モンスターマシーン!

作者:baron

 そいつは何処かで見た様な形状が満載であった。
 飛行機の羽や、戦車の大砲に、ミサイル発射装置などなど。
 どれか一つではなく、満載という欲張り設計は工業製品とは思えない。
 変形もしないので、ロマン兵器とも思えない。
『グラビティの収集を開始』
 そいつは街へ、ヘリの様に低空で侵入すると、翼の下に着いたミサイルを発射。
 往来を行く人々や車などを爆破。
 飛び抜けて翼で大きな建物を切り刻み、まだ壊れていないと判ると、後方に設置された大砲をぶっ放す。
 全ての方向に兵器がまんべんなく付いているが、全ての兵器は二つ以上は同じ方向を向かないというのが奇妙であった。
 あるいは単に、それぞれ強力だから三つ以上の兵器が同じ方向を向く必要が無いと言うだけかもしれないが。
『全工程中、前目標をクリア。次目標へ移動』
 そいつは周囲を破壊し殺戮の限りを尽くすと、街の中心部へ、その次は次の街へと移動するのであった。


「先の大戦末期にオラトリオにより封印された巨大ロボ型ダモクレスが、復活して暴れだすという予知があった」
 ザイフリート王子が珍しく玩具を積み上げている。
 兵器の玩具なので、他の玩具よりは関心がありそうではあったが。
 いや玩具で遊ぶつもりではなく、依頼の説明なのだろう。
「相手には翼があるが低空を飛ぶので普通に戦える。既に避難を勧告して居ることもあり、町を足場に戦えば、何の不自由も無いだろう」
 王子はそう言うと飛行機の玩具の周囲へ本などを並べ始めた。
 本や筆箱が建物だとすると、それらと余り変わりない高さのようだ。
 ジャンプしてもケルベロスならば届くだろうし、建物の上なら合図も送り易いだろう。
「相手は無数の兵器が繋がった様な形状をして居る。それぞれに強力な武装だが、変形もしなければ急加速で全てを使いこなしはしないようだ。陣形によっては、使わせずに闘うことも可能だろう」
 そういって王子は、飛行機の玩具の下に戦車の玩具。
 ミサイルや火炎放射機、レーダー等のオプションをオマケの様に付けて行く。
 確かに全ての兵器は三つ以上、同じ方向を向いては無い。
 前面にはミサイル、側面には翼の刃、後ろには火炎放射機。一回転するのは大砲だけと言う風に。
「全力攻撃や逃走は?」
「通例通りあるだろう。もちろん一回きりで、7分の余裕はある」
 ケルベロスの質問に王子は簡単に答えた。
 予知では余裕で襲撃して居たので即座に回収されなかったようだが、グラビティの回収が上手く行かなければ、普通に回収されるだろうと。
 そして、内部に在る工場で兵器を量産するだろうとも付け加える。
「巨大ロボ型ダモクレスが回収されれば、ダモクレスの戦力強化を許すことになってしまう。今更そんなことはさせられん。頼んだぞ」
「任せておけ」
「そうそう。ボクらも成長してるしね」
「が、頑張ります」
 王子の激励に熟練のケルベロスは不敵な顔で、新人に近い者はゴクリと喉を鳴らしながら拳を握る。
 こうしてケルベロス達は相談を始めたのである。


参加者
武田・克己(雷凰・e02613)
大首・領(秘密結社オリュンポスの大首領・e05082)
ミスティアン・マクローリン(レプリカントの鎧装騎兵・e05683)
タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641)
天司・桜子(桜花絢爛・e20368)
エリアス・アンカー(鬼録を連ねる・e50581)
ジュスティシア・ファーレル(エルフの砲撃騎士・e63719)

