チョコレートを贈り合う百合カップルを狙う者たち

作者:塩田多弾砲

「シズカ、はい……。ぎ、義理よ義理! 義理なんだからね!」
「ありがと麻美。じゃ、ワタシもお返し♪」
 二人が、包装されたチョコレートを交換している。
「……まったく、ただの製菓会社の宣伝じゃない。そんなのに乗っかるつもりは……」
「ノン子、要らない?」
「要るわよ(即答)。……まあ、たまには乗っかるのも悪くないわね。……はい、メグ。あなたへの分」
 別の場所でも、チョコレートを交換する二人が。
 とある女子校の、大食堂。そこでは、そこかしこで『花』が咲いていた。
 恋人二人のみが、咲かせる事のできる『花』……恋人同士の花が。
「まったく、学校でこういう事するなって言ってるのに……」
「早川先生、あの……ど、どうぞ!」
「……小松崎、まったく……わたしからもほら、チョコだ」
 言いつつ、早川教諭の顔は嬉しそうに緩んでいる。が、
「!? な、なんだっ!?」
「きゃああっ! し、シズカ、助けてぇっ!」
「麻美! ……いやああっ!」
「や……やだ……こないで!」
「メグ! ……や、やめてっ! あああっ!」
「助けて! 先生、助けてぇっ!」
 いきなり現れた『触手』が、幸せな空間を魔界のそれへと変化させた。
「や、やめろ……理恵から……離れろ……あっ!? だ、だめ……そこは……いやああああっ!」
『花』が、無残にも詰まれ、純潔も奪われていった。
「前に、『真百合ヶ丘神社』へと初詣に来た、女性同士のカップルを襲うオークの案件がありましたよね。その近くにある女子校、そこにオークが出現するようです」
 セリカが再び、君たちへと発生案件を伝えていた。
「神社に出現したオークは、ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)さんたちが掃討し、解決しました。が、今度は……女子校の、大食堂にて。女子生徒のカップル同士がチョコレートを交換している最中に、オークが出現し襲い掛かるようなのです」
 その女子校は、それなりに大きく、歴史もある学校。そして……女子校ゆえか、女性同士のカップル率も多い。そのため、毎年二月にはバレンタインのチョコ交換が行われている。
「で、この学校では、『二月に入り、14日になる前にチョコを交換したら、真の恋人になれる』みたいな伝統があるらしく、この日はそれを実行する生徒たちが多く見られました。オークはそこを狙い、現れた模様です」
 当然ながら、襲われないように阻止し、オークを掃討しなければならない。
「時間は、昼休み。現場となった大食堂は、体育館程度の大きさと広さで、四人掛けテーブルと椅子が三十組くらい。十人掛けくらいの大テーブルと椅子が5~6組ほど、食堂中央部に置かれています。そして北側の壁は一面ガラス張りで、テラス席として二人掛けと四人掛けのテーブルと椅子が十数組ほど置かれていますね」
 大食堂の西側にある、広く大きな出入口から入ると、向かって右側の壁、南側に購買と券売機が並ぶ。
 購買では、調理パンと飲み物を販売。そして券売機で食券を買った生徒は、厨房に続く受け渡し口へとそれぞれ並び、料理のトレイを受け取る仕組みになっている。
 出入口は、校舎に通じる西側の通路。そして、テラス席へ出入りする北側壁への引き戸(普段は開いており、自由に行き来ができるらしい)。
「オークが出現したのは、床下と天井から……のようです。そして例によって、誰かが囮になってオークを惹きつけ、その隙に女子生徒たちを避難させ、その後で掃討する必要があります。ですが今回、女子生徒の人数がかなり多いので……少なくとも百人以上は居ました……オークの目を引くために、多少工夫が必要かもしれません」
 つまり、『色々と恥ずかしい事を、しなければならないかもしれない』という事だ。
「ちなみに、厨房で働いている配膳の女性たちにもオークが襲っていました。なので、そちらも忘れずにお願いします」
 厨房からは、食堂へ出る出入口の他、厨房奥にある役員用の出入り口があり、そこから人が出入りできる。
「場所が女子校のため、この件は女性限定とします。何より……女性同士とはいえ、愛しい相手へのチョコレートを手渡すイベントを穢すのみならず、女性の純潔をも穢すような事を、放置はできません!」
 なので、このオークどもを絶対に倒してください! セリカはそう付け加えた。
 オークが用いるのは、触手刺し、触手締め、溶解液。その数は、確認できたのは十匹。しかしいつもの事ながら、それ以上の数は確実にいるはず。
「ともかく皆さん、どうか女の子たちの大切なもの、特別なことを、穢させないでください!」
 セリカの言葉に、君たちは立ち上がった。


