バレンタインに向けての闘い

作者:baron

「バレンタインの下見ですか? 色々ありますし、作ったりお礼を考えたりの講習会もやってますよ」
「どうする? 私は気になるけど」
「私は予定ないけど、教えてくれるなら付き合うよ」
 大型スーパーの店先で、チョコレートの販売や簡単な講習会が開かれている。
 教えると言っても湯煎で融かした後、型に入れて冷やすだけだ。
 チョコレートを普通に売っても限界があるし、業務用チョコーレトや器具の販売促進を兼ねて話題作りらしい。
「もっかい融かして冷やし直すと良いらしいよ」
「そういうのはまた今度。まずは一つ作ってみないとね」
 難しく考えずに作って見る。……そんな考えが受けたのか、単に興味がある層が多かったのか。
 女の子を中心に男性陣にもお礼は何が良いかとか、自分への御褒美チョコレートなど丁寧に教えてくれるので、顔を出すくらいは良いかと言う催しになって居た。

 そんな場所で何やら雲行きが怪しくなって来る。
『オマエたちの、グラビティ・チェインをヨコセ』
 天から白い牙が突き刺さり、姿を変えて竜牙兵となった。
 そして殺戮を始めると店先や駐車場を血に染めたのである。


「大型スーパーの店先で行われるバレンタインフェアに竜牙兵が現われると予知がありました」
「せっかくの催しなのに、竜牙兵もひどいわあ」
 セリカ・リュミエールが説明すると、田津原・マリア(ドラゴニアンのウィッチドクター・e40514)が頷いた。
 実際に告白するとかしないとかは別にして、女の子にとってバレンタインは重要なイベントである。
「竜牙兵が出現する前に、周囲に避難勧告をすると、竜牙兵は他の場所に出現してしまう為、事件を阻止する事ができず、被害が大きくなってしまいます。急ぎ、ヘリオンで現場に向かって、凶行を阻止してください」
「戦い始めたら避難してもろうても、ええんですよね? なら問題ありません」
「そうだな。連中は俺らを重視してるらしいから、何とかなるだろ」
 セリカの言葉にマリア達は頷き、説明の続きを待った。
「竜牙兵は四体居ますが、それほど強い訳ではありません。知恵がある分だけ油断できず、バランスも取れているのが面倒な相手ですが」
「闘技場の強いチームと戦った時くらいかな? もうちょっと強いかもだけど」
「なら訓練相手と思えば丁度良いのではないかしら」
 相手は前衛二、中衛が二。ゾディアックソードやチェンソー剣で武装して居る。
 問題なのは知恵があるので、相手も連携して来ると言うことだ。
 集中攻撃を食らったり、相手もまた防壁を張ったりするので注意が必要かもしれない。
「そういえば、時間が判ってるゆうことは事前に潜入してもええのでしょうか? ちょと気になりまして」
「問題ありません。避難誘導は警察に任せるにしても、戦い易いでしょうしね。お手数をお掛けしますが、どうかよろしくお願いします」
「任せときな。……バレンタインってのはちょっと苦手だが」
「まあスーパーらしいし、買い物客に紛れとけばいいだろ」
 マリアの質問に答えたあと、セリカは軽く頭を下げた。
 ケルベロスたちはそれぞれに頷きながら、相談を始めるのであった。


参加者
武田・克己(雷凰・e02613)
ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)
田津原・マリア(ドラゴニアンのウィッチドクター・e40514)
リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)
アルベルト・ディートリヒ(昼行灯と呼ばれて・e65950)
如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)
フレデリ・アルフォンス(ウィッチドクターで甲冑騎士・e69627)
 