■リプレイ


「巨大ダモクレス、いつ見ても壮観だねぇ」
 ペスカトーレ・カレッティエッラ(一竿風月・e62528)は彼方の空を眺めた。
 封印が解けて動き出すダモクレスはどれも巨大で、戦闘目的ゆえに勇ましい。
 しかし今回、その形状は歪だった。
(「数少ない出番だけに全力を投入したような欲張りな設計思想も悪くはないな」)
 大首・領(秘密結社オリュンポスの大首領・e05082)は戦い易い場所を探す中で、歪な姿に原初の思想を感じた。
 洗練された機体からは程遠いからこそ、やりたい放題の熱意を感じる。
(「惜しむらくはその、わがままボディを競う様な別機が……」)
「ゴテゴテして趣味が悪いし、何考えてこんなの設計したのか判りません」
 ぐはっ!?
 大首領に大ダメージ!
 真実は時に人を傷付ける!
「まったく、引き算ができない奴の典型ですね」
「色々な機械が合体した姿かぁ。んー、ごちゃごちゃしてたら逆にカッコよくないかも」
 ジュスティシア・ファーレル(エルフの砲撃騎士・e63719)や天司・桜子(桜花絢爛・e20368)が言う様に、過積載なのは確かだ。
 普通はその一部だけを搭載し、尖鋭化か万能化のどちらかに扱い易くするものなのだ。

「どうかなー。いっそ一周して関心するけど……ボクらにとっちゃ不法投棄物なんでネ、倒しちゃわないと」
 大丈夫だ!
 男の子は判ってくれる! ペスカトーレの言葉に救われた誰かさんなのであった。
「そう、奴は倒すべき兵器。何が必要になるか判らない時期の兵器だろう。実用性よりもとりあえず、全力で盛ったという設計は悪くない!」
 有無を言わさないため、名乗りを上げておこう。
 フハハハ……我が名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスが大首領!!
「兵器……合体兵器ですか、まるでキメラですね」
「キメラみたいなダモクレスね。そいつはやりがいがありそうだ」
 戦いと、このノリに慣れた歴戦の一同は、雰囲気よりも内容に目を向ける。
 タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641)は冷静に、武田・克己(雷凰・e02613)は楽しそうに状況を確認した。
「まぁ、沢山武器を詰めれば良いという訳では無い事を知らしめてあげましょう」
「ならばモンスターマシンの末路らしく、全力でスクラップにするとしよう!!」
 そういってタキオンは資料を取り出し、装備の形状と得意な方向を確認。
 大首領は地図を取り出し、ああでもないこうでもないと二人は陣形などを議論する。
「みんなー! 準備は良い? 聞き逃したら駄目だからね~」
 そしてダモクレスがとうとう目の前までやって来た。
 桜子はアラームをスタートさせると、戦闘開始を告げたのである。


「こうして見ると凄く大きいね。……アパートの上に立ってるのに」
 ミスティアン・マクローリン(レプリカントの鎧装騎兵・e05683)は建物の上に立ってなお、正面に在る敵を見つめ、ゴクリと喉を鳴らした。
 アパートでこれなら、地上で迎え討てばどれほど脅威なのか。
『敵対反応を発見。排除を開始』
「っ来たっ!」
 飛行機の様なダモクレスは翼に付けたミサイル筒を発射。
 ミスティアンは後ろに下がりカバーに入る仲間へ進路を譲る。
「かつてのオラトリオが倒せず封印した者を我々が相手と言うのもキツい。だが、そうも言って居られん。人々に危害を加える前に倒すしかあるまい」
「あっ、ありがとう。そうなんだけど……お互い、気をつけようね」
 ジュスティシアは弾をばらまいてミサイルを半減させると、受け身を取って爆風に耐える。
 彼女にお礼を言いつつ、ミスティアンは危険な任務を任せてしまった事にいつしか拳を握っていた。
「ダモクレスめ! 絶対倒す!」
 もしかしたら攻撃を受け続ければ死んでしまうかもしれない。相手が想像以上に強かったら……。
 そんな事はさせられない。ミスティアンは一般人は元より仲間達も失いたくないと奮起した。
「前に戦ったアースイーター・ブロークンに比べれば、全然戦える相手、気張ってこう!」
「そう言うことだ。それに敵は強ければ強いほど良い」
 ペスカトーレが援護の砲撃を始めると、克己は不敵に笑って刀を抜く。
 そして重砲撃が敵の周囲を吹き飛ばし、砲撃戦が始まった中をまさしく剣電弾雨を駆け抜けた。
「シンプルだが、それ故に避け難い兵器でもあるよな。建物を破壊しちまうのは気が引けるが、やられるよりはましか」
『迎撃開始』
 敵味方の放つ砲声を潜り抜け、克己は鋭く刃を突き立てに掛る。
 ダモクレスもそれに反応し、避けようとしたがショートダッシュの急加速で直撃させた。