参加者
レベッカ・ハイドン(鎧装竜騎兵・e03392)
狩魔・夜魅(シャドウエルフの螺旋忍者・e07934)
愛篠・桃恵(愛しの投影・e27956)
草薙・桜依(見習い巫女・e61789)
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)
中村・真菜(ノスタルジア・e63219)
ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)
シャッテン・フェアリーレン(はんぶんこ・e76853)

■リプレイ

●スイート(チョコ)な空間の中で
「ねえ! あの先生!」
「あの人にチョコ渡せばよかった!」
「……付き合ってくれないかな……」
 そんな事を言う女生徒たちへ、ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・e63164)は伊達眼鏡を直すと、
「「「きゃーっ!」」」
 声援が。
「……悪い事じゃないが……」
 と、呟く彼女。
 プラチナチケットで教師を装い、学内に潜入し、食堂内で待機中の彼女は。いつしか取り囲まれていたのだ。
 助けてもらおうと、視線を向けるも。
 教育実習生として潜入した二人……、狩魔・夜魅(シャドウエルフの螺旋忍者・e07934)と愛篠・桃恵(愛しの投影・e27956)は、ここからは遠い。
 近くに要る二人は、両者とも引っ込み思案で消極的。
 残り三人は、もっと遠い位置に。つまり自分は今、孤立無援。
(「……任務より、大変だな。これは」)
 と、ジークリットはため息。
 同刻。テラス席のケルベロス……制服姿のレベッカ・ハイドン(鎧装竜騎兵・e03392)は、軽食を取りつつ読書。
「隣、いいかしら?」
 女子生徒たちが、レベッカへ声を。
「何読んでるの? 恋愛小説? 文学?」
 訊ねる彼女に、
「これは『固体物理学 新世紀物質科学への基礎』という書籍です」
 それと……と、近くに積んだ数冊を手にする。
「『トポロジカル絶縁体入門』、『高分子の構造と物性』です」
「……物理の本?」と、一人が理解を示すと、
「はい。私は物性物理学を学んでるのですが、まだまだ勉強不足でして」
 と、レベッカは笑顔を向けた。

「アイツら、モテモテじゃねーカ」
 夜魅は、券売機前にて待機。
「そうみたいね。二人ともかわいいからねー」
 桃恵もそれに同意。彼女は、タイトスカートに眼鏡と、見るからに女教師といった姿。
「さてと……昼はトンカツ定食にするか、豚の生姜焼き定食か……」
 券売機の前で、夜魅はメニューを目にする。
「豚丼にトンテキ定食? 美味しそう」
 同じく、桃恵もまたメニューに迷っていた。
 そこへ、
「小松崎、何食べる?」
「豚汁定食を。早川先生は?」
「わたしは豚角煮定食だな」
 二人は食券を買い、配膳口へ。その近くには、厨房への入り口。そして、
「いやー、本当に生徒の数多いねー」
 ノノ・サーメティア(オラトリオの巫術士・e67737)と、
「そうですね、にぎやかです」
 シャッテン・フェアリーレン(はんぶんこ・e76853)が待機。
 二人は、制服を着て生徒を装っていた。
「このまま何事もなく、済んでほしいねー」
「ええ、本当に」
 彼女達は、一人も摘まれるわけにはいかない。
 小松崎と早川教諭。彼女らを見つつ、ノノとシャッテンは思った。

●その存在はビター(チョコ)より苦し
「14日になる前にチョコを交換すると、真の恋人になれる、ですか……」
 いい事聞きましたと、食堂内の席に座った草薙・桜依(見習い巫女・e61789)はわくわく気分。
「帰ったら、さっそくお姉ちゃんにチョコを渡しましょうっ。どんなチョコがいいでしょうか……」
 いろいろ考えていくうち、
「うーん、せっかくですから……チョコに身を包んで、お姉ちゃんに食べられちゃいましょうか?」
 楽しみです……と、桜依は一人、笑みを浮かべていた。

