彼女と語ればわかること

作者:土師三良

●ザイフリートかく語りき
「リザレクト・ジェネシス追撃戦の結果は上々。皆、よく戦ってくれた」
 ヘリオライダーのザイフリートに労いの言葉をかけられたにもかかわらず、ケルベロスたちの表情は硬かった。こうしてヘリポートに召集された理由をなんとなく察しているからだ。
「そのリザレクト・ジェネシス追撃戦の際、我が妹にしてエインヘリアルの第四王女であるレリとの間に話し合いがもたれた。いや、『話し合い』と呼ぶには少しばかり過激なやりとりだったようだが……とにかく、その結果、レリとケルベロスとの間で改めて会談がおこなわれることとなった。私を交えてな」
 そう、今回のケルベロスたちの任務はザイフリートとともにレリとの会談に臨むこと。会談がおこなわれるのは小笠原諸島の母島。『コールサック』なるエインヘリアルの軍団が強襲型魔空回廊を築いた場所だ。
「レリと相対したことのある者なら知っているだろうが、あれは頑固で融通が利かない娘だ。故に説得や懐柔は難しい。しかし、頑固で融通が利かないからこそ、信頼できる。母島に出向いた我々を騙し討ちにするようなことはあるまい」
 そう前置きした後で、ザイフリートはレリについての情報と見解を皆に伝えた。
「これもレリと会ったことのある者なら知っているかもしれないが、あれは自分で物事を考えるタイプではなく、ハールの命に従って行動していることが多い。しかし、自分なりの目的を持っていないわけではない」
 レリの目的――それは、非戦闘員として比較的不遇に扱われている女性エインヘリアルの立場を向上させることだという。
「私が覚えてる限りでは、レリは女たちの立場向上のための活動をしていた。活動の詳細は私もよく知らないが、ハールに協力している理由もそれだろうと思われる。女であるハールがエインヘリアルの王となれば、他の女たちの立場も向上するだろうからな」
 当のハールは女性の立場向上のために王位を狙っているわけではないのかもしれないが、レリもそれは承知の上だろう。ハールの思惑がどうであれ、彼女が王の座につけば、女性たちの待遇は改善されるはずだ。仮に改善されなかったとしても、女性が王になったという前例は生まれる。『自分自身が王の座につく』という発想に至らないところがレリらしいが。
「いくつか注意しておくことがある。以前にも話したが、エインヘリアル軍は皆、戦に出る度に白羊宮ステュクスで戦闘に不要な記憶を洗浄するのだ。当然、レリとて例外ではない。よって、今回の会談でアスガルドについての情報を得ることはできないだろう」
 レリになにか求めるのなら、それは情報以外のものではなくてはいけない(『それ』を与えてくれるかどうはさておき)。
「また、レリは王族ではあるが、エインヘリアルという勢力の代表者ではない。なんらかの協定を結べるとしても、『新たな指示が来るまでの間に限る』という条件を必ずつけてくるはずだ。この条件を撤回させることは難しいので、その前提でなにを話すかを考える必要があるだろう」
 続いて、ザイフリートは自分のスタンスについて確認した。
「レリと敵対することが心苦しくないわけはではないが……しかし、私はレリの生き方や考え方を曲げるつもりはない。よって、会談の場ではおまえたちの意向に従い、事前に指示されたことのみ話す。自分の意見は口に出さんので、そのつもりでいてくれ」
 交渉の内容を決めるのはザイフリートではなく、ケルベロスたちなのだ。もちろん、レリがそうであるようにケルベロスも勢力の代表ではないので、あまりにも無茶な提案はできないが。
「おそらく、実りのある交渉とすることは難しいだろう」
 そう言って、ザイフリートは大きく息をついた。
「しかし、良い結果が得られなかったとしても、話し合いをおこなえたという実績は残る。その実績を積み重ねていくことができれば、いつかは……」