「なんつーかまた、ダモクレスらしく無感情に処理してくれんなぁ」
 エリアス・アンカー(鬼録を連ねる・e50581)は爆風で受けた埃をはらいながら、目に血が入ってもジックリ見つめていた。
 ダモクレスは淡々と状況確認し、こちらを見付けて砲撃して来たが……自分達が居なければ、見付けた人を虐殺して回っただろう。
 そこに感情は無くデータ上のやり取りだけに思える。
「メカ好きにはロマンの塊かもしんねーが……面白くねぇ」
「そこが良いのだがね。まあ良い、私が先に行こう」
 攻撃の為にビルを目指し始めたエリアスよりも先に、大首領はマントを跳ね上げた。
 神の名を持つ鉄槌が激震を起こして豪砲を叩き込む。
「ま! どんな相手だろうが好きにはさせねぇぜ」
「待って待って~。私も行くねー!」
 エリアスはその砲撃を援護にビルの上へ。
 空を踏んでダモクレスよりも上を取ったが、桜子も下のコースから飛び込んで居た。
「おらよ! 勝手に合わせな!」
 そして敵の直上から打点の高い踵落とし。まるで刃の様に振り降ろした。
「この一撃で、その動きを止めてあげるよ!」
 それを桜子が横から蹴り飛ばすと言う状態になる。
 縦横から武器では無く、蹴りで挟むと言うのが珍しいと言うべきか。
「あの様子ならばまだ大丈夫そうですね……支援しますよ、強力な一撃をお願いします」
「了解よ! まかせてね!」
 今のところ盾役がうまくカバーした事もあり、前衛で大怪我した者は居ないようだ。
 そこでタキオンはグラビティをチャージしているミスティアンを援護する事を決めた。
 電圧を掛けて彼女の力を活性化させ、攻撃準備を助けたのである。
「ならばこちらも援護で。一気に勝負を決める」
 ジュスティシアは逆巻く風を抑え、弾の通り道を作った。
 まずは後方に、いずれ自分の周囲にも張れば相当に強化できるだろう。
「良い感じ! みんな……ありがとうね!」
 ミスティアンは体中に満ちる元気と共にグラビティを解き放つ。
 閃光の槍と化して戦場を貫き、ダモクレスを焼き焦がしに掛った。
 それは彼女一人だけの力では無く、仲間達との絆なのかもしれない。


『サーチ……ロックオン』
「あの動きは戦車と言うより蜂の針のようだな」
 ウイーンと音を立て、ダモクレス後部の回転砲塔が動き始める。
 大首領は生物に近い動きを見て、何やら御満悦だ。
「必ず止める」
「大砲か。行くぞロキ!」
 ジュスティシアはグラビティを全開にして、砲の向いた方角へ飛んだ。
 射線を塞ぐ彼女の脇を、エリアスと翼猫のロキがサポートする。
 一同は緩やかなV字型で敵を遮り、包囲と言うより仲間を守りながら相手の侵攻を止める態勢だ。
「おー痛て。こっちに来たか。……次は燃やしてやるかねえ」
「後で治療しますからあまり無茶はしないでくださいね」
 エリアスはタキオンの忠告に、そいつは無理な相談だと牙をむいた。
 やられっぱなしで居る気はないし、そもそも時間も無い。
「あれが唯一全域をカバーする兵器か。案外、他は予備なのかもしれんな」
「ふぅん。……まあ全部まとめて斬り伏せるだけの話なんだがな」
 嬉しそうに語る大首領とは別の楽しさを克己は浮かべていた。
 あの武器はミサイルなどに比較して、抜きん出た質なのだろう。確かに脅威だ。
 だがそれを切り捨て、強敵を叩き潰すのはやり甲斐があろう。
『脅威度の算出。帰還工程を再計算』
 だがダモクレスは焦ることなく戦術を選択する。
 そんな風に苛烈なる攻撃を続ける超巨大ダモクレスへ、ケルベロス達は怯むことなく挑んで行く。