「…………」
 その近く、やはり制服姿の中村・真菜(ノスタルジア・e63219)は。
 一人、佇んでいた。
「……いくたびも、オーク関連の依頼に参加してきましたが……結局お母さんを見つけることは出来ていません……」
 チョコがどうこうなどと、そんな気分になれない。
 そもそも、母親を取り戻し、以前の生活に戻る事。それら以外に興味はない。その邪魔をされたくないから、誰とも関わりたくない。
 でも……母親の手掛かりは、全く得られていない。そればかりか状況に流され、したくない事を強制、その拒否もできてない。
 学校の友人たちも、信用と共に失い、一人ぼっち。周囲は誰一人、自分の苦境に気付いてくれない。大体、『脅かされ輪姦されてる、助けて』などと、誰に相談するのか。
「でも……こんな身の上になったとしても……」
 辛い思いをする女の子を、少しでも減らさないと。
 口にした自分のその言葉に、空々しさを感じた。自分一人救えないくせに、他者を救えるのか。
「!?」
 その時、悲鳴と破壊音が。
 オークどもが出現したのだ。

●ぶっかけられたミルク(チョコ)の如く
「お前らの相手はオレだっ!」
 夜魅はテーブルの上に飛び乗り、『グラビティシェイキング』をオークどもへ放つ。
「草薙流退魔術、受けて下さい!」
 桜依もまた、呪符を持ち、
「『熾炎業炎砲』!」
『御業』が放った炎弾が、オークを焼き払う。
 目論見通り、二人へオークの眼が向けられた。
 その間に、ジークリットが、
「さあ、早く!」
 せかされた生徒たちへ、
「騙していて済まない、私は教師でなくケルベロスだ……早く外へ行け!」
 その言葉に、概ねの生徒たちは従ってくれていた。
 が、逃げ遅れた生徒たちへ、オークが。
「ノン子!」
「いやあっ! 助けてメグ!」
「まかせて! 貴方の心を、僕に魅せるの! ……『プラトニックブレイカー』!」
 二人を救ったのは、桃恵が放った幻影。オークの欲望たる幻が、オークどもを殴り飛ばす。
「さあ、今の内に逃げるの!」
 桃恵に助けられ、二人は避難。
「さあ、こちらです!」
 真菜もまた、隣人力で避難誘導を。
「あちらは、うまくいってるようですね……」
 テラス席のレベッカは、食堂内を一瞥し、そしてテラス席周辺へと目を転じていた。
「テラス席の皆さんは、外に逃げて下さい!」
 先刻の女生徒たちを含め、彼女らを食堂の外へと逃がしていくレベッカ。
 が、オークが触手を伸ばしてくる。そんな輩へは、
「近寄らないでください!」
 折り畳み式アームドフォートを展開し、『フォートレスキャノン』の直撃を食らわせた。
「今の内です、早く逃げて……!」
 そして、厨房内では。入り込んだノノとシャッテンが対応。
 そこにもやはり、数匹のオークが。
「さあ、早く外へ!」と、食堂と反対の、従業員出入口からの逃走を手伝うも、
「痛っ!」
 逃げる拍子に、調理担当の女性の足に包丁が落ち、刺さってしまった。
 彼女にオークが襲い掛からんとするが、
「待って、私の方に……!」
 シャッテンが立ち塞がった。彼女は制服の前を包丁で切り裂き、半脱ぎの状態になって、触手を手に取る。
 すぐに彼女へ、欲望の眼差しを向けるオークども。
「すぐ戻るから!」
 ノノは負傷した女性に肩を貸し、他の従業員たちとともに部屋を出て行った。

●純潔はルビー(チョコ)の赤さ
 シャッテンは……天井から吊るされると、Fカップの豊かな両胸をむき出しにされ、下も剥ぎ取られていた。
 既に調教されている身。体は勝手に悦び、快楽の欲求が湧き上がる。豊かな両胸を絞るように揉まれて、すぐに先端の蕾が固く勃った。乱暴につねられて、
「んっ……んくっ……!」
 敏感に反応する。
 別のオークが、後ろから彼女の両足をM字に開かせ……、
「あ、あひっ!」
 そのまま二匹は……前後の穴にモノを突き入れた。前後から挟まれ抜き差しされるたびに、快感が彼女を苛む。
 だらしなく口は開き、目はうつろに。涙と涎が惚けた顔を濡らし、淫肉と化したシャッテンは……、
「ひゃあああ! あっ……ああああ!」
 絶頂を味わっていた。

