
 まるで『ボンッ!』という擬音が聞こえそうなくらいに、真っ赤になり、
「で、データは消去してくださいぃいいいっ!」
 そのまま、土煙を上げる勢いで逃げ出してしまった。
「……あーらら、にげちゃった。……って、え? コスプレ写真、撮っても良いかって?」
 ノノは、カメラ小僧たちのその頼みを承諾。着替えて戻ってきた。
「じゃーん! ゴブリンの騎士、『小鬼騎士ゴブレリア』! ……で、いいのかな」
 でも、なんでまた妙にきわどいんだろう。そんな疑問が生じたが、撮影が始まるとすぐ忘れてしまった。

 そして、一般人の人だかりの中では。
「お、おねがい……う、疼いちゃって……」
「ああ、俺も我慢できない……」
 ロージーに懇願され、自身の巨大なそれを取り出し……、
 多くの一般人に見られながら、ロージーと激しく交わるクオンの姿があった。
 この様子を目撃していた、イベント参加サークルの一部作家諸氏は。
 この時に目撃した光景を元ネタとして、また新たな薄い本を描いたらしいが、真相は定かではない。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年2月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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