 そして数分の時間が経過し、戦いは佳境へ。
 前衛達は苛烈な攻撃に傷付き、同時にダモクレスを追いこんで居た。
「薬液の雨よ、皆に浄化の力を与え給え」
「冷たくないねー。むしろ痛みがとれて気持ちいいみたいな?」
 その為に使用したんですとタキオンは苦笑し、桜子は気にせず元気よく声を張り挙げた。
 天から降り注ぐ薬物の雨の中、光が景色を歪めて行く。
「必殺のエネルギー光線だよ、これでも食らえー!」
 桜子の放った閃光はジュスティシアが吹かせた風をも巻き込み、ゴウと唸る様にダモクレスへ突き刺さる。
「良い塩梅だ。このまま追い込んで行きたいねェ」
 エリアスは乱暴にミドルキックを食らわせる。
 あまりの勢いに火花が散るほど、やがてダモクレスを炎で包んだ。
「戦闘態勢は整った」
 後は倒すだけだ。
 ジュスティシアは言葉は不要だとそこで切り捨て、持ち替えた狙撃銃を構える。
 選んだカートリッジは破甲弾、銃口を突きつけ零距離から放つも油断することなく、最後まで敵の姿を見つめていた。
「こんなもんかな? 次はどの手裏剣として……」
「良いんじゃない? 違ったとしても、みんなで助けあえば良いと思うヨ」
 ミスティアンは先ほど周囲の熱量を曲げて凍結波を放ったが、上手く凍り付いたので彼女も武装を切り替えることにした。
 その様子にペスカトーレは頷いて、竿をマジシャンのステッキの様にクルクル回転させて行く。
「ならこれで!」
 ミスティアンの放った手裏剣は危うく回避され掛ったが、皆で与えた負荷がそれを許さない。
 仲間で協力し合い、皆で人々を守る為に力を合わせて勝利を掴めば良い。
『砲戦を指向。最適位置を固定』
 ダモクレスは再び牽制のためにミサイルを放つ。何時……全力攻撃を使うべきかを考慮して居るのだろうか?
 傷付いて居るからそろそろかと思うが、今で無いならば次は最強の攻撃の順番か……。

 だがケルベロスに取って、強敵とはいずれ越える存在。警戒する事はあっても、恐れる事など無いも無い!
 ある者は仲間に庇われ、ある者はカバーが間に合わずにミサイルを受けながら立ち向かっていく。
「どうせならギリギリってやつを教えてくれよ。俺はそれより上を行ってやる」
 克己はミサイルを切り捨てながら家から家に飛び移り、屋根を足場に走り抜けた。
 瓦がずれる程度の障害なぞ気にせず、絶妙ならバランスで状態を保つ。
「空に風が巡り雨を呼び、穂を埴すればやがて地へ芽吹く。諸行はかくの如く巡る機なり。護行活殺術! 森羅万象神威!!」
 克己は天地の気を集め、連続で斬り掛る中で宿る力を流し込んで行く。
 集めた力を集約し、己の気と共に十字に斬り裂く瞬間、爆発じみた強力な反応を呼び起こした。
「あれも愉しんで居るな。とはいえ人々の事を考えればそうそう夢中になる訳にも行くまい」
「は~い。大人の対応を、だネ♪」
 大首領がもっともらしい事を言うと、ペスカトーレはくすくす笑って頷いた。
 その反応にゴホンと咳を一つ入れて、大首領は猛烈なグラビティを放つ。
「貴様にとっては計算通りなのだろうな。だが、それも含めて全て我が掌の上だ!」
 大首領は周辺のガレキを集め、巨大な腕を作りあげた。
 ダモクレスはブレードで斬り割いて避け用とするが、元より塵芥。バラバラになってもまた元に戻り、改めて殴りつけたのだ。
「どいてててよねーキャッチ&リリース!」
 ペスカトーレは釣り針で引っかけ、壊れたビルの壁を引き剥がした。
 そいつを再利用し質量爆弾としてぶつけてしまう。
 お次は凍気を……光線は釣れないと思ったが、仲間が凍らせている氷でも釣るとしよう。
「みんな……楽しそうですね。ですが放っておけませんし、誰か一人くらいは冷静な方がいいでしょう」
 タキオンは溜息つきながら再び薬剤の詰まった鞄を用意する。
 まとめて放れば楽だという周囲の声を無視して、冷静に必要なだけのアンプルを空に放った。