 食堂にて。
「助けて……シズカぁ!」
「麻美! やめて、麻実の代わりに、ワタシを……ああっ!」
 触手で拘束した二人を、夜魅へと見せつけるオーク。溶解液で二人の服は、溶け落ちていた。
 桃恵は、この場にいない。足をくじいた生徒を、保健室へと運んでいたのだ。
「待て! ……降参する、だから二人を放せ。オレを、お前らの好きにしろ」
 そう言った夜魅に、オークは命じた。
『服を全て脱ぎ捨て、四つん這いに』と。
 命じられた通り、裸になり、自分の秘部を指で開くと、
「……っ! ああああっ!」
 前戯なしに、いきなり太い触手が。
 前だけでなく、後ろの菊にも挿入されていく。激痛が走るが……それは次第に、痛みを伴う快感と化していく。
「痛い! 抜いて! いやああああっ!」
「そんな、初めて……なのに……ああああっ!」
 そして。シズカと麻美の二人も、純潔を散らされ、その様を互いに見せつけられていた。
 やがて……、
「「「ああああああっ!」」」
 夜魅達三人は、同時に絶頂した。

「先生、今助け……ああっ!」
 先刻、ジークリットを囲んだ生徒たち。彼女達は、ジークリットを助けようと戻ってきたが。その行動が、彼女を窮地に。
「やめてっ、キモイ! ……ああっ!」
「や、やだよぉ……んむうぅ!」
 夜魅同様に、彼女らを人質にされ、
「くっ、わかった! 生徒に手を出すな!」
 同様に命じられ、自分から服を脱ぐ。オーク自身のモノを舐め、自分から奉仕すると、
「んむう……んっ…んっ…」
『全部飲め』と新たな命令が。、
「んむうっ!」
 なんとか、吐くのを堪え、全て飲んだが……、
 液の催淫作用が、ジークリットの身体に効き始めた。彼女は、次の命令……、
「……て、ください……」
『四つん這いになり、おねだりしろ』という命令を、実行していた。
「……哀れな雌犬に、挿れて、ください……ッ! ……あああああっ!」
 オークのモノが、彼女を貫く。人質にされた少女たちも、同じく犯され、
「「「「ああああああああっ!」」」」
 ジークリットと同時に……快感の前に果てていた。

●ホワイト(チョコ)に穢されて
「んっ! んくぅ……」
 レベッカは、耐えていた。
 テラス席で話しかけてきた彼女に触手が伸び、それを自分が受けたのだが。
 そこから拘束され、溶解液で服を溶かされ……、
 愛撫されていた。
 一匹目のオークは、彼女の口を犯す。
「んっ! んむぅ……」
 二匹目は彼女の両胸を、きつく揉み、先端の桜色を舌先で転がす。
「んっ……くぅ……あっ!」
 三匹目は、お尻を揉み、その中心の菊門を責める、
「や、やめ……あああっ!」
 更に、開脚し、その中心の花を四匹目が舌と触手で愛撫。
 そして……、
「あああああああっ!」
 数匹分の触手が一つになった肉塊が、レベッカの前後の穴を貫いた。
 痛みと快感に悶える様を……、
(「み、見てる……見られてる……!」)
 テラスのガラス越しに……避難した女生徒たちに見られつつ……。
「……ああっ!」
 白濁液を受け、レベッカは絶頂を味わった。