参加者
青葉・幽(ロットアウト・e00321)
大弓・言葉(花冠に棘・e00431)
エニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486)
スウ・ティー(爆弾魔・e01099)
ヒマラヤン・サイアミーゼス(カオスウィザード・e16046)
フェルディス・プローレット(すっとこどっこいシスター・e39720)
ルイーゼ・トマス(迷い鬼・e58503)
霊ヶ峰・ソーニャ(コンセントレイト・e61788)

■リプレイ

●SESIDE RENDEZVOUS
 石だらけの海岸に二つの半円卓が直線部を向かい合わせにして並んでいた。
 それぞれの卓の弧線部の中点のあたりに陣取って対峙しているのはザイフリートと第四王女レリ。
 ザイフリートの左右にはケルベロスたちが並んでいた。地球人サイズの椅子が用意されていないので立ったままだが、そのほうが都合が良い。レリと視点の高さを同じにして語り合うことができる。
 レリの左右には椅子が二つずつ配置され、ギアツィンスとラリグレスとラーレが座っていた。一つは空席。今は亡きミュゲットへの弔意と敬意を表しているのだろう。卓の端には螺旋忍軍の四片の姿もあるが、ケルベロスたちと同様に立ったままだ。
「会談に応じてくれたことに感謝するわ」
 青葉・幽(ロットアウト・e00321)がレリに礼を述べた。
「感謝は無用。己を誇るがいい。王族と同じ席につく資格があることを自らの力で証明したからこそ、今こうしてここに貴様たちはいるのだ」
 言辞の内容に反して、レリの声は冷ややかだった。
 そして、言辞のほうもすぐに冷たくなった。
「とはいえ、勘違いするな。これは戦時における武人同士の会談。決して馴れ合うつもりはない」
「こちらも馴れ合いなど求めていないが――」
 オウガのルイーゼ・トマス(迷い鬼・e58503)が様々な菓子を卓上に並べた。
「――地球式の礼儀は尽くさせていただく。信用できないなら、わたしが責任をもって毒味をうけたまわろう。もっとも、グラビティを介さぬ毒がエインヘアルに効くわけもないが」
「菓子、食べるなら、紅茶も、いるな」
 ヴァルキュリアの霊ヶ峰・ソーニャ(コンセントレイト・e61788)が紅茶をいれ始めた。
「菓子も茶もいらぬ! さっさと本題に入れ!」
「まあまあ、そう言わずに。このお饅頭も御賞味くださいな」
 慣れぬ接待攻勢に苛立ちと戸惑いを示すレリを緩やかにいなしたのは馬の獣人型ウェアライダーのエニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486)。二つの卓の間を往復し、自分が持参した饅頭とルイーゼの菓子をレリたちの前に置いていく。
「紅茶の用意ができるまでの間、王子とご歓談でも……」
 と、ルイーゼがレリに提案した。
「積もる話もあるだろうから」
「そんなものはない。恨み言なら、山ほどあるがな」
 そう言って、レリはザイフリートを睨みつけた。
「お兄……いや、ザイフリート王子。過去に何度も言ったかもしれませんが、お互い記憶が洗浄されているでしょうから、改めて言っておきます。私は、貴方が、嫌いだ。男であるという理由だけで王子として認められていた貴方が!」
「……」
 レリの怒号を無表情で受け止めるザイフリート。想定内の発言であったらしく、傷ついても驚いてもいないようだ。
「王子が認められていたとは思えないけどなぁ」
 と、首をかしげたのは、護衛役と称してザイフリートの右隣に立っていたスウ・ティー(爆弾魔・e01099)だ。
「失礼なことを言うようだけど、第一王子なんて肩書きはお飾りも同然だったんだろう? でなけりゃ、鎌倉を占領した時にもっと沢山の軍勢が集まっていたはずだよ」
「耳が痛いな」
 ザイフリートが微苦笑を浮かべたが、レリは笑わなかった。
「そう、貴方は独断先行して鎌倉に攻め込んだ挙げ句、一敗地にまみれた。着々と成果をあげているハールお姉さまと比ぶべくもない二流以下の武人。そんな人が形だけとはいえ第一王子の座に着いていたことが許せない。私に言わせれば――」
 妹は兄に指をつきつけ、憎しみをぶちまけた。
「――貴方は、アスガルドの忌むべき男性優位社会の象徴だ!」