 薬剤の雨が降りしきる中をケルベロス達は最後の追い込みに掛る。
「そいやっと。これはオ・マ・ケ」
 桜子は飛び乗るように蹴りを放つと、グラビティで足手の動きを縫い留める。
「うおら!」
 エリアスの一撃はサッカーボールか何かを蹴りつけるかのようだが、流石にポンポン飛びはしない。ならば駄目押しだと体を回転させてもう一発!
 続いて次はどんな蹴り方をしてやろうかと、エリアスは舌舐めずりしそうな雰囲気だ。
「動きを自分で止めてる? ……全力攻撃! 終わったら直ぐに回避を!」
 ジュスティシアはカートリッジを凍結光線に切り替えつつ、攻撃より先に仲間達へ忠告を放った。
「任せるけど無茶したら駄目だよ!」
 その声を聞いてミスティアンは大型の手裏剣を取り出し、無理は禁物だと返した。
「星よ、切り裂け! スターショット!」
 ミスティアンが投げる星の形状をした大型の手裏剣はダモクレスに突き刺さる。
 だがそれでも敵は止まらない。
『抹殺!』
 ダモクレスはバックファイアで反動ブレーキを掛けながら、自分も吹き飛びかねないほど強烈な一撃を放った。
 自分のパーツの一部を弾丸として撃ち出す、捨て身の技だ。
「俺に構うな。行け!」
「任せる!」
 エリアスは吹き飛びながらも、角を出す技の要領で巨大な弾丸を受け止める。
 その隙に克己は唸りを上げるダモクレスの砲口に迫る!
「五分目~」
「もう必要ない! こいつで終いだ!」
 桜子が時間を告げる中、克己の突きが内部構造に到達。
 既に守りの力を失っていたダモクレスはそのまま足元へと落下して行ったのである。

「あれ、終わり? あとは、この街をヒールすれば良いかな?」
「その筈ですがこうも広いと広くて疲れそうです」
 桜子が拍子抜けしながらも修復を始めると、ジュスティシアは薫り高い風を吹かせ始める。
 敵は火力重視型ゆえに脆かったのかもしれないが、だからこそ相当な範囲が吹き飛んでいた。
「手分しましょう。どちらかといえば見落としが問題ですね」
「無事に終わったんだもん。このくらいは我慢しないとね」
 タキオンが地区を振り分けると、ミスティアンも笑って参加する。
「運ぶからちょいと持ちあげてくれ」
「おーらーい、おーらーい」
 克己の指示でペスカトーレは家にめり込んだダモクレスのパーツを引き剥がす。
「あの辺はこうなってんのか。結局、使わない武器も多かったがよ」
 武器の塊というのは、やはり男子には興味深かったのかもしれない。
 その様子を珍しくエリアスは面白そうな目で眺める。
「うむ。武器を全部積めば強いと思った時期もあったな……」
 大首領は頷きながらも、懐かしい過去を思い出すのであった。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年2月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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