■リプレイ


 スーパーの店先にショーアップされたチョコレート・コーナー。
 購入の他に練習できるスペースもあり、女の子達を中心に人々が溢れていた。
「あまり得意ではないのですが、簡単な調理法はありますか?」
「クッキーを焼くより溶かしたチョコを利用するのが簡単です。他には……」
 如月・沙耶(青薔薇の誓い・e67384)の質問に店員はよどみなく答える。
 湯煎済のチョコをマシュマロやポン菓子の上に垂らして行く。
「最近はホットショコラを練って注ぐだけの飲み物が手軽ですよ」
 そして魔法瓶に入ったショコラをコップへと注いだ。
「それは良いですね。練習はしますが、最悪こちらというのが安全でしょうか」
 なるほどと沙耶が頷く中、他のメンバーは各々のペースで購入と言う名のカモフラージュを行って居た。
「む。大きいのに随分と安いな」
 ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)はキャリバーを駐輪場に止めた後、思わず目を見張った。
 業務用は数倍の厚さで二百円ちょっとしかしない。
「本当だ、悪くない。チョコレート栄養豊富だもんね」
 リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)は定番の商品を抱えていたが、同じ様に業務用も手に取る。
 武骨だがこの分量は素敵だ。どっちを買おう。と呼吸を止めて一秒、真剣な目をして購入計画を立てる。
 結果として両方買えば良いじゃないと言う理論が心を走り抜けた。
(「ぐぬぬぬ。いきなり仲良くなった!? バレンタインなんて、バレンタインなんて……!」)
 声には出さないがフレデリ・アルフォンス(ウィッチドクターで甲冑騎士・e69627)は追い詰められていた。
 栄養価という言葉や無表情を見て勘違い出来るのが不思議だ。
(「もし嫉妬心で人が殺せるのならば!」)
 この時の彼は、目に力があればイケメンを殺せるほど嫉妬に溢れていた。
 もし心が水の様に溢れるならば、泉すら湧くだろう。なおフレデリも黙って居ればイケメンである。
「バレンタインか」
 その時、新しく現われた男が颯爽と業務用チョコレートを手に取った。
 それだけではない、隣にあったバーベキューマシュマロ(メリケン印)も同時に手に。
「今年ももうすぐだな。俺も腕を振るうために何作るか考えねぇと」
(「馬鹿……な。この様子は両刀ではない……気遣いのできる真のイケメンだと言うのか!?」)
 そう、武田・克己(雷凰・e02613)は彼女の為にお礼を兼ねた品を作るつもりなのだ。
 彼女が彼に渡すのも、お礼をするのも義務ではないというのに当然の様に行動して居る!
「こちらのポン菓子も如何ですか? ライスチョコレートが簡単に作れますよ」
「大丈夫だ。一人で作るんじゃねえしな」
(「っ!?」)
 店員との自然な会話に驚愕した。
 例え失敗したとしても、彼女との一時を楽しめるから良い……だと!
「慣れた方でしたら……」
「悪くないが、そいつは後にしてくれ。用が出来たんでな」
 克己はウインクしながら、空を指差した。

 そこには変転し始め、ナニカが落ちようとして居た。
「竜牙兵は本当に働き者だなあ」
「むぅ、竜牙兵はどこにでも現れるね。ううん……どこに現れたって犠牲者が出る前にやっつけてみせるけど」
 アルベルト・ディートリヒ(昼行灯と呼ばれて・e65950)が呆れた様に苦笑すると、リリエッタが購入したチョコを仕舞う。
「落ち着いてお巡りさんの指示に従って避難お願いします! 一般人の皆さんには手出しさせません!」
 ここで田津原・マリア(ドラゴニアンのウィッチドクター・e40514)が声を張り上げた。
 ケルベロスコートを解除し、武装を展開しながら人々を勇気付けて行く。
「うちらはケルベロスです! 皆さんは必ず守ります!」
「リリ達が居れば大丈夫、あいつらは直ぐにやっつけるから少しの間、避難してて」
 マリアやリリエッタは竜牙兵との間に立ち、視線を塞ぐ。
 その間に前衛陣が敵に向かい、警察や警備員が避難誘導する時間を稼ぐ予定だ。
「大丈夫だ、行け! 色めく想いを絶望に突き落す様な行い、俺達が見逃すはずがないだろう」
 恐怖に負けそうになる人々にその言葉が暖かい。
 ヒエル達ケルベロスの背中が、その言葉が、どんなに分厚い壁よりも逞しく感じた。