●DON’T LOSE YOUR HEAD
「それは、言い過ぎ、だ」
 怒りに燃えるレリをソーニャがやんわりとたしなめた。
「王子は、女性を、貶めたり、軽んじたり、するような、人、ではない」
「だからといって、エインヘリアルの女たちの立場を改善するために尽力したわけでもないだろう。ヴァルキュリアのことだけは気にかけていたようだが……」
「ヴァルキュリアの皆様に妬いておられるのですか?」
「断じて違う! 物事を矮小化するな!」
 エニーケの問いかけをレリは全力で否定し、卓に拳を叩きつけた。
「仮に王子が女たちのことに心を砕いていたのだとしても、ケルベロスに与した裏切り者であるという事実に変わりはない! そう、変わりはない!」
 同じ文句を繰り返す。自分に言い聞かせるかのように。
「決して、裏切った、わけでは、ない。イグニスが、仕掛けた、暗殺計画が、きっかけ、となって……」
「もういい」
 と、ソーニャの反駁をザイフリートが遮った。
 そして、静かな声音で妹に語りかけた。
「おまえが言うとおり、私は裏切り者だ。心を開けぬのも当然だろう。しかし、ここにいるケルベロスたちのことは信用できるはずだぞ。おまえ自身が言ったように『王族と同じ席につく資格があることを自らの力で証明した』者たちなのだからな」
「……」
「私のことはいくらでも憎んでくれて構わない。ただ、この者たちの話は聞いてやってくれ。そのための場だ」
 決まり悪げに黙り込んだレリにそう言った後、ザイフリートもまた沈黙した。後はケルベロスたちに任せるということだろう。
(「兄妹仲良く写真撮影でも……と、思っていたのですが、そういう雰囲気ではありませんわね。残念ですわ」)
 懐中から取り出しかけていたカメラをエニーケがそっと戻した。
 暫しの間、静かな時が流れた。寄せては返す波の音以外にはなにも聞こえない。
 居心地が良いとは言い難いその静寂が『暫しの間』で終わったのは、猫の人型ウェアライダーであるヒマラヤン・サイアミーゼス(カオスウィザード・e16046)が声を張り上げたからだ。
「ソーニャちゃんのお茶ができたのですよー」
 紅茶で満たされた五つのティーカップをトレイに乗せて、レリたちの卓に運ぶヒマラヤン。
「お菓子も遠慮なくどうぞなのですよー」
「ちなみにそこにあるお菓子の中では――」
 レリたちに配られた菓子のいくつかをオラトリオの大弓・言葉(花冠に棘・e00431)が指し示した。
「――それとそれとそれがお勧め!」
「エニーケさんが持ってきたお饅頭も美味しいですよ」
 と、フェルディス・プローレット(すっとこどっこいシスター・e39720)が言った。にこやかに笑っているが、その実、油断なく四方に目を配っている。なにかが起きた時、素早く対応できるように。
 その『なにか』を起こさぬために言葉が笑顔で尋ねた。
「レリ王女は好きな食べ物とかあるの?」
「フッ……」
 レリは気を取り直し、鼻で笑ってみせた。
「好きも嫌いもない。食事というのは腹を満たすためだけのものだ」
「かつては私もそう思っていた」
 と、感慨深げにザイフリートが呟いた。小さな声なので、ケルベロスのたちの耳にしか届かなかったが。
 レリは『腹を満たすためだけのもの』に過ぎない饅頭を手に取ると、ゴミでも見るような目でそれを眺め回した後、『ケルベロスどもの礼儀に応じてやってるだけだ』という意思を露骨にアピールしつつ、無造作にかぶりついた。
 次の瞬間――、
「……!?」
 ――目を見開き、体をびくりと震わせた。漫画ならば、ベタフラッシュが閃いているだろう。
 すわ毒でも盛られたか……と、卓に並ぶ三幹部が色めき立った(ルイーゼが言ったようにデウスエクスに毒など通用しないが)。四片だけはくつくつと笑っている。
 レリは片手を上げて幹部たちを制すると、口中の饅頭をゆっくりと咀嚼し、嚥下した。無表情を装いつつ(これほど感情に溢れる『無表情』をケルベロスたちは見たことがなかった)、二口目を囓り、三口目で完食。
「美味しかったでしょ?」
 言葉が再び笑顔で尋ねると、レリは無表情ではない無表情をキープしたまま、素っ気なく答えた。
「……まあ、口に合わぬこともないと認めるのも吝かではないと言えなくもない」
 あいかわらず、めんどくさい王女であった。