「ゆ、油断はしないつもり、だったのに……ああっ!」
 桜依は、全裸で……天井と床から伸びた触手で、磔に。
 オークだけでなく、避難しきってない生徒にも見られている。それを実感すると……あそこが熱く潤ってしまう。
 既に彼女は、溶解液で服を溶かされていた。その状態で身体中を愛撫され、そして……、
「ひゃああっ!」
 射精した白濁液を、体中にぶっかけられる。続き、
「え? 夜魅さんとジークリットさん? 真菜さんも? な、何を……」
 自分の小さな両胸と股間。三人はそれらに……舌を這わせたのだ。
「ああああああっ!」
 夜魅とジークリットの舌が、感じやすい自分の両胸と、その先端を転がす。そのたび、身体が快感に痙攣してしまう。
 が、真菜の舌はどこか戸惑いがあり、まるで……遠慮するように舐めている。そのため、物足りない。焦らされる辛さが増し、
「も、もっと……もっと気持ち良く、してください……」
 その願いを叶えんと、真菜を突き飛ばしたオークが、股間のモノを……桜依の中に埋め込んだ。
「ああっ! ……気持ちいい……気持ちいい!」
 生徒たちに見られながら、桜依は快感に身体を反らせ、
「ああっ、お姉ちゃんっ! あああああああああっ!」
 絶頂し、果てた。

(「どうして、誰も……来てくれないの?」)
 真菜は、オークが自分を避けている事に気付いていた。
 生徒たちを逃がすため、
「わ、私を代わりに……」
 不慣れながら誘うが。途中で放り出された。
 別の生徒が襲われ、
「私の、方が……気持ちいいですよ」
 無様に縋って凌辱を求めるが、やはり放り出された。積極性が無く、凌辱されても嫌がらない。そんな奴など要るか……と言われているかのよう。
 桜依の凌辱に参加させられるも。やはり途中で『役立たずはひっこめ』と突き飛ばされた。
 一体のオークが襲うが、そいつは『他に女いないから』という態度が明らか。
(「……犯されたい訳じゃ、無かったはずなのに。なのに……何で私……」)
 傷ついているのか。真菜は、涙を流す自分を知った。

 やがて、厨房にノノが、食堂に桃恵が、それぞれ戻ると。
 彼女達により、片端からオークは始末され、事態は収束した。

●ダーク(チョコ)な結末……?
 人気のない、部活棟の一室。
「……肉体の純潔は、これで治ったはずだ。悪い、二人を護れなくて」
 夜魅は、連れ込んだシズカと麻美に『気力溜め』をかけていた。
「そ、そんな……」
「ワタシたちは、大丈夫……だよ……」
 震えている彼女達を見て、それは嘘だと夜魅は悟った。
「……これで、今日の記憶を上書きしろ」
 そう言って、夜魅は……取り出したそれを、双頭の張り形を手渡した。
「こ、これって……」
「……エッチ……」
 だが、愛しい者同士が繋がる事に異議はない。
 夜魅が去った後。二人は……互いに抱き合い、愛し合い始めた。

「はあっ、はあっ、ああっ……気持ちいい!」
「もっと、もっとぉ!」
 別の部活棟の一室では。
 ジークリットとレベッカが、数人の女生徒たちと裸になり、絡んでいた。
「はあっ……気持ち、いい?」
「そっちこそ……こうすると……あああっ!」
 レベッカは女生徒らと、何度めかの絶頂を。体育マットが体液で濡れ、大きな染みを作っていた。
「すごぉい、先生……こんなに濡れてる……」
「先生ともっと、えっちなこと、したい……あっ!」
 ジークリットには、数人の女子が絡み、同時に彼女の身体を愛撫していた。
「や、やめ……ああああっ!」
 愛撫され、絶頂するジークリットだった。

「…………」
 いつも通り、軽蔑されながら先に帰宅した真菜。
 そしていつも通り、追っかけたちに輪姦されていた。が、いつもは鬱陶しいだけのこの男たちに、奇妙な『安心感』を感じていた。
 少なくとも、自分を求めてくれている。

 ……こいつはイイよな、何しても何も言わねえし。
 ……ああ、手軽に犯せる玩具としては最高だ。
 ……ま、人形やマグロみてーに反応薄いけどな。飽きたらとっとと捨てりゃいい。

 そんな事を言っているようだが、気にしない。
 自分を求めてくれるなら……いや、求められる事すら、もうどうでもよいのでは? どうせ彼らも、いつか自分に飽きて去っていくのだから。
『母親』と『あの頃の平穏』を求めていた少女は、それらを求めるあまりに……周囲の全てに、自分自身にすら、
『無関心』になりつつあった。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年2月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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