 次々と現れる竜牙兵は最初から抜刀している。
 吹雪が迫り、剣の列が波の様に迫り寄せては返す。
『シネ!』
「あんまし得意じゃねぇが、頑張りますかっと」
 閃く一撃に、克己は思わず必要以上に反応。
 どうやらいつもの癖で、攻撃重視の構えを取って居たようだ。
 仕方無いので最初はジックリと観察しつつ、態勢を変えることにした。
「動きはこっちで止めるね。援護は任せて」
「了解した。必ずここで進軍を止めるぞ」
 リリエッタが取り回し易い様に改良したライフルを構え、敵の猛攻に対して弾幕を張る。
 その下でヒエルは闘気を込めた拳を横薙ぎに払い、凍気を跳ねのけて居た。
「世界の限界は俺たちが取り除く。ケルベロスが切り拓くのは敵じゃない……未来だ!」
「ありがとうございます。必ずや竜牙兵を……いえ、デウスエクスを倒しましょう」
 ヒエルの両掌に灯る気が、傷付いた沙耶を癒すと同時に臨界を突破させた。
 普段は沙耶が使わない筋肉や神経を、熟練者のヒエルが活性化を促す事で、今までの限界から解放させている。
「竜牙兵の襲撃は収束の兆しさえ見せませんが……いつものように返り討ちです」
 沙耶は棍を回転させ、大きな円を斜めに描いた。
 ただし腰を中心に本来の軌道半径を短くすることで、素早く敵を穿つ。
 避けようとしたところで、軽く指先を緩めて追い討ちをかけた。
「さてと。敵はこっちに向かっているか……ここらで仕切り直したい所だが……」
 アルベルトは巧みな足さばきで戦場を駆け風を操った。
 客たちが逃げ出し落ち付いて来たかと思ったが……。
「うおお! 死ねえ!」
 フレデリは激しい怒りに囚われたかのように、やたらと力を開放して居る。
 何があ……いや、もてない男子にしか判らない。
「お前等がやってきた事をよーく考えてみやがれ。お前も、お前も、お前もだあ!」
 その時、フレデリはかつてない怒りの中に居た。
 掲げた剣から降り注ぐ光が彼のトラウマを増幅して……竜牙兵に転写する。
 よーするに……フレデリの胃は発動の為の犠牲になったのだ。
「なんだかうちには良く判りませんが、援護は任せてください!」
「それはそれで傷付きそうな気もするが……。まあ暫く放っておいてやってくれ」
 マリアは修行三昧で年齢こそアレだが、素直な子なのであまり連想はしなかったようだ。
 なんとなく同居人の事を察しつつもアルベルトは静かに見守ることにした。
 元になったのがどんな光景かフレデリに聞いてはいけない。それは悲しい過去であり、また、竜牙兵が見ている光景は別の姿なのだ。
「お店の人もお客さんもバレンタインという特別な日のために一生懸命や。せやからこそ、そんな特別な気持ちを踏み躙る竜牙兵は許せません!」
 マリアは改めて戦意を固めると、オウガメタルを散布して皆のガイドに回した。
 それは傷を塞ぐと同時に、時折に囁いて攻撃を導くのだ。