●SAIL AWAY SWEET SISTER
「ここに来る前、王子が言ってた。アンタの目的はエインヘリアルの女性の地位を向上させることじゃないかって……」
 場が和んだ(?)ところで幽が話を切り出した。
「今までの言動からすると、王子の推測は正しかったみたいね」
「ああ」
 と、レリは頷いた。
「私はエインヘリアルの男性優位社会を叩き壊したい。そのための第一歩として、ハールお姉さまに女王になっていただく。おおかた、貴様たちはお姉さまのことを悪し様に言って、私との仲を裂くつもりだろうが――」
 それについてはレリは間違っていた。ケルベロスたちはハールの話題を出さないつもりだったのだ。レリの機嫌を損ねないように。
「――無駄だぞ。たとえお姉さまが卑怯な手段を用いたとしても、私は気にしない。場合によっては私自身が手を汚してもいいと思っている」
「……本気なの?」
「本気だとも」
 レリは先程よりも強く頷いた。悔しげに顔を歪めて。
「我らに手段を選ぶ余裕はない。そして、そのような苦境こそが男性優位社会が生み出したひずみなのだ。もし、お姉さまが他の王子たちと同じ権利を有していたら、正々堂々と王位を狙うことができたはずなのだから」
「なるほどね」
 幽もまた頷いた。個人的に言いたいことは沢山あったが、あえて飲み込んだ。
 そして、本当に言うべきことを口にした。
「手段を選ばない……ということは、ケルベロスと組むという手段も選択肢に入ってるよね」
「レインボーブリッジで戦った時に話していた共闘の件か?」
「うん。対レプリゼンタ戦で私たちはアンタらに協力できる。悪くない話でしょ。女性部隊である白百合騎士団がレプリゼンタを相手に成果をあげれば、女性の地位向上のための足がかりができるはずよ」
「自分で言うのもナンですが、私たちと組むのはお得ですよ。だって――」
 フェルディスが、幽の持っている武器を指し示した。
 如意棒である。
「――レプリゼンタ・ロキに『土下座で許してくれ』と言わせるほどの武器があるんですから」
「とりあえず、共闘作戦の手始めとしてガネーシャ・ゴープラムを一緒に探索してみない?」
 幽がそう提案すると、ヒマラヤンがまたレリたちの卓まで行き、書類を置いた。
「カンギはガネーシャのレプリゼンタですから、ガネーシャ・ゴープラムとなんらかの繋がりがある可能性が高いのですよー。詳しいことはここにまとめておいたので、後で目を通しておいてほしいのですよ」
「……」
 だが、レリは書類を手に取らず、押し黙っている。
「あ、そうそう」
 相手の反応を訝しげに思いつつ、フェルディスが別の話題を持ち出した。
「さっき、ロキの話をしましたけど、あいつとケルベロスが相対したのはスパイラル・ウォーの時なんですよ。そのスパイラル・ウォーを仕掛けてきたイグニスという螺旋忍者がどうも第五王子のイグニスと同一人物くさいんです。いえ、見た目も種族もぜんぜん違うんですけどね。言動が完全に一致しているというかなんというか……」
「ぶっちゃけ、イグニスってのはエインヘリアル内でどんな風に認識されてるの?」
 と、言葉が単刀直入に尋ね、その後で付け加えた。
「もしかして、イグニスがらみの記憶も消されてるのかな?」
「螺旋忍軍にイグニスとやらがいたことは知っている」
 と、レリは答えた。
「もっとも、貴様たちが知っている以上のことは知らない。奴に関する情報は、我らが地球に来た後で得たものだからな。だが、同一人物と決めつけるのは早計ではないか? 名前が同じだけかもしれないぞ」
(「さすが、脳筋だー」)
(「さすが、脳筋ねー」)