 だが竜牙兵もやられてばかりでは無い。
『クラエ!』
『ドケイ!』
 個体差はあるものの、むしろケルベロスよりも強い者が多いのだ。
 吹雪を放ち、傷付いた者へ集団で攻め掛る智慧もある。
「そっちは任せた。こちらは止めるぞ魂現拳!」
「とりあえず気を取り直して、戦うとするぜ」
 ヒエルはキャリバーの魂現拳と共に凍気を防ぎ、克己は振り下ろされるチェンソー剣の刃を回転させるように弾く。
 巻き込む様に最小限の動きで行われた防御と突きの切り替えは、まさしく電光石火であろう。
「反撃……いや。ここは確実に行くべきか。はあっ!」
 ヒエルは此処で即座に己の中のグラビティを高め、傷など無かったように氷を融かした。
 心は熱く、しかし頭はクールに。
 戦局を見据え仲間達と共に陣形を整える時間を稼ぐことにした。
「この感じだと最初の一体を倒すにはもうちょっと……っわわ」
 リリエッタはハンマーを砲撃形態に変形させて放つが、華奢な体ゆえか衝撃で揺らいでしまう。
 しかし攻撃を外す様な事はなく爆裂の中に敵影を沈ませる。
「真昼の霹靂よ、紫電となって駆けなさい」
『グヌ。マダダ!』
 そこを沙耶は雷電を放ち、竜牙兵に片膝を着かせる。
 ケルベロスは今だとばかりに逆襲を始めた。
「いい加減に冷静になれ。なんというかな……苦しいのはお前だけじゃない。今は地上に生きる人々を救う時だろう」
「……むうっ!?」
 アルベルトは詳しく語らない。
 だが、こんなに苦しいならば恋愛感情など必要ない。もっと気楽に生きれば良いと思う時だってある。と背中で語っている(ような気がした)。
 そして無言のまま刀を呼び出し闘う姿は、ケルベロスとして在るべき姿(かもしれない)。
「そうだ。俺が間違って居た。真剣に愛し合う人々の為、ケルベロスとしてバレンタインを守る!」
 愛(と、怒りと、憎しみ)を力に変えて!
 今、渾身による必殺の一撃をフレデリは放つ!


 こうして懸命に戦うケルベロス達は、ようやく戦いの天秤を傾けた。
 数分に渡る猛攻によって目的の竜牙兵……そして、ずっとカバーしていた相手の盾役を相次いで撃破したのだ。
「皆さんのケアはお任せを! 思いっきりガツーンといってください」
「任せとけ。守るだけじゃねぇぜ。俺はな。攻撃もするディフェンダーだ!」
 マリアは三体目も傷付いて居ると見て、克己が悩まぬように、治療は自分で十分だと声を掛ける。
 彼女が薬剤のアンプルを沢山用意して居るのを理解して、克己は相討ち気味に刀を振り向いた。
「……かっ! はっ! 風雅流千年。神名雷鳳。この名を継いだ者に、敗北は許されてないんだよ」
 克己の体に星剣が振り降ろされ、反対に彼の直刀は下段から敵の骨を強引に砕いた。
 血を吐きながらも立て直し、仲間を信じて仁王立ちになる。
「後は任せた!」
 ヒエルの言葉は誰に告げたものか。
 魂現拳は彼の代わりに攻撃し、体当たりを掛けて射線を防ぐ。
 気力を仲間に移す彼の代わりになろうとしたのは、キャリバーだけではない。
「地より這い上る闇の鎖よ、リリの敵を締め上げろ!」
 リリエッタが敵の足元に撃ち込んだ魔力はこれまでの様に防がれたりはしない。
 狙い通り地中を通して8本の闇鎖が竜牙兵を締め上げる。
 それは牽制にして牽制に非ず、既に傷付いて居る竜牙兵がメリメリと砕けて行くではないか。
「諦めない強き意思こそが勝利を掴みます!」
 沙耶は勝利を掴む為、カードの力を開放した。
 出現した赤銅色の古代戦車は爆走し、勇猛果敢に敵を蹂躙する。
 跳ね飛ばした竜牙兵が立ちあがることは無い。
「残り一体か。時間の問題だな」
「いや。この日を待っている人々の為に、少しでも速く倒すべきだ」
 アルベルトはフレデリが血の涙を流している事に気が付いた。
 そう、竜牙兵を倒しても、彼がモテモテ(死語)になる訳でもないのだ。
「い、や。無茶しやがってというべきかな。……なんでもない」
 アルベルトは掛ける言葉が見当たらず、ただ得物を握り締める他はなかった。
 後は正義の鉄槌を振り下ろすのみである。
「最後まで気を抜かんと行きましょう」
「ああ……そうだな。そうだな……」
 マリアが優しい言葉を掛けながら薬剤の雨を降らせてくれる。
 彼女の優しさに触れながら、フレデリは過去の勘違いを思い出していた。
 その日、何度目かの慟哭が竜牙兵に伝染したと言う。

 あえてその後の戦いは語るまい。
 苦しい戦いなんて、ここまでで良いじゃないか。

「……ええ、はい。一通り終わりましたんで、直ぐに始められます。特別な日の準備頑張ってくださいね」
 修復を終えたマリアは一意専心、闘いなど忘れた様に携帯を取り出した。
 携帯で避難中のスタッフに連絡を取ると、バレンタインの準備会イベントが滞りなく始められるように手配したのだ。
「後はケアを兼ねて、ケルベロスが居ることで、安心してもらうくらいかな」
「そうですね! やっぱり安心できますからね。……うーん、ならうちも何か習ろうとくかな。ケルベロスチョコとか?」
 ヒエルの言葉に頷いて、マリアはどうやったら人々が安心するか悩み始めた。
「さて、一働きしたら甘い物で栄養補給と休息でもするか」
 そんな中で、アルベルトはゴホンと咳をした。
 彼自身にはその気はなかったが、欲しがっていると思ったのか、気を利かせて渡してくれる者も居る。
「はい。これ良かったら」
「……良いのか? こんな俺なんかで」
 リリエッタは首を傾げながら半信半疑のフレデリにチョコを渡した。
 正確には彼にだけではなく、アルベルトやヒエル達にも渡したつもりなのだが(業務用は溶化し易い様に最初から割れてるし)。
「なあ、コレ俺じゃなくて……。他の……」
「……チョコ食いたきゃ食えばいいだろ。ああ、ありがとう。甘い物が欲しかった所だ」
 半信半疑のフレデリと違い、アルベルトは澄ました顔でチョコを一欠片ほどつまみ、口の中に放り込んだ。
 そんな光景が繰り広げられる中で、真面目にお菓子の練習を始める者も居る。
「……グラノーラの段階からチョイスするのか?」
「面白いですね。これならアレルギーとかにも対処できますし、味わいを変えられるのに……とても簡単です」
 克己がレシピの一つを取り合えげると、様々な穀物を利用するチョコがあった。
 だがそれはチョイスした果実や穀物フレークの上に、溶かしたチョコを掛けるだけで慣れて無い沙耶にも簡単に作れそうだ。
「確かに溶かすだけゆうのはええですね! 型枠さえあれば、ケルベロスとか色々できそうです」
「絵柄も気になりますけれどね。でも、最初は形状とかは気にしない方がよさそうです……できれば味の方を頑張りたいですし」
 マリアと沙耶では真剣度が違うが、そこはそれ。
 付き合っている相手が居るかどうかも大きいだろう。
「まあ一緒に作れば、失敗する過程も良い思い出だと思うがな」
 克己はくすりと洗って、負けても良い勝負なんだからと恋人と共に作る光景を思い浮かべる。
「……お土産くらいは作っても良いかもしれんな」
「俺も自分への御褒美チョコでも作るか」
 門外漢のヒエルも友人達のお土産を考え始めたところで、フレデリも勇気を出して目の間のチョコを一口。
 そして自分用だからと理由を付けて、レシピに手を伸ばした。
「……ところで、バレンタインってなに?」
「そんなことだろうと思ったよ。……愛と正義の為に闘った聖人でも居たんだろうさ」
 世間知らずなリリエッタが首を傾げると、アルベルトは自分ンも何か作るかと笑うのであった。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年2月15日
難度:普通
参加:7人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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