 レリの単純な思考に対する感想を目顔で交わすフェルディスと言葉。
「で、共闘の件の返事は?」
 と、ルイーゼが話の流れを戻すと、レリはまた沈黙した。
「……」
「なぜ、黙る? 言っておくが、わたしたちは過分に対価を求めるつもりはない。そちらと関係を構築できることが我々の利益につながるからな」
「……対価の問題ではない」
 レリがぽつりと漏らすと――、
「じゃあ、なにが問題なのかな?」
 ――スウが尋ね、答えを待たずに畳みかけた。
「ちょっとつれないんじゃないの。この前、初めて共闘を持ちかけた時は好感触だったのにさぁ」
「あの時はあの時だ」
 そう言って、レリはまた黙り込んだ……かと思われたが、瞳に浮かぶ逡巡の色を決意の色に変えて、口を開いた。
「貴様たちに教える必要はないのだが、黙っておくのもなにやら卑怯な気がするから、ここで言っておこう。よくよく考えた結果、方針を変えた。当面の間、我らはレプリゼンタや攻性植物とは戦わない」
「つまり――」
 レリをじっと見つめながら、ルイーゼが確認した。
「――私たちと共闘はしないということか?」
「そうだ」
 レリは立ち上がった。それに倣い、他の幹部たちも立ち上がる。会談はこれで終わりということらしい。
「絶対、『よくよく考えた』ってのは嘘だよね」
「きっと、ハールに入れ知恵されたのですよ」
 レリたちを見ながら、フェルディスとヒマラヤンが囁き合う。
「レリ王女は……いや、ハール王女は、攻性植物と、手を組む、つもり、なのか?」
 ソーニャが尋ねたが、レリは答える代わりに背を向けた。
「もう話すことはない。現時点をもって、グランドロンの不可侵協定も終了とする。貴様たちがグランドロンを探索するのであれば、我らとまた相まみえることになるだろう」
 そして、幹部たちとともに立ち去ろうとしたが、数歩も進まぬうちに立ち止まり、背を向けたままの状態で言った。
「あのマンジューとやらは美味かった……礼を言う」

 無人の卓の上に並べられた菓子をボクスドラゴンのぶーちゃんとウイングキャットのヴィー・エフトが貪っていた。
 その様子をもう一つの卓から見ながら、ヒマラヤンが誰にともなく問いかける。
「ハール王女は本当に攻性植物と共闘するつもりなのです?」
「だとしたら、あまり上手い作戦とは言えませんね。ユグドラシルとアスガルドは近すぎます。レリ王女はともかく、ハール王女が遠交近攻という基本的な戦略を知らないとは思えませんが……」
 エニーケが意見を述べると、ずっと考え込んでいたザイフリートが口を開いた。
「いや、遠交近攻を意識した上で攻性植物と与するつもりなのかもしれん。アスガルドの現体制を敵視するレリたちにとって最も近い敵は攻性植物ではなく――」
「――同じエインヘリアルか」
 と、スウが後を引き取った。
「外敵を利用して内ゲバを制するつもりなんだな。常套手段ってやつだ」
 ハールやレリの行動でアスガルドの内紛が激しくなれば、エインヘリアル全体の戦力が低下するだろう。
 それはケルベロスにとって歓迎すべきことではあるが――、
「素直に喜べないね」
 ――幽が溜息をついた。

作者:土師三良 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年2月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 9/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 16
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